人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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視点:


【独】 夢見る乙女 シャルロッテ

/*ヤッタ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!
今日襲撃当たらなければいける 反魂パンチしたい 神 お願いしますわ
(-3) 2022/05/02(Mon) 21:07:28

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

トレイの上のスープが、ミルクが冷めてゆく。
少女の表情もまた、不安げに沈んで。

「……う、ん」
「ロッテも、気を付けて探してみるね」

掠れた声は、気落ちしていつもより更に。
それでも、あなたがそうやって気遣ってくれるから。
少女はぎこちなくもどうにか笑顔を作り、朝食の片付けを済ませたところで、あなたと別れた。
(-7) 2022/05/02(Mon) 21:47:01

【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

「――――」

いつも張り切って配膳してくれるちいさな姿が見当たらない。
食堂を見回せば、飼育委員の上級生の内の片方も。実習生の先生も。
今日はたまたま、ほんの少し、いつも通りじゃないだけ――
とは、もう、思えなくなってきていた。
配膳係を代行するクラスメイトに、ちらと不安げな視線を向けた。
(7) 2022/05/02(Mon) 21:48:16

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

あなたがクラスメイトに視線を向ければ。
明るく振る舞ってはいるものの、ふとした瞬間には不安そうな様子を垣間見せていた。

視線には気が付かないまま、配膳の仕事や下級生の様子を見るのに精いっぱいになっていたが。

ちょうど、浮かない表情をしているときにこちらを見つめる視線に気が付いて、なんとか励ますように微笑みを浮かべてみるのだった。
(-14) 2022/05/02(Mon) 22:28:20

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

不安なのだ、あなたも。
いつも気遣ってくれて、元気付けてくれて。みんなを引っ張ってくれて。
それでもあなただって、少女と同じ年頃の男の子。
それでも懸命に、率先して前に立ってくれている。

そうやってじっと見つめていたら、ようやく、目が合って。
あなたが微笑んでくれたから、ぎゅっと胸が苦しくなった。

刹那。
日常に影を落とす異変への不安とは、別の感情で。
どうしてか、泣きそうになってしまった。
きゅ、と。眉が歪む。


(-21) 2022/05/02(Mon) 23:18:16

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

少女はふるりとかぶりを振った。
それから、あなたに精一杯の笑顔を。
(-22) 2022/05/02(Mon) 23:18:36

【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

「ロッテも」と、声を上げ、シャルロッテは配膳を手伝った。
それが終われば、果物を少しと、ホットミルクを朝食に。
下の子たちの相手をしつつ、朝の時間が過ぎてゆく。
(15) 2022/05/02(Mon) 23:18:54
夢見る乙女 シャルロッテは、メモを貼った。
(a3) 2022/05/02(Mon) 23:19:20

【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

>>18 リアン
人影を見て共有スペースを覗けば、「あ」と小さく一声。
デスクの上には筆記用具に参考書。
その組み合わせで、少女は勉強会のおしらせを思い出す。

「リアン、準備してくれているの?
ありがとう」
(20) 2022/05/03(Tue) 1:26:11

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

不安なのを隠すように笑う……お互いに。

その笑顔は綺麗だと思うけれど、本当に見たいのはそんな無理してつくるものではなくて。
感じる義務感以上に、その笑顔はこの状況を何とかしたいと思わせるには充分なもので。

ちっぽけな決意をひとつ、胸に抱きながら。
朝食の場では苦しみを隠すような笑顔を向け合ってから、しっかりと朝食を摂っていた。

そして朝食のすぐ後、バラニはその場にもいた教育実習生に何やら尋ねているようだったが。

(-42) 2022/05/03(Tue) 1:26:59

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「シャルロッテくん」

それからしばらく時間は経ち、バラニはあなたの姿を見つけて名前を呼んで。

「先程はありがとう、配膳を手伝ってくれて……
 君やクロノくんのお陰で、皆に早く食事を行き届けることができたよ」

「ええと……少し、私の散歩に付き合ってはくれないかな。
 まだ姿が見えない子たちを探すのも兼ねて、なのだが……」

断られてしまったらどうしようかと、内心では少し緊張しながらも尋ねる。
姿が見えない子を探すと言うのも本当で一緒にいたいというのも本当。

良い答えが返って来てくれることを祈りながら、あなたの返事を待っている。
(-43) 2022/05/03(Tue) 1:27:30

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

「………」

じぃ。

朝食の後か、それとも寮の共用スペースで勉強会の準備がされていたときか。はたまたそれより後か。
いずれにせよ、シャルロッテの自由時間を見つけて、ラピスがふらっと現れる。

