人狼物語 三日月国


179 【突発R18】向日葵の花枯れる頃【ソロ可】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


【人】 室生 悠仁

 

  慈愛のようなものさえ籠った眼差しで
  俺を見つめる彼に心がざわめきを覚える。

  なにか言わなければ、
  ─── 彼の口を開かせてはいけない。
  そう思考は確かに回っているのに、
  凍りついたように唇は戦慄くばかり。

  二の句が継げない俺の様子に
  彼は何を思っているだろう。
  眼差しをそのままに体感ゆっくりと
  形の良い唇を開いていくと、喉を震わせる。


   『 知ってたよ。 』

  
 
(24) 2022/10/22(Sat) 8:49:55

【人】 室生 悠仁

 

  聴こえた単語に、その意味に。
  俺の思考は止まり、ざわめいていた心も静まった。
  真っ白になった頭は「は?」というような
  疑問の声とも呼べないものしか上げられず
  彼の続く言葉を待つことしか出来ない。


   『 俺たち、どのくらい一緒にいると思ってるんだ。

     こんなに長くいて、
     わからないなんてことはないだろ。 』
  

  …… 思いもしなかったわけではない。
  バレている可能性にだって思考を伸ばしたことはある。
  けれど、彼は傍にいることを許してくれていたのだ。
  
  男が男を、なんて前時代的考えかもしれなくても
  恋愛対象としていない相手に想われていることなんて
  気持ち悪い以外のなにものでもないだろう。
 
(25) 2022/10/22(Sat) 8:50:21

【人】 室生 悠仁

 

  告げる彼はやはり困ったように眉尻を下げている。
  彼の多くの思考は把握しているつもりだったけれど
  今、何を考えているのか俺にはわからない。


   「 じゃ、あ。
     なんで離れなかったんだ。
     こんな、気持ち悪いだろう、男相手に。
     お前は女好きで、友達にこんな、 」


  想いを抱いている相手になんて。
  動揺は思考にも及び、言葉も判然としない。
  それでも、彼の考えていることを知るために
  拙くも言葉を吐き出していく。


   「 離れる機会なんて、いくらもあっただろう。
     それこそ、中学の時に、 」


  それとも、あの頃は俺の気持ちなんて
  知らなかったのだろうか。
  …… それとも。

  知っていて、離れないことを選んだのだろうか。
 
(26) 2022/10/22(Sat) 8:50:54

【人】 室生 悠仁

 

  ─── 俺のことを、嘲笑っていたのだろうか。
  そんなやつじゃないことは長く見てきて
  わかっているつもりでいても、
  後者だとするならそれ以外の理由が思い当たらない。

  俺の気持ちを知って、その上で
  眼の前で女性を口説いて、
  嫉妬させていたというのなら。
  それに一体、他にどんな理由があるというのか。


   『 好きだったんだよ、俺も。 』


  は? と二回目の声が出た。
 
(27) 2022/10/22(Sat) 8:51:06

【人】 室生 悠仁

 

  すぐさま『友達としてな?』と返ってきたので
  誤解をすることはなかったが、それでも
  俺は口元をへの字に歪め、目付きの悪い目で
  刺すように彼を見つめてしまう。


   『 想いには応えられなくても
     好きだったんだ、お前のこと。

     だから傍にいてほしくて、
     ずっと知らないフリをしていた。 』


  本音だろう言葉を零す彼はバツが悪そうにしている。
  今までにもそういう表情は見たことがあったが
  ここまで本心を伝えてくれたのは初めてかもしれない。

  初めての場面だというのに、心が踊るより
  動揺や混乱が脳裏を占めるばかりだ。
 
(28) 2022/10/22(Sat) 8:51:16

【人】 室生 悠仁


  最低だよな、と苦く笑う彼にその通りだと
  頷こうとして、…… 頷けずに彼を見つめた。

  俺の気持ちを知った上で、それに対して
  なんの答えも出さず。
  自分は同じ気持ちを返せないのに
  愛されていたいなんて。
  自分勝手で、酷くて、ずるいことだと感情が言う。

  しかし、それとともに冷静な部分も声を上げるのだ。
  なにも告げていないのに答えてほしかったなんて
  俺の思考回路だって、相当自分勝手なものじゃないかと。
  
  ─── 俺が勇気を出して、嫌われることを厭わず
  告白していたのなら、きっとこうはならなかった。
  
  ならば、彼を怒るのは筋違いというものだろう。
  
(29) 2022/10/22(Sat) 8:51:28

【人】 室生 悠仁

 

