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【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志「話が早いな」 身を離し、一つ頷く。助かるよ。そう言って歩みを進める。 明確に、目的地があるようだった。 階を下り、奥まった一室の前へ辿り着く。施錠された扉。 チャリ、と金属音を手の内に鳴らしながら錠に鍵を差し込み――開く。 中は殺風景な部屋だった。中央付近にベッドとサイドテーブルの置かれた、さほど広くもない部屋だ。 ベッド脇、明らかに撮影用と思しきビデオカメラが三脚によって設置されているのが、異質といえば異質だった。 この状況下では、よくあることなのかもしれないけども。 (-1) 2021/09/23(Thu) 21:18:00 |
【墓】 4432 貴戸 高志 >>3:+37 (3日目廊下) 「ありがとう、迷彩」 最後に頭をそっと撫で、貴戸はルームメイトを抱えてその場を後にする。ルームメイトと呼ぶにはやけに優しい手つきで体を掬い、やけに温かな視線を腕の中で眠る少年に注いでいたが。 ▽ (+0) 2021/09/23(Thu) 21:54:02 |
【墓】 4432 貴戸 高志(3日目続き) >>迷彩 しばらくして蹲る貴方の耳をくすぐる靴音がやってくる。 「待たせたな。お前の行きたいところに送り届けよう。立てるか?歩けるか?」 まだ放置されていたのであれば闇谷の衣服を回収し、几帳面さが滲む手つきで畳んで手提げ袋に詰めた後。 ぽすん、と軽く頭を撫でる手と共に声が再び降ってくる。 (+1) 2021/09/23(Thu) 21:54:20 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人「……こんな部屋あったんだな」 大人しく貴方について行き、怪訝そうに呟く。しかし企画の説明、そしていくつかの役割を頭の片隅で思い出して、すぐに合点が入ったように訝しげな様子を引っ込めた。 お誂え向きの、いかにもといった内装の部屋。 自分と相手以外の無機質な視線を見つけると、小さくため息を吐き出した。監視も嫌だが、かといってあからさまに撮られているのもそれはそれで落ち着かない。 小さくため息をついて藤色を揺らす。迷いのない足取りだった。 「……平然としているな、黒塚。こういったことは慣れているのか? 生憎俺は男と肌を重ねることはここに来てからだから、お前の手を煩わせるかもしれないが──」 ▽ (-5) 2021/09/23(Thu) 22:03:30 |
【墓】 4432 貴戸 高志食堂にて。 普段通りトレーを持つ……わけではなく。その手にはカメラが渡されている。 取り止められた南波>>0を見やり、それから再びカメラに視線を落とし。遠慮することもなく出るままにため息をこぼした。 「……そんなに撮りたそうにしているのなら、俺のを渡してやりたいぐらいだ、南波。 俺は外の人間が喜びそうなものも撮れる器用な奴だと思って二回続けてお前に投票したぐらいなのだから」 (+3) 2021/09/23(Thu) 22:14:13 |
貴戸 高志は、一人分にしては多い量のサンドイッチや手鞠寿司を持ってきて席に着いた。 (c3) 2021/09/23(Thu) 22:41:21 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁迷彩少年を送り届けた後。 自室に戻り、眠っている貴方の傍へ。 触れようと思って手を伸ばすも、その指が貴方の肌をかすめることはなく。直前で止まって引っ込んだ。 「暁…………」 吐息混じりの言葉が溢れる。 ルームメイトの名を呼ぶにしては、にわかに熱っぽく。貴方に注がれる視線は悲痛な色が滲んでいた。 その痛みを代わりに抱えてやれたらどれほどよかっただろう。 もっと早くに気付けていたら、暁だけでなく迷彩も助けることができたのだろうか。 考えていても仕方がない。 すらりと伸びた足を畳んで傍らに正座をする。背中を覆う藤色は微塵も揺らぎを見せることなどない。 ただ静かに、想い人を待ち続ける。 (-8) 2021/09/23(Thu) 22:58:19 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志3日目。あれからどれだけの時間が経っただろうか。 ……す、と瞼を開く。 数刻前の鈍い痛みは一切感じられなくて 一瞬あれは夢だったのかとすら思えてくるけれど すぐに目に入った貴方の表情が、意識を現実に引き戻した。 「………………、」 掛けられたブランケットが暖かい。 丁寧な姿勢で自分をずっと看ていてくれたのだろうか。 「……きど、」 上体を持ち上げ、腕に力を込める。 今度は起きられそうだ。 嗚呼、これ以上かける言葉が思い付かない。 こういう時、何と言えば良いのだろうか。 視線だけがうろうろと空を泳ぐ。 「異能……使ってくれたんだな。 ありがとう………………」 (-12) 2021/09/23(Thu) 23:21:27 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+2 3日目迷彩 即答されて頷く。貴方が水面下で何を抱えているかも気付かずに。 貴方と貴方のルームメイトの間で何があったのか知る由もない。だから、単純に人がいるであろう場所は嫌がっているのだという推測しかできなかった。 「分かった。それ以外の場所で休もう。 今お前に必要なのは心と体を休める時間だ」 頭を撫でていた手を肩へ。とんと優しく撫ぜてから「掴まって立つといい」とそっと手を貴方に差し出す。断られてもどこ吹く風。気にすることなく涼しい顔で移動を始めるだろう。 (+4) 2021/09/23(Thu) 23:30:59 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウ場所は空き部屋。 折り畳みベッドや真新しいシーツなどが隅に置かれた、それ以外は特筆すべき点など見られない殺風景な空間だ。 (-14) 2021/09/23(Thu) 23:44:30 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁小さな紫色を視界に捉える。ずっと、待ち望んでいた色。 認識した瞬間あれだけ整っていた姿勢も呆気なく崩れ去った。両腕を伸ばし貴方の背中を支え、心配そうに顔を覗き込む。普段の毅然とした様子はどこにもなく、小豆色の光がただ心許なく揺れている。 「……っ、暁!」 名前を呼ぶ声が荒れる。そんなつもりはなく、本当はもっと冷静に落ち着いて話しかけてやりたかった筈なのに。 うろうろと泳ぐ視線を捉える。何か声をかけなくては。異能に関しても言及しないと。 速やかに頭の中で文章を組み立て始める。貴方が眠りの底から浮上してくるまでに何を話そうかも考えていた。 そう、起きたらどうしようか考えていた筈なのだ。 ……それなのに。 「…………暁」 喉奥で言葉が雁字搦めになって引っかかる。 その隙間を縫うように溢れ落ちるのは貴方の名前だ。 体を伸ばす。静かに身を寄せる。息苦しくない程度にそっと腕を回し、貴方と温もりを分かち合おうとする。 「よかった……………………。 お前に何かあったら、俺は……俺は………………」 (-16) 2021/09/24(Fri) 0:27:48 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「あ、えと、……うん。 W何かWって………、 まあ、今は元気……だけど。お陰様で。」 前にもこの言葉を吐いた気がする。 あれはいつだったか、そういえばさっきまで何をしていたか…… 「………、」 深く思い返す。 貴方以外の腕の中で快感を享受していたことを。 申し訳なさに瞳を伏せていれば、貴方の腕が回される。 素直に受け入れても良いものだろうか、 少しだけ躊躇う素振りを見せて、結局は貴方と温度を分かち合いたいが為に擦り寄った。 「この度は大変お見苦しい所をお見せしまして………………………」 一番見せたくなかった貴方に助けてもらい、結局は介抱してもらうだなんて。 現状はどこにも痛みは無く、体に異物感が残るくらい。 ……迷彩も、無事だろうか。 気にはなるが、今は貴方以外の話をする気になれない。 貴方の温度が、とても心地良い。 (-17) 2021/09/24(Fri) 1:20:11 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「謝るな」 間髪入れずにそう告げた。 「暁、お前が謝ることではない。勿論迷彩も悪くない。きっとお前のことだから、熱に飲まれた迷彩を助けたかったんだろう?」 意識を失う前の貴方に想いを馳せる。 自分だって辛いだろうに、貴方は眠りに落ちるその瞬間まで他人の心配をしていた。 今だってそうだ。見るなと言われたにも拘らず見てしまった自分を責めようともせず、むしろ申し訳なさそうにしているではないか。 「…………暁」 少しだけ体を離して、顔を覗き込む。 紫色の中に映る少年は柔らかく微笑んでいた。 ▽ (-19) 2021/09/24(Fri) 1:35:04 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁 「頑張ったな。お疲れ様。 優しいお前が、そんなお前が、俺は好きだ」 もし貴方が拒まないのなら。 労るための、触れるだけの口づけを一つ。 (-20) 2021/09/24(Fri) 1:35:28 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「え、」 ぴしゃりと謝罪を止められる。 謝っても謝りきれない、どう申し開きをしたものかと考えていたが 貴方は変わらず、優しく全てを受け入れてくれる。 「………うん、 前に貴戸も……アレ食べて苦しそうだったから、 辛そうな迷彩が、 何か重なって見えたって言うか。」 自分も少しは口にした事がある菓子の効能は この身でよく経験しているのだ。 特に彼とはそれなりに親しいつもりの間柄なので、放っておける訳がない。 それを偽善と呼ばれても、仕方がないくらいなのに。 → (-21) 2021/09/24(Fri) 3:49:56 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志ごめん、と言い掛けて、噤む。 「……有難う、高志。 お前が好いてくれる俺で居られたなら、良かった。」 唇同士が触れ合う。 嗚呼、今幸せだ。 この自由が少ない少年院には場違いなくらいの、幸福感。 どろどろに溶けそうなくらい貴方に甘やかされて 何でも出来そうな、そんな無敵な恋の力。 「あー、えーと……とりあえず痛くない間に シャワーとか浴びたいんだけど …………連れてって貰えたら、助かる。」 (-22) 2021/09/24(Fri) 3:51:54 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「俺はお前らしく過ごしているお前に心を動かされているんだ。 だから、無理に俺に好かれる自分で居ようだなんて考える必要はない。お前はお前の思うままに生きてくれ。 俺は……それがたまらなく眩しくて、嬉しいから」 唇を離して、労るように髪を梳く。 自分の全てを受け入れてくれたのだから、自分もまた貴方の全てを受け入れたい。 そうわざわざ思わなくても、少年の目には貴方のどんな部分を切り取っても愛おしく見えるのだ。それくらい、少年は貴方に好意を抱いている。 狭い箱庭で満足していたらきっと味わえなかったであろう充足感。 それが隠しきれていないのだろうか、未だ瞳がゆるやかに弧を描いていることにも気付かないまま、貴方のお願いに喜んで頷いた。 「勿論。そのままだと居心地が悪いだろうし、何よりお腹を壊してしまうかもしれない。手伝うからちゃんと綺麗にしなくてはな」 そう言って背中と膝裏に手を添えて、浴室まで運んでいくだろう。 (-23) 2021/09/24(Fri) 4:17:51 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志部屋に入れば、引き摺っていた鞄を床に置く。 服も着替えず、シーツも広げず、ベッドの上に寝転んだ。 「……ツッキーの側にいてあげて」 枯れた声で小さく告げる。 四つ折りに畳まれたままの掛け布団を引き寄せ、中途半端に包まった。 「起きた時ひとりだったら、寂しいでしょ」 「オレを叱るのは、ツッキーが落ち着いたらでいい」 (-26) 2021/09/24(Fri) 8:15:11 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「俺らしく……、分かった。」 思うままで良いと言われるのは嬉しいが 好きな相手から、もっと好かれたいと思うのは当然だろう。 何か出来ることは無いだろうか、と密かに思案。 ──嗚呼、どうしたっていつも、貴方のことばかり考えてしまう。 「………好きだ、貴戸が。」 穏やかな瞳。優しい手付き。 貴方の全てが自分に向けられていて、くすぐったい。 「ん、甘えて良いか。 その……お前に触って貰いたい気分なんだ。 もうちょっと二人で過ごしたい。」 止めてもらったり、運ばせたり、何もかもを貴方に委ねてしまっている。 それでもわがままに……思うままで良いのならば、 もう少しだけ貴方を独占して、貴方だけのもので居たい。 運んでもらう最中にそんなことを考えつつ 身を清めて貰い、寄り添って眠りに付き、 いつも通りの日常に戻っていくのだろう。 (-32) 2021/09/24(Fri) 12:05:35 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウ「安心しろ。言われなくてもそうする。 