『シャルロッテちゃん』
『お時間ありますか?』

じっ、と下からあなたを見上げて。
胸のあたりに持ち上げた黒板には、そんなことが書いてあった。
どことなく瑠璃の瞳には心配の色が滲んでいるように見える。
(-56) 2022/05/03(Tue) 8:20:10

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

あなたに励ましてもらうばかりではいけない。
自分だって、しっかりしなければ。
それは不安を覆い隠そうとする笑顔ではあったけれど、きっと。
無理矢理にでもそうすることが、『いつも通り』を取り戻してくれると信じたかった。
いつもあなたがそうであるように、誰かの、あなたの支えになれると信じたかった。
座り込んでしまいそうになるのを、どうにか留めてくれると信じていた。

それでも食欲は湧かなくて、いつもより少ない食事を摂って。
それからしばらく。
あなたに名前を呼ばれると、少女は振り返った。

(-74) 2022/05/03(Tue) 12:30:53

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

「ううん、いつでも何でも率先してくれるのは、バラニだよ。
だからみんな真似して動けるし、ロッテも手伝えるの。
ありがとう」

やわらかく笑み、あなたを見つめる。
次いで行われた提案にも、嫌な顔などする筈もない。

「うん、もちろん。
みんな、早く顔を見たいな……」
「今朝、先生と話してなかった?
なにか言ってた? 先生も、知らないのかな……」

これまでの反応や、今日はその先生の片方も姿が見えないこと。
それらから、望みは薄いとわかっていても、なにかを口にせずにいられないといった様子で。
(-76) 2022/05/03(Tue) 12:31:36

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

あなたの姿をみとめると、少女はふわりと微笑んだ。
「ラピス、どうしたの」なんて声をかけ、黒板へ視線を落とす。

「うん、大丈夫だよ」
「……心配、かけた?」

赤い視線が移ろって、黒板から、あなたへ。
(-77) 2022/05/03(Tue) 13:16:58

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「そ、そうかね……?
 私も……君や、皆がいるからこそ動けているのもあるのだから。
 ありがとう、こちらこそね……」

こちらに向けられる笑みが、気分を和らげてくれるようだった。
嫌な顔もせず快諾してくれたことに安堵しながら、再びお礼の言葉を述べて。
さっそく行こう、と他愛もない会話を続けながらゆっくり歩みを進める。

「うむ、アオツキ先生と少しね……
 私も気になって聞いてみたのだ、何か知らないかと」

そこで一度、言葉は止まって。
続けるかどうか、少しばかり悩むような素振りを見せてから。

「……皆が姿を見せないのは、神隠しとは無関係だと……先生が」
(-81) 2022/05/03(Tue) 14:24:52

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

赤い視線と交わって、首肯が返す。

『元気がないように見えました』

連日、いつもと違うことが起こりすぎているから。
気が滅入っても仕方がない。
食堂では年少の世話を焼いたりして気丈でいたように見えたけれど。

『私で聞けることがあれば、聞きますよ』

何か話すことで肩が軽くなるのならそうしたい、と。
(-83) 2022/05/03(Tue) 14:35:29

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 充溢 バレンタイン

>>23
「レン?」

足取りも重くふらりふらりと彷徨うあなたの姿を見、少女は足を止めた。
大丈夫、とは言ったけれど。
日毎、異変は広がるばかり。
不安もまたじわりと蝕み、虫食い穴のように。
足早にあなたの隣へ歩を進めると、様子を窺った。
(-85) 2022/05/03(Tue) 15:05:13

【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

>>25 リアン
「そっか、リアンはよく見てくれてるんだね」
「ロッテも見習わなくちゃ……」

デスクの上に並ぶそれらは、きちりと整えられている。
これなら、集まればすぐに始められるだろう。
そうしてあなたの手元を追っていた視線は、ふと、あなた自身の相貌へと向けられる。
食堂で見たとき、いつもと違ったような気がしたことを思い出したから。
(28) 2022/05/03(Tue) 15:48:49

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

互いに支え合うことができているなら、それが何よりだ。
少女はあなたに気遣ってもらうことの方が多いように思うけれど――これからはもっと、助けになれるといい。
こんな風に、不安なときだからこそ。
あなたに促され、少女も歩き出す。