  …… 彼の手が持ち上がり、そっと俺の頬に触れた。
  こんなときなのにどきりと跳ねる心臓を
  気にもしないように、なにかを拭う動作で
  指が頬を滑っていく。

  どうやら、理性では理解していても心では納得できず
  気持ちのまま、瞳から涙がこぼれ落ちていたらしい。

  だからといって、自分を好きなやつに
  こんなことするなんてどうかしている。
  優しさのようで全く優しくない行為に
  俺は彼に恨みがましい想いを抱いた。


   「 …… ずっと好きだったんだ。 」
  
 
(30) 2022/10/22(Sat) 8:51:40

【人】 室生 悠仁

 


   「 お前の全てが好きだった。 」


  うん、と彼は静かに頷く。
  その間も涙を拭う手は止まらない。


   「 なのに、どうして。

     何も言ってくれなかったんだ ……。 」
 
 
(31) 2022/10/22(Sat) 8:52:22

【人】 室生 悠仁

 

  正しく恨み言が、ぽつぽつと溢れるように出てきた。
  彼はひとつひとつに頷いてくれる。
  そうして少しして一言、ごめんな、と
  謝罪の言葉を穏やかに零した。

  幾許かの間、俺はさめざめと涙を落としていた。
  彼は一瞬腕を持ち上げる動作を見せるも
  その腕が俺の体を包むこともなく、ただ
  頬を滑る雫を拭い続ける。

  越えてはいけない線が俺たちにはあった。
  そして彼はそれを、越えない選択をしたのだ。
**
  
(32) 2022/10/22(Sat) 8:52:40

【独】 室生 悠仁

/*
おはようございます。

古寺ちゃんの人生をもっと垣間見てみたかった、というわがままはありました。
動くのおしまいでしたらお疲れ様です。

おばあちゃんになる前くらいに一回真面目に頭が茹だる恋しないかな? という
人に興味を持たない人間が唯一興味を持つ、とかにエモさを感じますが、これは全然強制したいわけではなく興味本位な感情です。**
(-33) 2022/10/22(Sat) 8:56:48

【独】 室生 悠仁

/*
見守っていたけど、もしかしなくても1時から書いてるよね!?
寝て!!!!!
おやすみ!!!!
(-45) 2022/10/23(Sun) 6:35:54

【独】 室生 悠仁

/*
この評定は今使うタイミングだったか
(使うタイミングわからずほぼ使ってない)

おはようおはよう
そろそろラストスパートゆっくり書きます
(-47) 2022/10/23(Sun) 6:38:39
室生 悠仁は、評定→表情
2022/10/23(Sun) 6:38:57

【独】 室生 悠仁

/*
楯山くんの続き気になって更新ボタン押して見守っちゃったよね
いやぁ、展開がうまい。
高山さんのも俺のも拾い方が上手。
もっと上手く感想言えたらいいんだけど語彙がないので許してね
感嘆しました。
(-48) 2022/10/23(Sun) 6:44:04

【人】 室生 悠仁

 

  某日、パンプキンタルトの美味しかった店にて。
  俺は一人、まだこの店で食べたことのないメニューを
  注文するため、カウンター席に座っていた。

  時間は前と同じように休日の少しピークから外れた頃。
  人が多いのもそこまで気にならないほうだが
  今日は静かに食べたい気分だった>>12

  デザートだけでなく、きちんとした食事を摂るため
  昼食を食べることなく来店したものだから
  俺の胃袋は空腹に鳴き声を上げている。

  泣いた子どもをあやすように、腹をひと撫ですれば
  SNSを見て既に決めていた本日の昼食予定のメニュー
  ジャック・オー・ランタン≠、
  やって来た店員に注文するのだった。
 
(75) 2022/10/23(Sun) 9:40:19

【人】 室生 悠仁

 

  先日、俺は愛しの彼に告白して振られた。

  とはいっても、当初は振られたといえるような
  はっきりとした言葉を貰えていなかった。
  彼の態度として俺がそう察知していただけで
  曖昧なまま話が進んでしまっていた。

  だからあのあと、きっぱりと気持ちに
  蹴りをつけるため、改めて言葉にしてもらうことした。


   「 この先、未来を考えても
     俺の方を向かないというのなら

     きちんと振ってくれ。 」


  涙で濡れた声で言うには少し恥ずかしかったが
  泣いてすっきりしたのか、淀みなく声を発せたと思う。
 
(76) 2022/10/23(Sun) 9:40:32

【人】 室生 悠仁

 
 

『 お前の想いには応えられない ───。 』  



  彼の声を思い出していた頃に、
  ジャック・オー・ランタン と名付けられた
  季節限定ハロウィンメニューが届く>>2:*1

  黄金色に光る卵の上では赤いカボチャのランタンが
  楽しそうに目を光らせて笑っている。
  もしかしたら時によって表情を変えていたり
  することもあるのかもしれない。

