【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「勘弁しろよ。何の拷問だってなっちまう。」 ひく、と表情を引きつらせて 更にそんな失礼な事を重ねた。 真っ直ぐに自分を褒められるのは慣れていない。 父親を早くに亡くし、母親ともあまり過ごさず どちらかと言えば兄として振舞う事が多かったから。 唯一ハーモニカを教えてくれたあの人だけは 可愛がってくれたけれど、それもずっと昔の事だ。 「そういう言葉はお前が一番大事な奴に取っとけよな。」 (-121) 2023/09/24(Sun) 9:00:51 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ一度深く深呼吸をしたが、先程までの衝撃はなかった。 むしろその言動のお陰か自分の中で勝手に腑に落ちてしまう。 「……あんたを?」 ここで殺さなかったことがただの怠惰な延命処置であるように。 自分がこの手をどれ程伸ばそうとも変わるものと変わらぬものは存在してしまっている。 人一人が何を言おうと世界が変わることもない、諦めきってしまった心も同じように。 「わかった、――目が覚めたら最高のベッドに招待だ」 その手の事なら経験も理解も十二分にある、不思議と歓喜も嫌悪もない。 自分も確かにその頬を殴るよりははるかに得意分野だった。 この身が誰かの為に求められるのならいくらでも支払えて、都合よく振舞えたのだ。 罪に興味がなくなったようにアタッシュケースの横を通り過ぎ靴音を立てて目の前へ。 片手で綺麗に整っていたネクタイを少しだけ緩め、貴方の胸元へともう片方の手を一瞬だけ触れさせた。 指を撫ぜ避けていき、布の重なった部分を二本の指で挟めば直ぐに一つの釦を飛ばして次の段。 丁寧かつ手慣れた手つきで少し開けさせれば、そのシャツを掴んで渾身の力で引き寄せ顔を近付けた。 「俺は安くないが、楽にしてやる」 (-122) 2023/09/24(Sun) 9:04:12 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → corposant ロメオ甘ったれてちゃあならない、の言葉にわずかに肩を揺らす。 自覚はあるらしい。 「……はい。今は分からないこと、知らないことだらけで。 これから勉強していければと思います」 とは言うものの、部下を持ったり出世したりだのの話は遠い未来のことのように聞こえた。 生まれてからずっと先の未来なんて、永遠にやってこないような気さえする。 「……責任は怖いです。重いです。 でも、逃げる方がもっと怖い……」 生きるための逃げはありだ。でもこれは茫漠とした未来に怯えているだけ。 その認識ができているから、そこから逃げようとは思わない。 それから続く言葉にはっとして。 「俺、ロメオさんに俺を信じてって言いましたね……!? いや、騙したりとかそんなことしませんからね」 わたわた。おろおろ。 そんな擬音が似合う狼狽えっぷりに、貴方のことを疑っている様子は微塵もなかった。 (-123) 2023/09/24(Sun) 9:05:04 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ「顔だけだな、今は。これぐらい直ぐ治る」 貴方の気遣いにもされるがまま。 ある種協力がない姿勢に、普段からしなれていなければ手こずったかもしれない。 「何が起きても、不思議じゃない……ああー……。 牢屋の中でやけにけが人が増えているんだったか……、 誰がやってるんだろうなあ。 想像はつくが、まあ、いい」 「ん……? 抵抗ぐらいは知っているが。 されて嫌なことは抵抗ぐらいする。 嫌じゃないことは、大体許せるさ。誰にだって、お前にだって」 (-124) 2023/09/24(Sun) 9:19:03 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ「あーそうかい。笑ってくれて結構。 その前のお前個人を調べていたのに、何が起きたかまで分かるわけないだろ……」 男が貴方について調べられたのはある程度の個人情報だ。 周りからの噂、簡易的な履歴書のようなもの。 貴方という人間性を特定するような情報が何処かにあっただろうか。 急ぎであったあの日から資料と記憶は遠くに追いやってしまった。 そして貴方の態度からもしかして、と何か思い当たることもあったが考えるのを止めた。 此処ではあまり関係の無い話だ。 「態々秩序を体現したようなお方があんな無頼漢に……働き者だねえ」 馬鹿にするつもりもない。 ただ、真っ先に狙いに行く対象としては正に正しく、その熱意と行動力が本当に恐ろしいと思った。そんなに嫌いだったのかと。 「で、結局だ。俺が聞きたいのは、 お前を此処に放りこんだ奴らを恨んでいるかって話だ。 そしてそれは 誰だと思っている のか、それを尋ねたい」 (-125) 2023/09/24(Sun) 9:35:13 |
