人狼物語 三日月国


139 【身内】花咲く日、蜜の香りと踊る【RP村】

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【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル


揺れる黄色に、触れた指。髪の内側は黄金を反射させ。

「外れたら、またつけてくれるな?」

そのまま瞳を見つめ返し、何度か瞬いて。
無表情は機嫌よく、くすぐったそうに頬を緩めた。
(-16) 2022/03/29(Tue) 9:13:28

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル



「なるほど……それじゃあそこも、見よう。
 ついでに取引先に出来ると良いが……」

ごくたまに商人らしさを見せながら、またつれられて工芸店へと向かった。
目に入る宝石や細工品の輝き。
髪にいくつもの光を反射させながらまじまじと店内を眺めていたが、用意された懐中時計を見れば目を輝かせるようにして興味深げに近寄った。
金属に溶けたアンバーの色に見蕩れ、寸分違わず刻まれる針の音に耳を傾ける。
ほう。と感嘆の息をこぼせば、その盤を長い指でなぞった。

「ありがとう、ユピテル。
 せっかくの揃いだ、絶対に無くさないようにしよう」

出来れば、あなたも。之をなくさないで欲しいと思う。
なんだかあまり考えたことも無い感情がふっと沸いて、
そして霧散せずに胸の中に残った。

刻まれる針の音も、輝く黄金も。
――これが好きな色になりそうだ、と。

そんな事を考えて、再び帰るまでの道のりを再び手を繋いで歩いただろう。
(-17) 2022/03/29(Tue) 9:17:53

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル

――――
――


ゲームが終わり、祭りも終わりの日が近づく。

テレベレムは大きな紙袋を抱えて辺りを見渡していた。、
人目を避けるように取っている宿へと駆ける、怪しい。

袋の中には日持ちする果実や干し肉に、長いパン。
美味しそう。

良い香りがするのでつい買ってしまったものである。
焼きたてが一番と言われたため、今日中になくなるだろう。


「――はあ、あいつはいない。な?」

まさかこんなところで誰かがぶつかってくるとも考えずに。

あえて日の当たる暖かい場所を避けて、あの笑顔と声から離れるように。

坂道の下から聞こえる子供達の声から逃げるように曲がり角を曲がった。
(-18) 2022/03/29(Tue) 9:20:29

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「ええ?何だって?
 急げって言ったり止まれって言ったり今日は随分──」


曲がり角を曲がった、瞬間。

「どわあああ〜〜っ!!!!!」


ごちーん!
と音がしそうな勢いでぶつかって来たのは、
今や見覚えのあるものになってしまった茶色のふわふわ頭。
ぶつかり盛大によろめいて、目をぱちくりと瞬かせた後。

「……あれ、テレベルム?
 こんな所で奇遇だね──じゃなくて。
 うっかりしてた、大丈夫…大丈夫じゃなさそう?」

やや困惑気味な様子を隠しもせず問うけれど、
多分この状況に於いて、一番困惑しているのはあなたの方と思う。

何はさておくとして。
さてあなたがその手に抱えていたものは無事だろうか?
無事じゃない?無事じゃないかも……
(-19) 2022/03/29(Tue) 10:32:22

【秘】 行商人 テレベルム → 裁縫屋の子 リュシー



「案内はするほどでもないが……?
 それなら、俺の国にでもまずは案内しよう」

綺麗な季節の花に、甘い菓子に。
それに友人もつけば。

「それなら家出でも、修行でも。
 きっかけがあればいつでもいい。
 外に行きたくなったらついていこう、
 リュシーが行きたい場所に」

花畑で交わした約束は叶えられるものだ、そう相場が決まっている。
そう笑って互いの髪を揺らし合った。
そのときはきっといつかくる、……もしかしたら互いに成長した先で思うこともあるかもしれないが。
きっとそのときも笑っているのだと、そう、思った。
(-28) 2022/03/30(Wed) 4:58:44

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル

うわっ……!
 あ、……
ユピテル?


