人狼物語 三日月国


81 【身内】三途病院連続殺人事件【R18G】

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視点:


【人】 被虐 メイジ

──曇り空に晴れ間が差し込んだ。
まだ道は塞がれたまま。助けがくるかもわからぬまま。
メイジの心も晴れぬままだった。

自分が騙した死者にまで、生きてほしいと言われた。
──もっとも、まだ半信半疑ではあるが。
それは希望を与えられているようで、呪いのようなものだった。

雨戸を開ける。病院内の淀んだ空気に
まだすこし湿った風が吹き込んだ。
(2) 2021/07/12(Mon) 16:42:25
メイジは、ミロクの死体を引きずって、手術室に運んだ。食料になりえるものは無駄にはできない。
(a0) 2021/07/12(Mon) 16:44:19

【人】 被虐 メイジ

「………重い……」


ずるずるとシーツに包まれたままのそれを引きずる。
ここに運んでくるまで、きっと誰かが
見ていてもおかしくはないだろうが、今更だ。

メイジはこれから"以前教わったように"
亡くなった彼や自分の手で殺した人を、食肉にする気だった。
(3) 2021/07/12(Mon) 16:53:33

【人】 被虐 メイジ

>>4 ロク
「…………手術室」

ありがと、と手伝ってくれるあなたに礼を呟き
そのまま台に乗せるまで、一緒に運ぶだろう。
やがてシーツを外せば、その姿が露になる。

「晴れたけど……助け、いつくるかわかんないから。
 教わったんだし、……やらなきゃ、って」

「でも終わったら、お墓も作ろうと思うんだ」

メイジは、意を消してメスを握った。
この場には運んできたミロクと
もう一体、セナハラの姿がある。
後者を後回しにしたのは、メイジの気持ちの問題か。
(5) 2021/07/12(Mon) 17:50:28

【人】 被虐 メイジ

>>6 ロク

「……。ロクさんがいいなら、いいよ」

教えるのと墓をつくるの、どちらにも頷く。
切り落としたもの入れるバケツや
包丁、必要なものを近くに置くと
手術台の照明に、穏やかにも見える死顔は照らされる。

「まずはね、手足を……切るんだ。
 それが終わったら、胴体、胸を開いて……
 中身を取り出して──……」

ぽつり、ぽつり、思い出すように説明する。
メイジは、一度、落ち着かせるように息を吸って、吐く。
余計なことをなにも考えないように
そして意を消したように、メスを肌に入れていく。
その手際はぎこちない。汗を滲ませながらも進める。
(7) 2021/07/12(Mon) 20:25:09

【人】 被虐 メイジ

>>8 ロク

瞬いた瞳が、あなたの様子を一瞥する。
その心中を察することもできない。
メイジは、あなたとこの男の関係を知らないからだ。

真っ赤に染まった手で、汚れるのも構わず顔の汗を拭う。
一度や二度で慣れるはずもない。
こみ上げてきそうになる胃酸を必死で我慢していた。

思い出す。友達をそうした時のことを。
バラバラにされた手足や骨や、内臓が、剥いだ皮膚が
バケツの中に溜まっていく。

もう生前の見る影もなくなっていく目の前の男
彼が死を選ぶことを、メイジは知っていた。

「……ミロクさんは、」

ふと思い出したことを、呟く。
なにか話でもしないと気が変になりそうだったのかもしれない。→
(9) 2021/07/13(Tue) 1:38:02

【人】 被虐 メイジ

>>9 ロク

「ミロクさんが生きることを望む人はいなかったけど
 死んで欲しいって望む人もいなかったって
 だから、死ぬことを望まれて嬉しかったって言ってた。
 ついでにオレたちを生かせるなら悪くないって……」

あまり色のよくない、汗の滲んだ面持ちで
オレたちってついでなんだって、とわずかに口元をつりあげる。
誰が彼の死を望んでいたかなんて、メイジは知らない。

「愛されたかったのかなぁ」


ぽつりと手を止めて、俯いた。ただの主観だった。

"人生最大の幸福は、愛されているという確信である"
彼が零していた言葉だ。それが死を望まれることと
直結するなんて、歪んでいると思いながら
メイジは否定ができなかった。

