【秘】 黄金十字 アウレア → 荷物運び エーラ「おう、ナイショナイショ…… バレちまったら怒られるからなあ〜!」 過去にも何回か、こっそり二人だけ……がバレて 誰かに怒られたことがあるのかもしれない。 今回は大丈夫大丈夫。たぶん。 お部屋に着けば扉を開けて。「先入んな〜」とあなたを通す。 部屋は概ね片付けられていて、壁には十字架が一つ。 机の上だけが絶望的に汚かった。 「好きなトコ座んな〜。なんか飲みもんいる?」 なんて言いつつ、用意していたクッキーを取りに行こうと。 (-160) 2024/04/02(Tue) 19:26:52 |
【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ「はい。それでは順に表示します」 機械音声がそう告げると、モニターの表示が変わる。 ディレクトリ内部のデータの詳細はこうだ。 アウレア:プロトタイプ。 これの内部に入っている人格データは一つのみだった。 アトラ・アルゴ。これはあなたの内部に存在する現存の アウレア・チャーチに存在している名前だった。 しかしこの人格データの最終更新は 十年以上前 と記載されている。七人分の人格データを同時に再生するプログラムは無く、 代わりに、人格データをプログラム上で簡易的に再生するアプリケーションがそこにあった。このアプリだけを他の記憶媒体に保存する事も可能そうだ。 無題のテキストデータの内容を要約するとこうだ。 『自分が死んだ時、自動的に教会でアウレアは復元される』 『けれどそれはノッテのアウレアではないだろうから、 今までのアウレアと混同しないように』 『自分の人格データは付属のプログラムが無いと動かない。 万が一プログラムが破損した場合、 プロトタイプデータからアウレアを 作り直す 事』。オトモ君の説明書には基本的な機能と整備方法、 それから各種コールとコールに紐づけられた操作の説明が。 今回作動した緊急コールの内容も記載されており、 『マスターが何らかの要因で生命活動を脅かされていると判断し、 即時光学迷彩機能の使用、および逃走または潜伏を行う。 このコールが行われた後、一時間以内にマスターの帰還が認められなかった場合には、事前に設定したデータ以外の内部情報をすべて消去する』 ……そのような内容だ。 → (-161) 2024/04/02(Tue) 19:59:36 |
【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカその後ドローンの内部を検めるならば。 型の古いUSBデバイスが一つ。 教会を背景に、シスターと子供たちが、 仲良く笑顔で写っている写真が一つ。 いちご味の飴玉が一つ。 それから、よく分からないネジが一本。 『内部情報は以上になります。 ユーザーデータは USBデバイスに付与されています』 ドローンはそう述べて、機体の下部に開いた穴から 小型のアームをふりふりと振った。 (-162) 2024/04/02(Tue) 20:00:01 |
【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ/* そしてお疲れさまです! こちらこそ多大なる感謝を……。 人格データの内容は以下に綴ります!そいっ ↓ データに添えられた文章は簡易的な説明のみです。 【アトラ・アルゴ】 10代後半。女性。 【ビーチェ・ブレロ】 10代後半。女性。 【コルネリオ・チェルラ】 10代前半。男性。 【ディーノ・ドロエット】 20代前半。男性。 【エルマ・エルコラーニ】 10代前半。女性。 【フランカ・フォルキット】 10代前半。女性。 【ジャンニ・ジーリ】 10代前半。男性。 アウレアの名前はどこにも無く、 代わりにその全てがアウレア・チャーチに所属していたことが記載されています。 また、アウレアが既に義体であることも記されているかと思います。 付属しているプログラムの情報から、 生前のアウレアは7人分の人格データを 常に同時に再生していた事をナルくんは分かっていいですし、 このプログラムを見れるようにしたのは人格データを覗いたのが自分だけじゃずるいよな……と言う気持ちからでした。 アウレアはとっくに壊れていて、壊れたまま堂々と生きていたのかもしれない。 