人狼物語 三日月国


176 【R18】実波シークレットパラダイス外伝【身内】

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視点:


【赤】 CS 雲野 とばり

もうすぐ旅行の時間が終わってしまう。

その前に、と駆け足で部屋へと向かう。
別に大きな思い出がそこにある訳じゃない。

でも、このゲームのおかげで知り合えた人達がいた。

「……楽しかったわ」

ぽつりと呟いて、扉を開く。
毎日違うアロマの香りが漂うこの空間がそれなりに好きだった。

最初は楽しむなんて出来るんやろか、と思っていたけれど。
終わりが近づけば楽しかった。そして、少し寂しい。

そんな感情を抱く自分に、小さく笑みが零れてしまった。
(*0) 2022/10/02(Sun) 1:19:34

【秘】 経理課 富武 瑛 → CS 雲野 とばり

「雲野さん、ちょっといいですか」

これは野球拳イベントよりあとの何処かの時間。
廊下で見かけたあなたを後ろから声をかけ、近寄っていく。
性癖を暴き合うゲームは終わったから、この旅行ももうおしまいが近づいているけれど、その前に貴方には会わなきゃいけない用があった。
(-52) 2022/10/02(Sun) 19:34:07

【秘】 研究員 鹿籠 吉弘 → CS 雲野 とばり


「鹿籠が望んでいるか……?」


頬に指をたてて思案。夢魔はこの男が誰かと仲がよくなる幸福よりも、快楽に盲目になる人間であると思っている。
様々な人と体を重ね、意識を保てなくなっても貪欲に貪り壊されてもいいと思うような。

交流や好意の果てにあるその絆や縁を幸福と言うのなら、ずっとその手から溢して手にできてこなかった。
自分が不幸であることも知らず引きこもっていたのだから、今さら外を望まないと思っていた。

「嫌だったらこんなに馴染んでない。
 この男の本性なんてそんなもの快楽に溺れたいだけだ」


短絡的だが人間の本性と違わないそれを告げ、伸ばされた手が触れたとき。
その瞳の色は不思議に揺れて。何度か瞬きをしたあと、鹿籠は眉を潜めながらその熱を受け取った。

確かに、そこには多分きっと、嫌な思いをしている貴方がいると思ったから。
意識を何かに持っていかれるよりも放っておけない人が居ると、無意識にその体は動いていた。

「っ、雲野?そんな顔しないでください」

そのまま貴方を腕に抱え引き寄せれば、彼の緊張する鼓動が伝わってしまうだろう。妙に気まずさがあるのか、頬を染めながら息を整えているのがわかる。

「今、僕、変なこと言いましたか?
 他人にあなたの幸福を任せるなんて無責任すぎましたかね」

僕も君には幸せにはなって欲しい。ただ、適切な距離で、と告げた言葉は隣にも友人と言う立場にもいたかわからない。
卑屈な自分の嫌な距離の取り方をしてしまったと今さらに思って、そう、情けなくも社員でもなくなってしまう貴方を遠ざけるように。

「……そんな不安そうな姿されたら、早く自信をつけないと駄目そうですね。もう少し堂々と貴方の隣にも立てる人間になれたらいいのですが。
 どうも……壊れてしまうなら作るのも嫌だと思う性分でして、……距離をとったように見えましたか。こんな甲斐性なしですみません」
(-84) 2022/10/03(Mon) 10:34:54

【秘】 人事課 緑郷 溢 → CS 雲野 とばり


『わかりました!』
『すぐ準備して行きますね!』

通知が来たらすぐに確認できるようにしていたのか、
先ほどの返事よりも幾らか早く、また返信が返って。

それから互いに準備を終えてプールエリアへ向かえば、
きっと殆ど同じタイミングでやって来たのだろう。
手を振りつつあなたの方へ駆け寄って、
「偶然ですね」なんて言って笑っていた。

「いえいえ!むしろ雲野先輩の方から誘って頂きましたし、
 緑郷こそ、ありがとうございます!」

案外遊びにお誘いするタイミングって難しいものですね、と
表情はちょっぴり苦笑混じりで、
それでもやっぱり楽しみの方がずっと上だ。

「あっ!そういえば、雲野先輩って泳げるんですか?
 お恥ずかしながら緑郷は泳げなくって……
 水遊びは好きなんですけど、浮くコツが、こう……」

プールの水面の煌きが近くに見え始める頃。
照れ臭そうに頬を掻きつつ、そう言いながら。
言葉の通り、今日も片手には浮き輪を持っている。
(-99) 2022/10/03(Mon) 19:59:02

