人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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視点:


【赤】 泡沫の誘い手 涼風

清和! 今日がお前の命日だ!
2021/08/16(Mon) 21:30:00

【赤】 学生 涼風

「ねえ、待ってモモ」

 一人分の足音に、もう一つだけ加えられる。


 私は貴方を一人にした。
 貴方が心の内に何を秘めているかも知らないまま、招かれた者としての立場で夢を見てははしゃいでいた。

 だから、貴方を追いかけて傍に行こうとするのは今更遅すぎることなのかもしれないけれど。

「ねえ、モモ。これから君はどうするの?」

(*1) 2021/08/18(Wed) 3:02:03

【赤】 学生 涼風

「……編笠くん」

 小さな影を追う前に、聞こえてきた声の方へと振り返る。
 何もかもが遅いと言われても仕方がない。それでも、声をかけたくて。

「君は遠くから眺めていたことの方が多かったけれど。それでももし、許されるのならば。

 ……どうか私に、君を応援させてほしいな」

 勿論ここを出てからも君のことを手伝うつもりだ。
 伝えることの大切さは、もう痛いほど理解したから。
 貴方にも、後悔なんてして欲しくなくて。

 だから、そっと声を風にのせる。
 涼やかな風が、ふわりと流れていく。

「……頑張ってね」
 
(*2) 2021/08/18(Wed) 3:09:32

【秘】 君ぞ来まさぬ 百千鳥 → 学生 涼風

 
 神社の境内を後にして、人の手の入っていない雑木林を抜けて
 二人言葉も無く歩いて、暫くの後。

「……これからどうするの、だっけ」

 徐に口を開いて、そう零した。

「どうもしないよ。
 って言うと多分、誤解があると思うんだけど…
 この夢にやり残した事は無いから、今まで通り生きてくだけ。」

 今まで通り。
 可も無く不可も無く生きて、
 時々過ぎた事に後悔をして、それから。

「いくつか探しものはしないといけないみたいだけど。」
 
(-30) 2021/08/19(Thu) 22:53:18

【秘】 学生 涼風 → 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 お祭りが終わった後、あとは帰るだけという暗がりの時間。
 どうしてこの時間はいつもよりちょっと寂しさが増すのだろう。

 静けさの中に落とされた貴方の声を拾い上げて凪いだ水面のような落ち着いた声を返す。

「今まで通り……そっか」

 訃報で姉の呼子鳥が亡くなったことを知っている。でも、それが"今まで通り"になってしまった後の百千鳥の様子は分からないままだ。
 それでも、10年前の姿、この夢の中で見ていた姿、そのどちらでもない事くらいは分かる。

「いくつかの……探しもの?
 何を探しているの?それは私に手伝えるものかな?」

 少し不思議そうに目をほんのちょっと丸くさせて尋ねた。
(-46) 2021/08/20(Fri) 23:55:22

【秘】 夢のその先 百千鳥 → 学生 涼風

 
 喧騒は今は遠くに過ぎ去って 
 聞こえるのは、細流のような声と、日の暮れに鳴く鳥の声だけ。

 からん。
 一つ、下駄を鳴らして振り返る。

「みんなのこと。」

 問いには端的に"捜し物"の名を告げて。
 淋しげに響く下駄の音につられてか、
 湛えた笑みは寥々たるものだった。

「お願いがあったから、だけじゃない。
 僕だって、また皆と会えるなら会いたいと思ってる。
 この夢が終わったら、きっと会うのは少し難しくなるけど」

 それでも。
 過ごした時間が楽しいほどに、寂しさが募っていくように。

「呼子姉が、"みんな"のこと……
 
"大好きなみんなの居るこの村"が好きだった
ことも
 僕が皆の事を好きってことも、消えて無くなるわけじゃない
 だからまた会いたいって思うのは、変な事じゃないでしょ?」

 そうして寂しさが募るほどに、"また"を乞う気持ちは強くなる。

「それとも、薫兄さんはもう"僕"とは会ってくれない?」
 
(-47) 2021/08/21(Sat) 4:52:29

【秘】 学生 涼風 → 夢のその先 百千鳥

「……え。

 …………ううん、ううんっ。
 会いたいに決まっているじゃないか!」

 初めこそ驚きに僅かに目を見開いたものの、少年は勢いよく返事をした。

「会いたいよ、モモ。こうしてまたお話がしたい。夢が覚めても、これからも、ずっと。
 ……望んでもいいの?君にまた手を伸ばしていいの?」

 言葉尻が萎んでしまって、どうにも格好がつかなかった。
 怖かったのだ。姉の呼子鳥は既に亡くなっているのだと気付いた時から、貴方になんて言葉をかければいいものかずっと迷っていたのだから。
(-53) 2021/08/21(Sat) 14:37:24