みたいな地の文を挟むと彼に何らかが伝わるかもしれません。 伝わらないかも。maybe。 という訳で長々と申し訳ありません。 情報を掻い摘んででの描写でも勿論大丈夫です。 よろしければお願いします…… (-164) 2024/04/02(Tue) 20:19:04 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル「ああ……まあ、壊しやすいのは、そうかもなあ。 エンジニア的には壊してほしくはないんだが」 「機械は壊しやすい、それって良い事なの? 悪い事なの? うんうん、アウレアちゃんはそゆ事わかんないけど……」 「まっ、正気か狂気かって二の次でいいと思うけどネ! 愛着ってんはかなりわかるからぁ。 人間に医者、AIやメカにエンジニアってね。 直して大事にして守っていきたいから発展してんの」 「義体交換でも機械になるんでもメンテしたかったら 俺様ちゃんのトコに来な〜。嫌って程長持ちさせてやる」 新しい命の形を迎合したシスターは、 身体が錆びつき朽ちてもなお廻る魂に価値を見出している。 それは進化だと思っているし、正しさの一つだと思っている。 正気だろうが、狂気だろうが。 手の届く半永久的な輪廻に手を伸ばさない理由を、 今のアウレアは持たなかった。 抵抗なく掴まれれば、こつんと機体に額が当たった。 オトモ君に体温などは勿論ない。ひんやりとしていて。 → (-194) 2024/04/03(Wed) 0:01:16 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル『はい。オトモ君はできます』 「 しなくていいぞ〜〜〜〜? 」平然と受理するオトモ君と、 何を言ってるんだとでも言いたげなマスターになった。 「えっ? 何に使うんだよ?」 「趣味?」 失礼ですらある。 (-195) 2024/04/03(Wed) 0:01:35 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ「あ、いたいた。よーっす」 ひらひら、手を振ってあなたに軽い足取りで近づいていく。 「さっきはサンキュー。ほら、お茶会。 良い感じにチル出来たし……そう、茶が美味かったんだよな! あのフレーバーティどこのか聞きたかったんだよ」 そのまま並び立つように横に来て。 「お話ししたかっただけなんだけどネ。今暇?」 (-196) 2024/04/03(Wed) 0:09:43 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 荷物運び エーラ「だよなぁ!? アイツ真面目なんだもんよ……」 「次はうまくやるぞ〜、うん」 一人と一機が入れば、扉をからりと閉めて。 「アウレアちゃんの机の上には夢と歴史があるらしいから……」 「大事なモンば〜っかだもん。あとすぐ取れた方がいい」 ちょっと言い訳じみていた。 それなら自分もオレンジジュースにしよう。 二人分のクッキーとジュースを持って、 あいよとあなたの目の前に椅子を持って来て座った。 「これ食べてお話したらちゃんと寝るんだぞ?」 (-200) 2024/04/03(Wed) 0:41:04 |
【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ『はい。対象をバンカー・ストレルカ様に指定し、 該当データの送信を行います』 白い機体に緑の光が走る。 いつかあなたの元に7つの人格データが送られた時と同じ。 そして今、8人目の人格データが送信された。 『アウレア』はエンジニアリングのプロフェッショナル。 そしてあなたはA級のAIである。 技術も知識も方法も、それを処理し実行する力もここにある。 かつてのアウレアの宝物たちを機体にしまって、 オトモ君は応えるようにくるりと一回転。 『はい、バンカー・ストレルカ様。オトモ君がお供致します』 『わあ』『アウレア様〜』 呆れる声も、驚く声も、オトモ君を呼ぶ声も。 それはいつも通りの会話だったかもしれない。 それはこの場限りかもしれないし、 いつかあなたのお陰で再び一人の人間として 復元されるかもしれない光景。 「やっぱすげーわ、お前」 なんて呟いたのはこの場の誰だったか。 アウレアが死んだ事実は変わらない。 