【秘】 無敵の リヴィオ → 暗雲の陰に ニーノ5日目の午後、君を訪れて一人の男がやってきた。 その面は記憶喪失でもなければきっと、 まだ君の記憶に残っている……と信じたい。 今まで仕事のせいだと言い訳をして、 ここに来るのは避けていたんだが。 「…………やぁ、ニーノ」 いつも通り、とするには多少元気がない。 無敵を撤回した方がいいのかもしれない、早々に。 まぁそれはともかく、軽く様子を見ておきたかった。 どんな表情を向けられるとしても、 君に会っておきたかった。 この先のために。 (-126) 2023/09/24(Sun) 9:35:45 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 暗雲の陰に ニーノその日ふらりと一人の男が貴方の牢屋の前で止まった。 何故か彼の傍には警官も誰もついていない。 この男を貴方は町中で見かけたことはあるかも知れない。 挨拶程度はしたかもしれないがまともな会話はしたことがないだろう。女連れが多い、金持ちの放蕩息子だ。 特例なのだろうか。実際はほんの数分見逃されているだけで特別な権力など何も持っていないのだが。 眠っていれば暫くして通り過ぎるが、何やら様子を見に来たのかしばらくの間はその様子を眺めていた。 (-127) 2023/09/24(Sun) 9:46:06 |
【人】 無敵の リヴィオ>>13 >>14 ダニエラ 『銀のヘアピン』を壊さずにいた理由は 単に壊したところで怪しまれるだろうという点と、 君に疑われるのならそれもいいかと考えてしまったから。 流石にルチアーノとのやり取りの際には上着を脱ぎ、 ベンチへと放り投げて会話の一部を隠していたが、 それ以外は敢えてずっとポケットの中に仕舞いこんでいた。 君がこれを贈り物とせずにいてくれたことが、 男にとって何よりの救いなんだろうと思う。 男は今まで何かを受け取る側にはなれなかったからこそ。 言い訳がないことに安堵したのか。あるいは胸を痛めたのか。 どちらとも言えるし、どちらとも言えない表情を浮かべて、 少し伏せた視線は、また君へと戻されていく。 「……はは、残念がってくれるのかい? それは嬉しいものだね、惜しまれるとは思わなかった」 こんな男だが、何故か慕ってくれる後輩は居た。 嘘ばかりで、嘘の自分を慕われることが苦しかったが、 彼らとの日常は、とても楽しい日々だった。 それは確かに、嘘じゃない。心からの本音だ。 #specchio ▼ (15) 2023/09/24(Sun) 9:48:24 |
リヴィオは、リヴィオ・アリオストは嘘吐きだ。 (a12) 2023/09/24(Sun) 9:49:24 |
リヴィオは、別に、無敵なんかじゃあない。 (a13) 2023/09/24(Sun) 9:49:46 |
【人】 リヴィオ>>13 >>14 >>15 ダニエラ 「どうして欲しい、か……そうだね」 考えるような素振りを見せるが、答えは既に決めている。 任されたから為すのではなく、それは男が決めた答えだ。 わざとらしい笑顔に切り替え、一呼吸置いてから。 「一緒に自首しよう、ダニエラ君」 「その一度きりのデートでは満足とは言えないだろうから、 全てが終わったその先で犬カフェにいこう」 未来はいらない。ここで破滅してしまいたい。 そう考えていた過去を思えば、 未来の話をする男はきっと、少しは前を向いている。 お節介で、お人好しで、物好きなやつらのおかげで。 それにきっと、終わることを許してくれないんだ。 仲間の一人を思い浮かべて、思わずため息が出そうになった。 「……そういうのは、駄目かな?」 わざとらしい笑顔は外して、何処か伺うように、 やっぱり弱々しさのある表情で君を見る。 傍から見れば君に振られた失恋男って感じだ。 まだ振られてはいない。色気のない口説き文句ではあるが。 #specchio (16) 2023/09/24(Sun) 9:50:56 |
