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【人】 3年生 津崎 徹太[だけど、ここにきて、 一度は屋上から飛び降りようとしたり、 そして、今、自身で腹を滅多刺ししした、なんて聞けば、 ああ、この人、 本当に死ぬのかもしれない、なんて]** (87) 2022/09/12(Mon) 14:23:23 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 特別展 展示室 ―― [多分一人になりたいのだろう小泉さんがいるレストラン周りに行くのは避け、何とはなしに足を向けたのは、松本さんが倒れていた特別展の展示室。 10個の林檎頭の絵が並ぶ、あの陰惨な部屋。] ………………。 [むせかえるような林檎の香、私たちと同じ服を着た林檎頭の肖像たち。砕けた頭の4つが誰を指しているのかなんて、一目瞭然だった。] ………………。 ……?…………っ。、 [先刻、松本さんを介抱している時に、粘つくような視線を感じた気がしていた。 出元はおそらく、"私の絵"。 睨むように見つめていたら、その絵がじわりと動く気がした。] (88) 2022/09/12(Mon) 14:29:00 |
【人】 2年生 松本志信[深い霧の中、うろうろ彷徨って崖に出た。 黒い海が見えて、柔らかな色彩の青の中に岩山がひとつ浮かんでいる。 頂上には城みたいな建物が見えて。 ああ、あれは多分俺が入るべき墓なんだろうなって思った。 地上から切り離されて浮遊した山頂、あんな所に誰も来ない。 化け物のための、青空に浮かぶ揺籃。 行こうかって、踏み出して崖から落下する直前。 ぐっと引っ張られた。 誰かが手を握ってくれているのがわかる。 血を流しすぎて冷えた手が、片方だけあたたかい。] …、……… [振り向いたら、急に霧が晴れて。 “見たいと思ったもの” を見た───] (89) 2022/09/12(Mon) 14:29:13 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[自分の声のような。 でも違うような。 自覚よりいくらか高く、甘く舌っ足らずな風な声が絵の中の自分から聞こえ、気付けば己の絵の様相は一変していた。 それは確かに自分……なのだろうけど。 いかにも華奢で女性的な、首から肩の線。 シンプル極まりない黒いシャツは黒いブラウスに。 白パーカーはふわふわとしたカーディガンに。 肩にまで落ちている黒髪は、艶やかに緩くふわりと柔らかな弧を描いていた。 砕けた林檎に隠れた唇は、きっと私のものより数段赤く艶やかなのに違いないと、見えてもいないのに確信する。] (91) 2022/09/12(Mon) 14:30:11 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹────そんなの、いらない。 いらなくないでしょう? 欲しいでしょう? "これ"だったら、どこに出ても 少しも恥ずかしくない、 恋人同士になれるんだよ? さぁ──手を、伸ばして。 (92) 2022/09/12(Mon) 14:30:48 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[────などということは、なく。 ふ、と笑う私の手は、絵の中の、崩れた林檎頭に伸びていく。 うん、頑張って引きずりこもうとしているね。 掴まれた手首に長く伸びた爪が食い込む感覚が走る。 けど、そんな貧弱な力で引っ張られて、私が動くわけ、ないじゃない。] 要らないって言ったでしょう。 余計なお世話。 武藤が好きになってくれたのは、私であって、 あんたじゃない。 [掴んだ、崩れた林檎頭。 ぐ、と力を込めたら、更に崩れてぐずぐずになっていく。 ぎいいいい、と、悲鳴とも不協和音ともつかない音が絵から溢れてきて。] (94) 2022/09/12(Mon) 14:32:34 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹…………ね、どんな顔してるの。 見せてよ。 [凶暴な衝動に駆られるまま、更に握り潰して芯まで全部砕いてやろうとしたのだけど────直後、弾き飛ばされるように私の腕は絵の外側に抜け出ていた。 眼前には、最初に見たままの、パーカーにTシャツ姿の、砕けた林檎の私の肖像。] …………なんだ、根性無し。 [そう告げ背を向け歩き出したら、砕けた林檎へはもう振り返らない。**] (95) 2022/09/12(Mon) 14:34:53 |
【独】 2年生 松本志信/* 黒崎ちゃんかっこよ…!!!! うえーーーーん、起きちゃったよォ、うええん(´;ω;`) やだやだやだやだやだやだ生きたくない!! [じたばたじたばたゴロゴロゴロビタン] (-57) 2022/09/12(Mon) 14:40:21 |