それでも、あなたのお陰で続くものがあった。 『アウレア』はまだ、あなたという舟の中に護られている。 (-203) 2024/04/03(Wed) 1:13:03 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ「ん。ありがと」 やったぜ、と小さな声で喜んで、 それから舷窓の方に背を向け寄りかかる。 「んえ、ナルが? そーなんだぁ。 んじゃナルにも明日聞いてみっかな……何の花なんだろな? ウチも初めて飲んだタイプでさ」 「……疲れてる? 大丈夫?」 少しあなたの顔を覗き込んだ。 カチャ、とハートフレームの眼鏡が少し落ちる。 「お前も色々頑張ってたもんなあ。 回線とか内線の通信環境とか大分ひっ迫してたろ。 全く、困ったさんが居るものだな……」 (-204) 2024/04/03(Wed) 1:24:21 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ「ナハハ。ちょっと心細くなったから甘えに来たぁ。 今日は俺様ちゃんの方が迷える子羊かもしれんね」 にぱ、と笑い返す。表情ばかりはいつも通りだ。 「地球なー。実は行ったことないんだよナ、あんま機会無くて。 アルファとディンカには行くんだけどなー」 「…………」 なんだか些細な表情の機微に違和感を感じて。 一度、二度瞬き。 「平気ならいいんだけどさ。うーん」 「俺様ちゃんはマジで頑張った、お疲れ、功労者その1。 大体直ったのが奇跡のようだぜ……ハア」 「カテリーナぁ。一応用心しとけよな、何あるかわかんねーし。 あんま一人でいるんじゃねーぞ? 信用できる奴と一緒にな」 まあ僕も同じなんですけど……なんて、ボソリと付け足して。 そんな事を言う壁に寄りかかる姿は無防備で、 それはあなたの事を信用しているからだった。 (-207) 2024/04/03(Wed) 2:14:40 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 荷物運び エーラ「さすがはノッテのドクターってトコか? アイツはまあ……『アチャーwwwまあ今回は特別でござるよwww』って なんだかんだで許してくれるから……」 おそらくきっと。どっちの事も信用してるんだけどもね。 「そんな……ウチ片づけきらい……」「ウチが分かればいいと思う」 子供じみた言い訳を続けつつ、クッキーとジュースをはいどうぞ。 自分もジュースを一口飲んでから、クッキーをサクリ。 「うま。フフ、罪の味だなー」 「シスターがこんなことしていいんでしょうか…… マフィアだからいっか、俺様ちゃんは悪いシスター」 「……てかさ、あんまり夜中一人で歩くのやめろよな? なんか今そういう雰囲気じゃん……危ないし」 「次からはすぐ俺様ちゃんとこ来ていいからさ。 眠れないのは悪い事じゃねぇし、どうせ起きてっし」 (-210) 2024/04/03(Wed) 2:24:20 |
【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ「ナルも言ってたのかよ!! まあ手伝ってもらう時に困るのはそうなんだけどさッ……」 こればかりはあなたの方が正しい。 深夜に自室の机の汚さを年下の後輩に諭されている図。 分かっちゃいるがそれはそうなので言い返すのをやめた。 「俺様ちゃんともなると二つの性質を併せ持つか……」 なんてふざけた事を言いつつ、 こちらはすいとコップを空にして。 「だってそうだろ。……なんだよ、甘えんぼか?」 「俺はしょうがないトコあるし……それに、」 抱き締められれば、少しの温かさ。 いつも通りに抱き返そうとしたところで。 → (-242) 2024/04/03(Wed) 13:01:26 |
【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ「ッ、あ ?」 痛み。 「な、にして……ッ、!?」 あなたの背中に回そうとした手は、 代わりに拳の形を作り鳩尾に目掛けて突き飛ばすように あなたに叩きこもうと。 何をされた? いつもの悪戯ではない。 何かを流し込まれた感覚。注射針? であれば、どうして、 ――いや。 「……エーラ」 「本当は何の ご用事 なんだァ?」「 言ってみろ 」あなたが離れても、離れずとも。 アウレアは針を刺された場所を押さえながらそう問いかける。 (-243) 2024/04/03(Wed) 13:04:01 |
