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【秘】 橋本 雅治 → 環 由人 [だって、俺本当に馬鹿だから。 “登別”だって読めなかったし 読めないからそもそも本だって読まない。 本当に、他の生き方が選べたら、って 後悔しない日はない。 俺が俺じゃなくなったまま このままぽっくり死ぬまで……? じゃあいつ死ぬのかって、明日?今日? 終わりも見えない夜の道。] (-39) 2020/09/13(Sun) 13:05:03 |
【秘】 橋本 雅治 → 環 由人 [だけど、一緒に生きてくれるかもしれない人が 今、ようやくここに居る。 ここで手を離したら多分もう次はない。 きっかけが「眠れない」って一言だったとしても 「もっとずっと一緒にいたい」ってこと ちゃんと伝えられるかなって、思って……] (-40) 2020/09/13(Sun) 13:05:55 |
【人】 マリィ[一番拒まれたくない人に去られた衝撃は ゆっくりじわじわ、ざわつく心に染みていって] ─────は、 [自嘲の笑みが、零れた。 由人が帰ってきた頃には、ソファーの上に でかい図体を丸めて寝ているアタシがいるでしょう。 寝るには狭い座面に、 人と分け合える空間なんかない。 だけど朝が来れば由人は何事もなく お店に立つでしょうし、アタシも同じ。 家に帰れば何も無かったみたいに 「まあ相変わらず茶色い食卓ね!」なんて 褒めもせずにご相伴預かるのよ。] (85) 2020/09/13(Sun) 13:07:15 |
【人】 マリィ[結局、シェアハウスの話をしに 営業マンは時折店に顔を出すから 毎回曖昧に答えて終わる。 いっそ「じゃあ機会があれば……」って 引いてくれてもいいのに。 それを見たお店の子にも 「ママ、これ今誰も幸せにならないパターンよ」って 目も合わせずそっと囁き落とされたりして。 アタシは聞こえないふりして OLちゃんの愚痴に相槌を打つの。] (86) 2020/09/13(Sun) 13:07:44 |
【人】 マリィ [例えば───── 「美味しい」って言っちゃったら 由人はきっと嬉しいでしょう? あの無愛想な顔に笑みっぽいのを浮かべて 耳の端とかちょっと染めちゃったり、ね。 それを毎日言って、 ある日突然アタシが消えてしまったら その後どうやって生きていくのよ。 「愛してる」って言っちゃったら 由人はなんて言うかしら? キスは受け入れてくれたけど 結局、ダメだったじゃない。 アタシは何言われても平気。 そう、言い聞かせているうちは。 ……だけど、人間だから傷付くし血も出るわ。 もし「無理」って言われたら アタシこの先どうやって生きていけばいいのよ。] (87) 2020/09/13(Sun) 13:08:45 |
【人】 マリィ[そんなことを言ってるうちに 栗の季節は過ぎて、 白菜とかネギの美味しい時期になった。 コロッケのラインナップに カニクリームコロッケが入ったり ハンバーグのソースもきのこから デミグラスに変わっていく。 飛行機もホテルも予約して、 ガイドブックも付箋だらけになった。 北海道旅行の日程は、指折り数えられる程 ぐっと近くなっていたでしょう。 アタシは結局、来年までシェアハウスの話を ずるずる持ち越す気でいたし、 あれからアタシから由人を求めることも無かった。 「何も無かった」みたいなフリするのだけは アタシ、とっても慣れっこなんだもの。]* (88) 2020/09/13(Sun) 13:13:04 |
【独】 科学者 アーニャ/* ちゅーをしたのかー!きゃー! せつない。しあわせになって。応援の姿勢 マリィちゃんの名前と一人称の使い分けが大変良きです (-43) 2020/09/13(Sun) 14:40:34 |
【人】 かみさま 尊龍[赤い髪留めを届けた後は何事もなく祠へ帰り。 また犬の体に戻ってごろんと明け方まで眠っていよう。 そうしていれば、朝も早くからエリサがやって来た。 私は犬の体を起こしてわんと挨拶] わんわんっ [こんな朝早くからどうした? なんて犬語で聞きつつ、供え物をくれるなら喜んでばぐっといただこう。 はぐはぐと咀嚼しているとエリサが眠そうな目で私をわしゃわしゃ撫でてくる。 私は撫でられるままにエリサを見ていた] (89) 2020/09/13(Sun) 14:42:04 |
