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【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク男の見てきた戦場とは。 大人が大人を殺し、大人が子供を殺し、 子供が大人を殺し、子供が子供を殺し、 醜く未来を奪う合う、そんな場所だった。 殺人はどんな経緯であれ、理由であれ、 罪の重みに変わりはない。 命は大人も子供も等しく軽い。 一歩、距離を詰める。 「賢くて立派な大人が、こんな事するわけないでしょう。 僕は、ただの生き恥曝しです。 そんな人間の言葉で良ければ言ってあげますよ」 さらに、一歩。 「ええ、 そうです 。そうでもしなければ、生きられない。 全てを選ぶことはできない。 未来とは、誰かの可能性を食らうことでしか行けない場所だ」 僅か下にある貴方の双眸を、底無しの深い黒が覗いている。 その視線は黒い雨のように冷えきっていた。 幸福とは限りある資源だ。それを知らないとは、言わせない。 「……もしもできるのであれば、」 (-67) 2021/07/08(Thu) 22:54:12 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク「──僕だってねえ、生かしたかったですよ。」 彼の未来を叶えることができたら、どれだけ良かっただろう。 誰ひとり犠牲にならなければ、どんなに良かっただろう。 選ぶことには慣れていた。 同時に、誰しもが選択できないことを知っていた。 否定と選択。難しいのは、圧倒的に後者だ。 だから選んだ。 他の誰かが、こんな苦しみを味わわないように。 (-68) 2021/07/08(Thu) 22:55:25 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ知りたくないのが本音だと、わかっていた。 その上で、気付かないふりをする。 人を殺したくないというのは、誰だって持っている筈の真っ当な感情だ。 「……ええ、勿論」 壁に寄りかかり、ずるずると床へ腰を下ろす。 招くように、緩く手を広げた。 「刃物を使っても良いですが、血の片付けが大変ですから。 首の絞め方を教えます」 (-83) 2021/07/09(Fri) 10:10:12 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク共犯者にだけ話したことがある。 ニエカワを救助まで生かしたいなら、 全員分の食糧を掻き集めなければならないと。 薬だけで病は治らない。 それには体力が必要で、その体力を維持させるには食糧が必要だ。 「……言わせんですか、それを」 言わなければ。 肯定しなければ。 「…………そう、ですよ」 絞り出すような声で、漸く、一言呟いた。 天秤が傾いた方を優先した。 ただ、それだけ。 技師が亡き今、自分が一番年嵩だ。 たとえ大人と呼べる歳だろうと、 貴方だって男からすれば子供である。 あの少年一人の未来と命は。 貴方達全員の未来と命より、ずっと軽かった。 (-84) 2021/07/09(Fri) 11:26:02 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ教えるだなんて白々しい。 本当はただ死にたくて、 死ぬ勇気も無いから、殺されたいだけだ。 「じゃあ、復習になりますね」 首に触れる子供の手に、自らの手を重ねる。 喉の両側から、軽く力を与えた。 「……ここ、脈打ってるのわかりますか。 この辺りを両側から押し込んでください。 気道ではなく、脈から絞めると容易です」 微笑んだ、筈だった。 笑うのは得意な筈なのに、自信がない。 (-94) 2021/07/09(Fri) 18:00:31 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロクその言葉に顔を歪め、強く首を振った。 まるで死者から直接聞いたかのような言葉が、心の傷口を開けていく。 「──……ぁあ、五月蝿い 五月蝿い!! 作り話なら結構だ!さっさと出て行け!!」 肯定されるのが何よりも苦しい。 自分が殺した人々が、最初から存在しなかったように思えてしまう。 否定され、人でなしと罵られる方が何倍も良かった。 男はずっとそう言われながら、これまで生きてきたのだから。 (-99) 2021/07/09(Fri) 18:50:52 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ「怖くは、……怖かったんですけど。 何故でしょうね。今は、安心してます」 ぐ、と力が込められる。 頭がじわりと熱くなったような錯覚があった。 「……ッ。気を、失っ……ても。そのまま、……ね、」 その笑顔が、どこか泣いている気がして。 滲む視界の中、手を伸ばす。 以前の様に頭をそっと撫で、褒めようとしたのかもしれない。 「 、」 「 」 尤も。 頬に触れた直後、手から力が抜け──…… それは、叶わなかった。 (-109) 2021/07/09(Fri) 21:53:33 |
セナハラは、約束をした。 (c3) 2021/07/10(Sat) 0:23:26 |