戻ったらずっと暁の傍にいるだろうな」 すぐさまベッドに転がったことは何も言わなかった。ただ、中途半端の布団はぐいぐい引っ張ってきちんと包まれるように直そうとするだろう。出来なかったら大人しく諦めるが。 闇谷の衣服を詰めた手提げ袋とは別に持ってきていた鞄から水の入ったボトルやタオルを取り出す。 貴方のすぐそばに置いて、それが済んだら頭を撫でようと手を伸ばした。布団ですっぽり頭を覆っていたのなら、気にせずその上からそっと撫でる。 「だが、今ここで話をしなければ迷彩は次俺や暁と話をするまで自分一人で落ち込み続けてしまいそうだから。 ……だから、今話をする。暁が回復して次迷彩と会った時。見たいのは恐らく落ち込んでいるところではなく元気になった姿だろうしな」 ゆったりとした口ぶりで言葉を重ねる。 「…………迷彩。体は平気か?」 (-33) 2021/09/24(Fri) 13:17:38 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「俺もお前が好きだ、暁」 好き。たった二文字しかない言葉を貴方に向けるだけで胸にじわりと温かなものが広がる。少し前まではそんなことなかったのに。 不思議な感覚だなと吐息を小さくこぼしてかすかに笑った。 「ああ。お前が望んでくれるのならいくらでも、二人で過ごそう。 いや、お前が望まなくても、だ。俺だってお前に触れたい。 …………必要なものだと分かっていても。お前が他人と肌を重ねるのは、重ねるところを見てしまうのは、その……」 寂しさも、苦しさも。 誤魔化すように、顔を寄せて貴方に口付けを落とすだろう。 「…………苦しかったから。 ………………もっと甘えてくれ。傍に、いさせてくれ」 少年なりの精一杯のわがままを言いながら、浴室へと移動する。 甲斐甲斐しく誰かの面倒を見ることは経験がなかったけれど、貴方と二人眠りに落ちるまで、嬉しそうに触れ合ったのかもしれない。 慣れないことでも、貴方の為ならちっとも苦にならないのだから。 そうして時間は過ぎていく……。 (-34) 2021/09/24(Fri) 13:46:36 |
【墓】 4432 貴戸 高志食堂にて一人分にしては多い料理>>c3を二つに分けた後。 自分一人では食べる気が起きなくて、ふとぼんやりと手遊みにカメラをいじりながら食堂の窓の向こうを見やる。 窓からあまり離れていない場所で、二匹のトンボが仲良さそうに身を寄せ合っている姿が目に止まった。 「…………」 (+6) 2021/09/24(Fri) 13:53:34 |
貴戸 高志は、カメラの電源を入れた。 (c7) 2021/09/24(Fri) 13:53:47 |
貴戸 高志は、蜻蛉の交尾を撮影し始めた。 (c8) 2021/09/24(Fri) 13:54:12 |
貴戸 高志は、駆けつけた色んな大人に怒られた。 (c9) 2021/09/24(Fri) 13:54:26 |
貴戸 高志は、芸術点の高い美しいお辞儀で謝罪した。「ですがハメ撮りってこういう……」 (c10) 2021/09/24(Fri) 13:55:16 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+6 怒られた。我ながら意表を突く名案だと思ったのだが。ほら、外の人間だって人以外の交尾を見たい気分だってあるかもしれないし……知らんけど。 「……」 虫の交尾の映像を削除し、嘆息する。手の中に収まるカメラがやけに重く感じて、困ったようにとんと爪で機器を小突いた。 撮影、どうしよう。 (+8) 2021/09/24(Fri) 14:02:58 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+7 闇谷 「!」 小豆色の瞳がにわかに丸くなる。 けれどその変化も一瞬のこと。瞬き一つ行えば、普段浮かべる仏頂面に戻っていった。 「……暁。おはよう。調子はどうだ?」 軽い挨拶をしつつ、既に取り分けていた手鞠寿司やサンドイッチをずいずいと貴方に寄せるだろう。 (+9) 2021/09/24(Fri) 14:06:13 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+10 闇谷 「それは元気と言わないんじゃないか?」 思わず口にした。 「……俺の異能が誰かを癒すものであればよかったのだがな。痛みを感じないようにすることは出来ても傷や疲労の回復は出来ない。 今日は大人しく休んでいろ、暁。何か欲しいものがあるなら言うといい。代わりに動こう」 貴方がやってきたのを見て漸く自分も食事を取り始めたが、そのペースは普段と比べて明らかに落ちている。表情こそ分かりにくいが、貴方を心配そうに見ているのが原因かもしれない。 (+11) 2021/09/24(Fri) 14:22:44 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志きちんと掛け布団に包まれた。 が、すぐにそれで頭を覆ってしまう。布団越しに感じる手付きが優しいものだから、鼻の奥がつんとした。 鼻を啜り、咳払いをしてようやく言葉を発した。 「……ん、オレは平気」 貴方の声で、友人が愛されていることに安堵した。 しかし、同時に罪悪感も強まっていく。 霞む景色に響いた声は、やめろと言っていた。あんなに酷いことをしたのに、許すと言った。 「……、……ごめんなさい。 オレ、あの……もうあんなこと、しない」 こんな時、どうして良いかわからなかった。友達なんてここに来て初めてできたし、 友達に酷いことをしてしまったのも初めてだから。 (-44) 2021/09/24(Fri) 15:37:18 |
貴戸 高志は、甘いものを物色した。ヌガーsweetを見つけた。 (c13) 2021/09/24(Fri) 15:58:43 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+12 闇谷 「ああ、分かった」 こくりと頷いて席を立つ。 少ししてヌガーを持ってきて戻ってきた。クルミやドライフルーツが混ぜ込まれた一品だ。 二人で食べられる分を盛った皿をテーブルに置き、一つ摘んで自分の口に運ぶ……かと思いきや。 そのまま闇谷へと菓子を摘んだ指を向けた。空いた片手はお菓子の屑が万が一落ちた時のための受け皿として一方の手の下に添えられている。 「食べられるか暁。口を開けるといい」 (+16) 2021/09/24(Fri) 16:03:54 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウ「そうか」 頭を撫でる手を止めないまま話を続ける。 「……本当のことを言うのであれば。 お前が食べたポップコーンに体が変になる薬が盛られている可能性が高い。複数人から裏付けを……いや、今この話はいいか。 だから全てお前が悪い訳ではない。俺としてはポップコーンの方に凄く怒っている」 ただ、と一言添えて手を止めた。 「嫌がっている暁を見て、苦しくなったのは事実だ。人が嫌がることはしてはいけない。お前も辛い状態であったことは分かるがな。 ……だから、もし次またあんな状態になったなら。俺にごめんなさいと言うのなら。 苦しいかもしれないが、ほんの少しだけ耐えてくれ。それで、「たすけて」と素直に助けを求めるんだ。それならきっとお前も周りも今より傷つかない方法でお前を助けることができるかもしれない。俺もお前の為に出来ることはしよう」 貴方が傷つけたくて闇谷を傷つけたわけではないことは知っている。けれど、だからといって全てを許しては貴方の感情の行き場がなくなってしまう。 だから、素直に苦しいことを伝えた。 「……俺からの話はそれだけだ。ちゃんと謝ってくれたのだから。きちんと謝罪が出来て偉いぞ、迷彩。 ……それを、暁にもちゃんとしてやれるか?」 (-51) 2021/09/24(Fri) 16:45:55 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+17 闇谷 貴戸高志は真面目である。 馬鹿がつくほど真面目である。 なので、以前された「はいあーん」のお返しをするべきだと思った。 なのでやった。 ただの馬鹿なのかもしれない。 「……。うん、よく食べたな」 力強く頷いた。 その直前、貴方が菓子を口に収めるその刹那、ほんの僅かに自分の唇を引き結んだがそれもほんの一瞬のことだ。 貴方がきちんと食べたことに満足したのかそれからなんてことない様子で自分もお菓子をつまみ始めたのだった……。 (+19) 2021/09/24(Fri) 16:52:58 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志体温が徐々に移る布団の中、母親を思い出した。 あの時、母親に怒られたと思っていたのは間違いだった。あれは、叱っていた。 「……『たすけて』って言ったら、見ないフリされないの?」 そろり、と布団から目元だけを出した。 貴方の問いに答える前に、尋ねたいらしい。 尤も、そちらへの返事はもう決まっている。 「聞こえないフリされない?」 ここに来て色んな境遇を知った。必ずしも助けてもらえるわけではないと、理解している。 「ほんとうに?」 (-67) 2021/09/24(Fri) 19:28:36 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 腕を取る。辿り、節の目立つ武骨な指で、すらりと長い少年の指を絡めとる。指の股を割り開いて、深く、手を繋ぐ。 「……慣れているといえば、慣れている。 『父親』に教わったからな……ああ、」 繋がれた手を軸に、腰を浮かす。締まった腰に腕を回す。折り目正しく纏われた制服の上着に、皺が生まれた。 力を籠め、ぐいと引き寄せる。 「リードはしてやるが――」 くるりとターン。男の胸元、銀色が揺れて――――どさり、倒れ込む。 揺れた藤色が広がり、シーツに散らばる。 いくら所作が軽やかであっても、現実、平均身長はゆうに超えている男が二人だ。スプリングが軋み、跳ねる。 ……二人の間、揺れる金属の向こう。見下ろす瞳に、欲の色は無い。 バージン 「――初めてか、お嬢さん?」 (-73) 2021/09/24(Fri) 22:31:56 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+21 闇谷 指をぴたりと止め、貴方の様子を伺う。 フードを引っ張る仕草を見やりながら脳裏で誰かの声が蘇る。 ……本当なら恋人同士がするようなことで、してるのが誰でも、 見たら恥ずかしくて、見られたら恥ずかしくて、 二人だけでするはずの秘め事で。 「……ああ、すまない。配慮が足りなかったな。 次からは二人きりの時だけにする」 一度菓子を置いて淀みなくそう答えた。 ……ああ、もしかするとこれも秘め事にするべきことなのだろう。暁には悪いことをした。 ……。 ………………? 何かが頭を引っかく。引っかくが、その正体が掴みきれずに思わず小さく首を傾げた。それも些細な事でしかなかったから、すぐに貴方の話に耳を傾けることにしたが。 「これか。厨房を覗いたら最後の一皿だったんだ。食べ足りなかったらまた後で頼むとしようか」 なお、この後どこかの参加者によって白と黒のヌガーが振る舞われる事になるが……二人は果たして手に取るのか。それはまた別のおはなし。 (+34) 2021/09/25(Sat) 4:59:02 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウ「必ず助けられるかは分からない。俺は一番大切なものを見つけたから、俺はそれを最優先に動く。 それに助けられるかもそもそもその時の状況による。俺では力になれないことだってあるだろう」 無責任に貴方の心を明るくさせる言葉でも吐けばよかっただろうか。一瞬思案したが、やはり出来なかった。期待させて裏切る方が不誠実で、より彼を傷つけてしまうと思ったから。 「…………でも」 頭から貴方の額へと手を滑らせる。労るようにそろりと一度撫でて、ゆっくりと横から覗き込むように顔を近づけた。 「お前が姿を見せ、声を上げてくれたなら。 そして俺の目に映り、俺の耳に届いたなら。 ──俺は、貴戸高志は、お前をいない者扱いなんてしない。そう約束しよう」 小指を立てた手を貴方に差し出した。指切りの仕草だ。 (-106) 2021/09/25(Sat) 5:15:48 |