【人】 かみさま 尊龍[そうしていると、エリサが祠に向かって話しかけてくれる。 何々、死ぬかも、だと!?] くぅーん……、くぉーん……? [なぜだエリサ、昨日まであんなに元気だったじゃないか。 まさか、何かの呪いか? いや、そんな気配はない。なら、どうして……。 犬の私は心配げにエリサの周りをくるくる回って鳴いてみせては、労るように手や頬を舐めてやったりもした。 死ぬな、エリサ。お前はまだ若い。 顔色だって良いし健康そうじゃないか。 死ぬな死ぬな、死ぬと私はすごく悲しい!] (90) 2020/09/13(Sun) 14:42:40 |
【人】 かみさま 尊龍[やがてこてんと地面に横たわるエリサ。 まさか、ここで死んでしまうのか? はらはらと近寄るも、どうやら眠るだけのよう。穏やかな寝息にほっと一安心。 (寝る前になにやら妙なまじないを口にしていたが、昨今の人間の作法なのだろうか?) なんにせよ、ひとまず元気そうで良かった。 私が昔ほどの力があれば、エリサの言うその心臓の患いも治せたやもしれぬのにと思うと、やはり、今の己の無力さを痛感する] ……せめて、夢見は安らかであるように。 [ぽふりと犬の姿から人の姿になり、眠るエリサに膝枕をしてやろう。 さらさらと髪を撫でてその身の健やかなる事を祈ろう。 これからもエリサが健やかであるように、幸せであるように祝いを授けよう] (91) 2020/09/13(Sun) 14:43:09 |
【人】 かみさま 尊龍[そうして、エリサが目を覚ますまで人の姿のままそばに……、 と、思っていたが。 人間の感覚で10分?くらいで、エリサの持つ謎の道具が大きな音を鳴らし始めた] っ……!? [私はその音に驚いてぽふりと人から犬の姿に戻り、落ち着きなく妙な音がする謎の道具を犬の鼻でくんくんしたり、前脚でてしてししたりして音が止められないかと格闘しだした。**] (92) 2020/09/13(Sun) 14:43:45 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 皿を持ってきてくれた時 店員さんの下半身が蛇であることに気付いたけれど。 この世界にも、異形と呼ばれるものがいるのかと 少しだけ親近感を感じていた。 だけど、染みついた習慣で、 人間向けの笑顔を受かべていた。 異形でも、人間を食べないものもいるから 怖い話はしないでおこう。 君"も"人間じゃないんだね という言葉は飲み込んで 揺れる尻尾が、面白くて、また小さく笑っていた。 ――尻尾のある奴は初めて見たな ] (93) 2020/09/13(Sun) 14:54:42 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 頭の痛さと、飢えの苦しさに フォークを落とせば、心配してくれる声が聞こえた。] だい、じょうぶです 少し休めば、治まるんで…… [ チラチラと、瞳に紅を滲ませながら、 フォークを拾って、皿に戻した。] 残りは、後で……食べますね [ 片手で皿を持って、小部屋へと歩いて行った。 せっかく作ってくれたものだから、全部食べたくて。] (94) 2020/09/13(Sun) 14:54:45 |
【人】 空腹な迷い人 レックス― 個室 ― [ 机の上にナポリタンの皿を置けば、 掛けてくれた毛布にくるまって、丸まった。 美味しそうな匂いから遠ざかって 食べたい衝動が過ぎ去るのを待つ。 あの子が嫌いな、鬼にはなりたくなから] (95) 2020/09/13(Sun) 14:54:47 |
【人】 空腹な鬼 レックス― 嫌いな鬼の話 ― [ いつだったか、彼女に聞いた。] 鬼と共存したいなんて、君は鬼が嫌いじゃないの? 人間を喰うし、意味もなく殺すことだってある 怖がったり、嫌ったりするものじゃない? [ 白鬼なんかと一緒に旅をしているし、 共存する道を探しているとかいうし、 不思議そうにそう尋ねたんだ。 そうしたら、彼女は泣き出しそうな顔で笑った。] 『鬼は嫌いだよ、 僕の大切なものを奪う"鬼"は、嫌い』 [ 大切なものを、きっと奪われたんだ。 それなのに、なぜ共存を目指すのか不思議だった] (96) 2020/09/13(Sun) 14:55:10 |
【人】 空腹な鬼 レックス 『親も、養父も、大切な友だちも、 』みんな、みんな、"鬼"が奪っていった だから、僕は 奪う"鬼"は嫌い だよだけど、それは"人間"も同じだって、知ってるから (97) 2020/09/13(Sun) 14:55:27 |
