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【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「……そうだね、君の言う通りだ」 「誰かと大切な話をしている、らしい……とも聞いた。 先生も、何でも知っているわけじゃないと言っていたから…… 本当のことかどうかは……私にもわからないけれども」 ひとつひとつ、先生から聞いたことを慎重に伝えていく。 その様子はいつもとは同じようでいて、少し違ってもいる。 いずれにせよこの恋心とは無関係とも言い難いものだった。 「シャルロッテくんは…… 何か方法があれば、いますぐにでも自分の病気を治したいと思うかね」 不意に、そのような事を尋ねる。 この学び舎にいる子供は、誰しも何かしらの事情を抱えている。 それを取り除くためにこうして生徒同士のふれあいを通してじっくり向き合っていくのが、このギムナジウムの姿だけれど。 バラニの言葉は、まるでその以外に夢のような特効薬があるかのよう。 (-92) 2022/05/03(Tue) 16:32:16 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス貴方が森に来たならば、それはもうこの場にいないもう一人が居なくなったあと。 だれが言いつけを守ったのかは、青年しか知らない話。 けれどもその場に残った彼は、どのみち貴方と邂逅することになる。 森の奥。灯りもない内。鬱蒼と生い茂る木陰の下。 何も見えない闇の中で、湿った音がする。 /* ヤベ分かりづらかったかもしれません 夜の森で別の人とワーワーした後の話になるので、 差し支えなければ既にこちらが森にいた形になると思います……! (-93) 2022/05/03(Tue) 16:39:57 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ「おや………そうかい?」 「うん、わかった、じゃあ場所を移そうか。」 「ちょっと待っててね。」 少年はそういうと、立ち上がって窓の施錠を確認し。 全てを確認し終われば、長い横髪を軽く掻き上げて、ろうそくに口元を近づけ、ふぅ、と消す。 随分暗くなった部屋。 足音が君の方へ近づいてきて、そして横に並ぶ。 「どこにいく?」 がらり、と入り口の扉を開ければ、廊下の明かりが差し込む。 少年は小首をかしげて君に問いかけていた。 (-94) 2022/05/03(Tue) 16:40:24 |
【秘】 半分の仮面 リアン → 月鏡 アオツキ「……なるほど。 無理に聞こうとは思っていない。今は、それでもいい」 何か知っていることがあるということが分かれば、今はそれで。 どうせ、いつかは聞くことになるだろうから。 「………」 うーん。やっぱりこの先輩。 したいことを実行に移しているだけなんだろうか。 「あの言い争いの火種の一つだったものな。 ふむ、逆に一人だけ呼ばれたことを気にする生徒もいるだろうしな。 つまらないかどうかはともかく、良い方法だと思う。僕も参考にさせて頂こう」 一人一人に配慮した方法で何かを成すことが難しいことは、自分もよく分かっている。 なるべく気を遣ったうえで、自分の目的を達成しているようだから大したものだ。 「む、そうなのか。 知らなかった。用がなくとも、円滑なコミュニケーションのために話しかけて良いものだと思っていた。雑談もその一つだと。 ……なるほど?」 優等生、には。少し間をあけて、そうだろうか……と少し歯切れの悪い返事をした。 (-95) 2022/05/03(Tue) 17:09:32 |
【人】 司書 エルナト>>27 フィウクス 「あはは、そうだね。」 「だって本を読むイメージがないもの。」 呟かれた言葉にくすくすと笑って。 少年は誰にでも分け隔てなく、平等だ。 そりゃあ、目上の人への敬意だとかはあるけれど。 誰かを嫌ったり、避けたり、疎んだりというのはない。 誰にでも人懐っこく接する。 「フィウクスさんは、音楽が好きなんだ。」 「そう言えば、前クラシックの話をしていたもんね。」 というのは、食堂の騒音を貴方が例えた時の話。 お洒落な例え方をするのだな、と思ったから印象に残っている。 好きというよりは、それくらいしか楽しめるものがない、が正しいのかもしれないな、と思いつつ。 "うまく付き合う"という言葉には、無意識にお腹をさすって。 「…悪化するかもしれないけれど。」 「何もしなかったら、ずっとそのまま、変わらないよ。」 「今が苦しくて仕方がないなら、怖くても何かに 挑戦したほうがいいんじゃないのかな。」 せめて少しくらい、読んでみない?と君がしまった本に手を掛けて。 (29) 2022/05/03(Tue) 17:12:04 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット"治療"の瞬間まで立ち会うことはできない。 だから共に歩めるのは森の奥、大人達のいる場所まで。 残り少ない道のりを一歩一歩確かめながら、進んだ。 本当に、このまま付いてきて良いの。 そんな思いを乗せるように、手が握り直される。 何が待っているのか、知らないわけじゃないと思うのに。 /* ヤババ そちら側に都合良い描写で問題ありません!!! 会ったのはワーワー後ということで了解です もう一人が居たことは知らないまま森に入って合流しました……!! (-96) 2022/05/03(Tue) 17:15:51 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 充溢 バレンタイン普段とは違う様子。 けれど、我を失っている、という訳でもなくて。 じっとあなたを窺う少女は、ふと息をつく。 「宿題」 「共有スペースでね、見てもらえるんだって。 メモがあったの知ってる?」 「ロッテは今から、部屋に取りに戻るところなの。 一緒に行こう、教えてあげる」 (-97) 2022/05/03(Tue) 18:17:07 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピスあなたの言葉を見るために、少女はゆっくり、歩を進める。 行き先は定まっていない。 それでも無意識に、何となく、外へ向かっていた。 きっと、神隠しの噂が脳裏をよぎるせい。 「そう、だね。 レンも不安になってるし、フィウクスもピリピリしてる」 「トットやクロノも、元気がなくて」 「少しでもいつも通りであるように、バラニが頑張ってくれてるけど……。 ロッテは、みんなのために何ができるんだろう」 ぽつり、ぽつり。 掠れた声が落ちる。 (-98) 2022/05/03(Tue) 18:18:23 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ大切な話。 ここで誰かと大切な話をするというなら、実習生の先生よりももっと上の――それこそ、大人の先生だろうか。 わからないなりに思考を巡らせていると、ふと。 あなたが口にしたのは、唐突にも思える言葉。 「…………病気」 ぽつりと繰り返す。 ここにいるこどもたちは、誰しも事情を抱えている。 それは、少女も例外ではない。 けれど。 「ロッテはね、いいこになるためにここに来たの。 大人の先生たちにいろんなことを教わって、いいこになって、家族のところに帰らなきゃ」 「でもそれは、すぐにはできないよ。 勉強すること、たくさんあるもん」 ――少女は、自身の病状を理解していない。 それに、『病気』だと言われたから、あなたとおしゃべりができるのだ。 「……バラニは?」 「バラニは、すぐに治りたい?」 けれど、例えばルームメイトのように。 神経質な上級生のように。 苦しいことがあるのなら、治るのはきっと、いいことだ。 (-99) 2022/05/03(Tue) 18:28:09 |
【秘】 充溢 バレンタイン → 夢見る乙女 シャルロッテ「え〜……そうだな…… そういうメモがあったのは覚えてるが、 僕、今少し調子悪ィんだよな……」 眠気がないことを調子が悪いと称しているよう。 いつまた溢れてしまうか分かったものではないもの。 「……大丈夫かな?」 確認するみたいに聞いてみる。 (-100) 2022/05/03(Tue) 19:21:56 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「……治るものなら、治したいと思うよ」 「この病がある限り…… 私は、家督を継ぐ者としては不適当な軟弱者だと。 生涯消えない烙印を押され続けることになってしまうのだから」 いつもは明朗なその調子にも、わかりやすく不安の色が滲む。 それは、貴族の子であるからこその悩み。 本来ならば、このギムナジウムにいることなどなかっただろうバラニがここにいる理由。 バラニの抱える事情は、とある貴族の跡取りとなるにあたり酷く不都合なものだった。 病気を治すことを彼だけでなく、彼の家族も強く望んでいる。 そしてその想いは、ある意味バラニを蝕む圧力のひとつでもあったが。 ▼ (-101) 2022/05/03(Tue) 19:27:22 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「……けれど、病気を治す……それだけではいけないのだ」 「ただ病気を取り除くだけでなくて…… 何者に負けないような強い勇気を持つ、跡継ぎに相応しい男に」 「真にならなければならないのだと、私は思っている……」 簡単な道を選んで得たものは、すぐに失われてしまうものだ。 勇気ある挑戦の先にこそ、本当に大切なものを得ることができる。 バラニが特別好む物語から得た教訓、少年に勇気を与えてくれる教え。 病気を治すことが目的ではない、心の弱さこそがその原因なのだから。 「私にも、しなければならないことはたくさんある……! 勉強も、皆の為になることも……だから、まだ治らなくていい」 その分だけ、君とも一緒にいられるだろうから。 病気を治さなければならない跡取りとしては間違いだとしても、バラニの気持ちとしてはそう思ってしまうところもあった。 (-102) 2022/05/03(Tue) 19:30:00 |