【置】 涼風

拝啓

 ひぐらしの声を聞いて胸に寂寥感が芽生え始めて参りました。残暑厳しき折ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

 手紙を書き始め、次で十通目になります。
 月日が経つのも早いものです。私の周りも、私の立場も、昔と比べると変わったものが随分増えました。
 それでも変わることのないものがあります。どれだけ経っても、決して色褪せないものたちが。

(中略)

 手紙は勿論書きますが、来年はようやく時間が取れそうですからきちんと貴方にお会いして挨拶をしようかと思います。
 それに、見せたいものもありますから。ようやく夢が形になったんです。

(中略)

 略儀ながら、書中をもちましてお見舞い申し上げます。

敬具 

  20××年 8月××日
涼風薫 
(L9) 2021/08/21(Sat) 14:40:39
公開: 2021/08/21(Sat) 14:45:00

【置】 涼風

 家か、或いは関係者に渡したのか。
 手触りのいい和紙の便箋がとある人宛に送られた。

『優くん元気?私だよ。涼風です。
 こうして手紙を君に送るなんて、昔を思い出してしまうね。

 久しぶりに話がしたいな。アイスでも食べてさ。ところで、おすすめのアイスとか知らない?折角だし一緒に買おうよ。お墓参りが終わった後にでも。

追伸
 なんとなく昔を思い出したからお墓参りも自転車で行きたくなっちゃった。まだ自転車はある?』

 ほっそりとした字で、ありとあらゆる無茶振りが書かれている。
 そんなマイペース極めた手紙を貴方が読み終えた頃──
(L10) 2021/08/21(Sat) 14:44:09
公開: 2021/08/21(Sat) 14:45:00

【神】 涼風

>>変わらない君

 某所、某日。

「すーぐーるーくん!
 あーそびーましょー!


……ふふ、なんてね」

 呼び鈴を鳴らしつつ、声を上げる人影が一人分。昔よりも髪は更に伸びたものの、楽しげに揺らす姿はあの頃となんら変わりない。
(G19) 2021/08/21(Sat) 14:45:38

【神】 学生 涼風

>>G20 髪置

 頭からつま先まで視線を泳がせる。

「やあ優くん。ふふ、昔から明るく元気で格好良かったけれど……更に男前になったね」

 貴方を見て眩しそうに目を細めながらぽつりと感想をこぼした。時間の経過で変化していくものは多い。今更その事実を憂う事などないが、どれだけ経っても変わらない貴方の姿には言い表し難い安堵感が芽生えてしまうものだ。

「ああでも……自転車の二人乗りは流石に厳しいかな?」
(G21) 2021/08/21(Sat) 16:00:39

【神】 涼風

>>G22 髪置

 自転車で行く気満々の青年は悪びれる様子もなく笑みを深めた。

「ふふ。実はね……持ってきてない!」

 貴方の自転車を借りるつもりらしい。
 元気に答えるが早いか、豊かに波打つ髪を手際良くまとめて簪で留めると、ふふんと楽しげに目を輝かせる。

「君が死ぬほど疲れる前に、私が交代して漕ぐよ。大丈夫、私もあれから少しは体力がついているからね。君に任せきりになんてしないさ」

 それでも疲れること間違いなしではあるが、それもまた楽しい思い出になるだろうなと考えて口元を綻ばせた。
(G23) 2021/08/21(Sat) 16:28:41

【神】 涼風

>>G24 私の大切な友人

 見慣れたような、それでも少なからず変わった風景が後ろに流れていく。
 夢の再演のようで、決して違うもの。
 だって、今度は自分も貴方を乗せて漕ぐのだから。

「……ふふっ」

 もう憧れながら見ているだけじゃない。今度こそ貴方と同じ景色を見ているような気がして、ちょっとだけ胸が弾んだ。たまらず、前に座る貴方の背中にごちん、と額を戯れにぶつけてみせた。あの時してみせたように。

