【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラ「笑って、いましたか? 不器用なんですよ、表情を作るのは。 今、悲しんで良いのか怒って良いのか。 許して良いのかわかりません。 でもあなたの立場だったら私は、 ――きっと彼を殺していました、文句が言えません」 男は高熱の少年と縁が深いわけでも無い。 ただ、少し話しただけの浅い関係だ。 だからこそ、あなたに何も怒りの感情を向けられない。 ただそこにあるのは興味と、少年への憐れみだ。 「私は知りたいだけです、あなたの目的と、 ニエカワさんの行方を。 彼と取引をしたんです。 商品が手元に無いのは可哀想ではありませんか? 一緒においてあげたいんです。 彼がなけなしのお金で掴もうとした夢ですよ。 それに答えたいと思うのは当然じゃ無いですか」 (-173) 2021/07/07(Wed) 12:15:53 |
【秘】 遊惰 ロク → 発熱 ニエカワ「――――、 恨んでねェって、そいつはお前サン――」 絶句、そうして絞り出す様な声。 ――誰かがその死に関与した、と。 まるでそう言っているかの様に聞こえる。 「ア゛〜〜〜〜〜……」 しゃがみ込んで腕に額をつけ、小さく唸る。 己の正気を信じてはいない。これが只の妄想の可能性だって有る。 けれどもこんな、都合の悪い幻覚を男は知らない。 しかしただ唸ってばかりもいられまい。 立ち上がり、フラリフラリとベッドの側へ近寄って。 「……坊チャン、なにがどうしてこうなっちまったんだろ」 沈む声を無理やり柔らかに響かせて、問い乍ら。 少年の頭に手を置こうとして―― きっと、その手は空を切った。 生者は、死人に触れられない。 (-174) 2021/07/07(Wed) 12:19:24 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク肩で息をしていた男は、俯いたまま僅かに呻く。 漸く上げた顔は、憔悴しきったものだった。 何かを言おうとして、……口を噤む。 そんな事を数度繰り返し、漸く声にした。 「……。そこまで言うなら、どうぞ」 重い足取りを隠しもせず進む。 扉を開けると、肩越しに貴方を見た。 「見る方が、早いでしょうから」 男の後ろをついて歩けば、手術室に辿り着く。 (-175) 2021/07/07(Wed) 12:33:13 |
【神】 焦爛 フジノ朝。そうだと、思われる時間。 こんこんと二階の病室の扉を叩き、次いで声を掛ける。 どちらにも返事は、ない。 ……どこかから、鉄錆のような匂いがする。 先日の猿肉だろうか?嫌な予感が、した。 「……ミロク、さん。おじゃま、するね」 そう告げて扉を開ければ、鉄錆の匂いは更に濃くなる。 視界に入ったのは、まだ鮮明な赤。 そして赤に染まったベッドに横たわる、ミロクの姿。 「……あ、あ……」 寝ているのだろうか?そんな事を一瞬考えてしまう表情。 否、彼はもう死んでいると首の滅茶苦茶な縫合跡と鉄錆の匂いを発する 赤 が告げている。───優しかったあの人は、もう存在しないのだ。 雨風の音を縫って、少女の悲鳴が病院に響いただろう。 (G0) 2021/07/07(Wed) 12:46:47 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク 先程まで商人が腰掛けていたベッドを見下ろし乍ら、 乾いた声でボソリと呟く。 「おれァ、先の方だったかなァ」 小手先ばかり、口ばかり。 種も仕掛けもある奇跡で生き永らえ乍ら。 それを信ずる事を諦めている。半ば、恐れてすらいた。 一人残された病室の中、返ってくる声は無い。 直に男も部屋を出て行き――その場に、静寂が訪れた。 (-176) 2021/07/07(Wed) 12:48:57 |
タマオは、悲鳴を聞いた。それはそれとして飛来した屋根瓦が開けた穴を塞ぐ作業を続けた。 (t28) 2021/07/07(Wed) 13:12:15 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 遊惰 ロク「なんでだろ……台風で皆おなか減ってるからかな…… どうしてもそうしなきゃ、ダメだったんだと思う」 伸びる手に撫でてはもらえなかったけど、少年は目を細めた。 微笑みを浮かべたまま語られる言葉は淡々としていて、悲しみの色は見えない。 「ロクは、もう" 食べた "……?」残酷な問いかけをして軽く小首をかしげた。 (-177) 2021/07/07(Wed) 13:18:07 |
【神】 被虐 メイジ「────フジノ?」 耳をつんざくような悲鳴 >>G0 が聴こえ メイジは慌てて二階へと駆けあがった。 途端にただよう奇妙な匂い。違和感。嫌な予感。 「フジノ、一体どうし──」 そして、視界に飛び込んできたのは、鮮やかな赤。 「────ひッ……」 メイジは目を疑った。足が竦んだ。 むせ返るにおいに、吐き気を催した。 一体誰が? なぜ? どうして? ──いや、今はそんなことを考えている場合ではない。 「……だ、誰か……誰か……っ!!!」 少女の悲鳴に続いて、二階から、少年の叫び声が響く。 今の少年には、大人を呼ぶしか選択肢がなかった。 とある病室を覗いたメイジが見たのは ──この間、取引をしたばかりの商人の変わり果てた姿だった。 (G1) 2021/07/07(Wed) 13:20:37 |
