人狼物語 三日月国


246 幾星霜のメモワール

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


リッカエミールに教えを説いた。

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール

>>-43 エミール

静謐な教会。ステンドグラスの外は雪が降る。
そんな天気だから、いつもより薄暗い教会にあなた以外の気配はない。

―――気配はなくとも、そこに聖女は確かにいた。
聖女はいつだってどこにだっている。
それが、この世界の、創造者。

でも。
―――どうして、と。
音もなきまま、聖女のその瞳だけが瞬きを繰り返す。
だって、その選択は、
有り得ない
とすら思えるもので。

(-44) 2024/02/19(Mon) 12:47:30

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール

>>-43>>-44 エミール

ふわりと。
だから、音もなく。
本来ならば有り得ないことがそこで起こった。

あなたの前に降り立ったのは、目の前の像と変わらぬ見目の小さな子ども。
雪のような白銀の髪を冷たい空気に揺らし、冬空と同じ色の瞳であなたを見上げている。


「 …… ほんとうに いいの ? 」


もう機会はないかもしれないよ、と暗にその声は告げている。
その表情や声音全てから、困惑のいろが見て取れることだろう。

(-45) 2024/02/19(Mon) 12:48:24

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール

>>-53 エミール

伸びたその手は、本当ならば聖女に触れることはない。
聖女にとって、転生者あなたたちはみな手を伸ばしたところですり抜けてしまう流れ星。
触れる温度は、惜しむ気持ちを生むだけだから。

だけどあなたは、権利を得てなおここを離れないのだという。
なら、惜しむ必要も、怯える必要も、どこにもないのではなんて。

そう思った聖女がいたから。その手は、聖女の柔らかな髪に触れている。
静かに、それでいて少し面映ゆそうに、聖女の瞳は伏せていて。

(-55) 2024/02/19(Mon) 16:03:30

【教】 聖女 リッカ

>>-53>>-55

その手に、彼女あなたと同じものを思ったのだ。
晴天の夜空の、どの星よりもきれいな一番星。

あなたを大切に思うひと
あなたを大切に思う聖女じぶん

だからこそ。
その願いはどこか、重なるものだってある。

(/0) 2024/02/19(Mon) 16:04:20

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール

>>-53>>-55 エミール

次のとき。
そうして、聖女は、くすりと微笑んだ。
同時に、あなたのその手は、するりと聖女の身体をすり抜ける。

そのままひらりと翻して、聖女の身体は宙に浮かぶ。
微笑みのまま、聖女は、
聖女
として。


 「 ――― たしかに 聞き届けたわ。 エミール 」

「 あなたの 願い … 叶えてあげる 」



しん、と静かな教会に。
けれどその声は、響き渡ることもなくただ静かに。


「 …… ファリエのこと たいせつにしてね  
でないと わたしが さらってしまうわ 」

(-56) 2024/02/19(Mon) 16:06:35

【秘】 聖女 リッカ → 寡黙 エミール

>>-53>>-55>>-56 エミール

そんな声が聞こえたかと思うと、
聖女の姿はもうそこにはない。
まるで、夢かなにかだったかみたいに。

ただひとひらの雪片が、
聖女がいた場所から舞い降りてゆく。
その雪片に触れたなら、それはあなたの手の中で。
触れなければそのまま教会の床に舞い降りて、
その上で溶けて消えていった。

曇天の薄暗い光がステンドグラスを透かしている。
聖女の像だけは、変わらずに
そこであなたのことを見下ろしていた。

(-57) 2024/02/19(Mon) 16:08:02