そうして、ひとりの男だった者は自分らの糧となる。
(10) 2021/07/13(Tue) 1:43:49

【人】 被虐 メイジ

>>11 ロク

「……なんだ、ロクさんだったんだ。
 じゃあ責任取ってミロクさんのお墓はロクさんがつくってね」

メイジはそれだけ言って、眉を下げて笑う。
白い石をつけたままの生首を布で包んで
傍らに置いて、ひとつ息を吐いた。→
(13) 2021/07/13(Tue) 13:09:22

【独】 被虐 メイジ

「(……みんな、勝手だな)」
(-33) 2021/07/13(Tue) 13:16:31

【人】 被虐 メイジ

>>12 ロク

「……次は、"セナハラさん"
 殺したのはオレだから全部自分でやろうと
 思ったんだけど……」

数拍の間を置いて、すこし思案する。
遠くを見る。あなたほどではないが
メイジもへらへと笑って取り繕うのは得意な方だ
けど、最近はなんだかうまく笑えなかった。

「……うん。やっぱ手伝ってほしいかも。やろっか……」

もしかしたら、自分だけでは
手を止めてしまいそうだったからだ。

そうして、もう一人、死を選んだ男は運ばれる。
(14) 2021/07/13(Tue) 13:20:23

【独】 被虐 メイジ

/* セナハラビンタしたい
(-34) 2021/07/13(Tue) 13:22:42

【独】 被虐 メイジ

/* >>-35 エーーーーーーーーン(からぶるビンタ)
(-36) 2021/07/13(Tue) 16:17:19

【人】 被虐 メイジ

>>15 ロク

鈍く光る銀色を、迷子のような顔で
見つめている時間の方が、長かったかもしれない。
早く過ぎ去ってしまいたい気持ちと
このままにしておきたい気持ちが混ざり合っている。

「──え?」

あなたの声でふと顔を上げた時、視線がかち合った。

あの時の"手伝った"はメイジがセナハラと共に
友達を血に染めたことだと解釈していた。
自殺というのは、他者が手を貸した時点で
自殺にはならないと、思っているから。

メイジは数拍、無言だった。→
(16) 2021/07/13(Tue) 21:35:49

【人】 被虐 メイジ

>>16 ロク

「……違うよ……オレが殺したんだ。
 "人の殺し方"を教えてくれるっていうから。
 オレは、今まで……生きることを教えてくれた
 セナさんのことを利用して……」

メスを握る手が、震えていた。
これは建前だ。本当はわかっている。
自分の身を使ってまでやることじゃない。
やがてメイジは目を伏せて、ため息を吐いた。

「──勝手に死なれるより、その方がよかった」

「……いいんだ。オレはそうしたいんだよ。
 痛みを分け合いたかったんだ。背負いたいんだ。
 ……この気持ちを、忘れないように……」

もう動かない抜け殻を、バラバラになっていく
それを見つめながら呟いた。
(17) 2021/07/13(Tue) 22:00:04

【人】 被虐 メイジ

>>18 >>19 ロク

「……もし死者にでも会えるんだったら
 文句のひとつやふたつ言いたい気持ちはあるけどね」

首だけになった彼をぼんやりと眺めた。
……文句なんてひとつも出ない。今はただ、つらくて、寂しい。
そっと壊れ物を扱う時のように布に包んで、しまう。

ふと、沈黙を破るあなたの様子に首を傾けながら
ぱちりと一度瞳を瞬かせた。

「うん、ありがと……
 ロクさん。やっぱりやさしいね」

それは以前に手当してくれた時にも、思ったことだった。
やさしい大人、というよりは少し年の近い兄のようだと思う。
家族に例えてしまうのはメイジの悪いクセだが。
ほんのちょっと、心強さを感じながら素直に頷いた。→
(20) 2021/07/14(Wed) 2:17:10

