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【赤】 美雲居 月子[ 主導権を奪うつもりだった。 苦しげに眉をひそめて、 懇願する彼の表情のひとつでも 余裕綽綽といわんばかりの顔をして 見下ろすつもりだったのに。 ぜんぜん、うまくいかない。 情けない姿だと思う。 だが、それでも快感には抗えなくて。 懇願するように声をあげれば、 小さく了解が聞こえ、同時に 中から指が引き抜かれていく。 最後に入り口をひっかけられれば ] あぅッ! ……ん、っぁ、は… [ びく、と跳ねるが、達することはなく、 ただ火照ってやまない体を持て余し、 荒く呼吸を繰り返しながらなんとか ひくひくと痙攣する体を宥めた。] (*54) 2020/08/14(Fri) 23:16:24 |
【赤】 美雲居 月子[ 目尻に落ちた唇に、ゆっくりと目を開き、 切なげに眉を寄せて見遣った。 こく、とうなずいて、体を 動かそうとするのだけれど。 それよりも早く、彼の肩が ぐい、と押して背中が布団に沈む。 戸惑うように揺れる視線を向ければ、 足がぐい、と開かれた。 ああ、やっともらえると言わんばかりに ふ、と眉尻を下げ。指先を甘く噛む。 くちゅ、ちゅ、と穂先が 膣口にキスを繰り返すのなら 口元に置いたのと逆の手は シーツを強く握って。 瞳を揺らしたあと、ゆっくりと離し 腕を広げて。] (*55) 2020/08/14(Fri) 23:16:39 |
【赤】 美雲居 月子[ 瞬間、強く中をえぐられれば、 腰が浮く。喉が反る。] ぁ゛ッ───ぅ、!ひ、は [ 息が、詰まって、またじわり、 視界がにじむ。 ぼろ、と滴が目尻から溢れた。]* (*56) 2020/08/14(Fri) 23:18:07 |
【人】 美雲居 月子なぁんや、野暮なこと 聞かはるなァ…… [ それは内緒、と言わんばかりに そっと人差し指を唇に当てて。] 三谷さんは? もうええ人、見つけたん? [ と尋ねられたことの真意も よく察せぬまま、今度は逆に問いかけ。]* (65) 2020/08/14(Fri) 23:24:47 |
【人】 空閑 千秋─和宮さんと─ [彼女の問いかけに、少し答えに窮した。 落ち着いてはいるけれど、 これは様々な状態でハイになっているともいえる。 それは、女として抱かれたからだ。 女として、気持ちが落ち着いたからだ。] そうですね、女として抱かれて 少し自信は取り戻せたと思います。 だって、ほら。 ……こんなものも、付けてますし。 [こつ、と指先で首輪を示す。 先ほどまではなかった、白を彩る黒だ。 そうしてから浴衣の下側に手を伸ばし、 スルスルとその裾を割りたくし上げて見せるのだ。]* (66) 2020/08/14(Fri) 23:25:27 |
【秘】 空閑 千秋 → 和宮 玲[たくし上げ、微かに足を広げた先。 脚の内腿に薄い赤で刻まれた小さな傷が二箇所ある。 それはもう直ぐ、消えてしまうだろうけど。] 今は、二回。 これが朝まで何回に増えているかって 言われたけれどね。 …でも、増せるかしら。 増やしたところで、二度と合わないかもしれないけど。 [少し眉尻を下げた困り顔で笑う。 実際、増せる気がしていないのだ。 増やしたところで続く縁でも無いだろうから。 …自分でも見下ろして。 ふ、と息を吐く。]* (-61) 2020/08/14(Fri) 23:25:55 |
【独】 三谷 麗央/* 確認しないと怪しい 9月生まれ、25歳11か月。社会人4年目。 三都旅行は 2年半前だと23歳5か月。社会人1年目の終わり頃。 卒業時点で 22歳6か月。それくらいのイメージ。 (-62) 2020/08/14(Fri) 23:45:00 |