なんと、美味しそうなパンは無事だった。

しかし中から零れだした丸い果実はゆっくりコロコロ……と坂道を転がり行く。
慌てて追いかけようと手を伸ばすも、
妙にこの現状にどういった表情を見せれば良いかわからず動きが鈍ってしまった。


「だ、大丈夫だ……。
 強いて言えば果実が今から川のように流れて何処かに落ちていくだけだろう。
 ……奇遇、そうだな……奇遇。
 ああ、さっき通りかかった屋台のパンが旨そうだった、お前も食べると良い。それじゃあ……今日はもう宿に戻るから、ここで。
 ぶつかって、……悪かった、な? 怪我していたら冷やせよ」
(-29) 2022/03/30(Wed) 5:02:16

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「ありゃ、ほんとだ……
 拾うの手伝うよ、放っておくのも何でしょ?
 パンは逃げ…るかもだけど、また今度行けばいいし」

少しずれた髪飾りを直す傍らに、
坂の方を見遣れば無常にも転げ落ちていく果実が見える。
拾いに行くと言ってすぐ、やや早足に坂の方へ向かった。
──花飾りは、今日も変わらず髪の上で揺れている。

それに構わず背を向けてしまえばこの場はそれで終わり。
とはいえ途中であなたが姿を消せば、
旅人は付近を片っ端からあたって探しに行くだろう。
残念ながらそういう奴なのだと、想像に難くないはずで。

「……あ、そういえばさ」

そうして転がっていったものを拾い集めた後。
あなたがまだ近くに居れば、
実に他愛ない雑談のような調子で話を振った。

「もうそろそろ約束の日だよな。
 君、次はどの方面に出立する予定なんだっけ?
 思えば君の故郷がどの辺りか聞き忘れてたなって。それと」

「何か思い出せた事はあった?」
(-30) 2022/03/30(Wed) 6:55:43

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル

揺れる青に言葉通り後ろ髪を引かれてしまう。
ため息をついて、風に靡く白銀をかきあげれば紙袋を抱え壁にもたれ掛かった。

「約束の日は……ずれるかもしれん。
 赤色の男に肩をぶつけられてしまって?
 少し出発が遅れそうだ……。

 それで旅の行き場所か。

 そう、だな……。
 まずはここで手に入れた特産物を
 森を抜けた先の村で売りにいく予定だった。
 ……売り上げが良ければ港街にいって
 船に乗るつもりだ?」

「売れなければまたその辺りをうろついて、
 
じゃない
。なぜ教えねばならんのだ」

海の向こう側、妖精と親交があると尋ねれば人の世でも噂に上がる国があったりするだろう。
そうあまり深く考えずに告げていたが、個人情報を漏らしすぎたか……?
眉を潜めつつ、再び髪をかきあげて触れた黄色のふわふわに手が止まった。
(-33) 2022/03/30(Wed) 10:16:50

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル

「思い出せたこと……?」

ありましたけど……。

「……旅には、お前には、関係ないだろ。
 迷子になると思うなら心配するな、
 国にたどり着けなくともいつか辿り着く。
 ユピテルはユピテルで旅をすれば良い。
 ……足並みは揃える必要はないのだから」
(-34) 2022/03/30(Wed) 10:18:42

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「おや、へえ。ちょうど良い・・・・・・ね?
 件の人には感謝した方が良いのかもしれない。
 時に──君って天気予報は聞く方?」

ふと、白銀の合間から覗く暖かい色が目に留まって。
それから、出立が遅れるという言葉に一度目を瞬かせた。
続いてそれを、災難、ではなく、幸運な出来事のように言う。

「当然聞くだろうね。何せ旅をするんだから。
 でもずっと先の予報まではそうそう聞けないだろ?
 大抵はどんなに風や空を読むのが上手くたって限度がある。
 この街では私は予報士の仕事はしていないしね」

この旅人とて、路銀の為にたまに仕事をしている。
たまに。

そしてそれは、大半が風を読む類の仕事だった。
その中で予測を外した事は、これまでに一度も無い。・・・・・・・・・・

「つまり。その方面の空模様は、
 この祭りが終わってすぐは少しばかり荒れるらしい。
 何も春の嵐、というほどではないし、
 少し出立を遅らせればまったく問題無い程度だけどね。」
(-35) 2022/03/30(Wed) 11:55:33

