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【鳴】 時見の妻 天宮 琴羽[ そうして、座卓の上に並んだ料理が すっかり姿を消す頃合い。 何度となく欲望を注がれる事はあっても 蜜を滴らせる花弁に触れられる事はなく。 身体の奥はいまだに疼いていた。 彼が欲しくて欲しくて堪らないと。 彼の方に振り返り、 物欲しそうな眼差しを向けながら] お風呂、いきましょ……? [ 切なげな、けれど甘さを含んだ声音で 問い掛けてみるが……]* (=26) 2020/10/31(Sat) 19:26:14 |
【独】 時見の妻 天宮 琴羽/* はっ、天狗ってお酒好きだし お酒飲んだことにして酔っぱにして思いっきり ちゅーして襲っちゃえばよかったかも!? にゃーにゃーにゃー。_(:3 」∠)_ (-146) 2020/10/31(Sat) 19:50:17 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ きちんとした形になる前、 指の先にも満たない小さな球体にしか見えなかった頃から。 漸く大きくなり始めて、 透けた表皮から骨格が見て取れていた頃も当然。 ] ────殿下。 俺は早く貴方に会いたい。早く俺達のことを知ってほしい。 貴方の父上と母上がどのように生きたのかも……。 [ 時間を見つけては食い入るように眺め、 未だ名前も無いその方に譫言のように呼び掛けていた。 旧き時代の技術とは畏れ敬うべきものだ。 人の子が母に抱えられている時間よりもずっと短い期間で、 産まれる筈は無かった命が、花開く。 完全な形態が作られ、開いた四つの目が外を見た日を 誕生日として定めると我々は決めた。 その日、彼と共に幾多の魔族の命が救われる未来が産まれた。] (*9) 2020/10/31(Sat) 21:13:33 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ 性別が分かったのは外に出した後だった。 何しろ竜族は絶滅してしまったもので、水人族が苦心して特定に至る。 あのように集団に身体を眺められ何度もひっくり返され過ごすのは、 きっと中々に居心地が悪い。 必要な行為と分かりながらも、可哀想に思わずにはいられなかった。 思っていたのに、もっと酷いことをしてしまった。 ────あの日。 幾重にも重ねられた防御魔法に包まれた彼を、 民衆の前へと連れて行き、よく見えるように掲げた。 ベアによる魔族の民、そして人類への宣言の最中。 光の珠のような魔法の中で、もつれ合う身体は酷く暴れていた。 今までは円柱の中とその機械がある研究所しか知らなかったのだ、 彼を見る目の数も桁が違う、物も語れない赤子には怖かっただろう。 戻ってきた後、二つ頭を押し付けるように甘え俺から離れなかった。 しかし、思い至ることは無かったがもしかすれば 怯えた原因は他にもあったのかもしれない。 その頃から既に悪意の視線が存在していたのかもしれない。 ] (*10) 2020/10/31(Sat) 21:13:47 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ 人型になったのは彼が40歳になった頃だろう。 いつものように水槽から出し、室内を散歩させて差し上げようとした。 未だ足は未発達の、こちらに向けて這い寄る御方が 唐突に金髪の幼児に姿を変えたのだ。 ああ、本当に王子だったのかとぼうっと眺めてしまって 気づいたオルフェウスに殴られ 早く服を持ってこいと怒鳴られたのをよく覚えている。 騒々しい俺達を見て笑っている姿も愛らしかったが、 幼い頃からウロボロス様は既にウロボロス様だったと今は思う。 悪い意味ではない。我々は皆、王の全てを愛している。 その気まぐれさも、掌で転がすような物言いも。 向こう側に存在するいじらしさを知っているから。 そんな風に楽しげな姿を眺めていられることが、 どれ程尊い時間なのか、すぐに思い知らされることとなったから。 ] (*11) 2020/10/31(Sat) 21:14:02 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス申し訳ございません、陛下……。 [ その年、戴冠式の後のこと。 凍土には決して降ることなど無い筈の雨が、 ついに我々の王となった小さな御方の上に降り注いだ。 抱き締める腕は今日ばかりは加減が利かなかった。 ────暗殺を目的とした、襲撃事件。 未遂に終わった。ウロボロス様には当然、傷一つ付けさせなかった。 