【人】 空腹な鬼 レックス[ そう、人間も同じだ。 人同士で殺し合うし、大事なものを奪い合う。 人間の方が、恐ろしい時すらある。 そんな話をぽつぽつと話してくれた。 小さな頃に両親を、 鬼に殺されて、 引き取ってくれた養父も、 鬼に殺されて、 大切な友人も、 鬼に殺された ――友人は、それを受け入れてたようだが だが、人間を愛する鬼もいた。 護ろうとする鬼もいた。 人と同じだと、気づいたのだと 大好きな女の子が、鬼と共に生きる道を選んだから 自分も共存の道を探そうと思ったんだ。 そんな話をしてくれた] 君は変な子だね、いばらの道だ 白鬼は気まぐれに付き合ってるのかもしれないし 僕だって、暇つぶしで付き合ってるだけだし [ 鬼は、人と同じように成長する者もいれば、 白鬼の様に長生きなものもいる、 見た目を変えることができるものだっている。 自分だって、見た目は彼女と変わらないけど ずっとずっと年上だ。] (98) 2020/09/13(Sun) 14:56:49 |
【人】 空腹な鬼 レックス『それでいいよ、やるって決めたんだ オーリャと約束したし、義父さんにも約束した』 [ いつも何を考えているかわからない黒い瞳が その話をした時だけは、キラキラと煌めていて すごく――綺麗だった。 それから、彼女が大好きなオーリャという子に少し嫉妬した。 その子のために、嫌いな鬼を受け入れようと決めて いばら道を歩むなんて……] (99) 2020/09/13(Sun) 14:57:37 |
【人】 空腹な鬼 レックス…………僕も、なれるかな [ 不安そうに、ぽつりと呟いた。 俯いて、自分の掌を見つめた。 今は綺麗だけど、この手はたくさんの命を奪ってきた。 血の匂いは、消えはしない。] (100) 2020/09/13(Sun) 14:58:21 |
【人】 空腹な鬼 レックス君が好きになれる"鬼"に、なりたいな 『君なら、なれるよ……きっと』 [ いつも無表情な彼女が、笑った。 花が咲くように、愛らしい笑顔だった。 ――あぁ、好きだな どんなに辛くても、我慢しよう。 そう、胸に誓った。――それでも、欲求には抗えなくて] (101) 2020/09/13(Sun) 14:58:48 |
【人】 空腹な鬼 レックスアァ、お腹が空いた ――ダメだよ 血が欲しい、肉を喰らいたい ――食べちゃダメ もう食べてもいいよね ――それなら、僕を食べて [ 彼女の首筋に、牙を突き立ててしまった。 一滴、滴った血が唇に触れて、舌に触れて、 甘くて、美味しくて、 ……でも、苦しかった。ほんの一滴、だけど、 一滴でも口にしてはいけなかったものだった。] (102) 2020/09/13(Sun) 14:59:46 |
【人】 空腹な鬼 レックスごめん、なさい……ごめん、ゼノビア やっぱりダメなんだ……僕は、このままだと 君を食べてしまう [ だから、決めたんだ。 とある町で聞いた噂。 対価さえ払えば、 どんな願いも叶えてくれる魔女 時の魔女 グロリア・ベアトリクス に会いに行こうと] (103) 2020/09/13(Sun) 15:00:15 |
【人】 空腹な鬼 レックス 『ダメだよ、レックス 魔女に願いを叶えてもらうなんて 魔女に会いに行って、戻ってこれた人たちは ほとんどいないじゃないか。 あそこにいったら、君は死んでしまう』 (104) 2020/09/13(Sun) 15:00:57 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 必死に止めてくれる彼女の声を振り切って、 いくつもの街を通り過ぎ、あともう少しで辿り着ける。 そんな時に、ここに来てしまった。 でも、あの女の声が魔女ならば、噂は本当なのだ。 どんな願いも叶えてくれる魔女は、実在する。] 生きて、帰ってみせる…… [ 飢えの苦しみ、もがきながら 大好きなあの子の顔を思い出して、耐えていた。 異形と人との恋物語 悲恋となるか、それとも幸せなものとなるか。 ずらりと並んだ本棚に、 そんな物語の続きがあるかもしれない。**] (105) 2020/09/13(Sun) 15:01:51 |
【独】 助手 ランス/* あーーーーーーーにゃんとかわいい あーにゃさま ほんと すきすぎるし 世界観が 気になって気になって 堪らない ほんと気持ちを ぐぐぐって 引き込ませるのが 我が相方さまは上手すぎるるるっ…!! (-45) 2020/09/13(Sun) 17:12:53 |
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