【人】 被虐 メイジ

>>20 ロク

そうして、あとは細かく切って、干して、糸で繋げて
最後に、片付けをし、真っ赤になった手の汚れを落として
ようやく処置を終えて一息つくのだろう。

メイジは包帯や顔に血をつけたまま、
ふらりと椅子に座り、もたれる。

「手伝ってくれて、ありがとね」

見上げて、笑顔をつくる。
最近のメイジは、用事がある時以外は
いつもここにいるようになった。

あなたは立ち去るも、話をするのも、もう自由だろう。
(21) 2021/07/14(Wed) 2:35:36

【独】 被虐 メイジ

/* そういや墓作るんだった言及するの忘れちゃった
(-49) 2021/07/14(Wed) 2:59:33

【人】 被虐 メイジ

ばしゃりと泥が跳ねた。
靴が濡れるのも構わずぬかるんだ道をふらふらと歩く。

──外に出ようと思ったのは、晴れたからではない。
無駄に動いて、体力を消耗することは避けている。
薄くなった雲間から差し込む、わずかな光に目を眇めた。
外は、こんなにも眩しいものだっただろうか。

バケツをひとつふたつ、みっつ、運んでいく。
アユミの、ニエカワの、セナハラの。
あのまま置いておくのは、忍びなかったから、全部。
ミロクのはロクにまかせておいた。

気だるげに顔を少し上げると、濁った水が流れていくのが見えた。──この位置からは、メイジの実家は見えない。

「…………」

ゆるく頭をふった。適当な場所にバケツを置き
しゃがみ込んで顔を伏せ、長い溜息を吐いた。
(24) 2021/07/14(Wed) 13:08:31
メイジは、探してきたスコップで穴を掘っている。無心で。
(a5) 2021/07/14(Wed) 15:05:21

メイジは、ざく、ざく、ざく、ざく、ざく、ざく。
(a6) 2021/07/14(Wed) 15:07:29

メイジは、それほど不慣れではないようだ。土とスコップがぶつかる音だけがしばらく響いた。
(a7) 2021/07/14(Wed) 15:08:49

メイジは、夢中で作業していたので、しばらく音が多いことに気づかなかった。
(a8) 2021/07/14(Wed) 16:39:12

メイジは、ふと顔を上げた。なぜか掘った穴が増えていた。
(a9) 2021/07/14(Wed) 16:40:30

メイジは、「  ?  」
(a10) 2021/07/14(Wed) 16:40:45

【人】 被虐 メイジ

長い時間をかけて掘り、地面に深めの穴ができた。
なぜか増えていた穴にしばし首を傾げたが
考えることを放棄した。助かったので見えない誰かに感謝した。


メイジはじんわりと汗が滲んだ額を拭う。
せっかく替えてもらった包帯がまた少し泥で汚れてしまった。

……そおっと、バケツの中身をひとつひとつ、穴の底へ。
別れを惜しむように睫毛を伏せて、土をかぶせていく。

そうしてしばらく、その前に座り込んで、手を合わせた。

──どうか安らかに、なんて祈る資格はないかもしれないけれど。
(25) 2021/07/14(Wed) 17:47:08

【赤】 被虐 メイジ

──ある人が言っていたことを思い出した。

"もし何か悪い事をしたとしても、それは生きる為にした事"


いい子のままでは生き残れない。そう、メイジに説得してくれた時の彼は
まるで自分に言い聞かせているようだったのを、覚えている。
それと同時に
"自分のやった行いは許されるものではない"

と、また別の人の言葉も思い出してしまうけれど。

それでも"死にたくない"とメイジは選び、ここまできた。
誰かを犠牲にしてまでもそうする術を教わって。

"僕は、たとえ死んでもきみに賛同し続けます"


覚えている。背を押してくれた言葉を、頭を撫でてくれた温もりを。
死後の存在に確信のない少年には
今でもそうであることを信じて、祈るだけだった。

それは"尊敬"に近くて、すこし"同情"にも似た感情。
彼が医師を志した理由をきいてしまったからだろうか。
(*0) 2021/07/14(Wed) 18:11:11

【人】 被虐 メイジ

泥遊びでもしてきたのだろうか。
少々顔に新しい汚れをつけたまま、戻ってきたメイジは
なによりも先に缶詰 >>23 が目に入った。
なんと自身の名も書いてあるではないか
天からの恵みだろうか。