【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ即座に立ち上がり素早く距離を取る。 やはりというべきか、袖から見えた針。 その先から床に落ちる一滴を少し目で追って舌打ちをした。 「ふ」 「ふは、は、はは! あははは! そう、そぉかあエーラ……」 「オメェかぁ…… もう一人 は。こりゃあ他にも誰か居やがるな」 「勿体ぶってないではっきり言えばいいんだよ! 俺を殺しに来たんだろう? 良いチョイスじゃないか。 メイドマンかつエンジニア、邪魔臭いだろうなあ」 アウレアは呵々と笑う。 すっかりいつも通りのなりを潜めたあなたを、 いつも通りの調子で見据える。睨みつける。 ……少し頭が痛い。何を打たれたかわからないが、悠長な事はしていられない。 この身体の事だ、少しは丈夫に作られているだろうが。 覚悟はもう既に決まっている筈だ。 一つ、息を吸い込んで。 「――Type-Noah、 緊急コール:Carpe diem! 次のアウレアによろしくなぁ、良き旅を!!」 『本気ですか?……緊急コールの受理。アウレア、良き旅を』 鋭い声がオトモ君――小型ドローンにコールを告げる。 ピピ、と小さい電子音の後、ドローンの姿は搔き消える。 (-257) 2024/04/03(Wed) 14:53:53 |
【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ「知ってるともよ。そっちが動くと思ってたんだが……、 小回り効くのは確かに君の方だ」 「流石にそこら辺は分かってるってワケね。 やっぱヨソにも有能さが知れちゃったか〜っ、と。いいもの持ってんな?」 修道服の横、目立たないスリット部分に手を入れ――、 拳銃を向けられれば止まる。 「俺様ちゃんがこの世から居なくなったら 流石に世界の損失だろ〜? もち取ってるってぇ」 「……なんて冗談も言ってられなくなってきたんだけどな。 お前、どこのシマの奴だったんだ? いや待て、当てよう」 凶器を突き付けられるのは想定内だ。 動揺はしないが十分警戒に値する。それでも努めて、いつも通りに。 「最近見た名前なら……ソーレか、」 途端。 。――カクン、とあなたの照準から外れるように体の力を抜く 「 なァ!! 」そのまま自ら頽れるような動作を踏み込みに変換し、 背の低いあなたのさらに下方から投擲したのは……杭だ。 修道服に忍ばせておいた銀製の太い杭は、 ナイフのようにあなたに目掛け飛ぶ。 これもただの牽制だ。少しでも動揺を買えば次に繋がる、筈。 尤も、そろそろ薬が効いてくる頃だろうか。 (-268) 2024/04/03(Wed) 18:23:22 |
【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ投擲した時点でさらにもう一本袖から杭を出す。 踏み込んだ足が床を全力で蹴り飛ばし、 肉薄せんとする間にもう一つ――十字が刻まれた槌が握られた。 視線が合う。 無謀だろうか。相手の持つ武器は一発当たれば死に至る。 対してこちらは武器とも言えない古びた道具。 無謀でも愚かでもなんでもいい。 絶対に逃がしはしない。 「あんまり、」 狙いは定めた。片足を前方、あなたの横に踏み出し支えに。 左手に杭。右手に槌。ここからなら心臓を目掛けて、 「ナメんじゃ、……ッ、!」 ぐらり。 ――途端に眩む視界。 ぐにゃりと歪んだ視界に、体勢が傾げる。 構わない。当たればいい。 ぎり、と奥歯を噛み締め、 → (-283) 2024/04/03(Wed) 20:41:56 |
【秘】 救済執行 アウレア → ソーレファミリー エーラ「――ねェぞ!!」 思い切り、振り抜く。 大幅にずれた狙いは胸から腹へ。 自分の手ごと埋める勢いで振ったつもりが、 予定よりも傷は浅かったかもしれない。 もしかすれば、簡単に躱されてしまったかもしれない。 それでも鋭い金属が勢いよく人体に打たれれば、 少なくとも無事ではいられない事はあなたにもわかるだろう。 「ぐッ、う!」「あ、」 どさ、と勢いのまま床に無様に倒れ伏す。 すぐに立ち上がろうとしては、また膝を付き。 「ノッテがんな、 簡単に 、ぃ」「マジ、っ、何打った?」途端に息を荒くして、それでも尚まだ対峙しようと。 落ちたウィンプルに見向きもせずに立ち上がる気で。 (-284) 2024/04/03(Wed) 20:43:00 |