【置】 半分の仮面 リアン今日の夜も、風呂は一人で。 着替えも、誰にも見せないで。 戻ってきたときには、仮面をつけたまま。 目出し部分にこびりついた、赤黒い汚れを少しだけ残してしまったのは誤算だったけれど。 自室の鏡を見ては、まだ大丈夫だと言い聞かせる。 「……僕はこれでいい。 治す術が生き方を変える事ならば、治らなくても」 (L2) 2022/05/03(Tue) 20:04:49 公開: 2022/05/03(Tue) 22:55:00 |
【秘】 半分の仮面 リアン → 神経質 フィウクス君の寝台に手紙を一つ。 いつ見ても構わないメモのようなものだ。 『部屋においておけば、物は食べられそうなのか?』 (-103) 2022/05/03(Tue) 20:06:42 |
【秘】 雷鳴 バット → 充溢 バレンタイン「……ああそうか、だからいつも眠そうなのか。 なにかに振り回されるのは大変だ、全くわからないわけじゃない。 誰かに話すとしたら、キミを庇うときだ。面白半分には話さない」 誰かに誰かが責められることなどないほうが良いのだから、そんな機会はないほうがいい。 貴方のことは多く知っているわけではないけれど、 慮ることができることが多ければいい、というふうな態度。 森をゆく順路は軽く曲がってU字に曲がり、探しているうちにいずれ森を出るルート。 奥深くまで抜けてしまうなんてことはなく、迷うこともないだろう。 だから貴方がもしもこの場から先に抜けたいと思ったりしても、 どこへ逃げればいいかわからない……なんてことは、ないはずだ。 ちらほらと隠された罠のうちの一つをつつく。 あ、と小さい声をあげた。なにか成果でも、あったのだろうか。 ……かすかに血の匂いがする。脂と混ざって鉄臭く酸化した、危うい匂いだ。 こんな静かな森の中で、どこから漂ってくるというのだろう。 「こっちの方向に渡って来なければ、掛からない。 これは僕が仕掛けた罠だから。 大人がどう対策しているのかは、よく知らない」 (-104) 2022/05/03(Tue) 20:10:17 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス「きれい、」 なんて、夜空を閉じ込めたような美しい石に、 思わず口にしてしまって。はっとして口を手で隠す。 あなたからしたら、身を蝕む忌々しいものだろうに 少し申し訳無さげにしながら、視線を逸らす。 「 ご、ごめん…………。 ……石に、なっちゃうなんて……、 たいへんそう、というか……えっと」 なんと言えば良いのか、惑って 机の上のその手に、再び視線を落としながら。 「……こわくない?」 (-105) 2022/05/03(Tue) 20:15:12 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス言葉数少なく森の奥へ行く。青年は貴方にその理由を尋ねたかもしれない。 どうして共に森に入るのか、なんて。 森へ通い詰めているのを知っているのだから、理由はどうあれおかしな話ではない。 止めようと思っているのかもしれないし別の理由かもしれないし、 少なくとも本当の理由なんてのに気づいている様子は少しもなかった。 強いて言うなら、それを咎めて忌避する様子ではないことに、 申し訳無さとほんのわずかな嬉しさを、感じていたかもしれない。 光の差さない森の奥深くへと行く。音のする方、その先で。誰かが立ち上がる気配があった。 大人だ。教員を含めた者たちが複数名。 その表情には愉悦のようなものはなく、ただ渋面をこちらへと向けていた。 互いに誰がそこにいるかというのは、わかっていたのかもしれない。 だからこそ次の日の朝、青年は姿を見せなかったのだから。 ただ、どうして、青年なのだろう。何を治さねばならなかったのだろう。 目的を胸に抱えた大人たちの表情には、堅苦しいものが含まれていた。 「……ラピス、離れて。 下がって、早く庭に逃げるんだ」 青年の言葉は流暢だった。普段よりも明瞭で聞き取りやすい。 それは大人の前だからではない。隠していたからではない。 