【独】 4432 貴戸 高志助けてくれ暁!このままではおはる黒塚に雌にされてしまう!!助けてくれ!! いや俺は勝ってみせる……暁……俺を守ってくれ………… (-108) 2021/09/25(Sat) 5:23:06 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+36 闇谷 「???ああ、分かった。 暁、そんなにあのお菓子が気に入ったのか……覚えておくか……」 厨房へと立ち向かう貴方を見送った。あまりの勢いだったので目はまんまるだし首はこてんと傾いた。堅物人間のテンションだけ置いてけぼりだ。 それからしばらくしてやって来た貴方の皿に視線を注ぐ。 先程自分が持ってきた物と違う見た目に、少しだけ興味が芽生える。 「うん?随分早い補充だな。だが先程俺が持ってきた物とは些か中身が異なるみたいだな。味も違うのだろうか……」 続くように菓子を手に取り、口へひょいと運んだ。 すぐに効果はやって来ないが、後ほど18%発情するだろう。 (+37) 2021/09/25(Sat) 5:51:11 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>+38 闇谷 「色合いなどが微妙にな。違うと思うが、どちらにせよ満足いく味なら問題ないな」 貴方が和菓子を、特にみかん大福を好んでいることは覚えている。だからこそ、ヌガーを面白い勢いで食べ進めている光景が少しだけ珍しく映ったのかもしれない。 もう一つおまけに摘みながら、一瞬流れた貴方の視線を追いかける。視線の先にあったのは端末だ。でもそれだけでは疑問も何も浮かぶことはなかった。すぐにお菓子や貴方へと目を向けるだろう。 どれだけ穏やかな時間を過ごしていても、貴戸の手元には朝食の席に置くにしては無粋な撮影機器が異物のように鎮座していた。その存在感はまるで逃れる事はできないと言外から伝えてきているようではあったが、本日手渡された少年はまるきり無視をした。 今は貴方と過ごすひとときを楽しみたい。 あまりに拙い現実逃避かもしれない。けれど、それでもいいと少年はルームメイトであり想い人でもある貴方としばらく他愛もない話に興じるだろう。 腹の奥底に火が灯ることに気付くのは、そして己に課せられた義務に苛まれるのは、まだもう少し先の話。 (+39) 2021/09/25(Sat) 6:50:28 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人流れるように結ばれた互いの手と手。 躊躇いの欠片もないその動きに目を奪われかけたが、耳に飛び込んできた話に思わず眉間に皺が寄る。 「黒塚の……お父様に?そうか……」 貴方が手を取った相手は、他人の込み入った事情にずかずかと足を踏み入れるような気質ではなかった。それ以上を聞こうとはしない。何を考えたのかは知らないが、難色を示してはいたけれど。 「……っ」 世界が回る。 力強く腕を引かれ、たまらず飲み込んだ息が喉奥を滑り落ちる頃には既にシーツの海に沈んでいた。 縫い止められるまでの鮮やかな動作に、なるほど慣れていると言うだけはあると心の内で舌を巻く。 ただ、それも此方を見下ろす少年の視線と混ざり合うまでのこと。 煌めく銀色の向こう側。手に取ればきっとひやりとした感触が伝わってくるであろう金属の温度を反映させたかのような瞳。 いっそ清々しいまでに情欲が一切ない双眸の色が自分にも移ったのだろうか、相手の勢いに飲まれているのに内側は酷く凪いでいた。 つい先程まで、まるで恋人を思わせるほどに深く触れ合った手の温もりは確かにあった筈なのに。 どこかちぐはぐな印象を受けて、笑いにも満たない小さな吐息を一つこぼした。 「……。そうだな。この体はまだ抱かれる悦びを知らない。 初物を散らすのは面倒で嫌か?それなら謝ろう」 本当は処女と呼べるものなどとっくの昔に喪っているけれど。 本人はその事に気付かない。意識の外で失くしてしまったのだから。 (-116) 2021/09/25(Sat) 7:37:53 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志貴方の冷淡にも思える言葉に、少年は安堵し、喜んだ。 自分に関係無いことなのに。 他人の気持ちを、こんなに嬉しいと思ったのは初めてだった。 緩む口元を隠しながら、相槌を挟む。 「うん、……うん」 貴方の手が額を滑る間、気持ち良さそうに目を閉じていた。目蓋の裏にかつての日々を見る。 目を開けた。 「……ふふ。うん、わかった。 ちゃんとツッキーにごめんなさいって、言うね」 布団から一本の腕が伸びる。 傷ひとつ無く、指先も荒れていない、綺麗な腕だった。 「あのね。 別に、助けてくれなくて良いんだよ。 自分のことは自分でやる。もう失敗しない。自分の夢は、自分で叶える」 貴方の小指に、少年の小指が触れる。 「だから、」 指が絡む。 (-118) 2021/09/25(Sat) 9:54:14 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウゆびきりげんまん。 嘘ついたら…… …………きっと、針千本すら生ぬるい。 あんな質問をするということは、過去に似た経験をしたのかもしれない。 再び同じことをしてしまえば、二度と人を信じられないような傷を彼に与えてしまうだろう。そのことを思えば、針千本の苦痛など己の罰にしては軽すぎる。 「……そうか。迷彩はひたむきな強さを持っているな。羨ましいくらいだ。 俺はお前の夢を詳しくは知らない。だが、俺と俺の大切なものの前に立ちはだかる事がないのであれば応援しよう。 仮令それが、人から指差されるようなことだとしてもな」 小指を絡める。 貴方が込めた力と同じくらい強く、きつく小指を折り曲げた。貴方がその内側で何を抱いているかは分からないけれど。 (-133) 2021/09/25(Sat) 15:50:22 |
【墓】 4432 貴戸 高志密かに決めたことを実行する為には情報が必要だ。 普段は外で読むことのなかった分野の本に触れる為にふらりと図書室を訪れていたが、今は明確な目的のもとカメラを入れた鞄を念の為に持ちながら堂々とした足取りでやって来ていた。 途中廊下で一冊本を抱えたルームメイトとすれ違ったが、ただならぬ様子に声をかける事は躊躇われた。 あれはなんだっただろうか。週刊誌?いったい何故……と首を傾げるも、すぐに答えが出ないので考えることを放棄した。どうしても気になるなら後ほど聞けばいい。 静けさ満ちる書物の楽園。 文字を追いかける楽しさと静けさに身を委ねる穏やかさを知ったのはここに来てからだ。今ではお気に入りの場所の一つになっている。 しかし今はそれも不要なもの。迷うことなく一つの棚へ。区分30、社会科学。 指先を泳がせ、それぞれの背表紙をなぞる。 その時だった。 「……っ」 ▽ (+46) 2021/09/25(Sat) 17:31:13 |
【墓】 4432 貴戸 高志少年の指がぴたりと止まった。めぼしい本を見つけたからではない。もしそうであったなら、少年は顔を歪めてなどいないのだから。 全身を巡る血液に乗って、身体中に熱が広がっていく感覚。腹の底を見えない何かが無遠慮にざらりと撫ぜるような不快感。一度見つけてしまった違和感に呼応するように溶け出していく思考回路。 何も知らない頃であれば気のせいだと一蹴していた事だろう。しかし、今の少年は同じ状態を既に経験していた。 体が熱い。 軽くこぼした吐息も既に重さが乗っている。指が乾いた本の背中を擦るだけでもやけにくすぐったく感じて、思わず忌々しげに顔をしかめてしまう。 調べ物どころの話じゃない。このまま放っておけば、また前のように── 「──っ、……」 桜色の爪がかりりと棚を引っ掻いた。 相手の顔が脳裏に浮かぶ。前と同じ鎮め方ではいけない。彼は少し前に無茶をして、その名残に未だ苛まれているのだから。 幸いまだ頭は回る。体も動かせる。 それなら今のうちに誰の目にも映らない場所へ行かなければ。 来た時よりもやや早足で、少年は図書室を後にするのだった。 (+47) 2021/09/25(Sat) 17:33:15 |
貴戸 高志は、普段よりも忙しない足音を連れながら移動した。自室から遠くへ、なるべく遠くへ。 (c23) 2021/09/25(Sat) 17:33:44 |
貴戸 高志は、自室から最も遠い手洗い場に転がり込むようにやってきた。前にも一度だけ来たことがある場所だ。 (c24) 2021/09/25(Sat) 17:34:31 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁貴方の端末に一つの連絡が届く。 『暁。体の調子はどうだ? 腰などは痛くないだろうか。他に変わった様子はないか?』 短くまとまった文字の羅列。ただそれだけが、貴方の端末に納まっている。 (-139) 2021/09/25(Sat) 17:42:51 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志『元気』 簡素な文字列。 メッセージアプリの返信が素朴なタイプの人だ。 きっとスタンプとか買った事がない。 少しだけ間を置いて、もう一件。 『どこに居る』 (-142) 2021/09/25(Sat) 19:15:22 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁一歩も動けなくなるような効果じゃない。頭だって回るし、体も十分動かせる。 それでも外気に触れる肌から異常なほどにくすぐったさが齎されるし、煩わしい倦怠感が熱となって全身を這い回る。 トイレの個室に座り込む己の行儀の悪さを許してしまう程には弱っていた。半端に意識がはっきりしているものだから、自己嫌悪のちくちくとした痛みが胸を刺す。 個室の扉にもたれかかるのが気持ちいい。無機質な冷たさを甘受しようと背を弓なりにしならせれば藤色の髪が乱暴に擦れる音が水場に響いた。 その中に混じる電子音。 差出人の名前を見る。──闇谷暁。 たったその三文字だけで、暴力的な熱とは異なるやわらかな温もりが胸に広がった。吐息だけの笑みが溢れる。 特定の文字が三つ並んだだけなのに、どうしてこんなに心が揺れ動くのか。どうしてこんなにも相手が好きで仕方ないのに、今まで気付くことがなかったのか。不思議でたまらない。 返信を打つ。大して長くもない文章であるはずなのに、それにしては時間がかかってしまってたまらなくもどかしかった。 ▽ (-145) 2021/09/25(Sat) 19:55:05 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁『元気そうなら良かった。 俺は散歩中だ。しばらくしたら部屋に戻るから、気にするな』 場合によってはスタンプを使用することもあるが、こちらも基本的には淡白な文章をしている。 ただ、今回に限って言えばこの程度の文章量であるにも拘らず返ってくるまでにやや時間がかかっていた事に気がつくかもしれない。連絡を送ってきたのはこちらの筈なのに。散歩中だったとしても、だ。 (-146) 2021/09/25(Sat) 19:55:18 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志『俺は』 『どこだって聞いてる』 貴方が返事をして、すぐ。 そんなメッセージが届くだろう。 それは殆ど、探偵の勘のようなものだった。 (-147) 2021/09/25(Sat) 20:03:28 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁長いようで短い、そんな空白を置いたあと。 『部屋から一番遠い手洗い場』 たったそれだけの返信が貴方の端末に届くだろう。 (-150) 2021/09/25(Sat) 20:19:33 |
【独】 4432 貴戸 高志俺思ったんだけどよかれと思ってやったことが裏目に出て最悪の方向に加速し絶望する愚かポジ多くない? 迷彩リョウ……和崎……許せねえぜ…… 闇谷……おさとうちゃん……ごめんな…… (-151) 2021/09/25(Sat) 20:21:38 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志貴方が返事を送った後。 少し時間をおいて、忙しない足音が聞こえてきて 蹴破るように扉を開ける音がして、荒い呼吸が耳に入るだろう。 個室の扉を、控えめに叩く。 「……ッ、おま、え…… 随分変わった散歩を、するんだなあ……?」 皮肉を言えば、深く深呼吸。 「流石に、鍵壊せねえ、からッ、 何だ、落ち着いたら、開けろよ…………………、」 (-152) 2021/09/25(Sat) 20:27:56 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「…………暁」 僅かに昂っただけだ。 どうして来た。 ああ、来てくれた。 「……どうして」 曖昧な問いかけ。 扉の向こうから聞こえる声はいやに落ち着いている。 否、そうであろうとしているのだ。上手く出来ているかは分からないけれど。 心配をかけてはならない。自分の異変は些細なものだ、だから大丈夫。 (-153) 2021/09/25(Sat) 20:38:48 |