【秘】 救済執行 アウレア → 通信士 カテリーナ「だってよお」 「……誰も疑いたくないんだもの。嫌んなるよな。 俺様ちゃんにとっては全員大事な人間だったぜ」 「俺様ちゃんは裏切りは嫌いだが……怨めねえわ。 今まで一緒に居た奴を信じられないって、心細いんだよ」 「……だから誰がクロだとしても赦しちまうわ。 悲しい、寂しいより先に。性分だな」 報いはあるべきだと思うがな、と付け足して。 声音は本当に、寂し気で。 「ねー。その時はお土産の袋でも持って行くかな。ハハ」 そうやって笑うアウレアも、すぐにいつもの調子に戻る。 「えっ、ホントか!? やったぜ〜! 楽しみにしとくな! 俺様ちゃんからもなにかご褒美を予定しようか……」 「…………」「しっかりしろよ〜?」 そしてまた沈んでしまった表情に、 腰に手を当てて苦笑いをした。 「お前は大丈夫だよ。しゃんとしな」 (-286) 2024/04/03(Wed) 21:01:14 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ「……ま、しゃあねーのかもな。 平和な振りしてっけどその実マフィアなんてこんなもんさ」 「 まあキレたっちゃキレたけど…… 」キレていました。喉元過ぎれば平気なタイプなのかも。 「全ての魂は赦されるべきだよ。そして祝福されるべきだ」 「どうせマフィアなんざ全員地獄行きだしねぇ。 今の内に赦し合って地獄の門の向こう側で笑いたいや」 どうせウチらが何言ったって神様は許してくれるからね、なんて。 シスターにしては緩い言葉でそう言ってケラケラ笑った。 「まっ、今日は早く寝とけよ〜? 仕事が落ち着いてるときに寝た方がいい」 「俺様ちゃんもそろぼち残った仕事してきますかねぇ……。 オハナシ聞いてくれてありがとさん」 そう言って、ひらりと手を振って。 そのまま離れようとしたけれど、途中「あ、」と気づいたように。 「ほい! チョコ!」 持っていたトートバッグの中から、ポイとあなたに放った。 (-297) 2024/04/03(Wed) 23:13:00 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ「まかせな〜? 一言はガツンと言ってやるって」 「まあ……死なねえのが一番だよ。 どうせ笑うなら全員笑って生きててほしいもんだぜ」 ――結果として、それは叶わなかったのだけれど。 叶わないかもしれないから、どうか、なんて。 祈りの意味を込めて、言葉にしたのかもしれない。 「そ。いっちゃんデカいブツの点検がまだなんで。 だぁいじょうぶだよ、ウチはただじゃあやられないから」 かつん、かつん。 手の上で踊るように跳ねて収まったチョコと、 慌てたようなあなたの姿にくすくすと笑い。 「頑張れよっ。おやすみ」 ぱちんとそんなウインクをして、 あなたの元を去ったのだった。 それが最期だった。 結局アウレアは、あなたが『裏切り者』なのだと気づかぬまま。 それはきっと神様の悪戯だったのかもしれない。 知って、生きていたらきっと、また違う未来が。 その全てはもはや、もしも話でしかないけれど。 (-359) 2024/04/04(Thu) 23:29:43 |
【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ「動ける、し……!」「キ、ッツい、けど!」 ――嘘だ。動けていない。 ようやく立ち上がって、槌を握りしめているので精一杯だ。 辛うじて外れていないハートフレームの眼鏡の奥で、 緑の目があなたと、あなた以外の何かを見ていた。 袖からもう一本杭を出そうにも、酷く手が震えている。 「こんな事、すんなよ」「キャプテンだって悲しむ、んだよ」 黒い影に囲まれている。かつての仲間の姿が見える。 炎に包まれている。マーブル模様のノイズ。強い光。 「う、ぁ」「は、ははは、は」「あッ、たま痛い……」 伽藍洞に見える。歪んで見える。眩んで見える。その隙間に、あなたの姿が見える。 目を閉じてはいけない。目を逸らしてはいけない。 「潰れる、訳、ねェだろ……宙がある限り、」 「夜はずっと続く、ってな」 随分重たそうに。ずるり、と、槌をゆっくりあなたに向けて。 「……とっとと殺りなよ。あんたにはあんたの役目が、だろ」 「お互い、カッコはつけとかねェと……ふ、ふふ」 「よーく狙えよ……外したら殺しちまうぞ」 → (-368) 2024/04/05(Fri) 0:41:44 |