「……そっ、か。
神隠しって、ただの噂、だもんね……」

とは、答えても。
ただの噂と断ずるには。

「……でも」
「神隠しじゃなくても」
「こんな風に大勢の姿が見えなくなるのは、へん」
(-87) 2022/05/03(Tue) 15:49:39

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

声のない静かな言葉が、視界に映って。
笑んだ少女の相好は、口角を上げたまま、それでも。
へにゃ、と情けなく崩れた。
それは困ったような、泣き出す前のような。

「……うん」

あなたはやっぱり、みんなのお姉さん。
不安なのはきっとみんな、おんなじで。
それでも、年下の少女を気遣ってくれる。

「最近、なんだか変だから」
「やっぱり、不安になっちゃった」

じっとしていると苦しみや怖いものが追いかけてくるから、少し歩こう、と身振りで示した。
(-88) 2022/05/03(Tue) 15:54:28

【秘】 充溢 バレンタイン → 夢見る乙女 シャルロッテ


「シャルロッテさん」

青い瞳は僅かに伏せられてはいるが、
いつものように眠たげなそれではない。

しかし部屋などでたまに目にするような、
不安に満ちた切羽詰まった表情でもない。
どちらかといえば、少しばつの悪そうな。

「……ええと、そう……皆が、宿題!」

頭が引き戻される前に、それを音の形にする。

「宿題が何か……聞きひそびれてしまった。
 から、そう。誰かに聞きに行こうとしていたところで」
(-90) 2022/05/03(Tue) 16:14:00

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

身振りで促されて、共に歩き出す。
不安に追いつかれないように。
ちょこちょこ、小さな歩幅は誰かと歩くときは少し広くなったり狭くなったり。
合わせてもらうことの方がずっと多いのだけれど。

隣のあなたの様子を気にかけながら、てくてくと。
歩きながら黒板に書くのも慣れたもの。

『ジャステシアがいなくなってから、少しずつ皆が不安になっているように思います』
『シャルロッテちゃんも、何か気になることはないですか』

同室の彼のこと。食堂の片隅が定位置の彼のこと。
はたまた、あなた自身のこと。
(-91) 2022/05/03(Tue) 16:25:50

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「……そうだね、君の言う通りだ」

「誰かと大切な話をしている、らしい……とも聞いた。
 先生も、何でも知っているわけじゃないと言っていたから……
 本当のことかどうかは……私にもわからないけれども」

ひとつひとつ、先生から聞いたことを慎重に伝えていく。

その様子はいつもとは同じようでいて、少し違ってもいる。
いずれにせよこの恋心とは無関係とも言い難いものだった。

「シャルロッテくんは……
 何か方法があれば、いますぐにでも自分の病気を治したいと思うかね」

不意に、そのような事を尋ねる。

この学び舎にいる子供は、誰しも何かしらの事情を抱えている。
それを取り除くためにこうして生徒同士のふれあいを通してじっくり向き合っていくのが、このギムナジウムの姿だけれど。

バラニの言葉は、まるでその以外に夢のような特効薬があるかのよう。
(-92) 2022/05/03(Tue) 16:32:16

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 充溢 バレンタイン

普段とは違う様子。
けれど、我を失っている、という訳でもなくて。
じっとあなたを窺う少女は、ふと息をつく。

「宿題」
「共有スペースでね、見てもらえるんだって。
メモがあったの知ってる?」
「ロッテは今から、部屋に取りに戻るところなの。
一緒に行こう、教えてあげる」
(-97) 2022/05/03(Tue) 18:17:07

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

あなたの言葉を見るために、少女はゆっくり、歩を進める。
行き先は定まっていない。
それでも無意識に、何となく、外へ向かっていた。
きっと、神隠しの噂が脳裏をよぎるせい。

「そう、だね。
レンも不安になってるし、フィウクスもピリピリしてる」
「トットやクロノも、元気がなくて」
「少しでもいつも通りであるように、バラニが頑張ってくれてるけど……。
ロッテは、みんなのために何ができるんだろう」

ぽつり、ぽつり。
掠れた声が落ちる。
(-98) 2022/05/03(Tue) 18:18:23

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

大切な話。
ここで誰かと大切な話をするというなら、実習生の先生よりももっと上の――それこそ、大人の先生お父さんだろうか。
わからないなりに思考を巡らせていると、ふと。
あなたが口にしたのは、唐突にも思える言葉。

「…………病気」

ぽつりと繰り返す。
ここにいるこどもたちは、誰しも事情を抱えている。
それは、少女も例外ではない。
けれど。

「ロッテはね、いいこになるためにここに来たの。
大人の先生たちお父さんにいろんなことを教わって、いいこになって、家族お父さんのところに帰らなきゃ」
「でもそれは、すぐにはできないよ。
勉強すること、たくさんあるもん」

――少女は、自身の病状を理解していない。
それに、『病気』だと言われたから、あなたとおしゃべりができるここにいられるのだ。


「……バラニは?」
「バラニは、すぐに治りたい?」

けれど、例えばルームメイトのように。
神経質な上級生のように。
苦しいことがあるのなら、治るのはきっと、いいことだ。
(-99) 2022/05/03(Tue) 18:28:09