【独】 諦念 セナハラア〜〜〜〜〜〜〜〜〜おしまいですおしまいです エ〜〜〜〜ンこれメイジくんやっぱり自殺ルート入ってませんか??(一端を担う人) (-115) 2021/07/10(Sat) 4:16:48 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ死人は語らない。 貴方に語りかける、優しい声が返ってくる事は無かった。 「……」 いつのまにか、貴方の触れる首から脈拍が消えている。 未だ人肌の温もりがあるが、鼓動だけがどこにも無い。 ずる、と座っていた姿勢が崩れた。 「…………」 貴方が手を離せば、支えを無くした身体は横たわる。 そこにあるのは、ただの死骸だった。 (-117) 2021/07/10(Sat) 5:20:01 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロクそうして部屋に静けさが戻る。 肩で息をする男が、一人残された。 「……嫌いじゃないってねえ、言われても」 「好かれる様に笑ってるんだから、当然でしょうよ……」 吐き捨てる様に呟き、作業を再開する。 遺体をシーツで包み終えれば、毛布でさらに覆った。 火葬もできない今、腐敗臭をなるべく広めないようにするしかない。 出来る事と言えば、これくらいだ。 「結局誰に殺して貰ったんですか、貴方」 骸にひとつ問うた後、男も部屋を後にした。 (-118) 2021/07/10(Sat) 6:33:42 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク/* やあ墓友オネエ! アンタの死体、発見された部屋でシーツ(血塗れ)やら毛布で包まれた状態になってるわ。 保管場所が無いので移動させたり、特に手は加えてないわよ! 一応報告しとくわね。 (-120) 2021/07/10(Sat) 10:11:43 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ/* あ、メイジオネエへ セナハラの死体ってどうする?手術室に置いとくかしら? そろそろメモに貼っとこうかと思ってるわ! (-122) 2021/07/10(Sat) 12:24:20 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……ええ、わかりますとも。 霊魂の存在を改めて思い知りましたよ」 じっと貴方の首元を見やる。 あの縫合痕は残っているだろうか。 「ねえ、貴方を殺したのってロクさんじゃないんですか? 自殺するとは思っていましたが、 まさか協力者がいるとは考えてませんでしたよ」 (-128) 2021/07/10(Sat) 13:03:44 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク笑いかけられると、つい笑い返してしまう。 幼い頃、身に付いた癖だった。 「……まあ、時間はありそうですからね。 僕も、貴方には聞きたい事がありますから」 窓の外に目を向けた。 恐らく自分には、気が遠くなる程の時間がある。 逃げたくても、逃げられやしない。逃げる資格も無い。 貴方の話の中で、タマオやロクの事も少し知れるだろう。 そんな予想の元、耳を傾けた。 (-131) 2021/07/10(Sat) 13:39:01 |
諦念 セナハラは、メモを貼った。 (c4) 2021/07/10(Sat) 13:46:02 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……、…………。………………」 途中から あっ人選間違えたな とは思ったが、最後まで相槌も打たず聞いていた。「……まあ、貴方の生い立ちは理解できるかもしれません。 価値なんて人によって違いますし、 何より恩義や信頼という感情は強い。 金銭で買える品ではありませんからね」 最初の印象通りだと思った。 取引という形に固執していたのは、ただの結論。 経緯を見れば、商人としての生き方しか知らない子供の様だった。 商業を学ぶ前から自分の芸を売っていたのだから、 恐らく、物心つく前から商人だったのだろう。 きっと人との関わり方を、取引以外に知らないまま死に絶えたのだ。 → (-149) 2021/07/10(Sat) 17:48:21 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク貴方が本当に望む物は金銭や価値などではなく、 人との交流において得られる感情そのものではないかと。 心を動かす何かではないかと。 「貴方がどんな人生を歩んで来たかは知りません。 けれども話を聞いて、納得はしました。 もし僕が同じ立場にいたら、同じ事をしたでしょうね」 そう思い至りながらも、口にはしない。 互いに死んだ身だ。 指摘した所で、何の益にもなりやしない。 「その取引をしたの、ロクさんでしょう? 彼は正しく、真っ当な倫理を持っていますから」 これまで自身の付加価値だけを求められ、 応じてきた人間“そのもの”を要求するなど──蜘蛛の糸を垂らす事に等しい。 それをあの青年は、理解できなかったのだろう。 → (-150) 2021/07/10(Sat) 17:49:40 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「さて。貴方に合わせるなら、 僕も何か話した方が良いですかね?」 自身が死んだ時の話を求められていたが、 忘れたふりをする。 この少年のような男に話すには、 あまり気が進まない経緯だからだった。 (-151) 2021/07/10(Sat) 17:50:33 |