【秘】 君の友達 アウレア → ソーレファミリー エーラアウレアは立っている。自分のプライドと、精神力だけで。 もうろくに真実を映さぬ目を歪めて、笑っている。 抵抗はない。出来ない。ここで殺されることを悟っている。 「安心しろ」「神は赦して下さるよ」 死ぬのは怖くない。怖いと思った事は無い。 ただ、 「……エーラ」 「楽しかった」 胸が痛い。 膝を 付いた。 (-369) 2024/04/05(Fri) 0:45:00 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル「おお……俺様ちゃんの保存か。びっくりした。 盗撮を本人の目の前で依頼するんじゃねえ。 人格データなら取っといてるぞー、探して勝手に見ろ」 なんとも投げやり。ただし嘘は言ってなかった。 自分があなたのデータを見たのだから自分も明かそうと、 この船のどこかに隠してあるんだ、なんて付け足して。 「まあ……要はあれだろ、アルバム作り。 オトモ君のマスター権限ナル君にもあげておこうかな……。 後から好きに見れるようにしとくね。悪用しないでしょ?」 『はい。オトモ君も良いと思いました。 お任せください、オトモ君にはセンスがあります』 ぴぴ、と電子音の後、白い機体が誇らしげにくるりと回った。 「……ん。頼むぞナル君、その意気だぜ」 「死ぬなよ〜?」 んじゃな、と笑みにはにかみを返した。 背中を最後まで見送って。 どうかあなたが望む通りになればいいと、祈った。 それから先。アウレアの死が告げられた後。 きっとアウレアの言う通り、オトモ君のマスター権限はあなたにも付与されていただろう。 オトモ君の内部データはクリーンアップされていたけれど、 あなたの望んだ思い出はアウレアの持つガラクタのどこかに。 それが見つかるのがいつかは、命無き者には判らぬ事だ。 (-377) 2024/04/05(Fri) 1:25:13 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 正常動作 エーラぱん。 「ぁ、」 視界が弾けた。あたまが、はじけた。 ぱん。 激痛。焼けるような、燃えるような。 ぱん。 冷たいような。 撃たれた勢いで、アウレアの身体は仰向けに倒れた。 壁に掛かる黄金の十字架を仰ぎ見るように。 気に入っていた煙草がそのはずみでポケットから落ちて、 広がっていく紅に浸って行った。 見えない。なにも、どこも動かない。 けれど最期、声だけは聞こえて。 「 」 照れんなよ、って皮肉ってやろうって思ったけれど。 その前にふっと、意識が落ちて。 そのままだった。 それきりだった。 (-379) 2024/04/05(Fri) 1:53:15 |
黄金十字 アウレアは、メモを貼った。 (c4) 2024/04/05(Fri) 2:02:25 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル終ぞ剥がされなかったままのシール。 このドローンにも自分で剥がせる術はあるのだが、 あれからずっと貼ったままでいる。 『……現存しているプロトタープデータから分析した結果』 『感情が関係するため演算結果の正確性は不明ですが』 『アウレア様は楽しんでおられたと推察します。 あの方は仲間と過ごすのがお好きな方ですから』 『寂しがり屋であることは事実だと判断します。 でなければ『アウレア』という在り方を 選ぶことはなかったでしょう』 幼い子供の声をした合成音声がそう告げる。 かつてのマスターの亡骸を見ながら。 誕生日はいつになるかという問いには、機体を傾けた。 『不明です。当該データはロストしました』 ふよ、と体勢を直しながら一つの事実を述べて。 それからお供をするように、あなたの後を追っていった。 (-397) 2024/04/05(Fri) 10:53:28 |