【秘】 浮遊想 テラ → 夜の一族 チャンドラ「 それは知らなかったな。──を探して、見つけちゃって、 まだ──のことを知りたいだなんて そんなふうに言う 期待通りの ことをしてくれるなんて 」ナニカ は、あなたの辿ってきた道を知らない。 あなたに寄り添ってくれた人も知らない。 居たんだなぁとはなんとなく思って、 聞きたくなったけど、それはまた今度の話。 「 名前はないよ 。ここに来るより前も、あったかどうかなんてわからない。 最初に浮かんだのが、テラだった。だから名前なんだろうと思った。 」「 単位、大地、地球、神名、それと、怪物。 調べたら、結構色んな意味があるんだ? テラって。 」「 ──はね、怪物なんてぴったりじゃない?って 思っていたんですよ。 でも──は怪物なんかじゃない 。 」無色透明なだけで、人間の“形”は保っているつもりでいます。 「 ……なんだけど、さあ。それよりしっくりくるのを最近もらっちゃって。 ほら、ここって言葉が変だから、西洋の言葉も東洋の言葉に直されたり、 そういうことがあるけれど、意味としてそういう言葉をもらったんだ 」「 いっ てら っしゃい 、って 」「 耳に残ってただけで、多分これって名前じゃなかったんだね 」「 だから、名前はないよ 」つい最近、そう認識しました。 (-231) 2021/10/23(Sat) 14:27:45 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 浮遊想 テラ「……そう」 透明な声が、不透明な声に混じって、わずかに聞こえてくる。 そうなの、テラ。 あなたは言葉すら、あの衣服がないと伝えられない? 一瞬目を伏せたわたしは、すぐにまたあなたのいるだろう方を見る。 「いい名前よ。テラって。 わたしの名前には月という意味しかない。 それでもわたしはこの名前は好きだけど、テラにはあなたの言うように、たくさんの意味がある。 その中で怪物がそれっぽいと思うなんて、わたしはそんなところもテラらしいのねって思ったわ」 わたしは少しだけ笑ってみせる。 確かに怖いと思ったわ。 でも怪物だと思ったのなら、探しになんて来たりしない。 ああ、夜なら話は別よ? 夜ならわたしは、 何だってできる から。「──それに」 あなたは浮かんでいたから、高さはきっとあのあたり。 普通に対話するよりずっと高いところを見上げて、わたしは言葉を続ける。 「あなたにその言葉を言ってくれた人がいる。その証拠でもある。 耳に残っていたとは、そういうことでしょう?」 (-236) 2021/10/23(Sat) 15:26:07 |
【墓】 夜の一族 チャンドラ>>+20 >>+21 ポルクス わたしはあなたを探している。 まだ自分ができることは、わからない。 それでも、あなたを探していた。 いだいた ぬくもり は、まだ、手元にある。「……?」 広い中庭の隅、見たことのない、桃色の木。 わたしの知っている木は、みんな緑の葉を茂らせたものだけど。 足を止めたわたしは、そこにあなたの姿を見つけた。 まだ自分ができることは、わからない。 でも 「ポルクス……?」 木の根元に広がる赤い液。 あなたのものじゃ、ないのでしょう? 遠くで見ても分からなかったから、わたしは恐る恐るとあなたの名前を呼んだ。 (+22) 2021/10/23(Sat) 15:36:59 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザーわたしは探す。 夢から目が覚めた時、微かに聞こえた星の声を頼りに、あなたを探している。 館の協力者。 昼にも星は、日の明かりに隠されながら瞬いている。 その星々が、教えてくれたこと。 ねえ、ゲイザー。 あなたはわたしが見えていて? (-237) 2021/10/23(Sat) 15:43:35 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラゲイザーはいない。 それをあなたは知らない。 リーパーは、この館で一番空に近い場所にいた。 バルコニーだ。バルコニーで頭を抱えている。 ここに居るのはひとりだけ。 だから、あなたが見えることを隠す必要もない。 自分がゲイザーではないことも。 右手には怪我。今のリーパーは物理的に人を殺せない。 