【秘】 充溢 バレンタイン → 夢見る乙女 シャルロッテ

「え〜……そうだな……
 そういうメモがあったのは覚えてるが、
 僕、今少し調子悪ィんだよな……」

眠気がないことを調子が悪いと称しているよう。
いつまた溢れてしまうか分かったものではないもの。

「……大丈夫かな?」

確認するみたいに聞いてみる。
(-100) 2022/05/03(Tue) 19:21:56

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「……治るものなら、治したいと思うよ」
「この病がある限り……
 私は、家督を継ぐ者としては不適当な軟弱者だと。
 生涯消えない烙印を押され続けることになってしまうのだから」

いつもは明朗なその調子にも、わかりやすく不安の色が滲む。

それは、貴族の子であるからこその悩み。
本来ならば、このギムナジウムにいることなどなかっただろうバラニがここにいる理由。

バラニの抱える事情は、とある貴族の跡取りとなるにあたり酷く不都合なものだった。
病気を治すことを彼だけでなく、彼の家族も強く望んでいる。
そしてその想いは、ある意味バラニを蝕む圧力のひとつでもあったが。

(-101) 2022/05/03(Tue) 19:27:22

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「……けれど、病気を治す……それだけではいけないのだ」
「ただ病気を取り除くだけでなくて……
 何者に負けないような強い勇気を持つ、跡継ぎに相応しい男に」
「真にならなければならないのだと、私は思っている……」

簡単な道を選んで得たものは、すぐに失われてしまうものだ。
勇気ある挑戦の先にこそ、本当に大切なものを得ることができる。

バラニが特別好む物語から得た教訓、少年に勇気を与えてくれる教え。
病気を治すことが目的ではない、心の弱さこそがその原因なのだから。

「私にも、しなければならないことはたくさんある……!
 勉強も、皆の為になることも……だから、まだ治らなくていい」

その分だけ、君とも一緒にいられるだろうから。
病気を治さなければならない跡取りとしては間違いだとしても、バラニの気持ちとしてはそう思ってしまうところもあった。
(-102) 2022/05/03(Tue) 19:30:00

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 充溢 バレンタイン

人差し指を唇に当て、少女はすこし考える。

「一緒にいたら、不安になったときにそばにいられるよ」
「でも、一人でいたいときもある」
「今、レンはどっちだろう」

無理にみんなの中にいると、却ってよくないこともある。
例えば神経質な上級生なんかは、きっとそうだ。
だから、あなたに尋ね返した。
(-109) 2022/05/03(Tue) 20:42:48

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

このところ、意識が向くことが増えた森。
定まらない行き先をそれとなく誘導して、外からの風が頬を撫でる場所に。
換気というのは気分転換に丁度いい。

「………」

掠れた声で吐露される、周囲への心配。
今はその唇から歌が紡がれることはなくて、少し寂しい。
少女もきっと悩みを抱えているのに、他の生徒を案じる言葉が先に出てくるのは確かな優しさなのだろう。
日常を保とうとする努力が生む効果はよくわかっていた。

声を掛けられたら良かったのだけれど、この喉から漏れるのは音にもならない空気だけ。
だから代わりに、黒板が線を引く音を声にする。

『これは私がそう思うだけなのですが』
『私は、いつも通りじゃない時があっても良いと思います』
『全部が元通りでなくても、問題はいつか解決するときが来るから』

(-110) 2022/05/03(Tue) 20:43:00

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

『皆の前で頑張る人が、報われてほしいと思います』
『だから私の前では少しくらい、いつも通りじゃないシャルロッテちゃんでも良いんですよ』

眉を下げた笑顔に後輩への心配と慈愛が混ざる。
自分の喉元をとん、と指先で叩いた。
それがあなたの喉のことを示しているのは伝わっただろうか。

『私では役に立てないことも多いかもしれませんが』
『いつでも相談してください。頼ってください』
『それだけ覚えておいてほしかったんです』

あなたが抱える気持ちを受け止められる先輩でいたかった。
その背に頼るか、頼らないか。
それはあなた自身の自由だ。

この小さな上級生が伝えたいことはそれが全て。
だから後は勉強会の話だとか、明日の日替わりメニューの話だとかを話してもいいし、もっと違う話をしてもいい。
ここから立ち去るかどうかも委ねられている。
(-111) 2022/05/03(Tue) 20:43:28