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「で、ここまではちょっとした親切心。
 なんでって言ったらそりゃあ、もしも行き先が同じなら
 旅の連れ合いは多い方が当然楽しいだろ?
 何より私も次は向こうの港街に行くつもりだったんだ。」

何せとりあえず港に行けば遠くへ行けるし仕事もある。
旅人は、毎年春は決まってこの街に来るけれど。
他の季節の行き先は案外一定していない。

「もしかして君、
 私が君は一人じゃやっていけないんじゃないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って
 そんなふうに心配してると思ってる?」

「もしそうなら、それはちょっと思い違いをしているな。
 君は私が居なくとも何処にだって行けるし、
 私も君が居なくとも何処にだって行ける。
 少なくとも私はきっとそうだと思っているよ?」

実際の所。
旅人はあなたがしたい事がある場合、大抵それに乗る形だったし。
あなたの頼みや約束は聞くけれど、それ以外は自由にやっていた。
それがいいと思ったら、その提案に乗った。それだけの話。
(-36) 2022/03/30(Wed) 11:56:40

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「それでもこうしてあれこれ予定を聞くのは。
 やっぱり旅の連れ合いは多い方が楽しいと思うからだ。
 話し相手の居る旅は、いつだって楽しいものだからだ。」

「旅先で、何かを見聞きして思った事を。
 その場ですぐに誰かと話し合えるのは。
 連れ合いの居る旅でなきゃできない事に違いないしさ?」

別に、できなくたって、死にやしないけど。
でもやっぱり、一人でそっと胸にしまっておくよりは。
やっぱりその方が性に合うんだよな。なんて続けた後。

「思い出せたかどうか聞いたのは、まあ一応。
 そのままでも君が生きていく事に支障は無いだろうけどさ、
 覚えてないって聞いたからには気になるものじゃない?
 それに、寝ぼけてるよりは起きてる方がいいだろ?」

目覚めた直後の微睡みは、心地良いものかもしれないけど。
まあそれはそれとして。

「それで、あとは、そうだな。
 強いて言うとすれば。
 旅の道すがら、もう少し君と他愛ない話がしたいってだけ。」

「なあ友よ、私はいつだって私のしたいようにしているよ。
 それで今、たまたま君と足並みが揃うというだけの話さ」
(-37) 2022/03/30(Wed) 11:57:21

【人】 行商人 テレベルム

>>15 ラサルハグ

「……そ、そうか。それはこちらも光栄。
 また客寄せにもなってもらえそうだし同行は構わん……」

裾を引かれながら歩くのには慣れていたはずなのに、少しおぼつかないままついていく。

ずるずる……


「……挨拶回り、はぁ……わかった。する。

 ん? ああ祭りの感想か。良い街だったよここは。
 何度、いつみても、また来たいほど。
 ラサルハグとも。……昔の友人とも会えたから、な。特別な時間になったさ。

 だが、時間は有限だ。
 名残惜しくとも次の場所、次の世界への
 出会いの価値も平等である。
 いつまでもここにはいられんな。

 おまえも挨拶したり
 共に過ごすような間柄の相手が
 できたのではないのか?」

ずるずるずる……


だから早く町から出たいのに……そんな言葉は飲み込んでついていく。
たどり着けば手を離されるが、そのあとはまた合流するだろう。
しばらくは話すつもりらしいかった。
(19) 2022/03/30(Wed) 16:24:03

【秘】 甘言 イクリール → 行商人 テレベルム

「なんだかすごい悲鳴が聴こえたような気がしましたが……。
 い、いいんですか?」

面白半分でやったものの、本当に霧散してしまったので
いつもの余裕そうな表情が少しだけ驚きへと変わった。
声が薄れて聞こえにくくなっている。

「……!あ、ラキさんのことご存知なんですねっ。」

自分が一人ではなかったことを尋ねられると、
すぐにその始終を説明しだした。あなたが知っている男と、
この遊びで二人で一つの大事な蜜を共有していたことを語った。

そしてその会話の流れであなたが手渡した白い箱を受け取る。
それは、この遊びに参加していた人々の絵画だった。
目をまんまるにして驚きつつ、興味津々に眺めている。

「これはこれは驚きました。この遊びの参加者の皆さん
 じゃないですか。私に、それに……ラキさんまでいますっ。
 これを私に?もらってもいいんですか?
 ふふっ、薪だなんてそんな。ありがたくいただきますね。」