青年が、病気だからだ。病気を抱えているからだ。 それは、治さねばいけないものなのだ。 貴方に何も見せたくない。貴方に少しも疑いは持っていない。 ただ大人から庇おうとして、その前に立ちはだかったに過ぎない。 だから素知らぬ顔でそれを受け入れたってそうでなくたって、かまわないのだ。 → (-106) 2022/05/03(Tue) 20:18:46 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス貴方が、青年と大人のやりとりをどこまで聞いて、見ていたかはわからない。 貴方に背を向けた青年は、貴方が去ったとて関与しないだろう。 無理に連れてきてしまったと嘘をついて、貴方をかばいさえするだろう。 だから、貴方がその一言と、大人の手の先にあるものを見聞きすることがあったか、 それは貴方が選択すべき自由なのだ。 大人は、青年へと声をかける。 『お前が兎を殺したのか』と。 大人の手には、血の付いたリボンが握られていた。 (-107) 2022/05/03(Tue) 20:21:12 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト唯一の光の消えた部屋は、暗くて少し怖い。 間も無くあなたが傍に来れば、 殆ど癖のようにその袖を摘んで、並び歩く。 「えっと…………、 ……いいとこ知ってるから、着いて……来て、」 いつもより自信の無いような声で言いながら、 先導して廊下を歩き始める。 (-108) 2022/05/03(Tue) 20:21:15 |
雷鳴 バット(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/03(Tue) 20:23:27 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 充溢 バレンタイン人差し指を唇に当て、少女はすこし考える。 「一緒にいたら、不安になったときにそばにいられるよ」 「でも、一人でいたいときもある」 「今、レンはどっちだろう」 無理にみんなの中にいると、却ってよくないこともある。 例えば神経質な上級生なんかは、きっとそうだ。 だから、あなたに尋ね返した。 (-109) 2022/05/03(Tue) 20:42:48 |
【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテこのところ、意識が向くことが増えた森。 定まらない行き先をそれとなく誘導して、外からの風が頬を撫でる場所に。 換気というのは気分転換に丁度いい。 「………」 掠れた声で吐露される、周囲への心配。 今はその唇から歌が紡がれることはなくて、少し寂しい。 少女もきっと悩みを抱えているのに、他の生徒を案じる言葉が先に出てくるのは確かな優しさなのだろう。 日常を保とうとする努力が生む効果はよくわかっていた。 声を掛けられたら良かったのだけれど、この喉から漏れるのは音にもならない空気だけ。 だから代わりに、黒板が線を引く音を声にする。 『これは私がそう思うだけなのですが』 『私は、いつも通りじゃない時があっても良いと思います』 『全部が元通りでなくても、問題はいつか解決するときが来るから』 ▼ (-110) 2022/05/03(Tue) 20:43:00 |
【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ『皆の前で頑張る人が、報われてほしいと思います』 『だから私の前では少しくらい、いつも通りじゃないシャルロッテちゃんでも良いんですよ』 眉を下げた笑顔に後輩への心配と慈愛が混ざる。 自分の喉元をとん、と指先で叩いた。 それがあなたの喉のことを示しているのは伝わっただろうか。 『私では役に立てないことも多いかもしれませんが』 『いつでも相談してください。頼ってください』 『それだけ覚えておいてほしかったんです』 あなたが抱える気持ちを受け止められる先輩でいたかった。 その背に頼るか、頼らないか。 それはあなた自身の自由だ。 この小さな上級生が伝えたいことはそれが全て。 だから後は勉強会の話だとか、明日の日替わりメニューの話だとかを話してもいいし、もっと違う話をしてもいい。 ここから立ち去るかどうかも委ねられている。 (-111) 2022/05/03(Tue) 20:43:28 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ暗闇の部屋から抜け出して。 袖を掴まれれば、どうせならと手を繋ごうとする。 君の小さな歩幅に合わせるように歩いていく。 「うん、お願いするね。」 随分弱弱しいな、なんて思いながら。 素直に歩く。 君は今手に汗を握っているのだろうか。 