しかし、犯人は拘束され連れて行かれる間最後まで陛下を罵り 決して認めないと叫んでいた。 彼の知らない時代を寝物語に毎夜聞かせ続け、 その生まれも隠すことなく教えてある。 それでも、今まで周りには彼を愛する者しかいなかった。 否定され、加害を試みられるのは初めての経験だった。 ] (*12) 2020/10/31(Sat) 21:14:22 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ きっと、神を真似るような所業への報いだったのだ。 産まれた幼子に罪はない、しかしそれを目論んだ者は 純粋な愛ではなく、周囲の為に一つの命を創り上げた者は──── 人の姿は見目良くとも、竜としては異形だと奴は言った。 その見目すら王と王妃の面影一つ無いと奴は言った。 我々もそのことに気づいていない筈は無かった。 恐らくそれは、産まれ方が影響していると結論を出していた。 彼にはどうしようもない、他の誰かの行いのせいで きっとこれから何度も、同じように詰られる。 ] (*13) 2020/10/31(Sat) 21:14:39 |
【赤】 幼き日の魔王 ウロボロス どうしてあやまるの。ボクは、どこも痛くない。 みんながボクを守ってくれたから。 ……辛いのはボクじゃなくて、フォークでしょう? [じっと目の奥を覗き込み、白く柔らかな手は頭を撫でる。 人の形となる前から、何度もされていたものを真似るように ぎこちなく、優しく、雨が止むまで何度でも。] (*14) 2020/10/31(Sat) 21:15:31 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ 女神も聖木もこの世界にはありはしない。 救いを差し伸べたのは、罪を赦したのは 小さな小さな、人造の魔王だった。 遥かな寿命、唯一の竜。 その身に永きに渡り降りかかることとなる苦を思えば、 決して許されてはならない。 それでも雨は勢いを増して、暫くの間優しい子を濡らし続けた。 真に尊き、光のような御方だと知った。 ] (*15) 2020/10/31(Sat) 21:16:15 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ 裏切りが教会に知れた後、故郷の村は焼かれてしまった。 復讐を志した、同じ孤児院で育った少年が 変わらない姿の俺の前に、成長した男として現れた。 彼の命を摘み取った時の虚しさが、何百年経とうと忘れられない。 仲間達の亡骸と同じく、死に顔が目に焼き付いた。 目的が存在した。仰ぐべき御方と、仲間達がいた。 そうでなければきっと心も喪っていただろう。 異能を見に宿し、しかし魔族のようには変わらない姿。 人の寿命を遠く過ぎて、誰にも分からない終わり。 その日が来れば魔物へと成り果ててしまうと定められた運命。 これは人類でも、魔族でもないと言うべきではないか。 俺は何なのだろう、どうして存在しているのだろう──── 胸に空いた穴は、一人きりになると開いてしまう。 ] (*16) 2020/10/31(Sat) 21:16:32 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ 君は我々の血を受け入れ王に仕えたまごうこと無き魔族だ。 守るべき方に逃される苦渋を共に味わった仲間がそう語った。 あなたは教会と戦争の真実を暴き、未来で喪われる命を救った。 やはり勇者と呼ばれるべき人間だと、聖都で助けた人類が言った。 元より我らは一つであったのだから、お前はどちらでもある。 そんなことを口にしたのは水人の研究者と迫害された者達であった。 その全てがこちらを想っての、心よりの言葉。 それでもどうしても、受け入れることが出来ずに今に至る。 ] (*17) 2020/10/31(Sat) 21:16:46 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス「ふぉーく?」 いいえ、フォルクスですよ殿下。 「ふぉる……う」 その調子。フォルクス、です。 「ふぉううぅ」 ああ、遠のいたな一気に…… 「……んっ!」 いてっ、痛い痛い!分かりましたフォークでいいです!いいですから! ……フォーク、か。なんだろうな、これも、運命ってやつかな。 (*19) 2020/10/31(Sat) 21:17:16 |