  そのお茶目さにくすりと笑みを浮かべて
  けれど写真を撮ることもなく
  スプーンを柔肌に差し込んでいく。

  抉られた黄色の皮膚からはきのこたっぷりの
  炒められた赤色のご飯が覗いた。
 
(77) 2022/10/23(Sun) 9:40:44

【人】 室生 悠仁

 
 
  ─── 写真を送る相手はもういない。
  とはいえ、別に彼との縁が切れたわけでもない。
  SMSを頻繁に送り合うことこそなくなったが
  きっと連絡すれば返事は返ってくるだろう。

  それでも、未だ燻った想いがもう外に出ることはない。
  子どもの頃から続いた長く重い片想いは
  やっと手放される機会を得たのだから。

  想定していたより穏やかに進んだ物事を終えると
  舞台の幕は下ろされ、客もいないそこには
  ただ一人の男が残ることとなった。

  再び同じ舞台で幕があがることは永遠にない。
  いつかこの傷口が痂になり、塞がったとしても
  前の形に戻ることはあり得ず、傷跡は残り続けるからだ。
  
(78) 2022/10/23(Sun) 9:41:00

【人】 室生 悠仁

  
 
  椎茸に舞茸、エリンギにしめじ。
  見ただけで様々な種類の食材が使われた
  このオムライスは、普段のものとは一味違うらしい。

  口に運びながらSNSで書かれていた内容を思い出す。
  しかし思えば、この店の普段のオムライスというものを
  知らないから比較をすることが出来ない。
  それでも、他の店で食べたことのあるものと
  大分趣が違うことはわかった。

  きのこに合うようにだろうか、クリーミーな味付けは
  まろやかに舌の上で踊り、きのことともに
  味覚器官を刺激してくる。

  匂いも芳醇で、視覚的にも楽しく
  五感に訴えてくる商品はこれもまた
  店長の手腕なのか、それとも他の社員のものか。

  今まで食べたどの食べ物よりも美味しい>>1:10
  とは言えないまでも、今まで食べたものの中でも
  美味しい部類のオムライスは。
 
  ─── それなのに、どこか味気なく感じた。
  
(79) 2022/10/23(Sun) 9:41:09

【人】 室生 悠仁

 

  恋の病とは度し難いものだ。
  勝手に燃え上がり、その気がなくとも溺れさせられ、
  思考を永遠に蝕み苛んできて。
  一度かかったら簡単に治ることはなく
  治療のための期間は数日から年単位まで様々に及ぶ。

  人生を振り回す大病は厄介に過ぎるが
  人は愛することをやめない。

  それは繁殖のためであったり、娯楽のためであったり、
  長い人生を生きていくためであったり。
  はたまた、なんの意味もないときだってあるだろう。

  俺の恋はどの部類だったのだろうか。
  人間の心は複雑で、全てを全て、
  言葉に当てはめることなんて出来やしない。

  俺はひとつの恋を手放した。
  わかっているのは、その事実だけだ。
 
(80) 2022/10/23(Sun) 9:41:48

【人】 室生 悠仁

  

  枯れた向日葵の花びらが散っていく。
  夏の季節が終わり、秋を越えて、
  もうすぐ冬の季節がやってくる。

  動物たちは活発だった動きを止めると
  長い休眠期間に入るだろう。
  やがて陽だまりのようにあたたかな
  春の季節がやってくること夢見て。


  瑞々しくも可憐な、新しい花が咲く日を夢見て。
 
(81) 2022/10/23(Sun) 9:42:22

【人】 室生 悠仁

  

  オムライスを堪能すれば、締めのデザートに入る。
  先日は店長拘りのパンプキンタルトを頂いたから
  次は違うものを頼んでみようか。

  店員を呼んだあと、注文している最中に
  ふと思い立って黒猫のホットココア≠燉鰍だ。
  気まぐれで愛らしいその顔を、今の心境で
  見つめてみたい気分になったから。

  さて、商品を発案した店員と話す機会なんてのはあったか。

  口に含む味はあの日飲んだものと変わらない。
  それでも、今日は黒猫が優しく
  愛嬌のある顔で微笑んてでくれている気がした。**
 
(82) 2022/10/23(Sun) 9:42:30

【独】 室生 悠仁

/*
室生の話はここでおしまいです。
まだ明日一日ありますが、直前で体調悪くて書けないとかもあるかもしれないので、早めに。

改めまして、村建て同村ありがとうございました。
自己嫌悪する日やどうしよう……と思い悩む日もありましたが、完遂出来て良かったです。
自分はソロルも出来ないことはないんだなぁと自信を持つ機会になりました。

ソロルだけど他者との交流がないわけでもなく、期間が長すぎないリハビリ村がほしい! と丁度思っていたところに村を見つけたので感謝の気持です。
ソロル出来る企画村、基本的にペアだったりで3、4週間かかるので……リハビリではちょっと長い。

また同じような村が建つのなら、機会が合えば参加させてもらえたらなと。
楽しかったです。ありがとうございました。
(-50) 2022/10/23(Sun) 9:50:13

【独】 室生 悠仁

/*
二重チェックしたのに誤字脱字があるんですけどぉ!!
(-51) 2022/10/23(Sun) 9:52:21

【独】 室生 悠仁

/*
高山さんのところそう来るか!!
と驚きとともに続きが気になる……してます
噛み締められている、噛んでもそんなに味は染みないと思います(?)
便利に使ってよいのかな……と思いつつそう言ってもらえると嬉しいです、こちらこそありがとうございました!