リヴィオは、ただのひとりの人間だ。 (a14) 2023/09/24(Sun) 9:52:02 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → favorire アリーチェ「アリーせんぱいも……ダニエラさん経由なんだ。 怒らせたって、何したんですか? 言いたくなかったらいいんですけど……」 まさかその名前を聞くと思っていなかったから目を見開きつつ。 手を取られると「ぃ、」と声が漏れた。痛かった。 でも、心配は嬉しかった。 腫れ上がった手にはひとつ、穴が開いている。血こそ既に止まってはいるが。 「あはは……オレは、ええと、イレネオせんぱい怒らせたかなあ……。 取調べ中にえいってペン刺されちゃった……骨までいったみたい」 軽く伝えたつもりだが恐怖はそう簡単に消えやしない。 指先が僅か震えていた。 (-128) 2023/09/24(Sun) 9:54:35 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → corposant ロメオ/* ありがとうございます、嬉しいです! そして面会についても問題ありません。 来ていただけるのならとてもとても嬉しいので墓の下でお待ちしております! どうぞまたよろしくお願いいたします。 (-129) 2023/09/24(Sun) 9:58:26 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレニーノという少年に対してはやはり若干の申し訳なさが残ったが、ここでは置いておこう。 貴方達や周りが助けていると良いが、果たして。 「あー」 そうきたか、と。貴方が怒っているのがよくわかる。 感情をむき出しにしていない所がいつもと違って本気であることも。 「わかってるよお前のことぐらい、適当に言っていない」 「そしてお前以外にもあの男を狙っている奴は……少なくないだろうよ」 一人二人、そういう問題ではないと丁寧に説明する。 その上で貴方のその心の傷をどうこうできるとは思わないが。 「だが、今回の件に関して俺は『殺しに行く』事を認めない。 ――ボスの指示を待て。お前に『言う』最低条件はそれだ」 「感情だけで動かんでくれ。 気持ちは分かるがお前はノッテの人間だろう」 さて、言うことだけは言った。 あとは貴方が言いたいことをいえばいい。 説得させるでも、無視するでも、分かったふりをするでも良い。 どうせ貴方の手綱は握れると思っていない。 何故なら、自分はそういう男だからだ。 (-130) 2023/09/24(Sun) 10:00:21 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「いや……すまん、誰にでも言う。 だが一番大事な奴……?」 あまり貴方の事ばかり聞くのもフェアではないか? いや、聞かれてないから答えなくともいいな。 思い浮かべて、一番、一番。と。 何を基準にすればいいかわからず、かつ直ぐに浮かぶ名前は無かった。 命をかけるという意味ならボスだっただろうが、貴方との会話での流れであれば違う物だと思ったので。 「……お前じゃないのは確かだが。 俺はお前も大事だから、そこまで卑下をするな。 男で飲める知り合いなど片手ぐらいしかいない」 あれだけ女を連れていてまともな友人はいないというのだから。 貴方という存在は一応かなり男の中では貴重であるのだという。 (-132) 2023/09/24(Sun) 10:07:29 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「いや、卑下してるつもりはないんだが。 褒められるのってこそばゆくてさ。 それもいつも女を侍らせてるお前に言われると 余計に落ち着かないしビビる。」 素直に、少し困ったように言うだろう。 「…まあ、居たら刺されそうか。 俺も此処まで言えるのはお前くらいだよ。」 何処までも遠慮がない。 (-133) 2023/09/24(Sun) 10:35:31 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ表情の移り変わりを見つめる。 先程の笑みより今のそれのほうがよっぽど良かった。 だってそれはまだ、分かるような心地がしたから。 動きに気付けば緊張で喉奥がふるえた。 けれど、投げかけた問いに返る返答を。 耳にすれば、呆けた表情を浮かべて。 それから。 「…………はは」 笑った。 ここに来て、初めて。 声を出して、可笑しそうに。 ああなんだ、そういうことか。 [1/2] (-134) 2023/09/24(Sun) 10:39:51 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ「そっかあ」 「……すごいね、イレネオせんぱいは」 「この国を、あいしているんだ」 隔たりを見た、それはどうしようもないものだった。 でもならばと、ようやく何かが腑に落ちた。 「オレはさ」 ゆるりと瞳を細める。 ペンを手に取った貴方の手を、震える指先が撫ぜた。 「…… オレの隣人しか 、あいすることができないよ 」なんだかすこし、かなしかった。 [2/2] (-135) 2023/09/24(Sun) 10:41:35 |
【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>15 >>16 リヴィオ きっと女が昔のままの女だったなら。 あなたに贈られたものは『銀のヘアピン』であり、愛らしいヘアクリップは今も女の手元に残されていた。 そもそも、いつも通りに何の脈絡もなく突然ヘアピンを贈りつけるだけで全ては事足り、今こうして共にパラソルの落とす影の下語り合うことだってなかったはずだ。 そうしなかったことが、女の敗因であり。 そして、あなたの救いであるらしかった。 女の手が止まる。 しゃくり、と匙をジェラートとコーンの隙間に刺した。 ミントブルーの瞳がそんなあなたを映す。 だけど女にはどうしても口にしなければならないことがあった。 「…リヴィオさん。」 #specchio (17) 2023/09/24(Sun) 11:07:50 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオオジサン、だなんて自ら口にする貴方にころりと笑声が転がり落ちた。 それはそうだ、ふたりぶんにしたって追いつきそうにはない。 見上げて移るものはかつてと比べれば過ぎ去った年を想わせるもの。 それでも貴方の言葉通りなら、重ねてきた全てが形作る暖かさでもある。 ならばなんだろう、愛おしい、とも思うような。 「オレが、誰のための警察になりたい、かあ……」 なんとなく空を仰いでしまったのは、わかってしまった気がしたから。 この場所に辿り着いてから幾度となく感じる足場がぐらつくような感覚。 その正体はきっと、忘れてはならないと伝えられたそのものが土台として未だ成していないから。 流れる厚い雲が見えた。あのように生きていたのを、そろそろ。 自分の足で立ち上がらなければならないのかもしれない、と。 「……うん」 「全然、ありきたりじゃなかった、です!」 そうして顔を動かせば、にっと笑って貴方を見つめた。 「自分に足りないものも、自分が考えなくちゃいけないことも。 そんな自分でも今、できることも。 ヴィトーさんの言葉で見えた気がするから、ありがとう……ございます」 「きっと今のヴィトーさんみたいになるにはまだまだ時間かかるだろうけれど…… ……でもいつか、もうちょっと立派になったところも。 ヴィトーさんに見て欲しいな、その時にもありがとうって言いたい」 人があまりいないのを、そして貴方がきっと拒まないのをいいことに。 少しだけ身体を傾けてそちらへと寄り添い、またパンを一口含む。不思議と先程よりも甘い気がして、瞳を細めていた。 (-136) 2023/09/24(Sun) 11:09:09 |
傷入りのネイル ダニエラ(匿名)は、メモを貼った。 2023/09/24(Sun) 11:09:21 |
【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ「そうだな、意味はない。 此方が渡すのはただの事実だ。思想如何は人に聞け」 実際は、別に客観的事実に限らないのだが。 "この"情報屋は、人にそうしてほしいので。 「……その道行きの幸を祈る。 もうこの夢に来ることのない、花浅葱の君」 ──ぱちん そうして、泡沫の夢は弾けて溶け消えたのだった。 「──良い夢を。おやすみ」 (-137) 2023/09/24(Sun) 11:09:23 |