【秘】 CS 雲野 とばり → 経理課 富武 瑛

自分を呼び止める声に「何やろか」と首を傾げながら振り返る。
貴方に呼び止められるなんて思いもしなかったもので。

「……どうされました?」

もしかして自分は知らない間に何かをやらかしただろうか。
本当に全く、身に覚えは無いが……。
(-104) 2022/10/03(Mon) 20:43:33

【秘】 CS 雲野 とばり → 研究員 鹿籠 吉弘

貴方夢魔の答えに複雑ながらも僅かにほっと息を吐く。
嫌がることを強要するのは良くないことだ。
雲野はそれを理解しているし、雲野でなくてもそうだろう。

それでも、手を伸ばすことを止められなかった。
自分のこの行動が相手を強要することになるかもしれないと知りながら。

表情を伺うように視線が上がる。揺れる瞳が、目に映った。

「……どうして──、」

貴方はそんな表情をしてるんですか。うちのせいですか。
ねぇ、鹿籠さん。
"そんな顔せんといてください"。


口に出す前に貴方から同じ言葉が出てきた。
それに驚く暇もなく、温かい腕の中に引き寄せられて。

鼓動が、伝わる。吐息も近くて、触れた手に少し力が入る。

「……うちの幸せは、うちが決めるんです。そこに、貴方もいて欲しい貴方がいることで幸福やと思うんは悪いことやろか…」

貴方だけでなく、緑郷にもそう感じている。
これはきっと恋ではなくて、それでも確かな特別な形。

「…突き放すんやったら、連絡先なんて渡さんでください。そういうんはズルいです。…うちはきっとおらんくなりますけど」

掴んだ手はまだ離れずに、言葉を選ぶように幾度か迷いながらゆっくりと吐き出されていく。

「だからって、そこで幸福が終わる思わんでください。
……うちの幸せに巻き込まれてくださいこれからも、仲良くして欲しいです
(-105) 2022/10/03(Mon) 21:08:37

【秘】 経理課 富武 瑛 → CS 雲野 とばり

「あ、ごめんなさい」

「この間これ、忘れていかれたので……」

どこでとは言わない。
いつともいわない。
恥ずかしいから。

だからただ、あなたが忘れたピアスを手に乗せて、あなたに差し出す。

多分、これだけでも意味は十分に伝わるだろう。
(-112) 2022/10/04(Tue) 2:03:57

【秘】 CS 雲野 とばり → 人事課 緑郷 溢

駆け寄る貴方へ手を振り返す。
笑顔にはもしかするとつられるように笑っていたかもしれない。

「終わる前に、緑郷と思い出を作りたかったんで。
……同じ気持ちなんやったら、もっと早く誘えばよかったわ」

続く言葉は独り言。それでも隠すような声ではなくて。
思いを素直に口にして、緩やかに笑みを浮かべる。

「…ん、うちは泳げますよ。水泳部やったのもあって」

スク水、懐かしいな。思い浮かべたのは夏のある日。
泳ぐのが好きだった、社会人になってはめっきり減っていたけど。

「……良かったら、練習しますか?
それか今度、個人的に行くんもええと思いますが」

今日は一旦浮き輪を使うとして。

どちらであっても構わないと思っている。
どちらであっても、そばに居るつもりだから。
(-130) 2022/10/05(Wed) 1:01:07

【秘】 CS 雲野 とばり → 経理課 富武 瑛

「えっ」えっ。

なんで謝られたんやろ。不思議そうな雲野。
ただ、差し出されたものを見れば納得したように頷いて。

「あぁ……うち、忘れとったんやった」

あの時はそれどころでは無かったもので。
後から回収しようとは考えていたが。

「……ありがとうございます。
それなりにお気に入りのもんやったんで、良かった…」

手を伸ばし、ピアスを受け取る。
少しだけ指先が触れてしまったかもしれない。

受け取ったそれはすぐに耳に飾られた。
髪を軽く持ち上げ、慣れた手つきで行われる。

「助かりました。…ほんまにありがとうございますね」
(-131) 2022/10/05(Wed) 1:06:15

【秘】 経理課 富武 瑛 → CS 雲野 とばり

「まぁ、あの時は目を開けれなかっただろうから仕方ないですよ。
 ……お返しできてよかった」

指先が触れれば、やっぱり女性の手は小さいし細いな。
なんてありふれた感想を抱いただろう。

「いいえ。
 結局ゲーム中に話をすることはあまりなかったですけど……俺も一応あなた方の味方魔術師だったので。
 おつかれさまでした、と言っておきますね」
(-133) 2022/10/05(Wed) 8:12:49

【秘】 人事課 緑郷 溢 → CS 雲野 とばり


「エヘヘ……緑郷もそう思います!」

もっと早く誘えばよかった、には
これもおんなじですね、なんて返しつつ。

「水泳部!いいなあ、運動部ってちょっと憧れです。
 会社勤めになると案外始めるきっかけも無いものですし…」

とはいえ、裏を返せば。
きっかけさえあれば、案外いつだって始められもするもの。
水泳部で活動していた頃のあなたをちょっぴり想像したりして。

「ですから、また遊びに行くのは、ぜひ!
 ふふ……せっかくだから泳ぎ方も、
 今ちょっとだけ教えて頂けたら嬉しいです」

どちらも選べないから、選ぶのはちょっと欲張りな選択肢。
上手くできても、できなくても。
きっとこの旅行の、そして友人との良い思い出になる。

それだけで楽しいだろうから、焦る必要もなくて。
互いに笑みの傍ら、暫しの談笑ののち
二人で準備運動をして、水遊びに興じるのだろう。
(-153) 2022/10/05(Wed) 22:38:38

【秘】 CS 雲野 とばり → 経理課 富武 瑛

他人から見れば何でもないピアス。
それでもこれは雲野にとって大切なもの。

……置いていったけど。

「そうですね、うちが基本的に話してたんは緑郷達なんで。
……もっと、話せばよかったと思ってます」

今更。本当に今更だが、楽しい時間を過ごせたので。
その楽しい思い出の中にもっと多くを得られたなら──。

「…お疲れ様でした」

ペコッと頭を下げて柔らかに笑む。
残り時間はもう少ないが、もしかしたらその時間で貴方と話すタイミングもあるかもしれない。

今、この時のように。

どんな話をするかなんて全く予想もつかないが。
そうした未来があってもいいだろう。
(-156) 2022/10/05(Wed) 23:41:59
雲野 とばりは、"これから"を想像した。
(a0) 2022/10/05(Wed) 23:42:16