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【雲】 千葉郁也「…………………………………」 備え付けのリモンコで電気を消した。 時々ガサ…モソ…と音がして、 起きているのがわかる。 「……………………………………………………」 (D60) 2021/08/17(Tue) 21:29:52 |
【雲】 一年 市川夢助「……おやすみなさーい…」 飲み込まれた言葉を問い詰めるのはやめた。 布団の中の距離は縮まらないまま、 程なくして疲れきった身体は眠りに落ちるだろう。 (D67) 2021/08/17(Tue) 21:50:29 |
【徒】 一年 黒沢誉「……、やだ」 「い 、ま 顔 見ようとしたら」 「潰すッ……」 おそらく目を。 握りしめた拳から親指が突き出て抉る構えだった。 はっきりした拒否はそこだけで、触れられることへは何も。 そうなったことがないくらい触られて ぐすぐすと鼻をすする音もする。 弱らされている。とても。 (.62) 2021/08/17(Tue) 21:53:45 |
【雲】 千葉郁也暫くして。こっそり寝返りをうって、 暗闇の中で布団にうずまっている市川の顔を見た。 「……………」 寝ているのを確認すると、体を少し浮かせ 覗き込むように 口にキスした。 口を離して、寝ているのを確認すると また背を向けて、今度こそ眠りについた。 (D68) 2021/08/17(Tue) 22:04:27 |
【独】 千葉郁也嫌われていないのが奇跡みたいなものだ。 いや、わからない。 もう嫌われてしまったかもしれない。 謝罪も感謝も言い訳すら出てこなくて、 罪を犯した獣は、誰にも知られないまま 贖罪のように口づけを落とすので精一杯だった。 (-9) 2021/08/17(Tue) 22:11:11 |
【雲】 一年 市川夢助ぐっすり眠っていたのか、寝たフリだったのか。 どちらにせよ反応は返さなかった。 朝起きた千葉に、ご機嫌にぴっとりとくっついても、 それはよく眠れたお陰かもしれない。 (D69) 2021/08/17(Tue) 22:14:27 |
【徒】 勢喜光樹「…………」 「……そうなんだ……あはは……。」 小さい呟き。 触るのは、いいんだ。 許してくれるんだ。 こんなに甘やかされて、おかしくなりそう。 俺だけがこの顔をみてるんだ。 俺だけだ。 俺だけ。 俺だけの。 後ろに伸びる指が増えて、ばらばらと蠢いて。 そのたびに、内部を触れる。 痛みを与えないが、疼きを執拗に与えるような動きになる。 もはや、尋ねない。 確信したような動きになる。 ▼ (.63) 2021/08/17(Tue) 22:19:57 |
【徒】 勢喜光樹「ねえ」 のそりと、上から伸し掛かりながら。 「抱きたい、誉のこと」 腕で隠した顔を、上から見つめる。 「誉の口で、答えて欲しいな。お願い」 (.64) 2021/08/17(Tue) 22:40:28 |
【徒】 一年 黒沢誉「は?」 「…………」 しばらく無言だった。 荒い呼吸音だけがする。 「今更ァ……?」 嫌がらなかった。 止めさせなかった。 それで十分伝わっていたようだったのに。 そもそもそうしたいことくらいわかったから、 直球で言われなくても承諾していたようなものだ。 「…………勢喜先輩だったら、いい」 (.65) 2021/08/17(Tue) 22:49:16 |
【徒】 勢喜光樹何かを開く音。 小さな音がして、 それから、あなたの後ろから指を抜く。 代わりに、熱いものがとってかわる。 それが水音を立てて、やや性急に押し込まれた。 とはいえ、明らかに時間をかけて解された場所には、傷もつかないだろうが。 「………ッ、……………………、フー……ッ」 荒い息が零れ、水音が響く。 あなたを見る。 (.67) 2021/08/17(Tue) 23:07:29 |
【徒】 一年 黒沢誉「ん゛ ……ッ」 息が詰まる。 落ち着こうと吐く息が何度もつっかえて、 不随意に跳ねたり震えたりを繰り返す。 やろうと思えばいくらだってできた反抗は、なかった。 顔どころかほとんどどこを見ても赤く、湿っていて、 汚さないように準備しておいたのも正解だったろう。 とうとう気遣うような言葉さえ出なくなっている。 (.68) 2021/08/17(Tue) 23:14:11 |