【秘】 7734 迷彩 リョウ → 4432 貴戸 高志同じだけの力が小指に伝わってくる。 気持ちが伝わったような気がして、嬉しかった。 自分が色を持てたような気がして、嬉しかった。 「カガミンにも言われたけど、大丈夫だよ。 コジコジの周りには良い人しかいないでしょ? オレの夢は、悪い奴がいなきゃ叶えられないことだから」 良い人の周りには良い人が集まっている。 少年の少ない人生経験の中でも、少しずつ学んでいることだ。 蛙の子は蛙。類は友を呼ぶ。 「覚えててね、オレのこと。……できれば、母さんのことも。 無かったことにされるのは、イヤだから」 指を離し、布団の中へ戻す。 目を細めて貴方の瞳を見る。他人の色だ。 それでも自分を、その瞳の端に映してくれるだけで。 オレたち 迷彩にとっての、救いになる。 (-154) 2021/09/25(Sat) 20:42:27 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志息を吐く、深く吸う。 薄い扉越しの会話。 扉の向こうの貴方は、一体どんな表情だろうか。 嫌がる素振りは無いから、あながち気の所為でも無かっただろうか。 「……何となく? 好きな奴の顔見るのに、理由いるのか。 必要なら、後で考えとく。」 未だに開かぬ個室の扉へ背を預け ずるずると座り込んだ。 (-155) 2021/09/25(Sat) 20:46:54 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 7734 迷彩 リョウ「……」 自分がその悪い奴だと言ったら、貴方はどんな顔をするだろうか。少年は一度たりとも自分を善良な人間だと思ったことがない。 己の為に他人の罪を利用してここに飛び込んできたのだから。 「……勿論。迷彩のお母様の事も覚えていよう。 お前が俺の叱りを聞いてくれたように。俺もお前の頼みをちゃんと聞く」 少し考えて、もう一度だけ手を伸ばした。 柔らかな髪を撫でる。小豆色の瞳の中に貴方を閉じ込めたまま。 そうしてささやかな触れ合いをした後、少年は己の部屋へと戻っていくだろう。 貴方がどんな夢を抱えているかも、貴方がどのような素性であるかも。何一つ分からないまま。 貴方が走る先を見通すこともないままに、少年は背中を押したのだった。 (-156) 2021/09/25(Sat) 20:58:29 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁ああ、またこの感覚だ。 たまらなく嬉しいのに、たまらなく苦しい。 「好き」という感情がこんなにも複雑な形をしているなんて思わなかった。 たまらず首を少しだけ動かして、後ろを見ようとする。けれど見慣れたフードを被る貴方の姿なんて見える筈もなく。あれだけ気持ちがいいと寄りかかっていた扉が今となってはあまりに煩わしかった。 薄い扉一枚隔てた先にいる貴方。 近くて遠いような距離感に、もどかしさだけが募っていく。 「……顔なら、部屋に戻っても見せられるだろう。暁、暁………………」 媚薬の影響はさほど受けていない筈だ。 それなのに、どうしてこんなに体が熱を帯びているのか。 貴方の声こそが、貴方の存在こそが。 自分にとって、きっと一番のクスリなのだろう。 だから、ああ、我慢していたのに。 声がこぼれる。想いがあふれる。 「………………ふれたい」 自分で自分を──抑えられない! (-157) 2021/09/25(Sat) 21:11:24 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志扉を見上げた。 個室と付く以上、それなりに高い。 手は……届かなさそうだ。 「……そうだけど。」 壁も厚い。蹴破れる訳がない。 周囲を見渡す。 個室の近くに手洗い場が目に入った。 ……いけるか? 「何か胸騒ぎがしたんだよ、 あー……自意識過剰とでも、何でも言って良いんだけど、」 立ち上がる。 靴を脱ぐべきか迷って、結局そのままシンクへ足を掛けて、階段のように登る。 この高さからなら、きっと。 「貴戸が俺を心配して、探しに来ない訳がないだろ、 ……っと! 」足へ力を込めて、壁の上部へ飛び付いた。 バン!!!と大きな音が、振動が起こる。 → (-164) 2021/09/25(Sat) 22:01:11 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志ぐっと息を飲み、自重を腕で持ち上げ、腰痛すら無視してよじ登れば 仕切られた個室の内部が見下ろせる。 後は便座の蓋目掛けて飛び降りれば 貴方が座り込む個室への侵入が叶う。 ばき、と破損音がするかもしれないが、今はそんな事どうでも良い。 そうして、すとん、と、貴方の目の前に降り立てば 達成感から、深めの溜め息。 「……お待たせ」 初めてこんな無茶をした。 腰は鈍痛を訴えるし、衝撃のせいか足はびりびりする。 手を、差し出す。 貴方はこれを取っても振り払っても良いだろう。 (-165) 2021/09/25(Sat) 22:01:45 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁物音がする。 「……暁?一体何を」 貴方の話も気になるが、ただ話をするだけにしてはやけに騒がしい扉の外にばかり意識が向いてしまう。 空気を震わせんばかりの衝撃音。実際、扉に寄りかかっていたものだからその振動はこちらの背中へも伝わってくる。 「……あっ、暁!待て、お前は今、体、が…………」 普段ろくに表情を変えない少年が大きく目を見開いて上部を仰ぎ見る。そしてその視線は、飛び降りる貴方と一緒に地へと落ちた。 見慣れた青。見慣れた紫。 恋焦がれていた人が、目の前にいる。 「…………ぁ」 ▽ (-166) 2021/09/25(Sat) 22:32:11 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁貴方の手を振り払う選択肢など存在するだろうか? 震えながらも手を伸ばし、求めていたものを掴んだならば。力の限り自分側へと引っ張るだろう。 貴方を受け止めて、両腕を回して抱きしめる。頭を揺らして何度も何度も貴方に擦り寄った。 「お前、体まだ辛い筈なのに、だから……、休んでいてほしかったのに、だから、ここでやり過ごそうとしていたのに……お前には、安静にしていてほしくて……っ」 声色に必死さが滲む。胸が痛い。胸が苦しい。 これ以上距離が縮むことなんてない筈なのに、それでもひたすらにぎゅうぎゅうと抱きしめる。 足りない、足りない、こんなものじゃ全然足りない。 貴方が欲しくてたまらない。 「すきだ、暁……すきだ、すまない、すまない…………」 「すき」と「すまない」を繰り返し続ける。 「だめだ」、「いけない」を交互に口にした、貴方が想いを伝えてくれた日の様子と似ている。 あの日と決定的に違うのは、どれほど罪悪感が胸を締め上げても貴方からは離れようとしない点だ。 欲求を邪魔する自分の理性は、熱によって輪郭さえも見当たらない。 ただ自分の腹の底から湧く想いのままに、貴方を求め続けている。 (-167) 2021/09/25(Sat) 22:32:39 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志見下ろす先、眉間に寄った皺が視界に入り。 けれど、何も言われないのであれば、わざわざ言及することはなかった。 よい感情を持たれはしなかったのだろうと察しはついたが、 今更それを不快に思うこともなかった。 面倒ではないよ、と返しながら、散らばる長い髪をひと掬い。 さらりと指の隙間に零し、形ばかりの問いかけを落とす。 「俺こそ、謝るべきか?」 吐息は笑んでいた。揶揄いといえば聞こえがいいだろうか。 「お前、好いた奴がいるんだろう」 (-168) 2021/09/25(Sat) 23:06:14 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人「いる」 恥じらうこともなく堂々と返した。貴方が戯れのように触れてきても、少年の視線は欠片も揺らがない。 「だが謝罪は不要だ。謝るくらいなら誘うな。 それに俺も割り切っている。この企画に参加した以上、俺も相手も他の誰かと寝る可能性があることを」 溢れた吐息に含まれている笑みには嘆息で返し、此方もまた相手へと手を伸ばす。 「だから、これは勉強の一環とさせてもらう。 お前もそれでいいだろう?年頃の少女であれば胸を高鳴らせるような動作を先程からしているが……その実、こういった行為にさして興味があるようにも見えないしな。 なんだか"俺"を見ているようだ。 」最後の言葉は独り言のつもりだった。 拾おうと思えば拾えるし、気に留めなければすぐに宙へと溶けてしまうような些細な一言。 頬を滑らせ、指でそうっと目元を撫ぜる。小豆色の世界の中に、欲の無い黒い光が二つ。 (-170) 2021/09/26(Sun) 1:01:47 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志わ、と小さく声を漏らす。 壁一枚の距離すら、 鍵を開ける時間すら惜しくて体が動いたけれど 余計な事をしただろうか、と。 擦り寄る貴方の頭へ手を伸ばし、髪を弄ぶように撫でる。 「あのな、そこまでヤワな体してないからな。 貴戸に何か我慢させるよりは、ずっと良い。 ……やり過ごすって何だよ。」 また何か、一人で背負い込んでいるのだろうか。 だとしたら、来て良かった。 「……放っておけないだろ。 俺はずっと前から お前の事見てたんだから。」 様子がおかしい事ぐらい分かる、と 抱擁に応えるように、 此方も腕を伸ばし、抱きしめる。 「……良いよ、 好きにしろって言ってるだろ。どうしたい?」 (-171) 2021/09/26(Sun) 1:10:59 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「……また、媚薬のようなものを……口にしてしまったみたいで…………、でも、鎮めるのにお前の手間をかけさせたく、なくて……」 自身の髪に触れられるたびに、抱きしめられるたびに、言い表し難い温かさが胸から湧いて全身へと巡っていく。 ……そして、甘い幸福感とは程遠い、どろりと重たい情欲も。 貴方に触れたい。貴方と繋がりたい。 大好きな貴方を感じながら、貴方で体をいっぱいにしたい。 余計な感情が入る隙間もないくらい、貴方と気持ちよくなりたい。 「暁、あかつき」 泣きたくなるような必死さを滲ませていた声が変質する。 媚毒に侵された少年はかすかに頭を揺らす。 フードの奥。髪の下。重なるベールをかき分けて、辿り着くは貴方の耳。 「……お前は何もしなくていい。俺が動くから。 だから、だから──」 柔らかくキスを落としたかと思えば、かつて貴方が与えてくれたような甘噛みにも似た戯れを耳朶に行ってみせる。 少年なりの精一杯の誘いだった。落ち着きも冷静さもかなぐり捨てて、たどたどしくも貴方を求める。 「──お前がほしい。お前の熱で、抱かれたい」 最後に一つ、そっと囁く。 (-173) 2021/09/26(Sun) 1:44:28 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志貴方が言葉を紡ぐのを、相槌を打ちながら聞き入れる。 自分に向く感情の、どれをも否定しない。したくない。 「……こ、高志。」 貴方の縋るような声色は、次第に熱を灯すような艶っぽいものへと変わっていき 耳を弄ばれれば、ずくんと体の芯が疼く。 「んっ、………うん、」 想い人にここまで求められて、なんとも思わない人間は居ないだろう。 何よりそれが、長い片思いが実ったものならば。尚更。 「………がんばる。 俺で………俺と、気持ち良くなって、……欲しい。」 出来ることはしたい。 全部任せ切りは嫌だ。これは愛を確かめ合う行為なのだから。 貴方にしてもらった時、どうしていたか。どうすれば良いか。 ぐるぐる頭を回しながら、一先ず衣服を脱がそうと思案。 二人の境目に腕を割り込ませ、ネクタイからシャツ、ベルト、ズボンと 貴方がしてくれたことを少しずつ辿っていく。 (-174) 2021/09/26(Sun) 2:18:55 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁高志。 「……っ、……」 好きな人の好きな声が、自分の名前を呼んでいる。 とろりと蕩ける瞳が柔らかく弧を描く。 はあ、とこぼれ落ちる吐息は瞬きする間に溶けていなくなってしまったけれど、確かに嬉しげな笑い声を含んでいた。 服を一枚一枚剥いで、剥がれて。未だ首から肩にかけて赤く咲き続けている貴方の愛が露わになる。其処をひやりとした空気に撫でられるだけでたまらなく気持ちよかった。 「すぐに、繋がりたい……けど、流石にはいらない、から……少し待っててくれ……」 隅に追いやっていた鞄に手を伸ばす。何度か使用して中身の減った潤滑剤とゴムを取り出し──ついでに、密かにカメラの電源を入れた。 体を起こし、首輪にも見えるチョーカーだけを纏った裸身を晒す。下腹部にある自身の昂りは期待に震え既に僅かに頭を上げていた。 「…………っ、は……」 潤滑剤にまみれた指を己の後孔に突き入れる。何度やっても拭えない異物感を、きつく目を閉じ唇を噛み締めることで耐え忍ぶ。 (-175) 2021/09/26(Sun) 2:40:13 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志ここが何処かも忘れて、 準備を進める貴方をぼんやりと眺めて、は、と息を漏らす。 「……………エロいな。」 抱かれる側の時は齎される快感を受け取ることに精一杯で、 そう考える暇すら無かったが こうして眼前に肢体が晒されて、自分と繋がる為にこうして…… かぶりを振る。 自身が昂り立ち上がるのを感じて、 なんとなく童貞丸出しで恥ずかしい。 「………、」 待てと言われても。 それは生殺しというやつでは無いのだろうか。 そろりと首元に頭を埋める。 赤い痕をなぞるように優しく歯を立てて、噛む。 貴方が拒まないならば、白い刃は留まるところを知らずに そのまま暫く甘噛みを繰り返すだろう。 (-177) 2021/09/26(Sun) 3:06:49 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁首元に顔が寄せられる。胸が激しく跳ねる。 唇が肌に吸い付く。自然と息が上がる。 歯が沈み込む。ぱちんと頭の奥で何かが弾けた。 「……っ、ひ、ぅあぁッ!」 痛みと快楽がないまぜになった痺れが走る。 たまらず悲鳴にも似た、けれど確かに悦びを感じている嬌声が喉奥から飛び出した。 後孔に埋めた指も予定通りの動きが出来ず、肉壁を不規則に擦り上げては体を捩る。 「あかつき……っ、そこ、ああ、いい、きもちいい……っ」 熱にうなされた病人のような、地に足つかないふわふわとした口ぶりで「あかつき」と繰り返す。 普段きっちりと隠されている首筋は、貴方の手によりすっかり性感帯と呼べるほどに弱くなってしまった。一度も直接触れていないのに、首への刺激と後孔の準備だけで半分以上勃ち上がっている。 薄い壁で区切られた狭い個室。温度が上がり始めたその空間が、蕩けた声と水音で満たされていく。 「あかつき、欲しい、おまえがほしいんだ……」 手が空いていないから、それ以外で貴方に甘える。 首元に埋まる頭の天辺に口づけを落とし、はしたなく腰を揺らめかせる。もう普段の知性のかけらはどこにもない。 これだけ密着しているのなら、少しは貴方の熱の具合も分かりそうだが、今どうなっているだろうか。 (-178) 2021/09/26(Sun) 3:28:57 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志刺激する度に反応を示す貴方が可愛らしい。 いちいち名前を呼ぶ貴方が好きだ。 自分によってどろどろに惚ける貴方が愛らしい。 いっぱいの庇護欲と、同時に苛めたいような気持ちも湧いてきて、また首元を噛む。離して、間を開けて噛む。 ……こんな感情は初めてだった。 自分によって淫らに開発され、 自分によって快楽を貪る姿に───やけに唆られる。 貴方のこと以外は、今は思考の内に無い。 そっと唇同士を重ね、啄むような口付けを落とす。 「……欲しい、か。おれも……俺も、」 視線を落として、貴方の指先へ。 長い指が出入りするそこに、自分の物が入るのかと想像すれば 既に主張している昂りが更に張り詰めて貴方の下腹部へ存在を示す。 「…………、……、 もう……良いか? まだだめか?」 待てと言われているから。 お預けが解かれるのを、 今か今かと熱い瞳で貴方を見つめる。 (-184) 2021/09/26(Sun) 4:13:34 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁捕食される悦びを知ってしまった体は絶えず戦慄き続け、幾度も肌を玉の汗が滑り落ちていく。跳ねる体に合わせて震える昂りは涙を流すように先走りを零し続けた。 「ん……。ふふ、あかつき」 快楽に溺れ続けていた少年であったが、想い人から唇を重ねられれば嬉しそうに口元を綻ばせて笑みを咲かせた。浮かべるそれも最初に比べたら随分と深くなった。 己の内側に埋めていた指を引き抜く。窄まりを暴いていた数本の指同士をこすればはしたない粘着質な水音が生まれた。 てらてらと濡れる指をそのまま貴方自身へと移動させる。幹に指を絡めて裏筋をくすぐり、上下に擦って先端をくちくちと弄って可愛がる。 貴方の昂りを高めながら「楽にしてすわって」と熱い吐息に混じりに囁いた。 もし貴方が従うのなら、座る貴方に跨るだろう。もし他の姿勢を求められても、恥じらいも躊躇いもなく、ただ貴方を求めて大きく脚を開いてみせる。避妊具も取り出していたけれど、それすらも頭から抜け落ちてしまっていた。 「ああ。俺も我慢ができない。 あかつき、暁………… ……お前をたくさん求めるのを…… …………どうか許して」 数度、後孔がはくはくと震えた後。 貴方を求めて、自分から熱を飲み込もうとする。 (-186) 2021/09/26(Sun) 5:00:39 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志あの澄ました顔を、すっと引かれた線のような眉を綻ばせている。ほとほと先走りを落とす程に感じている。 乱れる貴方の姿はあまりに扇情的で 見せ付けるように、聞かせるように行われる所作全てに目が奪われてちかちかする。 ごくり、生唾を飲んで はー、と、深めに息を吐いた。 「ッ、う、う……!?」 性器を弄ばれすぐに達してしまいそうで腰を引く。 言葉にしないのは、抵抗しきれない程に昂っている証拠だ。 座って、と促されればその通りに。壁へ背をもたれるようにして、跨る貴方を受け入れる。 変な行動をして貴方の身に傷を付けたくない。無理をさせたくない。 受け入れる側の大変さはよく理解している。 「高志、」 貴方しか見えない。 貴方以外いらない。 嗚呼、今までずっと言えなかった言葉がこんなにするりと吐き出せる。幸せだ。 「……好きだ」 ゴムの事にまで気が付く筈もなく 落とされる後孔へ、中へ中へと割り込んでいく昂りに釘付けになりつつ 貴方へ手を伸ばし、腕の中に閉じ込めた。 (-187) 2021/09/26(Sun) 5:54:16 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁早く、早く貴方と繋がりたい。 心はこんなにも急いているけれど、体は未だほんの少しだけ怖気付いているのか飲み込むペースはゆっくりで。もどかしさに眉根が寄せられる。 少しずつ飲み込んで、最奥まで貴方を招き入れて。同時に名前を呼ばれながら貴方の腕の中に閉じ込められれば、それだけで…… 「ぁ、──ッ!」 貴方の熱を包む内側が激しく痙攣した。続いて長身もびくびくとひっきりなしに跳ね上がる。けれど下腹部にある性器は硬く反り返り存在を主張したまま。吐精を伴わない女のような絶頂に至ったことを示していた。 体が熱い。心が熱い。 本当は今頃冷たい個室で虚ろな感覚を抱えながら一人慰めていた筈なのに。 本来なら自分はただ狭い箱庭の中で偽りの自由に浸って満足していた筈なのに。 「……ぁ、あかつき、あかつき…… 俺も、お前が、……っ」 今この身に訪れている感覚全てが愛おしい。 今こうして貴方と寄り添う状況が愛おしい。 もう手放せない。もう戻れない。 堰を切って溢れ出す。 表に出る事なく封じ込めていた感情たちが。 温められ、溶けて、それはまるで澄んだ雪解け水のように。 はらはらと、小豆色の瞳から涙と共にこぼれ落ちていく。 ──ああ、幸せだ。 「…………好き」 ▽ (-189) 2021/09/26(Sun) 9:36:20 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁藤色が舞う。 よく手入れのされた髪がしっとりと濡れ、普段より重みを持ったままぱさぱさと白い肌を打つ。 締まった腰が淫靡に跳ねては激しい水音を奏でて耳を犯し、深く交わっている事実を突きつけられては悦びに打ち震えた。 「は、ぅあっ、すき、すきだ、あかつきっ……んっ、ん、……ぁあ……ッ!」 一度箍が外れてしまえばもう駄目だった。 受け入れる側が自分である為か、相手を抱いた時よりも大胆に、そして容赦なく快楽を貪っている。 己の体にかかる負担など初めから気にしてなどいない。無理をした後のことなどどうでもよかった。今貴方を味わい尽くすことだけを考えて、一心不乱にはしたなく体を揺らし続けた。 この身を穿つ貴方の熱を内側の肉全てで包み、抱きしめ、しゃぶり、形を覚え込む。 何をしても気持ちが良い。ひたすらに耽溺していたけれど、ふと小豆色の瞳にかすかに理性が戻る。相手は気持ちよくなってくれているだろうか、と。 (-190) 2021/09/26(Sun) 9:37:45 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志瞳を見開く。待ち侘びた、繋がる感覚。 挿入の瞬間はどちらの立場でも、いつだって慣れない。 「ふ、ッ……!」 貴方が跳ね、自分の中心を貪る度に湧き上がる興奮。 言葉にしなくても貴方の肉壁に収まるそれが温度で、硬度で主張している。 今だけは、後のことも、 それから密かにカメラが回っていることも、何もかもが思考のうちに無く、ただ自分の腕の中で激しく痙攣し、乱れる貴方の虜になっていた。 あつい。 ぎゅうぎゅうと快楽に溺れ、欲のままに精を求める貴方の中が、貴方が、燃えるように熱い。 ほとりと落ちゆく涙を、舌でぺろりと舐めとった。 「それ、なに、ッ……えろ。 おれも……すき、好きだ、好き、」 これでも男の端くれだ。 初めて人を抱く──と言っても殆ど貴方に任せきりだが──行為は初めてで、欲に濡れた紫色がぎらぎらと光って貴方を映す。 もっと乱れさせたい。もっと声が聞きたい、もっと動きたい……そんな支配欲が余計に膨らんでいく。 → (-194) 2021/09/26(Sun) 13:32:41 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「きど」 抱きしめたまま腰を持ち上げ体重を前に掛けて、狭い個室内で貴方を地面に押し倒す。 貴方の背に回る腕が床の冷たさを感じて、藤色が窮屈そうに散らばる。 「したい」 そんな景色すら、自分を煽る要素になる。 はー、といっそう荒く、息を吐く。 「いいか?」 答えも聞かずに腰を動かし始めれば、欲の赴くままに貴方を貪り、捕食するように内壁を一心不乱に掻き回していく。吐精が近い。貴方と気持ちよくなりたい。 容赦なく貴方を攻め立てる様は、以前の貴方を参考にしているとはお世辞にも言えない。 「はー、は、……っう、うう、う……、」 ぐ、と指先に力を込め、きつく貴方を抱きしめれば、 その腹の中へ白濁を吐き出すだろう。 (-195) 2021/09/26(Sun) 13:34:02 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁涙を舌で掬い取られてくすぐったそうに小さく笑んだ。淫欲満ちる空間の中ではかえって異質だと呼べるほど無垢な笑みだった。 相手が必死な様子で「好き」を繰り返すたびに呼吸が止まりそうになる。今ここで死んでしまえたなら、これ以上苦しむことなく幸福なままに終わることが出来るだろうか? 馬鹿な考えだと一蹴して、すぐに捨てた。自分はこれから貴方と共に生きるのだから。 だから、俺は──…… 「……っ、あかつき……っ?!……ぅ……」 一瞬僅かな思考を別のことに攫われているうちに体勢が変わる。視界が回り、押し倒されたと認識するよりも先に床の冷たさからくる刺激で脳も腹の底も無遠慮に乱される。 そこからはされるがままだった。 穿たれ、貫かれ、貪られる。 元々首という生き物としての弱い部分を責められ善がる体に仕上がっていたのだ、多少の苦痛などかえって欲の火を燃え上がらせる薪でしかない。 ▽ (-196) 2021/09/26(Sun) 14:37:39 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「ひッ、ぁあっ、ぅあっ……いい、いいッ! あかつきの、あかつきの好きなようにして……っ!おれは、おれはお前のものだから……ッぁ、あっあっあっ」 誰と寝ても、貴方を抱いた時でさえも。声をなるべく押し殺していた少年はかすれた声を上げ続けた。 雄としての矜持さえもかなぐり捨てて、自分は貴方のものだと口走るだけで気持ちがいい。 被食者となった少年は蹂躙される悦びに侵され、もっともっとと自ら体を差し出し強請る。 求められている。 その事実が脳髄まで甘く溶かしていき、つられるように熱を受け入れる内側がきゅうと啼いて相手の猛りを締め上げた。 「……ふ、ぁは……あかつき…………」 抱きしめられ、己の最奥に熱いものが注がれる。 それに合わせて腕を回して抱きしめ返し、長い足も貴方の腰に絡めるように巻きついて体を寄せた。 自身の胎が、喜ぶように蠢いて貴方の精子を飲み干していく。 満足そうに微笑んで、自身もまた張り詰めていた兆しから熱を解き放ったのだった。 (-197) 2021/09/26(Sun) 14:38:25 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志自分の腕の中、自由のきかない狭い場所で動物のように求め合い お前のものだと全身で主張する貴方に、ぺろりと舌舐めずりをしてその通りだと内側から自分で満たしていく。 「ッ、……っ、………、……!」 欲を吐き出す感覚がどうにも心地よくて、出し終えれば精を擦り付けるように何度か動き、それからは貴方の胸元に顔を埋めて、余韻を堪能していた。 「きど………」 名残惜しげに、ゆっくりと引き抜く。 「はぁ…………きど、」 顔を上げて、小豆色を見つめる。 「ごめん」 達し、熱が引けば、 ゴムを忘れた事──そもそも持ってきてすら居ない事実、そして貴方の言葉を無視した事、色々な事柄が押し寄せ思考を圧迫してくる……所謂賢者タイムである。さあ、と冷や汗が出てきた。 一先ずは貴方を狭い場所から引き上げようとするが、貴方の熱は引いているだろうか。 (-198) 2021/09/26(Sun) 15:29:48 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「んっ……は、ぁ……ふふ」 擦り付けるように内部を行き来され、名残惜しそうに引き抜かれ、最後まで余すことなく貴方の熱を味わうことになった体は刺激に敏感になっているのかびくびくと小さく跳ね続けた。 咥えていた陽芯を取り上げられた後孔もまた未練がましく小さく口をはくはくと開けては閉じてを繰り返す。 「あかつき……」 少年は暫く絶頂の甘い痺れから降りれないまま惚けていたが、貴方の謝罪を耳にしてようやく理性の光を瞳に宿す。 「……」 呼吸を調える。 「…………暁」 大人しく引き上げられる。 赤みが残る肌を汗や涙、唾液など様々な体液が滑り落ちていくし藤色の豊かな髪はあちこちに張り付いてしまっている。少年の肉体は情事の余韻を隠すことなく纏っているが、そんな事も気にしないといった様子で貴方を見据える。 ▽ (-203) 2021/09/26(Sun) 16:59:48 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「謝るな。俺が欲しいのは謝罪ではなくお前が問題なく過ごしている姿だ。 むしろ万全ではないお前に無理をさせた俺の方こそ謝るべきだが、優しいお前のことだ、お前もまた俺の謝罪を必要としていないと推測する。 だから俺は礼を述べよう。 ありがとう気持ちよかった」 すっかりさっぱり少し前までのえっちな空気が消えている。残念な受けである。 はきはきとした喋り方は戻っているし、張り付いた己の髪をつまんでは後ろに流す指先もふらついていない。下腹部の熱も治まっていた。これなら一人でも後始末を終えて部屋に帰ることが出来そうだ。 (-204) 2021/09/26(Sun) 17:00:19 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「あれっさっきまで 俺の腕の中に居たエロい貴戸は!?」 居なくなった。 「ありがとう畜生俺も気持ちよかったです!」 素直。 