【赤】 魔王軍幹部 フォルクス[ 培養管の中からこちらを見つめていた四つの目が、 巻き付き噛み付き、言葉にならない愛情を示した異形の身体が、 抱き上げた腕の中の幼子の笑顔が、 優しく頭に触れたその光が、 果てしない時間の中、穏やかな流れで美しく成長していく姿が 共に未来を見据える時間が。 己が何者か定めることすら出来ない男に、 この方の従者であるという一つの答えを、与えてくれた。 ] (*20) 2020/10/31(Sat) 21:17:34 |
【秘】 魔王軍幹部 フォルクス → 幼き日の魔王 ウロボロス[ 俺が涙を流す時、いつも貴方が見守ってくれている。 それは決して多くない時間、長い長い人生のほんの僅かな時。 しかし、どれ程その目が心に残っているのか。 近づいている終わりが来る前には、伝えられたらいい。 そして最期には貴方が────* ] (-147) 2020/10/31(Sat) 21:20:35 |
【独】 時見の妻 天宮 琴羽/* 落とされる度に 続きがどうなるか気になるるるる。 魔王様との関係性が素敵だ…! 進行中の赤はまだ見てないけど、 後で絶対見るぞー! (-148) 2020/10/31(Sat) 21:48:05 |
【独】 魔王軍幹部 フォルクス/* 幼体陛下はまどぱ公式アクキーのウロボロスの下に付いてる子なのだ。 俺はフォークのアクキーも持ってて一緒に飾りながらこの村でロルを書いてたのだ。 ログを読んでこよう。 (-149) 2020/10/31(Sat) 21:49:18 |
【独】 サラリーマン 御門 涼司/* 幼体陛下っぽいの通販サイトの画像にあったけど、拡大出来なくてフォルムしか分からなかったー 作者さんの青い鳥はメインのイラストしかないし… (-150) 2020/10/31(Sat) 22:23:10 |
【人】 エガリテ[週末で人気の少ない大学。 その一室、資料室の窓が 時折ポワリと明かりを漏らす。] mh... .....liom.. ....guise...... .... ..m’f.. ....cé...e a fh.. ....áil. [置かれた資料の一つ一つに淡々と 防御魔法を付与していた。 死者の魂が帰ってくる日が近く 歴史ある道具は魔を宿し易い。 取り憑かれることのないように、とは 本来の職務の枠を越えた雑務であるが 負うことを厭わなかった。 古今東西の術を試すのに良い機会だし。] (12) 2020/10/31(Sat) 22:31:37 |
【人】 エガリテ[受け取っていたリストの 最上段からきっちりと施していき 最下段に届けば、はて、と首を傾げる。 リストに載っていない品が 部屋の片隅には在った。] ……おかしいな [一度見聞きしたものは忘れない。 忘れることが出来ない。 灰色の布で覆われたそれは随分と大きく 去年は確実に無かった。 その様なものが搬入された話も聴いていない。] (13) 2020/10/31(Sat) 22:31:40 |
【人】 エガリテ[けれど、そのシルエットは どこかで見たことがあった気がした。 そうここでは無いどこかで。 ――頭がズキリと痛み米神に右手を添える。 手にしていたリストに皺が寄った。 忘れる筈がない頭脳と記憶が矛盾している。 整然としないことは気味が悪くて仕方ない。] ……、記憶を弄られたか……? [一体誰に。何のために。 決して、敵が居ないわけではなかった。 認識できていないものもあるから 直ぐに当たりをつけられそうにはない。] (14) 2020/10/31(Sat) 22:32:01 |
【独】 エガリテ「俺の居ないところで 傷ついたり、苦しんだりしているヒューは 想像するだけでも、‥‥ダメだ。 心配になりすぎる。 せめて、俺の前で苦しんで。 楽になれるよう、力を尽くさせて欲しい。 それが、どんなに大変なことだったとしても ヒューと一緒に舐める辛苦の方が 俺にとっては、数百倍マシだ。」 (-151) 2020/10/31(Sat) 22:32:29 |
【人】 エガリテ[手が伸びかけるが、恋人の言葉が過り、拳の形とした。 知的好奇心で飛びつきたくなるのを 何度抑えられ、また何度救われて来たか。 布で覆われた謎の品がどんなものか 気になって気になって気になって気になるが 下手に手を出さない方が良いだろう。 愛おしい人を傷つけたく無い。] (15) 2020/10/31(Sat) 22:32:47 |
【人】 エガリテ……週明けに学園長に報告してからだ [踵を返し、扉へ向かう。 自分自身にも防御魔法は施して在った。 不老不死理論第一節から第伍節迄、それなりに強固な物。 害なすものは容易にこの身を冒せぬ筈で。] (16) 2020/10/31(Sat) 22:33:02 |
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