【妖】 三年 堀江豊久「……ん……」 手の動きに合わせて甘ったるく啼く姿を言葉もなく眺め続けていたが、切れ切れに紡がれた言葉ではっとしたように瞬きをして、それから頷く。 鈴口のかたちを覚え込むように擦っていた掌がいっとき離れた。 自分のベルトに手をやると雑に前へぐいと引っ張って、片手でバックルを外す。 フロントボタンも外してしまえば、あとは腰にかかったあなたの手で下腹を顕にされる。 前を寛げて楽にされたそれは、素朴な好意から狂った執着まで一緒くたの熱を宿して、痛いくらい屹立していた。 「俺も、よくしてくれるん」 鼻先で微笑む。 様相だけは正気に近く見えたとしても、薄目を開けた薄茶色の瞳からは情欲と甘えでぐずぐずの心が漏れ出ていた。 ($20) 2021/08/17(Tue) 23:16:04 |
【徒】 勢喜光樹「…………ぁ、………ふ………、」 足を割り開いて腰を進めて、 落ちる汗を構わずに息を吐く。 「もってかれそ…………」 小さな呟き。 跳ねている様子に、動きを止めた。 相手の額に手をやって、髪の毛を払ってやろうとする。 腕が顔から外れて居れば、だが。 「……だいじょうぶ…?」 (.69) 2021/08/17(Tue) 23:37:26 |
【徒】 一年 黒沢誉力いっぱいシーツを掴んでいたうちの片手が、 改めて顔を――というより、見えてしまう目元を覆った。 「…………」 まだ嫌、らしい。 直視する方かされる方かはわからないが。 それでも一応頷きはする。 言われたことも分からなくなるタイプではないらしい。 (.70) 2021/08/17(Tue) 23:48:20 |
【徒】 勢喜光樹「…………」 頷く様子に、少しずつ体を前に進める。 あなたの足を抱えて、少しずつ奥に。 もうすっかり、馴染んだものだから。 あなたが沢山”気分”が良くなるように、 馴染みの箇所を思い切り掠めるように。 「かわいい」 鳴き声だ。 鳴き声。 あなたの無防備な胸板に顔を下ろした。 ぐい、と更に腰を押し付ける形になりながら、 体躯相応に引き締まった胸板に、優しくかじりつく。 「ここもきもちよくなるらしいけど………どう?……っふ、ぅ………」 胸の先端に口を寄せて、尋ねながら。 (.71) 2021/08/17(Tue) 23:55:41 |
【妖】 三年 井上清春掌がもたらす愉悦に溶かされた。 捕食者の目に囚われながら、 自ら火の中へ身を投じる愚かな兎みたいに、 今にも泣きだしそうな顔であなたに強請る。 よくしたい。 さわりたい。 おれのからだつかって。 見せつけるために開いた口から覗く舌は 赤く湿って欲を誘う。 体のいい言葉でほしがりで我慢できない本心を隠すさまは、 あなたのための純粋な奉仕とはもういえない。 指先よりもっと太いもので犯され、 匂いに満たされ味わいたい。 それに喉を塞がれ呼吸できなくなっても 望みなら全部受け止めたい。 きもちいいから。 「このままするのと、」 「どっちがいい?」 この体勢か、それとも。 ($21) 2021/08/18(Wed) 0:06:29 |
【徒】 一年 黒沢誉首をかしげた。 どこもだいたい、触られると気分がよくて、気持ちいい。 いちいち区別していられないから、 じゃあそうなんじゃねえかなあ、くらいしかわからない。 反応するような部位なら、たぶんそうなっている。 聞かれてもなあ。わかんねえなあ。 舌が回らないのでうまく伝えられないのだが。 (.72) 2021/08/18(Wed) 0:09:48 |
【妖】 三年 堀江豊久あなたが何を強請ったのかはすぐに理解できた。 ほんの一瞬だけ、逡巡が過ぎる。 けれどもあなたが吐いた赦しの言葉は毒のように全身に回って、迷いはみっともなく溶かされてしまって。 『それ』をしたらどうなるんだろう―― そんな、あなたへの剥き出しの興味を止められるほどの正気は、この場に残っていなかった。 「……」 「このままはしんどいやろ、キヨくん」 「いっぺんおきよ」 上体を起こしてあなたの腕を引く。 一度助け起こしたら、あとはきっとあなたの楽なようにさせるのだろう。 ($22) 2021/08/18(Wed) 0:34:48 |
【徒】 勢喜光樹「……?」 反応がないのを気にしたのか、 勢喜が顔をあげる。 だが、あなたの様子を見て何か納得したらしい。 そのまま、何度か身動ぎを繰り返したあとで、 つぶやいた。 「手、つなご」 (.73) 2021/08/18(Wed) 0:37:05 |
【徒】 一年 黒沢誉「ん゛……」 まだシーツを掴んでいた方の手が伸びて、 ぎちぎちと先輩の手を握りしめた。 力が籠りすぎて痛いかもしれないくらい。 下手に何か尋ねるよりも体温の方がわかりやすい。 (.74) 2021/08/18(Wed) 0:47:37 |
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