「……俺も、片付けとか、する、ので。 お前は先にシャワー浴びたりとか、 して来た方がいいと思う……。」 床には鞄や衣服が放られているし 便器の蓋はやっぱりちょっと割れてるし 思い切り蹴ったドアも心配だし やる事が多いな、と、くらくらする頭を押さえた。 あれだけ動けば無理もない。 「あ……いややっぱシャワーも手伝う……。」 鈍痛や倦怠感を引きずりつつ、 貴方が最優先だと言わんばかりにゆるりと壁に手をついて立ち上がった。 (-205) 2021/09/26(Sun) 17:44:05 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「エロ?よく分からないが俺は俺だ」 ああ〜だめだこいつよく分かってな〜い! 「そうか。俺だけ気持ちよかったらどうしようと思っていたから何よりだ。 ……お前にだけやらせるのは納得いかない。二人で片付けよう、暁」 己のこめかみを桜色の爪がとんとんと二度小突く。自身への異能の使用だ。痛覚を遮断して立ち上がった。 とっくに元の調子に戻っているが、少年の内腿を濡らす白い残滓が先ほどまでのまぐわいは夢ではなかったと知らしめるように音もなく滑り落ちた。 少し屈んで鞄に手を入れる。何食わぬ顔でカメラの録画を止めた後、タオルを取り出した。 「……シャワーも手伝ってくれるのならば、いっそ二人で風呂にゆっくり浸かった方が俺は嬉しいのだがな」 そう返した後、何食わぬ顔で身支度を整えたり後始末を行うのだった。 ▽ (-206) 2021/09/26(Sun) 18:22:19 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁ちなみに。 義務付けられた映像に関しては。 「…………暁には悪いがな。 俺は、一度も自分のことを善良な人間だと思ったことはない。 自分の益の為なら平気で様々なものを利用する人間だ。心が痛むなんてことはない。 …………すまないな」 貴方が席を外している時間、そっと撮影機器を取り出して中身を確認しながら独り言つ。 手の中には"自分はお前のもの"と口走りながら淫蕩なひとときに溺れる己の姿がある。自分の姿を見ても何の感情も湧きはしないが、その下で快感を受け止めてくれる想い人の反応はたまらなく可愛らしい。 覗き見したいならすればいい。 此方も此方で、己が世界で一番大切にしたいものを見せつけて外の人間たちに知らしめてやる場として利用するだけだ。 自分は闇谷暁ただ一人のもの。 この狂った宴の期間中誰と肌を重ねようと、この想いだけは絶対に揺らぎはしない。 ──其れを、目に焼き付けろ。 「……」 画面の向こうの想い人を指でなぞり、それから少年はカメラの電源を落とした。 (-207) 2021/09/26(Sun) 18:24:28 |
貴戸 高志は、今も南波に投票したいと思っているぞ。お前ならいいものが撮れるのではという根拠の無い期待だ(?)。 (c44) 2021/09/26(Sun) 18:31:20 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志「そうか」 返す言葉は素っ気ないものだった。元より謝るつもりなど一ミリも無かったのだろう。そう覗える――誘いに乗ったのはお前だものな、と。語調、眼差し。纏う気配で告げるふてぶてしさ。 瞬く。暗い色が隠れて、ふたたび露わになり。揺れる睫毛が爪の先を掠める。 「“勉強”。……生真面目は変わらないな、高志」 後ろ手に脱いだ上着を、ベッドの下へ落とす。 これ以上の言葉はいらないだろう。そう思いつつも、独りごちた音を拾いあげてしまった。 目元を撫ぜるその手を取り、指先に口づけ。そうして独り言を落とす。 「俺と、似ているとでも?」 (-211) 2021/09/26(Sun) 18:48:20 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 答えは待たなかった。 ネクタイを解き、ボタンを外す。腰のベルトを緩め、露わにした少年の肌へ手を這わせる。男の体温は低かった。 作り物の欲と、用意された巣。情と見紛う丁寧さでもってその身体を拓く。 最中、彼の身体にとっては初めての事ではないと気づくのかもしれないが。 それを指摘することはないだろう。面倒を避けたのか、 ……生真面目なこの少年がつまらない嘘を吐くとは思い難かったからか。 (-212) 2021/09/26(Sun) 18:50:09 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 身なりを軽く整え、濡れタオルを持ってベッドへ戻る。 滲む汗で湿るシャツが不快で、上着は床に落とされたまま。 「……動けるか」 ベッドに腰掛け、身を横たえる彼に、握るタオルを差し出す。 そのための力が戻っておらず、また、拒まれないのであれば、代わりに身体を拭ってやっただろう。 睦み合う恋人同士のそれと、 明確に異なるであろう点を挙げるならば、二つほど。 まず、黒塚は催淫剤の類を服用し、事に及んだ。 舌の上で錠剤を一つ溶かし、飲み込んだ。 問われれば支給されたものだとあっさり明かしたし、 組み敷かれる少年も必要とするのであれば、分け与えたことだろう。 さほど強くもない、気休めのような薬だった。 そして、もう一つ。 口づけが唇へと落とされることは一度たりとも、無かった。 (-215) 2021/09/26(Sun) 19:00:50 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「………ん、 俺今あんまり使い物にならないと思うけど ゆるしてくれ……。」 根を上げる体をどうにか動かし きっと後片付けの殆どを 貴方にさせてしまいつつ、手洗い場を後にするのだろう。 ……特に何にも気付く事はない。 「あー、確かに風呂入りたいな。 お前の……その、ケアしたら 暫く呑気に浸かろうぜ。」 そうして二人連れ添って、 今の日常へと戻っていく。 貴方が秘める想いには 何一つ気付かぬまま。 (-221) 2021/09/26(Sun) 20:06:58 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人「問題ない」 けろりと返しながらゆっくり体を起こし、タオルを受け取る。 しっとりと汗ばんだ肌に張り付く豊かな髪に、平時の堂々とした佇まいとは程遠い緩慢な動作。 少年の至る所から情事の名残が顔を覗かせるも、当の本人はまぐわいの熱を欠片も残さないような凪いだ声色をしていた。 貴方が少年を暴いたならば、シャツの下にある首から肩口にかけて無数の噛み跡が咲き誇っていたことに気付くだろう。貴方が組み敷き揺さぶっているその下で密かに首元を何度も引っ掻いている姿を見る事ができたかもしれない。 また、どのような抱き方をしていても少年は終始声を押し殺しながら貴方の熱を受け止めていた。声を出すことをきちんと我慢できていたかはともかくとして。 「薬の力を借りなければならないほど体は"その気"になっていないのに、随分と難儀な役回りを任されたものだな、黒塚。 面倒なことを行なっているのだから、お前への報酬も俺たちよりかは多いのだろうな。中身はもう決まっているのか?」 勘違いしてしまいそうなほど丹念に高められたにも拘らず、それでも今こうして落ち着いているのはひとえに少年の動きと態度がどこかちぐはぐに思えたからだった。 それに口づけを一つも寄越さなかった事も引っかかっている。 体は未だ火照りが鎮まりきっていないのに、感情が湧く内側は冷水に浸かっているかと勘違いするほどひやりとしていた。 (-223) 2021/09/26(Sun) 21:12:17 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>暴行現場 聞き馴染みのある声を持つ人が、聞き馴染みのない勢いで叫んでいるのを耳にした。 普段通りの堂々たる足取りでやってきた少年は、ただならぬ空気の片鱗を拾い上げ>>+70 眉を顰める。 「…………迷彩?」 (+71) 2021/09/26(Sun) 21:29:33 |
貴戸 高志は、その場の様子を静かに観察している。その顔には表情が欠片も浮かんでいない。 (c46) 2021/09/26(Sun) 21:36:22 |
【墓】 4432 貴戸 高志フードを被った少年を見やり>>+74、その場を静観していた者はようやく動き出した。 藤色が揺れる。いつも通り、変わらずゆったりと。 「……暁」 とん、と名前を呼んだ少年の肩を軽く叩き。 それから、続けて口を開く。>>19 >>+73 >>21 「迷彩。普川先輩。 もう夕飯の時間だ、夕食を食べに行くぞ。移動するなら俺たちの方だ。行こう」 「黒塚。眠いのなら仮眠でも取ってこい。その欠伸をなんとかしろ」 その声色は揺らぎなく。ただ静かに、淡々と紡がれる。感情を殺して周りを見るのは慣れていたから。 言い終えるや否や、フードの少年の手を取って歩き出そうと踵を返す。名前を呼んだ二名にも小豆色の視線を向けて、どうするかを眺めながら。 (+75) 2021/09/26(Sun) 22:34:20 |
貴戸 高志は、暴行に関わる二人が普段のままで、最年少が怒りを露わにし続けては状況は悪化していくだけだと判断した。 (c50) 2021/09/26(Sun) 22:40:02 |
貴戸 高志は、故に、彼らを一度引き離そうと試みる。彼らが話し合いを望むなら、止めはしないが。 (c51) 2021/09/26(Sun) 22:40:10 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志これはきっと4日目のどこか暇な時間帯。 二人で室内でゴロゴロ過ごしているタイミング。 少年院では規則正しい生活を送ってきた為 こういうのんびり出来る時間は1分でも貴重だ。 「貴戸!しりとりしようぜ。 りんご! 貴重だって言ってるだろ。 (-229) 2021/09/27(Mon) 0:00:30 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁のんびりできる時間は貴重である。 だが、貴方と過ごせる時間はもっと貴重なのである! つまり……何も問題ないのである!!! 「しりとりか。分かった。 だがしりとりと言えど、相手が暁といえど手加減はしないぞ。 ……ゴシップ!」 ノリノリである。 (-230) 2021/09/27(Mon) 0:03:02 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志ルームメイトが 想定の3倍ぐらいノリノリだった。 んー、と、床に寝転んで思案。 「ぷ……ぷりん……じゃなくて、 『プリンアラモード』 !」 (-231) 2021/09/27(Mon) 0:07:27 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「……………? ……………………。」 もしかして、と思ったが まあいいか。 「ぷ…… 『プラスチック』 。」 (-233) 2021/09/27(Mon) 0:11:23 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「 『クリップ』 」恐らく、貴方の予想は的中しているかもしれない。 それでもこの男はすまし顔である。 (-234) 2021/09/27(Mon) 0:12:52 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「お前…………… 性格悪いぞ………………………………?」 しりとりの正攻法だ。 別に悪くはない。 「ぷ……ぷ……… 『プリント』 ……。」 (-236) 2021/09/27(Mon) 0:15:25 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「手加減はしないといっただろう。 嫌なら切り抜けてみせるといい。 『トラップ』 」性格最悪である。こいつスコーンまで優雅につまみ始めた。 (-237) 2021/09/27(Mon) 0:17:16 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「 『ループ』 」膝に頭が乗せられると、それはそれは甘く優しい手つきで髪を梳いていく。それは親が子供にするように、或いは恋人が相手にするように。 勝負はまったく甘くないんですけども。 (-239) 2021/09/27(Mon) 0:23:36 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志くすぐったそうに微笑んで 貴方の手の感覚を享受している。 「 『プロフィール』 。」目はあんまり笑ってない。 (-240) 2021/09/27(Mon) 0:26:03 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>普川 最年長の少年と寡黙な少年の暴行現場を見てしまった後の話。 食堂。または、そこへ向かう途中か。 兎に角一緒にいるだろう迷彩少年や闇谷少年の耳には入らないよう距離を取った隙に、最年長者へと詰め寄って声をかける。 「普川先輩。少々よろしいですか」 表情はいつもの仏頂面のまま。極めて落ち着いた様子で、貴方にしか聞こえないであろう声量のまま話を続ける。 「……事情を話したくないのであれば無理に聞きませんが。黒塚に殴ってもらうよう頼んだのは、貴方にとって必要だったからしたことなんですよね?」 (+77) 2021/09/27(Mon) 0:29:47 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「……ふむ。 