【秘】 充溢 バレンタイン → 夢見る乙女 シャルロッテ

「僕は、あまり僕に自信を持てていないからさ。
 皆に迷惑をかけるのはそこまでじゃないけど……
 病気で情けないところを見せるのは少し嫌かな」

つらつらと、不安以外の言葉を選んで。
幸い一度飲み込んだものだから、押さえつける物はないけど、
溢れ出てしまう心配もそれなりに少なくなっているみたいだ。

「かといって、閉じ籠るのも気が進まないし。
 少しでもダメだなって思ったらすぐ帰る……とか、いいのか?」

歩ける時に歩いておかなければ、
治るものも治らないだろう、頑張ってみるのもたまにはいい。
(-134) 2022/05/03(Tue) 23:19:55

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

そんなことない、と言おうとして、口を噤む。
少女にとってあなたは、とても目映い素敵な男の子。
けれど、家族お父さんに出来損ないを詰られる気持ちは、少しだけわかる。
『シャルロッテ』はそうじゃない、と何度も言われたから。

けれど、少女がそうやってまごついている間に、あなたは。

やっぱりまぶしいな、と思う。

まっすぐな言葉。
誘惑に縋らない強い心。
あなたはちゃんと、大切なことを知っている。

(-163) 2022/05/04(Wed) 2:03:04

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

ちらと視線を落とす。
その先には、隣を歩くあなたの手。
少女は勇気を出して、そっと、その手を取った。

「……うん」
「バラニが家を継ぎたいなら、そのために病気を治すことが必要なら、ロッテも早く治ればいいなって思う」
「でも」
「病気さえ治れば上手くいく訳じゃないって、それだけではだめだって言えるバラニは、とっても強い」

「きっとね、バラニが立派な大人になったとき。
いろんなことを勉強して、今よりもっと素敵になったとき。
そのときには、病気もよくなってるんだと思う」

それは、もう少しこのままでいたいという少女の身勝手な願いかもしれなかった。
それでも。
特効薬のようなもので一足飛びに解決するより、今、ふたりで歩いているみたいに、ゆっくりと変わっていけばいいと思った。
(-164) 2022/05/04(Wed) 2:04:06

【独】 夢見る乙女 シャルロッテ

/*
>まだ治らなくていい

アア〜〜〜〜〜〜〜!!!!!でもお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
治療されちゃう!!!!!!!!!アア!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヤ゛゛゛ダ゛゛゛゛゛゛ウウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(-165) 2022/05/04(Wed) 2:05:35

【独】 夢見る乙女 シャルロッテ

/*
バラニが先に死んでくれるのうれしかったけど、どんどんヤになってきたな……ヤッ……
(-166) 2022/05/04(Wed) 2:06:24

【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

>>30 リアン
「ううん、ロッテはまだだめ」
「だって、思いつかなかったもの」

準備に手間取っていると小さい子たちはすぐに気が逸れてしまうとか。
宿題は自分でできても、もっと先のことを勉強したいとか。
まだまだ、あなたたち上級生のようにはいかない。
少女はすこしばつが悪そうに眉を下げた。

「あ……じろじろ見てごめんなさい」
「でも、そう、リアンの仮面。
いつもは反対側じゃなかったかなって、思って……」
(39) 2022/05/04(Wed) 2:47:33

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

ふらふらと当てどなく歩く足は、不安の元凶と思しきものへと吸い寄せられそうで。
けれど、あなたが正してくれるから、今は、怖いもののないところへ。
心地よい風が駆けてゆく。
かすかに聞こえる固い音は、あなたが声を上げていることのしるし。

いつも通りじゃなくてもいいこと。
頼らせてくれること。

役に立てないだなんてとんでもない。
それだけは否定したくてかぶりを振った。
そうしてあなたの優しさに触れ、少女の口からぽつりとこぼれ落ちるのは。

「――バラニが」
「いつもロッテのことを助けてくれる」
「でも、バラニだって不安なの」
「だから、」

『みんな』ではなくて。
みんなの前で頑張る、あのとびきりまぶしい男の子の支えになりたかった。
けれど、それはきっと、『シャルロッテ』が口にしてはいけない言葉だ。
(-171) 2022/05/04(Wed) 2:48:29
2022/05/04(Wed) 2:49:11

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 充溢 バレンタイン

なるほど。それなら人前はよくないかも、と聞きながら思う。
けれど、かと言って閉じこもる気分でもないらしい。
ふむ、と口を開きかけたところで、あなたの口から答えが導かれる。

「うん、ロッテもそれがいいと思う」
「途中で抜けたって、きっと平気。
無理して留まっても、宿題は進まないもん」

そういえば、朝食もよく噛んでくれていたように見えた。
頑張ろうとしてくれていることが、なんだかうれしい。

「それじゃ、部屋に必要なものを取りに行こう。
筆記用具とか、肝心の宿題とか」
(-172) 2022/05/04(Wed) 2:50:27

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「シャ、シャルロッテくん……!?」

不意に手を取られて、驚いたようにそちらに向いた。

どきどきと、胸が高鳴っているのが否応なくわかる。
こうしてみたいと願うことはあったけれど、心の準備ができていない内にそうなってしまうと緊張ばかりを感じてしまう。

「すっ、すまないね! 大きな声を出してしまって……
 ええと、うむ、ありがとう……嬉しいよ……とっても」

言いたいこと、伝えたい気持ちはたくさんあるのだけど、出てくるものはその切れ端ばかり。
顔がとても熱くて、熱に浮かされているのようだと、これこそ病のようではないかと思って。