【秘】 リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「はは、嬉しいことを言ってくれるね。 …それなら、そういうことにしておこうか」 反射的に否定しかけた言葉は飲み込んだ。 嘘ばかりの男ではあったが、 そういう部分は確かに自分が残していたものなのだろう。 だからそんな自分を、少しだけ肯定する。 「了解、寝る前までには必ず目を通しておくよ」 頭を下げる君に任せてくれと、もう一度告げて頷いた。 本当はきっと自分が何者であるかを、 君に伝えるべきなんだろう。 ただ今それをすれば、自分はきっと崩れ落ちてしまう。 まずはすべきことを必ず成し遂げてからだ。 「それじゃあ、明日……頑張ろう、エル。 きっと君ならやり遂げられるさ」 君に出来ないはずがない。 その期待や信頼は本物で、同時に願いでもあった。 早くこの法に終わりが来るように。 そのためにも執行役はさっさと退場するべきだ。 俺も、彼女も……表舞台はまともで有能な人間に任せよう。 言い終えれば「また明日」と明日の約束をし、 君の前から立ち去ろうとする。 次に会うのはきっと、全てを終えたその先だ。 (-138) 2023/09/24(Sun) 11:09:24 |
【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>15 >>16 >>17 リヴィオ 「あたし、捕まる訳にはいかないんですよねえ。」 女は、中途半端な蝙蝠だった。 獣の仲間にも鳥の仲間にもなれないままの、そんな本物の半端者だった。 それでも、女の心だけはいつだってひとつであったつもりだ。 だから女の言葉はその通りで。 ただやっぱり少し困ったような顔で、あなたのことを見つめている。 「…見逃してくれませんかあ?」 そんな甘言。 法を悪用した罪人の、それは最後の足掻きであるはずだった。 そして女は足掻かなければならないはずだった。 空浮かぶ雲の色濃く深い曇り空。パラソルの影と同じだけ、周囲の景色も暗くなる。 #specchio (18) 2023/09/24(Sun) 11:10:00 |
【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>15 >>16 >>17 >>18 リヴィオ 匙をとり、ジェラートをそっと口に運ぶ。 「そおいうわけには行きませんよねえ。」 「そおしたら、また別の人が逮捕されちゃうかもしれませんしい」 それはあたしも困ります、と。 女はここにきてようやく、いつものようにけらけらと控えめに笑った。 「ただひとつだけえ、聞かせてくださあい。」 「あたしはずうっと、 あなたたち を探していたんですけどお。」「…リヴィオさんは、最後のひとり…ですかあ?」 それだけは、聞けないと安心だってできないもので。 でも、もし違っていたら、どうしようか。 もう少し足掻かないといけないな、そのときは。 #specchio (19) 2023/09/24(Sun) 11:12:42 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレぽた、ぽた、ぽた。 貴方が涙を落とすのを見ていると、胸が酷く締め付けられる。 抱きしめたかった、涙を拭いたかった。 その願い全てを、遮る鉄格子が邪魔をする。 だから、せめてもの代わりに。 「……だいじょうぶ」 「だいじょうぶだよ、ねえさん」 言葉を、伝えて。 笑みを、うまくできてる? わからない、それでも。 じゃらり、手錠の音が鳴った。 痛むのを構わずに、左の指先を伸ばし。 せめてと届く位置にあるだろう、貴方の手をそぅと撫でる。 「…………来てくれて、ありがとう」 全てが有耶無耶になったような心地がする今も、確かに感じる愛情を受け取るように。 「顔、見られてうれしかった」 (-139) 2023/09/24(Sun) 11:19:27 |
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新