【秘】 和宮 玲 → 空閑 千秋…………そっか。 2回も抱かれたのね。 [私はそれを見て、多分だけど その意味を理解する。 私は無意識にその赤い花に手を伸ばす。 触れられれば、つぅ、と指先でなぞる。] ……増やせるよ。 きっと貴方なら。 それに貴方なら…… その中で、なにかを掴めると思う。 ……それが何なのかは、私も分からないけれど。 足を進めることができると、思う。 * (-64) 2020/08/14(Fri) 23:53:40 |
【人】 美雲居 月子 ───ロビーにて [ そやなあ、とぼんやり、また その白熱灯の灯りの方を見つめる。] いや、継がへんよ。 兄がおるさかい、兄が継ぐ。 うちは、…───嫁入りするのよ。 [ と、眉尻を下げて告げた。 そうして投げた問いかけに、 曖昧に返ってきた言葉。] (69) 2020/08/14(Fri) 23:58:49 |
【人】 美雲居 月子なんや、しばらくまだ 決まった人を作る気はないの? [ そう尋ねて。 いや、と小さく呟いて首を振った。] ───今のなし。忘れてんか。 そやなあ、…今好きな人とかいてる? [ 「気になる人、とか」と続けて。 2年半前、旅館にきたとき彼は確か、 かわいらしい女の子と一緒だった。 だが、曖昧に濁したと言うことは、 きっと別れてしまったのだろう。 夜半の戯れだ。 できるなら彼の恋の話を聞こうかと。]* (70) 2020/08/14(Fri) 23:59:06 |
【人】 三谷 麗央今、か。 好きかどうかは、……どうだろうな。 しょせんは、お試し。 って思ってるのかもしれないし。 誰かに恋愛感情持ってて、此処に泊まりに来るのは普通、 しないだろ? [言って、不意に可笑しげな笑みを月子へ向けた。] (72) 2020/08/15(Sat) 0:13:25 |
【人】 三谷 麗央……そういや学生の頃、な。 俺と月子さん、付き合ってんのって聞かれたこと、あったよ。 観光案内のサークルでね。 一時期、お客さんえらい続いた頃あったやん。 その辺の頃に。 [といっても、その頃には付き合い始めた相手が他に居たのだが。 社会人になって一年が過ぎようとした頃に関西を旅行して、 そして別れることになった彼女。] ……まあ実際、月子さんのことも好きやったけどね。 あの頃に彼女と付き合うてなかったら、 ……うーん。でもやっぱ、なかったな。告白とかは。 [しばらく考えて、軽い笑いと共にそう昔を語るのだ。 いま現在、から逸らすように。]* (73) 2020/08/15(Sat) 0:21:05 |
【人】 美雲居 月子 ───ロビーにて そやなぁ… [ 最後の一文には同意をしながら、 それなら結婚すると言っている 己はどうなのかと問いたい気持ちもあった。 だがそんなことよりも。] まだ好きかどうかはわからへん いうことはだれか気になる人が いてる、いうことやろ? [ 「ええなあ」と口元を緩める。] (74) 2020/08/15(Sat) 0:31:21 |
【人】 美雲居 月子[ そうして続いた彼の昔話に、 あげていた首を元に戻して、 きょと、と目を丸くした。 それから眉を寄せ、破顔して。] なんちゅう根も歯もない噂やの [ と笑ってしまう。 明らかにお客様と仲居、という 立場でしか話していないというのに、 人の噂というものは不思議なもので。 ちょっとした思い込みから 思いもよらぬ火種になったりもするだ。] (75) 2020/08/15(Sat) 0:31:41 |
【人】 美雲居 月子ふ、…おおきに。 ───なんやそれ。 [ 好きだったかもしれない、 ただ告白はしなかった、と言われて それには流石に苦笑してしまう。] うちはなァ… 綺麗な髪の人やなあ、思うてたかな。 [ ぼんやり浮き上がる、 岩場に積もった雪を思い出す。] (76) 2020/08/15(Sat) 0:32:03 |
【人】 美雲居 月子三谷さんの髪、派手やろ? そやけど、なんやろなあ… 不思議と、違和感はなくてなあ… [ と逡巡すれば。 懐かしいな、と目を細めた。]* (77) 2020/08/15(Sat) 0:32:20 |