【墓】 3年生 武藤景虎──現実・病院── [寝たり起きたり繰り返している合間、少し前にじゅじゅのかーちゃんが来た。>>+16 お返しにともらったチョコレート菓子の箱はどう考えても梅しばの10倍以上の値段の代物だったので面食らったけれど。 三人一緒にいるのが良いと夢の中で言われたことを思い出せば、一人で食うには勿体なさそうなそれをありがたく受け取っておいた。 足の怪我のためか本人は会いには来られないらしい。 じゃあこっちから行こうかと思ったけど、おそらく歓迎されていないことは雰囲気から察せられたのでやめておく。 いかにも箱入り娘って感じだもんな、という感想が浮かぶ。 うちはといえば親が必要な日用品とか着替え持ってきた以外は、 まるで健康体なバカ息子の心配をして損したと呆れて帰ったきりなのもあり。 病室覗いた時も、売ってるの見たことあるけど買う機会まずないシリーズの果物バスケットとかあったし。 病弱な娘とはその辺の扱いは家族間でも違いそうだ。] (+28) 2022/09/12(Mon) 15:23:45 |
【墓】 3年生 武藤景虎[それに自分の容姿を鑑みれば、親には悪い虫を警戒されるのも無理のないことだろう。 撤っちんも大概歓迎されないだろうなと頭の片隅で考えて。 こんな状況下でなければ、海外行くならついでに攫っちゃえば良いのになんてまた無責任なことを言えただろうけど。 まあでもその程度の訝し気な視線はどうってことはなかった。 戻ってこられない一人の価値を知っていて、その人を大事に思っている相手から不公平だと恨まれることを考えたら、余程。 その一人がどちらであってもその価値を知ってる故に、受け止めなければいけないことなんだろうとは、まだ覚悟ができていない。]** (+29) 2022/09/12(Mon) 15:25:48 |
【人】 2年生 松本志信[真っ直ぐと見つめてくる瞳はさっき見た青空の色で。 その唇がとてもとても辛いことを言うのを、聞いた。 多分泣きそうになってしまったのはこっちの方で。 人前で泣いたことないのにな、なんて。 熱くなっていく目頭そのままに、息を吐いた。] …そ、…だね。 [何でなんだろう。 小泉くんが、津崎くんが、どんな悪い事をしたっていうのか。ガラガラの喉で続ける我儘。]* 嫌だ。 (98) 2022/09/12(Mon) 15:38:36 |
【人】 3年生 津崎 徹太聞きました。 自分で刺したって、 すごく痛かった、怖かったですよね。 [そのまま顔を引き寄せて、自身の肩口に埋めて抱き寄せようとした]** (100) 2022/09/12(Mon) 15:57:54 |
【墓】 1年生 朝霞 純+27 [筆を徐々に進めて、絵の中の林檎も少しずつ形になっていく。 線は綺麗じゃないし、陰影も上手く捉えられているとは思えない。でも、私は描いた。 やがて、一枚のスケッチが出来上がる。 がむしゃらに描いただけの、少し歪な林檎。 中学やら高校やらの美術の評定は悪くなかったけど、お世辞にも上手いとはいえないその絵。 それでも私は、その絵を捨てなかった。 私が彼女を想って描いた絵。 どんなに下手でも、そこには彼女の思い出と私の想いが詰まっているのだから。 もう一度描きたくなるまでは、これでいい。 そのスケッチを枕元に置いて、事故に遭ったとき持っていた鞄の中からカモイレイの絵葉書を出して、それもスケッチブックに添える。目が覚めたら一番に見えるように。 私を想ってくれた人たちのことを、一番に想えるように。] (+30) 2022/09/12(Mon) 16:05:04 |
【人】 2年生 松本志信[紡がれていくのは望んでない未来。 でも、理解はしている。 もしもこれが津崎くんの夢なんだったら。 生きることを決められてしまった俺に出来るのは、向き合うこと。 突き放さず、逃げずに、受け止めること。] 話…、そだ、ね。おはなし、しよ。 [とりとめのない言葉遊び。 哲学の話、どうでもいい蘊蓄、今日の天気。 ただの“普通”なその時間が、大切だった。 目を瞑り続けたけど、君が好きだって話。 指先が髪に触れる。 繊細じゃない、手入れも行き届いてるわけじゃない。 ちょっとごわごわして触り心地なんて良くもないだろう、髪に。] ばかだなぁ。 今日も、明日も、いつでも、…一緒だよ。 [生きてたって、死んでたって]* (101) 2022/09/12(Mon) 16:14:49 |
【秘】 2年生 松本志信 → 3年生 津崎 徹太[そんな事、言われたこともなかった。 傍に居るひとは、居てほしい人はいつだって離れていく。 許してほしかった。 助けてほしかった。 傍にいて欲しかった。 ──ただ、愛してほしかった。] …っ、……! [ぱたぱたと涙が溢れて零れていく。] (-62) 2022/09/12(Mon) 16:18:59 |
【人】 2年生 松本志信 …、…っ めちゃくちゃ、痛かった 怖かっ、… [抱き寄せられるままに肩口に頭を押し付けて。 腕を回して、弱く弱く抱き締めた。 怖かったよ。 こんなに怖いなんて。] 津崎く、… を、喪う…かも …って [ナイフなんかよりも、ずっとずっと]** (102) 2022/09/12(Mon) 16:24:29 |
【人】 3年生 津崎 徹太チカさん、 俺、一つ、先に伝えておきたいことがあるんです。 [俺は、チカさんと長く話していて、 そして、屋上できいた話も十分理解して、 今できることをしながらも、 尚且つ、みんなから批判されることを言うんだ。] もし、俺が死んで、 そして、チカさんがやっぱり死にたいって思う毎日があるのなら……。 (104) 2022/09/12(Mon) 16:33:09 |
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