『ルームランプ』 」慈しむように、労るように撫でながら続ける。 ここでようやく矢継ぎ早に返ってきていた言葉に空白が生まれた。 (-241) 2021/09/27(Mon) 0:32:21 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁腹に埋まる貴方の頭をなでこなでこ。 「暁、珈琲欲しいなら離れてくれ。動けないぞ。 ……。…… 『ルバーブ』 」ちょっと優勢が崩れてきた。 (-246) 2021/09/27(Mon) 0:49:00 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「…………。」 それもそうか、と スンと鼻を鳴らして頭を上げた。隣に座る。 「ん? あー 『ブラックホール』 。」ぷじゃなくなったな。 (-247) 2021/09/27(Mon) 0:55:56 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>食堂 これは食堂に来た貴戸高志。 どこかの誰かさんのワクワクキッチンにより2回もえらいこっちゃになったので、もう食堂の食べ物は信じられなくなってきた。 ということで厨房を借りて夕食を作ることに。特別上手と言うわけではないが、レシピがあればそつなくこなせる少年だ。 白米にじゃがいもとにんじんの味噌汁、更に肉豆腐にもやしとツナの酢和え。デザートにしゃりしゃりの梨を切ってご用意。それを二人分持ってきた。 片方は闇谷に。もう片方は自分へ……と思ったのだが、迷彩の箸の進みが遅いことに気付くと肉豆腐の皿を少年の前に差し出した。 「迷彩。その鍋は嫌か?俺のものと交換しよう。此方に渡せ」 てきぱきと色々動いている。話は闇谷が聞くだろう……なんて丸投げしながら。 (+79) 2021/09/27(Mon) 1:01:06 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁立ち上がり、珈琲を淹れに一旦離れる。 程なくして貴方の分を淹れたカップを持ってくるだろう。 「 『ルール』 」その間にもしれっと続ける。 (-248) 2021/09/27(Mon) 1:04:40 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 高めていた熱が遠のき、しかし未だ余韻を残している。 腿へ置いた肘も組んだ指もぬるく、平素と違う温度は不快感を呼び覚ます。 スプリングを軋ませる腰のあたりが、最も。 自分のものではない温度に――――少年の身体と、近い。 じんわりと伝わる他人のそれが、どうしようもなく気持ち悪かった。 幾度も引っかかれていた、きっと赤くなっている首元へちらりと視線を遣った。 手当てが必要なほど傷ついているのなら、消毒液を探さなければならないし、この後そうするのだろう。 「望むものは決まっている。 ……与えられるかは、どうだろうな」 体の前、膝の間で重ねる指を組みなおして静かに答える。それ以上、自ら多くを語りはしなかった。 それから、少年の顔へ視線を上げ、問いかけを向ける。 「お前はどうなんだ、高志。欲しいものはあるのか」 口にしてから、数日前の似たような会話を思い出した。 思い出したからといって、どうという訳でもなかったけども。 (-249) 2021/09/27(Mon) 1:11:30 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「 『ルータイル』。 さんきゅ。」 珈琲を受け取り、一口。 貴方に淹れてもらうとなんだか美味しく感じる。 (-253) 2021/09/27(Mon) 1:19:55 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人小豆色の視線は波風立たない水面のような落ち着きを保ちながら貴方に注がれている。それでも、内側を荒らす不快感に耐えかね貴方が表にそれを露わにしない限りは気付くことなど出来ないのだろう。 首元の痕はさして気にも留めず、受け取ったタオルで拭える分だけ肌の上で滑らせて身を清めている。 「……。そうか。よかった、お前にも望むものはあったんだな。貰えるかも分からないものなのは少々気になるが……まあいい」 表情こそ変わらないものの、その声はにわかに柔らかくなる。 それ以上語ろうとしないことに気が付けば、自分に投げかけられた問いに意識を向ける。 「俺にもある。ちゃんとした形で与えられるかは、どうだろうな」 貴方と同じ言葉をもってそう返答した。 (-254) 2021/09/27(Mon) 1:22:22 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「そういう時って『じゅ』と『じ』の どっち準拠だった? まあいいや、 ひっくり返しただけみたいで悪いけど 『ジュール』 。」カップを机に置いて また貴方の膝に頭を乗せた。 「貴戸が悪いんだぞ。」 (-259) 2021/09/27(Mon) 1:40:47 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「……手強いな。持ちかけてきただけのことはある。 『留守番電話』 」頭が再び膝の上に乗ると、先ほどと同じように丁寧に頭を撫で始めた。 (-260) 2021/09/27(Mon) 1:45:44 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「 『ワゴンセール』 。いや暇つぶしのつもりだったんだが…… ここまで真剣になるとはな。」 瞳を細めて 貴方の手の温もりを楽しんでいる。 (-261) 2021/09/27(Mon) 1:50:23 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「遊びであろうと全力で挑まなければ失礼だからな。 ……む。…………。 『ルーブル』 」考えている間だけ手の動きが疎かになった。ぴたりと止まったり、指がぴこぴこ動いたり。考え事があっても表情には出にくいが、指先だけ動かすのが癖のようだ。 (-262) 2021/09/27(Mon) 1:54:01 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志貴方の指の動きに気が付いた。 「…………えー、 うーん、 『ルチル』 。」そっと手を捕まえて 指先に口付けを落とす。 (-263) 2021/09/27(Mon) 1:58:58 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「……っ、 『ルノワール』 」口づけを落とされればぴくりとかすかに跳ねてから強張った。 言葉で直接抗議はしないが、空いた手で貴方の額を髪の上からぺちと戯れ程度に叩く。 (-264) 2021/09/27(Mon) 2:02:28 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「るみ、…… 『ルミノール』 ……。」ぺちされたので 仕方なく手を離した。 「……終わらん気がしてきたな。」 (-267) 2021/09/27(Mon) 2:08:41 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「……。暁。分けにしないか?」 再び優しい手つきに戻る。 「……終わらない気がするが、どちらかというと追い込まれていたのは俺だったからな。続けていたらお前にも負けていたかもしれない。いつその時が来るか分からないが」 (-268) 2021/09/27(Mon) 2:14:07 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「まあ、 ずっと る責め した俺も悪かった。」そうして勝負は引き分けとなった。 先に仕掛けて来たのはお前だが……と ちょっとだけ唇を尖らせてみせた。 「俺お婆ちゃんっ子でさ、 子供の頃によく負かされてたんだよ。 年の功には勝てなかったな。」 ごろんと体勢を変えて 貴方の腹に顔を埋める。何となく落ち着くらしい。 (-269) 2021/09/27(Mon) 2:27:46 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「いいや。それも勝つ為の立派な戦術の一つだ。そして俺の策よりお前のものが上回っていた。誇れ暁」 よくやった、と腹に顔を埋めてきた貴方を褒めるようにぽふぽふした。 「成る程な。その強さはお婆様との戦って掴んだものか。どうりで勝てないわけだ。 ……負かされたとしても、こうして戦術などを身に付けていけば差がある知識量をカバーする事だって出来る。 やりようはきっとある筈だ、いつかお婆様に勝てる日も来るだろう」 (-270) 2021/09/27(Mon) 2:36:52 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「んや、勝ち逃げされてる。」 ぽふぽふを受けて機嫌が良くなり ぎゅっと顔を押し付けた。 「今年入ってすぐかな、寿命で。 うち両親も早くに亡くなってるから 生活の知恵は全部お婆ちゃんから。年の功、強いぞ。」 普段と変わらない声色で 欠伸をしながら語る。 (-271) 2021/09/27(Mon) 2:46:46 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁手が一瞬止まる。 貴方の頭から少し離れて、彷徨うように宙を泳いだ後。 そろりと優しく貴方の髪の上に戻ってきた。 「……悪いことを聞いたか。すまなかった。 ……ああ、でも。お前はお婆様から沢山贈り物をいただいたんだな。良いことだ。 俺がお前に完全に共感するには難しいかもしれないが、大切な人から何かを貰う喜びなら理解できる」 ぎゅうとくっついてくる貴方の頭を、丁寧に撫でながらそう紡ぐ。 (-273) 2021/09/27(Mon) 2:59:10 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「全然。 謝られる方が何か、 こっちこそ聞かせて悪かったと思うから いつも通りで大丈夫。」 事実として割り切っている。 だからこそ、外に未練が少ないのもあるが。 「へえ、大別な人から。誰だ? 貴戸の家族の話って聞いたこと無かったかも。」 (-274) 2021/09/27(Mon) 3:06:15 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁表情の変化こそなかったものの。 くす、と吐息混じりの笑みが薄い唇の隙間からこぼれ落ちた。 「お菓子もそうだが。何も見えるものに限った話じゃない。 お前とこうして過ごす時間、お前の好意そのもの。 お前が俺に向けてくれるもの全てだ」 髪を梳き、その間から見える肌へと指を伸ばす。頬を静かに撫でながら、語りかけるようにゆっくり貴方へ想いを伝えた。 「俺が家族から貰ったものなんて、貴戸という家を栄え絶やさず繋ぐ為に必要な技術や知識くらいだ」 (-277) 2021/09/27(Mon) 3:22:55 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「…………」 くすぐったい。 手の感覚が、貴方の言葉が。 「言って良かった。好きだ、って。 ……実は何時からかって覚えてないし、 何が好きってのがある訳じゃないんだよな。 気付いたら、好きだった。 好きだと気付いたら、もう全部が好きになった。」 腕を伸ばしてぎゅっと抱きしめる。 貴方はあまり家族の話をしない。 こんな場所に来るくらいだ、話して気持ち良くもないのだろう。 「まあ、悪くないな。 お前をいちばん好きな人間は俺なんだってのは。」 (-278) 2021/09/27(Mon) 3:31:07 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「……。 俺は別に自分の事を好きとも嫌いとも思っていないが、それでもお前に好かれる部分がある人間だとは思っていなかった。お前と違い、自分勝手で薄情な人間だからな。 ……だから、今もまだ信じられないでいる」 抱きしめてくる貴方が愛おしくて、絶えず頭を撫で続ける。 「ああ。俺は自分が満足に呼吸できる場所さえあればそれでよかった。その為に一人になったとしても文句なかった。 でも……お前のおかげで、日々を過ごすのが『楽しい』と思えるようになってきたんだ。一人きりなら例え生きやすくなったとしても、そんな感情を抱くことは難しかっただろう」 口元を綻ばせる。 自然に浮かべるようになったこのはにかみも、一人で生きる事を決めていたらきっとずっと縁のないものだっただろう。 「俺はお前が一番好きで、お前さえいてくれればそれでいいんだ」 (-279) 2021/09/27(Mon) 3:42:30 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「……最初は、カタい奴だと思った。 気が合わないかもなって。お前、ほら、几帳面だし。 それでも一緒に過ごしてたらさ、 意味分からん事し始めたり、負けず嫌いだったり、 目が離せなくて、 ………名前を、呼ばれ始めた頃には、多分、好きだった。」 そこからは、好みが全部貴方に染まった。 「……もうお前は、一人にはならないよ。 頼まれたって離れてやらない。」 そっと腕を離して貴方を見上げる。 「──嗚呼、お前って、そんな顔するんだな。」 (-280) 2021/09/27(Mon) 3:58:33 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁好きという感情はもっともっと甘ったるいだけのふわふわしたものだと思っていた。 