【人】 従者 ヨシュア失礼、メルーシュ嬢。 花束を一つ、頂けますか? [ 口元に笑みを浮かべて、近付く。 花屋の軒先に立つ女主人。 彼女こそが花であるとの声も少なくはない。 実際の齢を知らぬので、 彼女に向ける敬称は正しくはなかったかもしれない。 それでも、拒まれなければ、これが常の呼び方で。 ] (86) 2020/09/20(Sun) 15:25:44 |
【人】 従者 ヨシュア[ 花束の贈り主は、仕える屋敷の御令嬢だ。 今の主人の元へ来たのは、 成人するよりはるかに前のこと。 よって、幼少の頃から見知った顔である故に 一介の従者よりは、若干親しい距離にいる令嬢とは 時折、個人的なやり取りも交わす。 しかし本日は最優先すべき、主人の使いのため。 楽器の調整の道具を買いに行くという、 彼女との約束を反故にしてしまった。 つまり、この花は親愛なるお嬢様のご機嫌取り。 …… と、言ったこちらの事情に関しては、 花屋を訪れ主人と言葉を交わすのが初めてでなければ おそらくは容易に想像できること。 ]* (87) 2020/09/20(Sun) 15:30:41 |
【人】 従者 ヨシュア── 回想 ── [ 以前、お嬢様の付き添いで教会を訪ねた時。 聖歌隊の奏る荘厳な讃美の歌に、 わずかに眉根を下げた後。 膝を折り、手を組み、女神像に祈りを捧げる お嬢様を見守りながら。 少し離れた場所で、ぐるり、視線を彷徨わせ。 ] 失礼、神父様はいらっしゃいますか。 私はハイアームズ家の者です。 お嬢様がご挨拶をしたいと……。 [ それから、花瓶の水を替えていた娘を見とめれば、 足音を響かせぬよう、距離を詰めた。 自分は愛想のある顔付きではないし。 教会に住む娘の中には、男性が苦手な者もいる。 纏う雰囲気が、繊細や優雅さとは無縁なのを理解しつつ なるべく柔和な笑みを浮かべると。 娘の様子を伺いながら声をかけた。 ]* (94) 2020/09/20(Sun) 21:34:41 |
(a21) 2020/09/20(Sun) 21:37:11 |
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