【独】 諦念 セナハラフジノちゃんと全然話せなかったのが悔しいぜ…… 絶対家庭環境最悪だもん 父親ってやつはこれだからよ バラして食べちゃおうね (-164) 2021/07/10(Sat) 22:32:32 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク独りの人間が生きていく難しさは知っている。 つい先程、諦めた立場だった。 「何でも、って。夕飯じゃないんですから」 何か面白い話は無いのかと、 子供に強請られているような心地がした。 苦笑を零し、心中でそっと後悔する。 こんな状況でなければ、彼のことも貴方のことも、 助言くらいはできただろうから。 こうなる前に。 「夢や目標なんて大層なものはありません。 困ったことと言えば、夢見の悪さくらいですかね。 ……僕は大人で、貴方達の善性を守りたかった。 ですから、ええ。聞かれても答えませんでしたよ」 物言いは過去のものだ。 死んで失うものなど無いのだから、今は違う。 (-165) 2021/07/10(Sat) 22:40:16 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「僕の人生はあまり聞いて心地の良いものではありません。 そうですね、……医者を志した理由に関わることだけ。 以前は誤魔化してしまいましたから」 湯を沸かした調理室で問われた事だ。 貴方達が自分よりも年嵩であれば、あの場で話しただろう。 「僕が外地で生まれ育った事は話しましたね。 彩帆という場所です。 海のずっと先にある、淡い緑の海が美しい島でした」 努めて思い出す事ではない。 あの島での思い出は、全てが苦痛に満ちているから。 それは決して誰のせいでもない。時代のせいだ。 地平線に辿り着くよりも早く沈む疎開船を見て。 溺れているであろう母と姉と妹を見て。 父は“ここにいろ”と言った。 「……美しい島でしたが。戦争が始まれば、 そこは内地よりも過激な戦いが繰り広げられました。 内地からの物資も届かなくなってしまってね。 ほら、海も空もアメリカーに取られちゃいましたから」 僅かに訛りが現れた。 自覚しつつも、続けていく。 (-166) 2021/07/10(Sat) 22:42:53 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「銃も、手榴弾も、服も、水も、食べ物も、全て。 底をついたんですよ。 畑は燃えてしまったし、空爆で建物は全て、 跡形も無くなっていました。 しかしそれでも腹は減る 。食べ物と言えば、共に逃げる生き物くらいで。 ……父から食べ方を教わりました」 その生き物は二本足で歩き、言葉を扱うことができた。 共に励ましあい、笑い合うことができた。 そんな、生き物だった。 「……、問題は戦争が終わって、平和になってからです。 毎晩夢に出るんですよ、よくも食ってくれたな≠チて。 血肉の色が、味や臭いが、忘れられない。 だからね、それを日常にすることにしました。 鉄錆の臭いも、冷えた人肌も日常にしようと。 上書きしたかったんです、あの日々を」 (-167) 2021/07/10(Sat) 22:43:32 |
【墓】 諦念 セナハラこれはどこかの時間。 死んだ男は、手術室で自分の死体と少年を見つめていた。 聞こえないと知りながら、返事をし続ける。 「きみは何も悪くないんですよ」 以前のように頭を撫でようとして、 己がさせたことを思い出せば、手を下ろした。 「いつか、助けがきますから」 どうせわからないのだから、撫でてもいいとわかっている。 しかし、そんな資格は無い。 「……」 いや、自らそれを捨てたのだ。 ──貴方は良い子だから。 ──自分の我儘に付き合ってくれると、信じていた。 「ありがとう、」 「ごめんなさい」 あのとき伝えたかった二つの言葉を、小さく呟いた。 (+21) 2021/07/11(Sun) 1:10:45 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「当人達がどう思ってるか、なんて決まってるでしょ。 飢えてりゃ皆心が狭くなります。 親だって子供が煩わしくなる。 自分さえ助かりゃ良くなるんですよ。 それに。 遺族にとっては、終わった話じゃあない」 眉を顰めた後。 決め付けるような物言いと、 吐き捨てるような抑揚で言うのだった。 その時その場所における真実が、今もそうであるかのように話す。 男の刻は止まったまま、死に絶えたのだ。 「解決は、……しないまま終わりましたね。 縁もあったらこんな事にはなってないですよ」 人を信じない男は、 自身を求める少年の言葉も未だ嘘だと思っている。 それは戦争の後遺症であるが、気付けぬまま。 (-193) 2021/07/11(Sun) 19:49:38 |
セナハラは、幸せが何よりも恐ろしい。 (c8) 2021/07/11(Sun) 20:52:02 |
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