それなのに、自分の中に生まれた好きは愛しくて愛しくて、たまらなく嬉しさが募って押しつぶされそうになるほど苦しくなってしまうものだった。 「ああ。願わくば、ずっと傍にいてほしい。 お前で満たされる幸福を知った今、お前がいなくなってしまったら。 …………もう世界のどこにいっても、満足に呼吸ができる場所なんて無いだろうから」 その苦しさと嬉しさが混ざり合い、涙となって飛び出そうとしてくる。ああ、嬉し泣きとはこんな風に生まれてくるのだろうか。 「……自分の顔のことなどよく分からないが、もし変化が生まれたのだとしたら。それはきっとお前のお陰だ、暁」 (-281) 2021/09/27(Mon) 4:10:36 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「 居なくならない。 」ぴしゃりと言い切る。 「………と、思う。 死ぬ予定は無いけど、 不慮の事故とかは流石に保証のしようも無いしな……。」 貴方の頬へ手を伸ばし 指先で肌を摩る。 「そうか、俺か。 そいつは光栄だな。」 息苦しい日々とは、どんなものだろうか。 理解は出来ないが、想像して、苦しいなと眉を顰めた。 (-282) 2021/09/27(Mon) 4:20:35 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁言い放たれた言葉を、泣きそうな笑顔で返した。 「……死が二人を分かつなら。その時は……、どうしような」 目に見えない未来のことなど誰にも分からない。いつ誰に死が訪れるかなんてそんなの誰一人として知れるものではない。 考えてもしょうがないことだったから、思考の隅へと追いやった。 肌をくすぐる指に思わず喉を鳴らして笑い声にも似た吐息をこぼしていたものの、微妙に眉を顰めた貴方を見て少しだけ首を傾げた。 「暁、どうかしたか?」 (-284) 2021/09/27(Mon) 4:30:38 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志――よかった、 何気なく口にしたのであろう、柔く紡がれたそれ。正面を向き、彼から目を逸らした。 膝を揺する。生まれた振動がベッドのスプリングへと伝播する。 「……認められないようなものなのか」 心中のざわめきを誤魔化すためだけに重ねた問いだった。恐らくは。 (-292) 2021/09/27(Mon) 12:53:24 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「死んだら死んだ時で良いんじゃないか。 とは言え、そう簡単に死んでくれるなよ。」 少しだけ口を噤む。 「……貴戸が今まで苦しんで来たんだなって考えて 嫌だなって思った。 ま、過去があってこその今だし 仕方ないんだけどさ。」 こんな場所でないと きっと貴方とは巡り逢えていなかっただろうから。 (-293) 2021/09/27(Mon) 12:58:06 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>26 普川 「そうですか」 手短に反応する。殴られる事を求めた理由に関してはその程度だった。 貴戸がもっと反応を見せたのは、その先。貴方の謝罪に関してだった。 「……俺が切り込みたかったのはそこです。 事情はどうあれ、殴るという行為は良い顔をされないものだ。己が当事者じゃないとしても。 だから、もし求めるなら人の目に触れないところでやる事をお勧めします」 目的であった話を伝える。話し終えるまで眉根は八の字に下がり、些か困惑の色を滲ませていた。 「…………先輩、謝り慣れていますか?」 (+86) 2021/09/27(Mon) 15:31:10 |
貴戸 高志は、迷彩を歓迎している。断る理由が無いし、心配する気持ちがあるのは相方と同じなのだから。 (c60) 2021/09/27(Mon) 15:33:37 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人軋むスプリングの音に耳を傾けながら貴方に視線を注ぎ続ける。なんでもない様子でシャツを纏い、身支度を整えながら。 「さてな。外での暮らしに関する事だ。内容自体はさして珍しいものじゃない。ただ、本当に保障されるかどうか信じられないだけだ」 ぎし、と更にベッドが鳴いた。引きずるような、緩慢な動作でシーツの上を移動して貴方の隣に座る。 「そう言う問いがすぐ出るということは、お前のほうは認められないものなのか?」 (-309) 2021/09/27(Mon) 15:52:07 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁「当然だ。俺はもっとお前と過ごしたいのだから、そうそう簡単にくたばってなどいられない」 速やかに答えた。 「……俺が苦しんだのは過去の話だ。今はもう何も問題はない。お前のおかげでな」 自分の都合のために家に泥を塗るような行為をしたことを、世間はどう評価するだろうか。たとえ褒められたものではない結果だとしても、自身の心はまったく揺らぐことはないが。 全てを切り捨ててよかったと心の底から思っている。貴方に出会えたのだから。 「……暁。…………その。 ………………もっと触れたい。嫌か?」 貴方に苦しい顔をさせるのは忍びなくて、誤魔化すように話題を切り替えた。あまりにも不器用なやり方になったけれど。 (-310) 2021/09/27(Mon) 16:02:30 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>28 >>29 普川 殊更困った顔をした。少し考える為に瞼を下ろす。小さなため息を一つついて、それから瞼を持ち上げる。 「そうですか。 ……先輩。その言葉に誠意がこもっていようがいまいが、口から出た発言には責任がついて回ります。 別に俺は、貴方が自ら殴られるのを求めることに思うことは特にありません。先輩には先輩の事情がありますから」 淡々と言葉を紡いでいく。 「……ただ。こうして口先だけでも約束してくれたのに。それを破ってしまったら。……いいや、破るだけなら別に良い。 それで万が一、暁が再び困ってしまうようなことがあれば」 ▽ (+88) 2021/09/27(Mon) 16:16:10 |
【墓】 4432 貴戸 高志>>a64 >>a65 「…………はあ」 ため息が止まらない。 「……俺は本当は、こんな事を言うつもりじゃなかったのに。 …………俺は先輩に、お礼をいう用事があったのに」 迷彩と闇谷が廊下で重なりあっているのを見た日。 真意がどうであれ、普川の言葉によって背中を押されて行動することができたのだ。律儀で生真面目な少年はその件に関してあとできちんとお礼を言おうと考えていた。 それなのに、今こうして飛び出した言葉はなんだ?感謝とはまるきり違う棘を含んでいる言葉ではないか。 「…………はあ」 ため息が止まらない。 的外れな言葉を耳にしながら、自身も食堂へ向かった。 (+90) 2021/09/27(Mon) 16:25:04 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「………そっか」 今は大丈夫だと告げる貴方に 出会った頃より穏やかになった姿に 僅かに胸を撫で下ろした。 仮面を被る貴方も好きだったが、 今の貴方はもっと好き。 腕に力を込めて上体を起こし 頬へ触れる手をそのままに、貴方の唇へキスをひとつ。 「誘ってたんだけど 気付いてないだろ。」 (-315) 2021/09/27(Mon) 16:30:01 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁唇が重なる。 あどけなさすらありそうな、気の抜けたようなきょとんとした顔。数秒ほどそんな表情を浮かべた後、ほんの少しだけ瞳を伏せた。 「……すまない。気付かなかった」 ばつが悪そうに呟いて、それもまた誤魔化すように身を寄せる。 触れるだけのささやかな口付けを自分から贈った。 「…………怒っているか?」 (-316) 2021/09/27(Mon) 16:37:24 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志「怒ってない。 これから知っていってくれ。」 くすくす笑う。 貴方のおかげで、 表情には喜色が浮かぶばかりだ。 「触って欲しい。高志に。」 名前を呼ばれはじめた頃から密かに始めた、 貴方の名前を呼ぶ練習が、この頃やっと役に立っている。 (-320) 2021/09/27(Mon) 17:00:06 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁笑う貴方につられるように、少年もまた表情を和らげる。貴方が笑っていると、自分も嬉しくなる。 「ああ、知っていきたい。 …………沢山教えてくれ、暁」 今だけ呼ばれる特別な名前。 くすぐったそうに、まぶしそうに目を細めて反応する。 名前を呼ばれるだけでこんなにも温かな気持ちになるなんて思わなかった。 「暁、好きだ」 なんて捻りのない言葉だろう。胸の内にある気持ちを表すものにしては非常に物足りない。 だから、言葉の代わりに行動で示そう。触れ合って気持ちを伝えよう。 背中に腕を回して、二人で共に畳へと沈もうとする。 狭い箱庭のなかで続く狂った宴、その合間のわずかなひととき。 長いような短い時間の中で、少年は真っ直ぐな「好き」を貴方に贈るのだった。 (-321) 2021/09/27(Mon) 17:14:17 |
貴戸 高志は、何事もなかったかのように食事を進める。ふと家族の事を思い出したが、もう関わりのない話だ。 (c63) 2021/09/27(Mon) 17:35:27 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 ちろりと、姿勢はそのまま、視線だけを隣へ向けた。 「さあな。……この企画が、テストを兼ねているんだろう。 及第点が取れれば、それなりに与えられる」 そのはずだ。 ……本当の願いは二度と、叶えられない。 それは不許可ではなく、不可能。不可逆。 同時に、不道徳ともされた。だから、誰にも明かしはしまい。 「なあ、お前。……高志。ここを出て、どうする」 また、いつかと似たような言葉を重ねて。 今度ははっきりと思い出した。夢を描く、少年の顔を。 (-330) 2021/09/27(Mon) 20:13:25 |
【秘】 4432 貴戸 高志 → 8435 黒塚 彰人「そうか。及第点以上を取れていることを祈ろう。文武両道であれと幼少からきつく言われてきたが、こんな分野は初めてだからな。未知数だ」 流れるような動作でネクタイを結ぶ。さして時間がかからないうちにいつも通りのきっちりした首元に戻った。 作業を終えて、手を下ろす。 小豆色の眼は、ゆっくりと貴方を見据えた。 「どうするも何も。ただ生きる。それだけだ。 俺にとって何より大切な者と共に生きて、なんてことない日々を過ごす。 真実はどうあれ俺もあいつも罪を犯した人間ということになっている。だから少なからず指を差され、心ない言葉をぶつけられるかもしれない。 あとは……そうだな、俺は今まで貴戸という家の都合のいい存在として首を絞めながら生きてきたから、俺の意思で選んだ明確にやりたいことなどまだ決まっていない。世間とずれた夢を持つかもしれない。 恐らくきっと、確実に、外で生きる道は前途多難だ。 ……それでも、俺はそうしたいと思ったからする」 面白い話ではなくてすまないな、と最後に言葉を添えた。 (-333) 2021/09/27(Mon) 20:39:19 |
貴戸 高志は、箸を拾い上げて席を立つ。少しだけ、胸が苦しくなった。 (c65) 2021/09/27(Mon) 20:42:20 |
貴戸 高志は、箸ごと手を冷水に浸しながら考え続ける。 (c66) 2021/09/27(Mon) 20:44:39 |
貴戸 高志は、思考の海に浸り続ける。人は、いつから人に許可を求めるようになってしまったのだろう? (c67) 2021/09/27(Mon) 20:45:11 |
【独】 4432 貴戸 高志「何がダメなんだよ」 お前はダメじゃないよ。 「誰の許可が必要で、誰に叱られて、 どうしたらWいけないWじゃなくなるんだよ。」 お前は何もいけなくないよ。 「俺の幸せをお前が決めるな。」 お前の側に居られたら幸せだよ。 「俺は好きにしてるし、好きに生きる。」 お前が好きだよ。 「俺の好きな奴のこと、WなんかWって言うな。」 辛いね。頑張ったね。 +++ これをぶつけられた貴戸高志が、許可の話で動じないわけがないんだよ (-334) 2021/09/27(Mon) 20:52:24 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志すきだ、それだけの短い言葉で綻んで笑い合える。 嗚呼、言ってよかった、なんて 可愛らしい感想を胸に抱えて。 「高志の事ももっと知りたい。 好きだ、好き過ぎて、……幸せ過ぎる。」 貴方の温もりが包み込んで来て、 二人で地に沈んで、笑って、 体の底から混ざり合って。 「お前のこと離さないから、 お前も俺を離さないでくれ。」 貴方の全てが自分に向いていることが、こんなにも誇らしい。 こうして、少年院での時間は 細やかな幸せも、ほの暗い混沌も、何もかもに等しく進んでいく。 (-336) 2021/09/27(Mon) 20:52:53 |
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