このまま、まっすぐに君の顔を見ることも難しいとも、思うのだけれど。

(-173) 2022/05/04(Wed) 3:06:44

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「…………」

まだひとつ。こんな幸せがあっても、幸せだからこそ、拭いきれぬ不安がある。
慎重に言葉を選んで話をした、まだ言ってはいないこと、不確かなことだけど。

「シャルロッテくん」

「今から私の言うことは……まだ、本当かどうかもわからないことだから……」
「全部信じなくてもいい、私もわからないし、そうかもしれないというだけで」

曖昧な言葉とは裏腹な険しい顔をしながら、君をしっかりと見つめて。

「……昔の話だけど、神隠しに遭ったと言われる子は病気の治療のために……
 酷いことをされていた、らしい。それで、結果的には病気は治るのだけれど
 それは、今でも続いている……かもしれない、まだ本当かわからないのだが」

「アオツキ先生に、そう、教えて貰ったのだ……内緒だと、言われていたけど」
「君には……どうしても、伝えて置きたい理由があって……」

内緒だと言われていたにも関わらず、声を震わせながら自分の知りうることを伝える。
不確かな情報しかないけれど、その可能性があることにバラニは耐えられない理由があった。

「わ、私は──」

(-174) 2022/05/04(Wed) 3:07:28

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「──君が、好きなんだ……!」


「友人ではなくひとりの
女性
として……君を、愛おしいと思っている!」

ああ、言ってしまった。
こんな不安から逃れるような告白など、彼女の言ってくれた立派な大人には程遠いのに。

「だからこそ、だからこそ……君には、酷い目に遭って欲しくないんだ……」
「君が酷い目に遭わないように……私が、君を……守ってあげたいんだ……」

私は今どのような顔をしているだろう。
せめて、涙を流すような酷い顔をしていないといいのだけれど。

このままずっと、君の顔を見てなんていられなかったから、俯いて隠してしまう。
(-175) 2022/05/04(Wed) 3:08:09

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

「……」

心地よい風が、あなたの心も軽くしてくれたら良い。
"だから"の先に、本当の願いが微かに見えた気がした。

『確かにバラニくんは頑張っていますね』

ジャステシアが居なくなったとき、彼は空いた時間を縫って探し回っていた。
朝の食堂でも配膳を手伝い年少の子達の面倒を見ている。
それは間違いなく称賛されるべき献身だった。
けれど、あなたの口からその先が語られなかったことが疑問に思えて。

『自分を助けてくれる誰かの力になりたい気持ちは、胸を張って良いことではないですか?』

何が躊躇わせているのだろう。
少女の口を塞ぐものの正体を捉えたくて、夜空のような瞳が向けられた。
(-182) 2022/05/04(Wed) 8:20:48

【秘】 充溢 バレンタイン → 夢見る乙女 シャルロッテ


「宿題が終わらなくて、
 多少怒られても……僕は気にしねえけど、
 まあ……だめなものはだめだからな……」

邪険に思われようが愛想を尽かされようが、
それ自体は不安でもないから特に気にはしないらしく。
病や薬の影響化になければ、この少年は、
基本的にマイペースで己の一歩一歩を行くような生徒だ。

「うん、じゃあいくか。
 勉強に集中できたら……あるいは眠くなったら……
 不安な事考えなくて済むしな」
(-188) 2022/05/04(Wed) 11:33:52

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

嫌だったかな、と不安がよぎる。
あなたは優しいから、きっと、振り払うことはできない。
慌てるあなたを見る。
けれど、どうやらそうではないらしい。
うれしいと言ってもらえると、少女もまた、うれしくなって。
——はにかむように笑んだのも、束の間のこと。

(-189) 2022/05/04(Wed) 12:26:40

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

『神隠しに遭った子供は治療のために酷いことをされる』
『今でも続いているかもしれない』


『あなたは“女の子”の“シャルロッテ”が好き』


(-190) 2022/05/04(Wed) 12:27:09

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

胸が軋む。
掠れた呼気が漏れる。
この喉は今、変声期を迎えている。
それはいずれ自然と治るもので、けれど。
そのとき、かつてのようなソプラノの声は永久に喪われるだろう。