そうだとしたら、エルナトは時折お腹をさする。 (-112) 2022/05/03(Tue) 20:57:39 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト「……わ、」 手を繋がれれば、大人しく繋がれる。 少しだけその反応が遅かったのは、 何か考えていたからなのだろう。 これからする事を考えて、 その手は緊張で汗に濡れている。 「…………あ、あのね、エルナトくん……。 神隠し、て、さ……この学校でも 言われてるのは、知ってる……よね?」 歩きながら、周りをきょろきょろ窺いながら、 まだ前置きであり本題ではないからか、喋り出す。 (-113) 2022/05/03(Tue) 21:14:48 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ昼間はあまり日の下で見ることのない青色の手。 机の上で置物のようになっていたそれを、 少し陽の光にかざしてまじまじと見た。 あなたの申し訳無さそうな謝罪も、気分を害した様子はない。 『不思議とこわくはありません』 『進行を抑制する薬を飲んでいるというのも理由だと思いますが』 『どこか他人事のように見えるもので』 恐怖より、日常生活に支障が出る困惑の方が勝るのは変な心地だ。 指先の動きに合わせて追随するそれは、確かに自分の身体の一部なのだけれど。 もう何年もずっと共に生きてきて、病という感覚が朧気になっているのかもしれない。 「………」 『変だと思いますか?』 (-114) 2022/05/03(Tue) 21:16:11 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ「大丈夫?」 「ちゃんと前を見て歩かないと危ないよ。」 心ここにあらずな君に苦笑して。 よほど何か悩みがあるのか、果たして自分で それを解決できるのか、思案して。 繋ぐ手が僅かに濡れているのが、尚更に 君の緊張を伝えてくる。 お腹が空いて仕方ないな。 不意に切り出された話題。 ふむ、と一呼吸おいて。 「うん、もちろん知ってるよ。」 「ただの噂だったけれど……こうも人がいなくなると、 なんだかちょっぴり怖いね。」 明日は我が身かも、なんて。 少し冗談めかして笑う。眉の下がった笑い。 (-115) 2022/05/03(Tue) 21:28:25 |
【秘】 童心 クロノ → 司書 エルナト「う、うん…………」 手を引きながら、向かうのは一回の廊下の先。 使われていない空き教室が物置代わりに使われいる、 そんな教室のひとつ。 今の時間を気にするよう外を見て、 誰にも後を追われて無い事を確かめるよう、後ろを見て。 「4人、居なくなった……もんね、」 「…………。」 「…………あのね、ここ、なんだけど……」 教室の戸に、手を掛ける。 廊下の突き当たり、非常出入口の傍の教室は。 何故か鍵が掛かっていなかった。 埃の香りが鼻腔を突く。 (-116) 2022/05/03(Tue) 21:39:38 |
【秘】 ライアー イシュカ → 神経質 フィウクス「病人だらけのこの場所より理解してくれる…… 個人じゃなく、場があるとは想像できなかった」 「“病人なんか”受け入れないからな……」 外と言う場所は。探すのすら億劫になる程には。 最も、精々が大学の範囲内しか見ていない。 このギムナジウムですら馴染めない人間が、希望なんて持てる筈なんてなくて。 一つ駄目だったなら駄目なのも当然だろう? 「母しかいないから、考えた事なかったな。 多分、嫌とか要らないって言うよりは…… 知るのが怖い、か。 母さんは僕が病気と判明する前に死んだから、 無色の思い出をぐちゃぐちゃに汚されたら堪らない」 随分と喋りすぎな気がするが普段喋らないような何人かと喋ったのに引きずられているのか、舌が回る。 饒舌さは異質を自覚した鬱憤による物とは気付かない。▼ (-117) 2022/05/03(Tue) 21:55:20 |
【秘】 司書 エルナト → 童心 クロノ殆ど来ることもない廊下の終端。 意義を失った教室が、ただ物を置かれるためだけに存在している。 もちろん、中には入ったこともない。 落ち着かない君の動作。 よほど誰にも聞かれたくないのか………… 君の様子をじっと見ながら、言葉には頷く。 「…?施錠されてないんだ。」 「随分人気のない所まで来たね。」 埃っぽさにけほ、と軽く咳をして。 中に入れば、軽く部屋の中を見渡してから。 「それで、話って?」 神隠しが何か関係あるのかな?と、君をまた見た。 (-118) 2022/05/03(Tue) 21:55:33 |
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