【赤】 木原 敦久[衝撃で離れた唇を追いかける] ……いま、 あんたを抱いてる男の名前…… きこえた? [もう一度、噛みつくように塞ぎながら 彼女の腹の奥に幾度となくぶつかる震動を響かせれば ぐちゅぐちゅと結合部がみだらな音をたて] ふ…… は、 すげぇ熱くてうねってて 気持ちいい なぁ……あんたのいいとこも、もっと教えて [ちゅ、と音を立てて唇を離せば 身体の間で揺れる乳房に片手を沈ませ、 つんと立った頂をくりくりと指で捏ねてみようか*] (*58) 2020/08/15(Sat) 0:36:56 |
【人】 美雲居 月子[ 西は京都のとある老舗の旅館。 そこが女の生まれた家だった。 許された自由は25歳まで。 そのあとは───決められた人のもとへと 嫁ぐことが、生まれた時から決まっていた。 この場所へと来たのはリサーチのため。 とはいえ、それはもちろん表の理由。 本当の目的はわかり切ったこと。 その噂の真贋を確かめるべく、 わざわざ熱海くんだりまで足を運んだのだ。 結果、聞き及んだ噂は真実で。 こうして、つい先ほど知り合ったばかりの 男と肌を触れさせていた。 爛れた遊びをし始めたのは20を少し過ぎた頃。 10代の頃には色恋に耽ることもあった。 好きな人もいた。だが、ずっと一緒にいよう、 そんな些細な軽口のような約束すら 交わすことのできない身で長続きが するはずもなく。いつだって、向こうから 別れを切り出されて終わったのだ。 「25の歳が終われば、決まった人と結婚する」 それは、祖父が、経営が傾きかけた頃 親友に金銭を用立ててもらったときに決まった。] (78) 2020/08/15(Sat) 0:39:40 |
【人】 美雲居 月子[ 孫同士を結婚させることが条件だったのだ。 その親友は、祖母のことが好きだった。 だから、祖母との繋がりを持ちたくて、 そんなことを提案したらしい。 祖父は頷くほかなかった。 先に孫ができたのは親友の方。 祖父と祖母の間に母ができたのは遅かったし、 わたしが生まれたのも遅かった。 逆に親友の方は随分と皆早かった。 それで開いた年の差は20にもなる。 その約束のことについて聞かされたのは、 同級生の男の子に初恋をした、 小学5年生のときだった。 祖父に「好きな人ができた」と喜び勇んで 報告をしたら、静かに首を振られた。] (79) 2020/08/15(Sat) 0:41:32 |
【人】 美雲居 月子「月子、お前には許嫁がおるんや。」 そういって見せられた写真は、 親子程も年の離れた男。 お前は将来この人と一緒になるんや、 そう言われたとて実感は湧かなかった。 ただ、自分には選ぶ権利が、 将来を共にする人を探す権利が、 なにひとつ与えられていない。 その真実だけがぼんやりと浮かんだ。 16になって、結婚できる年になった頃。 本当はびくびくしていた。 青春を味わうこともできぬまま、 すぐに嫁に出されるのではと。 だが、祖父は「25まで待つ」と言った。 それまでは好きにしていい、とも。 事実、家族はわたしがなにをしていようと 咎めることはしなかった。 ───知らないのかもしれないけれど。] (80) 2020/08/15(Sat) 0:42:28 |
【人】 美雲居 月子今晩がきっと、最後になる。 まだ顔もよく知らぬ男の妻になるまで、 許された自由の日。 肌を重ねて、愛される。 その幻想を触れた唇の数だけ増やして。 囁かれた愛の言葉を胸に。 吐いた嘘の分だけ、重ねて。 仕舞い込んで。 自由を手に入れたかった女が、 最後に選んだのは愛だった。 一晩だけ、過ごした相手が運命で、 ここから連れ去ってくれる、そんな 幻想を抱いて日の出を待ったこともある。 だけど、そんなのは全てフィクション。 映画の中の出来事でしかない。 現実は、そううまくは行かないのだ。 (81) 2020/08/15(Sat) 0:43:58 |
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