あなたの愛する『少女』の寿命は、もう、幾許も無い。


少■は眉を歪めた。
あなたは絶対に『少女』を守ることができない。
恐ろしい治療からではなく、時の流れから。成長の痛みから。

「…………バラニ、」

——あなたに愛される資格を得るためには、どうすれば。
それはきっと、『シャルロッテ』が願ってはいけないことだ。
『シャルロッテ』は『お母さん』にならなければならない。
『シャルロッテ』は『お母さん』お父さんのお嫁さんにならなければならない。
見ないふりをした呪縛に足を掴まれる。それなのに。それでも。
少■は震える声をこぼした。

「…………わ、たし、は」
「……バラニのことが、」

好きになってしまった。
あいしている。
けれどそれを今ここで告げるのは、あなたを騙すのとおんなじだ。
息が詰まる。……どうすれば。

(-191) 2022/05/04(Wed) 12:28:39

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

「————ぁ、……お、」
先生お父さんは、酷いことなんて、しないよ」

「『お父さん』は、いつでも正しい」


初めて繋いだ手は、呆気なく離れてしまった。
少■が離した。
嘘をつき通す勇気も、本当のことここにある歪みを伝える勇気もなかったからだ。
じりじりと後退り、そのまま、背を向けて駆けてゆくだろう。
(-192) 2022/05/04(Wed) 12:29:19
シャルロッテは、バラニに恋をしている。
(a16) 2022/05/04(Wed) 12:29:38

シャルロッテは、でも、
(a17) 2022/05/04(Wed) 12:29:48

シャルロッテは、——————
(a18) 2022/05/04(Wed) 12:29:57

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

そのことを考えると、胸がくるしい。
言葉がつかえて出てこなくなって、無意味な喘鳴だけが幾つもこぼれては、風に攫われてゆく。

「……………………でも、」


長い沈黙。
ようやく絞り出されるのは、消え入りそうな声。

「…………バラニは『女の子』の『シャルロッテ』が好きだから」


少■は、彼に愛される資格を持たない。

「…………『シャルロッテ』は『お母さん』お父さんのお嫁さんだから」


少女は、彼を愛してはいけない。
(-193) 2022/05/04(Wed) 12:31:29
夢見る乙女 シャルロッテは、メモを貼った。
(a19) 2022/05/04(Wed) 12:32:33

夢見る乙女 シャルロッテは、メモを貼った。
(a20) 2022/05/04(Wed) 12:32:55

夢見る乙女 シャルロッテは、メモを貼った。
(a21) 2022/05/04(Wed) 12:33:39

夢見る乙女 シャルロッテは、メモを貼った。
(a22) 2022/05/04(Wed) 12:34:26

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

風に攫われそうな声を、聞き逃さないように拾い上げる。
抱えたものに押し潰されそうな苦しげな声。
どうにか和らげてあげたくて、小さな子にするようにその背を撫でた。
胸につかえた想いが零れる間も、拾い上げた言葉を吟味する。

身体的性別が男性であることは、知っている生徒は少なくなかったと思う。
自分もそのうちの一人。
教師にお父さん、という呼称を使うことも周知であったろうか。
ただ、その後の言葉はわからなかった。『お母さん』。

何も全貌をわからないまま、不用意な言葉を掛けられない。
書けない。
だからもっとその心の中を垣間見るように、でも傷を広げすぎてしまわぬように。
一緒に悩めるように。

『バラニくんが、"女の子"の"シャルロッテちゃん"が好きだと言ったのですか?』
『先生方をお父さんと呼ぶのには、何か、あなたを縛る理由がありますか』
(-201) 2022/05/04(Wed) 14:22:02

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 充溢 バレンタイン

「あはは、レンは結構マイペースだからね。
でも終わらなかったらそのときは、そのとき」
「うん、うん。
それもあるよね、何かに集中すれば、嫌なことをちょっとだけ忘れていられる」

だめなものはだめだけれど、不調を押してまでするものでもないのだし。
終わらせることそのものよりも、なにか、少しでも楽になればいいと思った。
二人は寮の部屋へと向かい、筆記用具などを用意するだろう。
室内のあらぬところに置かれた本を見つけては、少女は「またこんなところに置いてある」なんて笑った。
(-205) 2022/05/04(Wed) 17:58:00

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

背を撫でてくれる手のぬくもりに促されるように、一粒。
赤い瞳から、色のない雫がこぼれる。
白い頬を伝い、落ちてゆく。

「……バラニはロッテが本当は男の子だって知らないの」
「知られたらきっと、嫌われちゃう」

女の子ならよかったのに。
そうすればきっと、みんなが幸せで。
ここにいる間だけでも、あの子のそばにいられたのに。
ぱち、ぱち。濡れた睫毛から雫を払うように、少■は瞬いた。
それは、あなたが不思議な言葉を続けたからでもある。