【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラ「……もっと後悔していないと思っていました。 口減らしなんて、いくらでも」 手術室にやってくる、すぐにはピンとこず、 少年を連れ込んだ場所だろうかと扉が開く様子を見ていた。 「そうだ、セナハラさん。私、…… 明日死にます。 理由は死ぬように望まれたからです。 だから、食事もいりません私以外の皆さんに配ってあげてください。あなたも、随分我慢をさせているでしょうから……衣類だけでも必要であれば寄越しましょうか? お古で良ければ、ですが。」 (-179) 2021/07/07(Wed) 14:29:39 |
【秘】 被虐 メイジ → 商人 ミロクメイジは、あなたの言葉をぼんやりと黙って聞いていた。 「ミロクさん、子供が好きってだけでそこまで出来るんだね」 それはどこかあきれたような、けど先程よりは穏やかな声。 ここにいる大人たちは変わっている、と思った。 メイジが知る世界が、狭すぎたのかもしれない。 どうしてここまでしてくれようとするのかわからなかった。 でも──本当のことを話そうと思った。 「……オレは、痛いのも、苦しいのも、オレを脅かすものも なくなってほしい──死にたくないよ」 「生きていたい」 それは決意というよりは、縋るような目だ。 死ぬのが恐ろしいから、そうしたいと言わんばかりの。 「たとえ、誰かを犠牲にしてでも、そう思ってる。 ……オレは、親父のようになりたくないんだ」→ (-180) 2021/07/07(Wed) 14:42:17 |
【秘】 被虐 メイジ → 商人 ミロク「ミロクさん……オレさ、ここに来る前に、親父を殺したんだ」 「逃れるために、あんなとこから解放されるために。 だから、──もう、人殺しなんだよ。オレ」 はは、と乾いた笑いが漏れた。 メイジの父親は、兵隊だった。 帰って来てからも、戦争の傷跡が消えずに 荒れ果てた家庭環境を過ごした。 母親は、それに耐えきれずに命を絶ってしまった。 村の者なら、知っているかもしれないこと。 「……そうだよ、オレは馬鹿だよ。 せっかく都会に出て大人に混じって働けるようになったのに 親父に逆らえなくて、結局こんなことになったんだから──」 「人を殺すのはつらいよ」 もう"普通"とは程遠くて、背負って生きなければならなかった。 誰かを犠牲にするというのは、そういうことなのだろう。 メイジには耐えられるのか、わからなかった。 「そしてここでも、オレはきっとそうする」 「そう言ったら、どうするの?」 肯定してくれるのだろうか。 ──自分に、生き方を教えてくれた"彼"のように。 (-181) 2021/07/07(Wed) 14:52:17 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……貴方は何があっても、生きたい人だと思ってました。 衣類も、うん。大丈夫です。 大分、僕も死にたくなってきましたから」 男は貴方と取引をしていない。 どんな人間か、大して知らなかった。 次に殺すなら貴方だろうかとも思っていたぐらいだ。 「後悔なんてね、ずっと、……ずっとしてますよ。 朝起きて、夜眠るまで。 四六時中、後悔と自責の念でいっぱいです」 手術室の扉が開かれた。 (-183) 2021/07/07(Wed) 15:27:21 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロクまず目に入るのは、吊るされた肉切れ。 机には塩や胡椒といった調味料が置かれていた。 そして僅かに、硫黄のような、酸味のある異臭がする。 戸棚の一番下を開け、大きなブリキのバケツを引っ張り出した。 男は貴方に見せるように、バケツの蓋を開ける。 ……中には、骨や内臓が詰まっていた。 最上部に贄川涼の頭部が置かれている。 少年の首は、割れ物を扱うかのように布で包まれていた。 室内の異臭が強くなったが、出所はこの一つではないらしい。 戸棚には、もう一つ蓋をされたバケツがある。 (-185) 2021/07/07(Wed) 15:31:19 |
【独】 被虐 メイジ凶狼→セナハラ、メイジ 骸糾問→フジノ 連れ星→ロク 人魂→ミロク 恋未練→ニエカワ だと思うんだけどどうだろ。 ロクさんとフジノちゃん逆かもしれん ミロクおじさんとニエカワくんも逆かも (-184) 2021/07/07(Wed) 15:34:37 |
【秘】 遊惰 ロク → 発熱 ニエカワ「…………ッ、」 何も知らぬ子どもではないのだ、 調理場、塩と胡椒の振られた、皿に並べられた肉。 “猿の肉”でない事など、少し考えれば分かる事だった。 その少しが、糖の足りない頭ではえらくかかったけども。 ……流石にもう、何を問われたのかくらいは分かる。 「……食ってねェ」 撫でられなかった手をダラリと下ろす。 少年から悲哀が窺えない事が、苦しくて、 虚しい。 寂しい。 「ッおれは、なんにも。食っちゃいねェよ……」 (-187) 2021/07/07(Wed) 15:53:12 |
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