「かんづめだ……」

缶詰だ。メイジは、語彙力がなくなっていた。
きょろりと辺りを見回してから、近くに座った。

誰かがいるならば一緒にいただくだろうし
ひとりならひとりで、空腹に負けてそのまま
いただくのだろう。

ふと、置きっぱなしだったおはじきの箱が目に留まる。
……遊んでいた時が、遠い昔のようだった。
(26) 2021/07/14(Wed) 18:56:51

【人】 被虐 メイジ

>>27 フジノ

「これやっぱりフジノの仕業?
 君がいいなら、いいんだけど……」

あなたは人より倍食事が必要なのでは、と思ったところで腹が鳴った。お言葉に甘えていただくことにしよう。

「あ、いいよ。気に入ったの? かわいいもんね」

何ならあの時遊んだまま、メイジが負けたっきりの
数のまま入れてあるかもしれなかった。
ふたつある箱のひとつを差し出す。
この箱はミロクからもらったものだった。
(28) 2021/07/14(Wed) 19:27:25

【人】 被虐 メイジ

>>29 フジノ

「……ありがと。
 そういえばオレもフジノのハンカチまだ持ったままだ。
 家に帰ってさ、洗ってから返したいって思ってたんだ」

魚の缶詰を開けて、動物の如くにおいを嗅いでいた。
なんだか"猿肉"以外を食べるのは、久々だった。
いただきますと手を合わせて、味わった。

「オレの住んでる場所はね、──」

あなたが自分の名を書いていた紙に、書き記す。

ミロクが言っていた場所と近いかと言えば
どうだろう。メイジの住んでいる場所は
少し見上げれば、赤い塔がみえるところだった。

「フジノまで会いに来てくれたらすれ違っちゃわないかな」

メイジは、頬杖をつきながら笑った。
(30) 2021/07/14(Wed) 20:01:18

【秘】 遊惰 ロク → 被虐 メイジ

「お医者サンから、お前サンに」

 いつかの時間。そう言い乍ら一枚の封筒を手渡す。
 封がされておらず、中には数枚の紙が入っている。
 
中身は遺書だ。
文面は殆ど弄られておらず、その儘。(>>-24,>>-25,>>a4


 ――少年の手に渡ったと同時、
 男は「アッ」とワザとらしい声を上げる。

「封しとけって言われたんだが、忘れちまった。
 悪いが坊チャン、しといてくんねェか」

 糊は宿直室にあると言って、そンじゃこれにて。
 返事も待たずヒラリと手を振り、男はサッサと立ち去った。

 
死人に口なしとはマサにこの事。中身を見るも見ないも、少年次第だ。
そも、少年を只、大人しく守られているだけの存在と見做さなかったのは、かの医者なのだし。
(-86) 2021/07/14(Wed) 20:27:13

【人】 被虐 メイジ

>>31 フジノ

「うん。たのしみだな、向こうで会えるの。
 指切りでもしよっか」

メイジはそっと、小指を差し出した。

「あのさ……ねえ、フジノ。オレもし帰れたらさ
 ひとつやりたいことができたんだ」

ぽつり、と思い出したようにふいに口にする。

「今からものすごい勉強して、大学行ってさ──、」→
(32) 2021/07/14(Wed) 20:39:27

【人】 被虐 メイジ

>>32 フジノ

「──やっぱり、次会ってからの秘密」

そうやって、薄く笑って、口実を増やした。
やがて救助がやってきて、都会でまた会えるといいなと
前を向くことだけを、考えようとした。
(33) 2021/07/14(Wed) 20:40:52

【秘】 被虐 メイジ → 遊惰 ロク

「……え? あ、うん──」

メイジは不思議な面持ちで封筒を受け取る。
さっさと立ち去ったあなたを、唖然と見送って
封のされてないそれを見つめる。

そういえば、手紙を置いておいたと
彼が生前言っていたのを思い出した。

──中身は見ないでください、とも。
(-90) 2021/07/14(Wed) 20:47:48
メイジは、どうみても読んでと言わんばかりのその手紙を、開いた。
(a11) 2021/07/14(Wed) 20:49:28

メイジは、思わずつぶやいた「馬鹿じゃないの……」
(a12) 2021/07/14(Wed) 20:51:36

メイジは、泣いていた。
(a13) 2021/07/14(Wed) 20:52:24

傷痕 メイジは、メモを貼った。
(a16) 2021/07/14(Wed) 20:54:50

メイジは、フジノと約束をした。また会えますように。
(a20) 2021/07/14(Wed) 20:58:47