余談の話しします。
楯山くんのお相手さんがカフェに来たか来てなかったか、というのを委ねたのは、結構無茶というか、相手の力量によることだと思っていて(これは非難しているわけでなく)
それを振る判断をした楯山くんと膨らませて応えた高山さんがかっこいい! って思いました。
もし楯山くんが無意識だったとしても、高山さんを信頼しているからこそだと思うので、素敵だなと思いました。
(-53) 2022/10/23(Sun) 17:14:57

【独】 室生 悠仁

/*
楯山くんの>>L1からの一連の感想も言っていいですか?

まず俺の話と高山さんの話を柔軟に組み立てていてすごいポイント1
俺のそこまで詳細じゃない内容から大きく膨らませて、彼女とこうなった理由にまで昇華させていてすごいポイント2
高山さんの出したNPCからの話の膨らませ方も、発想が豊か、話の回転のさせ方が自然ですごいポイント3

大好きです(謎の告白)
俺がオタクなので感想が気持ち悪いです、方方ごめんなさいね……
なお勝手に喋っているので気にせず自分の人生を歩んでください。
(-54) 2022/10/23(Sun) 17:29:35

【独】 室生 悠仁

/*
ト書きの[]について。
近年かっこなしも結構いますね。私としてはかっこない方が文章の整形や装飾がつけやすくはあります。
文字をかっこ中で大きくするとかっこからはみ出るとか、文字の並びをかっこない分揃えやすいとか、文字を左右に動かす時にかっこの位置を気にしなくていいとか。

ただ、もとのルール的にかっこ文化の方が長いので、基本的にはかっこつけます。なんか気分的にしっくりくるし。

今回は周り皆かっこなしだったので合わせました。どっちでもいいけど統一感在ったほうが読みやすいよね。
(-55) 2022/10/23(Sun) 17:37:11

【独】 室生 悠仁

/*
周りが皆ロルで頑張っている間に喋っていると湧く罪悪感。

NPCに名前がつく時が、ただのNPCから抜け出し一人の人間として像が浮かび上がるようで好きです。
俺のところの彼≠ヘNPCから抜け出せませんでした。

という余談を置いて。**
(-56) 2022/10/23(Sun) 17:40:17

【独】 室生 悠仁

/*
考えながらああも書けるのは地力があるなぁとか
素直な感想を伝えたら褒め返しされてしまった……とか思いました(小並感)

丁寧にわかりやすく読みやすいようにを拘っているので、全部伝わっていたのなら嬉しい!
最後まで見守ってくれてありがとうございました!

>>-58 楯山くん
昔似たようなことして困った!と言われたことが二回ほど……
過度の確定が忌避される界隈なので、こっちの想像で相手を左右するのが苦手な人が結構いるのかな。あとは単純に相手が求めるものを考えつくのが負担とか。重要な選択肢だと特に責任重大に感じるし。
俺自身投げられたら「投げやがったなこいつ!」とは思っている、これはどちらかというと良い意味で。信頼されているんだなと。

お互い輝いていたのですごかったー。
(-65) 2022/10/24(Mon) 7:57:01

【独】 室生 悠仁

/*
今更だけど(反応したつもりになってた
>>-34古寺ちゃんの警察だからこその悲しい過去とかあったらポップコーン片手に鑑賞しちゃいますね……だいすき。

楯山くんは寝られててよかった。俺は睡眠時間が取れないと一日が終わるタイプなので。
NPC名付け理由にわかるしつつ、幼馴染ちゃんのことサイコパスだなんて思っていないですCOしとこ
普通にちょっと頑固ででも楯山くんのこと心配している(この心配が相手のためかはともかく)等身大の女の子に感じていました。
楯山くんと同い年くらいだったよね?(うろ覚え把握
まだまだ若いから突っ走ることはある**
(-66) 2022/10/24(Mon) 8:03:11

【独】 室生 悠仁

/*
高山さんの、素敵な物語でした……!
勢いのある話の運び方に思わず唸るオチが好きです

俺もこの先来れるかわからないので、一足先にお疲れ様でした。
またどこかで!
(-71) 2022/10/24(Mon) 20:21:01