「――先生お父さんは、先生お父さんだよ、?」
(-206) 2022/05/04(Wed) 17:58:58
シャルロッテは、バレンタインとエルナトにのんびり手を振った。
(a32) 2022/05/04(Wed) 18:41:47

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

背を撫でる。言葉が全て吐き出されるように。
流れる涙には、ハンカチを差し出したりして。

『バラニくんは』
『性別ひとつで誰かを嫌う人間だと
 シャルロッテちゃんは思いますか』

打ち明けてみろとは言えないし言わない。
それこそ無責任だから。
結果はこの場の誰にも断言できないから。
ただ、彼がそういう人間であると思わないのなら、考えてみる価値くらいはあるのだろう。
今のままを、続ける自由だってあるのだろう。
それはあなたが、■■■■が選択すべき決断だった。

「………」

お父さん、という呼称は実親を指して使う、或いは子どものいる母親が配偶者を指して使うものだと認識していた。
けれどシャルロッテは、全ての教師をそう呼んでいる。
バラニを愛してはいけない理由に、『お父さん』を挙げる。
どうしても結びつけがたい何かが浮かびかけている。
それらを全部押し込んで、敢えて何でもないようにチョークを走らせた。

『変なことを聞いてしまいましたか』
『お父さんというのは、一人だと思っていたので』
(-209) 2022/05/04(Wed) 18:45:08

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

ハンカチを受け取り、きゅっと握る。
縋るものを見つけたみたいに。
あの子は優しいから、友達にならなってくれるかも。
少■が口を噤んでいれば、話ぐらいはできるだろうか。

「………………わ、から、ない、」

それは、告げてみるまで誰にもわからないことだった。
だからあなたも、簡単に『大丈夫』だとは言わないのだろう。
だから少■も、勇気を出せずにいる。
そして、わからないことがもうひとつ。

「……『お父さん』は、ひとり……」
「ひとりなのに……?」
「……ここに先生お父さんがいて……でも、家族お父さんのところに帰らなきゃ……」

——おかしいな。
『お父さん』がここにいるなら、一体どこへ帰るんだろう。
或いは、『お父さん』のところへ帰るなら、ここにいるのは誰なんだろう。
(-214) 2022/05/04(Wed) 19:31:17
夢見る乙女 シャルロッテは、メモを貼った。
(a33) 2022/05/04(Wed) 19:34:03

【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ

「っ、ま、待って、シャル────」

それ以上、声が出なかった。
手を伸ばすことができなかった。
背を向けて駆けていく君を追いかける一歩も、踏み出すことができなかった。

この手に僅かに残ったぬくもりが、空気に融けて消えていく。
伝えるべきではなかったのだろうか……この想いも、不確かな情報も。

そこに残ったものは、君との関係が修復不可能になるかもしれない不安と、とても大きな後悔の念。

「おとう、さん……」

「ひとりで舞い上がり、先走って……私は……」

溢れて零れ落ちそうになる涙を必死に堪えながら、絞り出すように独り言ちる。
あなたの背がとっくに見えなくなっても、バラニはその場に立ち尽くしていた。

歩き出せるようになったのは、それからしばらく経ってからのことだった。
(-225) 2022/05/04(Wed) 20:08:31

【秘】 高等部 ラピス → 夢見る乙女 シャルロッテ

『そうですね』
『わからないことです』
『誰にも』

ただ一人、バラニ以外には。
まだ、考える時間が必要なのだと思った。
縋るように握られるハンカチを一瞥して、また黒板に視線を移す。

「……」

シャルロッテの言葉の端々から、錯乱のようなものが伝わってくる。
お父さんと呼ぶ人が複数人いるということは、その混乱の原因に深くその存在が関わっていることの証左ではないだろうか。
少しずつ少しずつ、問い掛けを重ねることで何かが姿を現してくる。

『お父さんは、バラニくんと仲良くするのを許してくれないでしょうか』
(-229) 2022/05/04(Wed) 20:26:48

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

「………………」

何もかもがわからなくなり始めていた。
当たり前が壊れてゆく。
見ないふりをした呪縛が、足首を掴んで離さない。
ただ、あなたがこちらを案じて、慎重に言葉を投げかけてくれていることだけが。
そのやさしさだけが、今、理解できていることだった。

「…………だめ」

だめだ、それは。
問いかけに咄嗟に首を振る。

「『シャルロッテ』は『お母さん』」
「『お父さん』と『お母さん』はひとりずつ」
「だから、……だめ」

『シャルロッテ』は『お母さん』にならなければならない。
『お母さん』は『お父さん』の『お嫁さん』だ。
だから、だめ。
(-233) 2022/05/04(Wed) 20:48:54
シャルロッテは、一人で宿題に取り組んでいる。いつも通りだ。
(a41) 2022/05/04(Wed) 20:49:28