この絵画が気に入り、大事そうに抱える。
食べられるものではないが、このお祭りで持ち帰られる
ものとしては大切な宝物になるだろう。
(-42) 2022/03/30(Wed) 22:00:25

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル


「天気予報……・?」

いぶかしげに眉をひそめたが、このときの本心だけはばれていないと思いたい。
まさか行き当たりばったりで雨に濡れている自分がいたのが恥ずかしいわけでは無い、断じて。

「……ああ、ユピテルはそんな事が出来たのか。
 だったら路銀にも困らず、一人でも良い旅がおくれそうだな」

「――わかってる。
 だから、それは楽しいから共に旅をしたいというだけの
 ユピテルの行動理念だ。

 記憶のことも、そうか。
 お前は、あの時のままでいたんだな」

純粋にそんな存在であったのか、
それとも何も変化が無かったのかはこの際どうでも良かった。
(-44) 2022/03/30(Wed) 23:54:15

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル

これはいつの日にかの記憶。

『だから今こうして話をしてしまったことを、俺は』


後悔している。していた。
もう一度出会えることを願って、もし会えなければ寂しいと感じるから。

『俺は必ず帰ろう』

『――その時はまた』


友、だと。
その言葉をかけられた時に、どうしようもなく心が動いてしまって。
だからこそこんなに長い間変わらずにいてくれた君の心を疑った。


それならばもう、素直に風と踊りたいと告げてやろう。

今度は立場が逆で、生まれも育ちも違う存在なのだから。
不安に思っていないことを、不安に思わせる必要はない。

友という言葉だけに、勝手に期待をしてやろうじゃないか。
(-45) 2022/03/30(Wed) 23:58:53

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル


「其れでは問おう友よ。
 俺は――
ユピテルだから
旅をしたいのだが、お前はどうだ?」


「お前がやりたいことしかやらないのはわかった。
 ならば、尚更同じような気持ちでないと
 一緒に旅なんてしたくなどないのが本音らしい。
 気まぐれで、楽しくなくなると辞める旅ならついてくるな。
 ま、また別れが惜しくなる。時期をずらしてもらえるか?

 俺はどうやら、"寂しく"なるらしいからな。
 お前とは――――」

どこまでお揃いが出来るだろうか、そんな無駄なことを考えた。
どうか教えてくれないか、ユピテル。


「お前と揃いは、……之だけだろ」

気持ちも時間も、揃いになれる
柔らかい黄色のふわふわを揺らしながら。
無表情は不器用に笑いかけた。
(-46) 2022/03/30(Wed) 23:59:29

【人】 行商人 テレベルム

>>21 ラサルハグ

集中しているときは自然と表情を柔らかくしてしまう。
自分自身の実力に後悔はしたことはない。
求められるものに、価値がなければそこに金銭と笑顔が生じないだけ。
自意識過剰かも知れないが、マイナスになる必要もなどないのだ。

つまりそんなタイミングで、酒や甘味を食うかのように自分の絵を味わっているときに。
突然話しかけられる者だから。

「……!? あ、い、なんだラサルハグ。
 驚いたじゃないか……」

素面で言っているのかこいつ。大丈夫か?


「……」

いや、今なんて。

あっっっっっっっっっっ??!?
 あ、りがとう。
 親譲りだ……?」

恥ずかしいことを言うな!?
ただ言葉を返してくれただけだろう行為にうるさくも言えず、
あの時の自分を殴りたい、ただそれだけを思った。
(23) 2022/03/31(Thu) 5:37:08

【人】 行商人 テレベルム

>>21 >>23 ラサルハグ

閑話休題。

「そう、か……俺もここには戻る理由がある。
 思い出が出来て、善いことが沢山あった土地だ。
 友人達も居るからな、もう少し大きくなったら
 旅に付き合ってやる約束もしたんだ」

「改めての出会い? ……
あ”