 二人を乗せた自転車はとある人の元へ。
(G25) 2021/08/21(Sat) 16:46:40

【神】 涼風

 手紙を書いた。
 >>1:L0

 毎年、夏のこの時期。
 >>2:L2 >>2:L3 >>3:L3

 どれだけ忙しくても、夢から覚めたあの日から続けて書き始めた。
 >>3:L5 >>4:L6 >>4:L16

……

 >>L9
 そうして、今年で手紙は十通目になる。

 宛先は……「立花 慈姑様」。
(G26) 2021/08/21(Sat) 16:47:40

【神】 涼風

>>G26

 年齢も性別もバラバラな自分達が集まったあの不思議な夢。あれはいったい誰が根本的な原因なのかとずっと思っていた。
 自分や百千鳥、編笠など夢に引き留めたい者たち──自分は夢の終わる直前になるまでその役割を忘れてしまっていたが──は確かにいたけれど、夢を自分の手で作り上げたという自覚はない。だから、元凶とも呼べるだろう人物がいるのだと思っていた。

 考えに考えて、一つの共通点にたどり着く。

 
全員"帰省して最初に挨拶をした人"が同じ人物であったと。


 手にした結論をもとに手紙を書こうと決めたのだ。
 どれだけ長い年月が経っても、我が子のように自分達を愛してくれた貴方。貴方にも寂しい思いなどしてほしくないと、自分達は変わらず元気であると……そう伝えたくて。
(G27) 2021/08/21(Sat) 16:50:28

【神】 夢の綴り手 涼風

「……10年の節目。今年は手紙で終わらずきちんと貴方の元に来ること出来てよかったよ」

 友人と交代して自転車を漕いで、ようやく訪れた場所。夢から覚めた後、連絡を取ることのできたとある記者から教えてもらったのだ。

 掃除を済ませ、お供え物を並べて、線香をあげた後。

「手紙に書いた、報告したかった事というのはこれなんだ」

 そう言って取り出したものは一つの紙の束。コピー用紙に文字を印刷したものを簡単に留めたものだから、本とすら言い難い拙い出来のもの。でも、それでもいいのだ。ファンだと言ってくれた双子に知らせて、表紙を描いてもらおうと決めているのだから。
 それを自慢げに、誇らしげに取り出して墓前に掲げる。
(G28) 2021/08/21(Sat) 17:12:34

【神】 夢の綴り手 涼風

>>G28

 夕凪、夜凪と交わした約束。幼少期から秘め続けた宝物めいた夢。
 大人になってからは時間がなかなか取れなくて、仕事で使う文字以外一切書けなかった時期もあったけれど。

 夢を抱いてから10年。一度諦めて、夢の中でもう一度夢を叶えたいと決意して更に10年。
 28歳でようやく、物語は形となった。

 初めて生み出した作品は短編集。モデルは勿論、愛する故郷で出会った人たち。彼らがどこか夢を見ているような、ほんの少しだけ不思議な体験をする物語。

 「万華郷」と書かれた表紙の夢を抱いて、青年はそっと微笑んだ。

 眠る間に見る夢はいつしか覚めるもの。でも……いくつになっても、見ていいものだと気付いたから。

「慈姑おばあちゃん」

 私が私である限り、これからも報告しにきます。

 あの時夢を見せてくれた貴方に、今度は自分が夢を見せる番だから。
(G29) 2021/08/21(Sat) 17:13:11

【秘】 夢のその先 百千鳥 → 夢の綴り手 涼風

 
「ダメって言ったら」

 伸ばされた手を躱すふりをして、少しだけ悪戯に笑う。

「それで諦めちゃうなら、少しがっかりするかもね。」

 それでもきっと、追いかけて来てくれると信じていたくって。

 勝手に期待していた現実に少し裏切られた気持ちになるだけで
 決して嫌いになるわけではないけれど。

「夢を見るのは疲れたから、
 
叶わない夢
を見るのは暫く休憩させてほしいけど。
 今居る薫兄さん達に会うのは、叶わない夢じゃないでしょ?」

 今は少し、夢を見るのには疲れてしまったけど。
 今の"僕"は、もう夢の見方もあやふやだけれど。
 誰かと同じ夢を見る事なら、きっとそう難しくはない。

「僕はきっと、これからも
 一人でだってただ何となく生きていけてしまうけど

 でも、だからって誰も目を向けてくれなかったら
 そりゃあきっと、辛くて苦しくて泣きたくて、でも泣けなくて
 一人じゃどうしようもなくなるくらいに寂しいよ」

「だから諦めないで、手を伸ばしていて。
 
僕から、僕が掴める誰かの手を一つでも取り上げたりしないで。

 そしたら僕も、きっと諦めないでいようって思えるから。」
(-60) 2021/08/21(Sat) 19:47:44