 だ、大丈夫だ……だが、そうだな。
 お前には街を出た時にでも体調のことについては話そう。
 それがいい。

 お、お前はこういいたいんだよな?
 寝ぼけていた変わった絵描きのことなど、
 忘れてしまう人は多いかもしれない。
 大丈夫だ、多少旅人の雰囲気が変わっても
 何度でも仲良くなれるに違いないさ。

 
……また来るのが嫌になってきたな。

 
俺の頭は本当にあんなお花畑だとでも


ブツブツ呟きながらも、肩をとんと並べ小声で漏らした。
これ以上は、イメージを壊すわけにはいかなかったのだ。
まったく、恥ずかしくて仕方ない。褐色の肌にわずかに朱を交えながら、こっそりとため息をついた。
(24) 2022/03/31(Thu) 5:49:05

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「……まさか聞いてないの?…まあ、それは一旦置いといて。
 私の旅路はいつだって良いものだとも。
 たとえ一人であっても。一人ではできない事もあるだけでさ」

空を、風を読む事はできるけれど。それは読んで初めてわかる事。
だから先の事を知っているからつまらないなんて事も無い。
行きあたりばったりに風に吹かれて、
行きあたりばったりに雨に濡れる事もある。
案外、この風の子は人と同じような旅路を歩んでいる。

「にしても…あの時のまま、あの時のまま、か。
 なあテレベルム、本当に何一つ変わってないと思う?
 私は君の記憶の中のある一点で、君の記憶の中の私のまま
 今も立ち止まったままで居るのかな?」

「世界は案外、日々知らない事が増えているものだよ。
 形の遷ろうものもあれば、新たに作り出されるものもある。
 どんなものも、全てを知り尽くす日はそうそう来やしない。
 もしも何一つ変わっていないように見えるとしたら、それは。
 きっとまだ君が知らない側面があるという事を知らないからだ」

つらつらと問い、それから続く言葉を投げ掛けながら。
一歩、二歩、そちらへ歩み寄って、両手を伸ばして──
(-47) 2022/03/31(Thu) 9:39:16

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「──つまり、私も少しは進歩してるってこと!」

白いフードをがっしり掴んで、ぐっと引っ張り寄せて。
サプライズを仕掛けた子供じみていたずらに笑ってみせた。

いくら人ならざるものとて、数十年もあれば。
多少の人の情緒は理解が及ぶようになってきた頃だ。
そして、ただ気紛れに吹く風というばかりでもない。
こうして何かを捕まえる事も、まあたまにある。

「とはいえまだまだ勉強中の身だという事も確かなことだ。
 たとえば私は君達の"寂しい"はまだわからないけど、でも
 わからないって事はこれから知るってことでもあるだろ?
 だから君が教えてくれよ、テレベルム。
 別れを惜しむ気持ちはわかるから、もう一歩のはずなんだ」

──強いて言うなら好きなものは楽しいこと、
──楽しいことは知らないものを知ること!


そうして人を知って、人を理解して、同じ点を見付けて。
何となく気付き始めた頃ではあった。
世界には、連れ合いの居ない気儘な旅雀である限り
決して知る事のできない事もあるのだと。

「それに、それにだ。そもそもの話だけど…
 
『君と話がしたい』
という望みを
 君以外の誰かが叶えられると思う?」
(-48) 2022/03/31(Thu) 9:39:51

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「もちろん、答えはノーだよな!
 つまるところ、君と旅路を共にして
 その中で他愛ない話をしたい、という事は、必然的に。
 君だから、君でなければ・・・・・・──という事になるんじゃないかと
 私はそう思うんだけど、君はどう思う?」

なんて、問い掛けの形にしてはいるけれど。
あなたが何と言おうと、この旅人の中ではそういう事になった。
何も全てが揃いではないとしても、
決して揃いのものがそれだけとも限らない。

つまりは何を言ったとしても、
私はそうは思わないけどね、で終わる事。
勝手に期待をされたなら、こちらも勝手を返すだけ。

「それに、確かに風というものは気紛れなものだけどさ。
 私達精霊はただ気紛れに吹く風というだけのものじゃない。
 それぞれに意思があり、言葉によって意思の疎通ができる。
 そして私は引き留められれば留まる質ではあるし──」

「そうでなくとも、もしも気紛れを起こしたくなった時は。
 私が楽しそうだと思った方に君も引き摺って行くさ。
 それが嫌なら、気紛れを起こさないよう捕まえててよ!」

ぱっと手を放し、あっけらかんとそう言い放って。
あいも変わらず髪の上では白と青の花飾りが揺れた。
(-49) 2022/03/31(Thu) 9:40:38

【秘】 学生 ニア → 行商人 テレベルム

白いふわふわが訪れれば、嬉しそうに両の手を差し伸べて。
もし乗ってくれるのならば、そのまま頬に寄せるだろう。

「……ふふ。まさかこちらの声が聞かれてると思わなくて。
 ごめんなさい、可愛いふわふわさん達。蜜は頂きます。
 でも、そう……思い出してもらえた……?」

不思議そうに目を細めたけれど、小瓶を預って。
物が食べれるのならば、飴の一つでも奢ってから帰そうかな。
(-50) 2022/03/31(Thu) 11:38:53

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル



「立ち止まってとは言わんが……そういうものか。
 変わったり執着はすることは無いのは、
 知らなかったな……?」


あなたの伸ばされた指を目で追う。
一歩、二歩。後ろに下がろうとした同時に
白いフードが風にさらわれてしまって、逃げることがうまく出来ない。

それでも、その笑顔が見たかったんだ。


「なんだ、そうか。
 少しは――人間のようなことも感じるのか、ユピテル。
 きっと悪くは無い、新しいものを知ることも体験することも。
 お前のためにそれを見つけてくれ、だがな」


突き放したくあったのに、気分が良くなってしまった。
困るな、あくまで予防線をはっておきたいのが人間の心情だというのに。初めての外の友人と仲違いは、幸先がとても、わるい。
(-53) 2022/04/01(Fri) 4:01:48

【秘】 行商人 テレベルム → 風来人 ユピテル

「時々はもう少し考えて……。
 素直だったり正直すぎるのも困る、
 なんでも楽しそうだからと出かけてしまえば足並みが揃わん。

 俺も、その……。お前がちゃんと旅をしてくれた方が
 お前を土産がわりとして大いに自慢が出来るし。
 友と互いに認知していても、
 俺が面白いと感じない関係を持って帰って喜ぶほど、
 子供でも大人でも無いからな」

お揃いを願掛けに揺らし。
やられてしまったなと苦笑いをしつつ。

「だからほどほどに……んー……。
 つまらなくなったら先に言ってから居なくなってくれ」


「置いていかせるなよ。退屈な旅はごめんだ」
(-54) 2022/04/01(Fri) 4:07:05

【秘】 行商人 テレベルム → 学生 ニア

『おう! 聞いてくれよ、思い出したらぽいだぜあいつ!
 最後まで世話したらお別れって約束だったがそれはないぜ!
 あ、可愛い黒猫ちゃんにも声が聞こえるようにしてやったぜ〜。
 たんともふもふしてくれ〜』


白いふわふわは、ぐちぐち言いつつもあっさりしているのか。
あまり悔しそうだったり辛そうでは無い。
彼らにとって出会いも別れもよくあることなのだろうか。
楽しいことしか考えていないだけなのかも。

『飴ちゃんくれるのか! ニアはいいやつだな!
 それじゃ〜テレベルムにもお礼させるようにいってやらねえと、仕方ねえな〜。
 勝てればいいな、ニア! あいつもオレも応援して居るぞ〜』


謎の吸収力ですぽんとおさめられた飴。
ほのかにふわふわから甘い香りが漂って、あなたの髪を一度ふわりと揺らした。
(-57) 2022/04/01(Fri) 5:22:47

【秘】 行商人 テレベルム → 学生 ニア

・・・・・・・
・・・・
・・

そうして決着がついた日、おや、と首をかしげる。
髪を揺らして、違う妖精達の陣営の勝利を見つけてしまった。

勝利陣営の一人には傷をつけたが、
条件に偶然合ったことで手に入れてしまった景品。
さてどうしてくれよう、と、悩んでいれば
その顔面に白いふわふわがぶつかってきた。

『おいテレベルム!! ニアに飴を貰ったんだ、いいだろ〜 いいだろ!』

「……たかったのか?」

『オレはそんな卑しい妖精じゃないやい!!!
 お、随分豪華な景品ゲットしてんじゃねえか、それどうするんだ?』

「ニアにあげようと……して、いたが。
 どうにかして会わないで渡せないか……恥ずかしいのだが」

『家にでも置いておけばどうだ? 引っ越したばっかなんだろ!
 聞けばすぐわかるって』

「越したばかりの女の子の家の前に贈り物を……? 正気か?」


『テレベルムが言いはじめたことだぞ』


後日こっそりと。
花弁の入ったはちみつの瓶、ハーブティ。
お花の形をした木の実のクッキーとポプリのセット

それらを入れた籠を家へと届けに行きつつ。
見つかってしまえば少し不器用に笑って渡すのだろう。
(-58) 2022/04/01(Fri) 5:33:21

【人】 行商人 テレベルム

>>26 ラサルハグ

「今の目的はそうだ。土産になるものを持って帰るのを目的としている。
 故郷は若干鎖国気味だが俺がいればはいるのはかんた、
 ラサルハグ? 近い
近い
近い


突き飛ばしたくなる手を必死に押さえて顔を背ける。
とんだ天然が付きまとうようだ、おかしいなこんなはずではなかったのに。

「やめろ、色々、ストップだ!!
 ……服が汚れるぞ、まったく」

うる……黙っ

 ……き、気遣ってくれてどうもありがとう……。
 もう気にされた方がましかもしれないが
 下手に演技しても無駄だろう。なるようにさせる」

「……お、お前は……俺の本心を察しながら
 ほどよい距離でいてくれ……。頼んだぞ、……頼んだぞ」

フォローの仕方に距離感、難儀な関係になるとこの瞬間に気づく。
未来を察してしまったが嬉しいものは嬉しいので。
困ったように、喜ぶように。
ため息をつきながら頬を緩ませていた。
(27) 2022/04/01(Fri) 10:49:57

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「なるほど、そうだな……
 ──じゃあ、また一つ。"約束"ということにしようか?」

ユピテルという旅人は、約束は守るたちだ。
それが単なる口約束であったとしても、
多少の不手際はあっても。約束そのものは破りはしない。

毎年春にはこの街を訪れると決めてはいた。
それはあなたと約束を交わす以前からの事で、それでも。
絶対にこの街でなければならないような理由は無かった。
気が向けば、いつでも他の街に行く事はできた。

それでも、約束を交わしたあの日から。
この街を訪れなかった春は一度もなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
つまるところ、この風の子はそういう奴だった。

「たとえば何処に行きたいだとか、何かしたいと思った時は。
 私は行動に移す前に、ちゃんと君にも意見を尋ねる事にする。
 それで、君も何か行動する前には提案という形で伝えてくれよ。
 これなら君も私も置いてけぼりにはされないだろ?」

互いに互いの考えを聞いた上で、異なる道を行くとすれば。
それは互いに納得した上で、違う道を選ぶという事だ。
まあ何も、いずれそうなる時が来るとは限らないのだけど。
(-59) 2022/04/01(Fri) 17:03:29

【秘】 風来人 ユピテル → 行商人 テレベルム


「だから、出立の日が決まったらちゃんと教えてくれよ?
 置いていかせるなよ、なんて言った以上はさ。
 何なら今ここで指切りでもしようか!」

なんて、苦笑いにいたずらな笑みを返して。
投げ掛ける言葉は、あくまでも冗談じみたもの。
事ここに至ってなお一人で行ってしまうとは思っていない。

どのみち、街を発つ者が居れば、きっと。
親切な"風のうわさ"が教えてくれるだろうから。
そういう意味でも、何一つとして心配してはいない。

「君の土産話が一つでも多くなるように、
 そして私の楽しみが一つでも多くなるように。
 ──我が友よ、なあテレベルム!
 互いに退屈する間も無い旅にしようじゃないか!」

そう言って浮かべた笑顔はもう既に随分楽しげなもので。
穏やかな春風がまた一つ、坂の上から下へ吹き抜けていった。
(-60) 2022/04/01(Fri) 17:04:09