「うわッ、チャンドラ! テメエ急に出て来るなよ!」 (-238) 2021/10/23(Sat) 16:05:46 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザーゲイザーを探したわたしが、バルコニーに足を運んだのはなにも不自然なことじゃない。 あなたと約束をしていたもの。 わたしはそれを、楽しみにしていたから。 「ゲイザー……?」 バルコニーで頭を抱えるあなたを見つけて声をかける。 驚く声にわたしの方こそ驚いて、そんなつもりもないのに身を竦ませた。 「ご、ごめんなさい。……じゃないわ。ええと。 あなた、ゲイザー……?」 よく似た他人じゃなかろうかと思うほどに粗雑な態度。 テメエなんて言われたのは初めてだったから、びっくりしたのはそれも理由。 (-241) 2021/10/23(Sat) 16:15:44 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ「殺人鬼リーパー様だ! そしてオマエ、チャンドラだろ? ゲイザーのお友達の。 マジでゲイザーのこと探してたのかよ」 慣れぬ粗暴な態度に驚くあなたの前で、 リーパーは遠慮なく苛立ちを露にしていた。 「ゲイザーは死んだよ。オレがキエに差し出した」 「つまり、オマエとの約束は果たされることがない」 あなたに喋る間も与えず、鋭い事実を投げつける。 その仕草のどれもが、気弱なゲイザーとは異なる。 風が吹いていた。……夜の近づく匂い。 「残念だったな? ……オレ、オマエのこと気に食わないんだよ」 そして、理由も不明の難癖。 (-250) 2021/10/23(Sat) 17:02:14 |
【墓】 夜の一族 チャンドラ>>+25 ポルクス よかった、この赤はやっぱりポルクスのものじゃない。 安心したわたしは、少しだけ緊張を緩める。 「あなた、わたしが見えるのね。 ……目を醒ましてから、わたしのことが見える人、ほとんどいなくて」 それが神隠しなのでしょう。わたしは頷く。 「もう、寒くないわ。 むしろ少しあたたかいくらい。……不思議ね」 (+26) 2021/10/23(Sat) 17:14:14 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー「……リーパー、殺人鬼? ちょっと、待って。ゲイザーが死んだ……?」 混乱という言葉はこういうときに使うのが適当なのでしょう。 探していたお友達。同じ姿をした殺人鬼。 それだけじゃない。わたしは確かに混乱をしていた。 ──差し出した? キエ? どうしてその名前がここで出てくるの? 「………死んでないわ」 でも、その名前が出てきたからこそわたしはそう断言できた。 だって彼は、 命を粗末にすること なんて、しないもの。「気に食わない……そう、残念だけど仕方がないわ。 でもわたし、あなたに何かしたかしら?」 夜が近づく。わたしはまだそのことに気付いていない。 けれど兆候はある。 わたしはもう、お腹を空かせていないもの。 (-256) 2021/10/23(Sat) 17:26:34 |
【墓】 夜の一族 チャンドラ>>+27 ポルクス 「ええ、その通りよ。 誰にも見向きされなくて、最初は驚いたものだけど」 わたしは目を閉じる。 そうすると、この ぬくもり がより強く感じられる気がして。「ひとりじゃないって、思えたの。 あなたのことも、思い出したわ」 この ぬくもり は、あなたの掌にとても似ている。あなたがわたしに無償でそそいだ優しさに、とてもよく似ている。 無償でしょう? あなたが言った通り、あなたの望みを叶えるならば、わたしに酷いことをするべきだもの。 (+28) 2021/10/23(Sat) 17:34:05 |
【秘】 浮遊想 テラ → 夜の一族 チャンドラ「 ──らしい、なあ。うれしいね。 そういうふうな印象を持ってくれている君がいるから出る言葉だ 」 (-259) 2021/10/23(Sat) 18:19:34 |
【秘】 浮遊想 テラ → 夜の一族 チャンドラあの潰れた声でも音は音。空気を震わす振動で、 そこにあることが分かる声。この 透明 ・半透明 とは違います。「 いたんだろうね、言ってくれた誰かさん。でも、覚えてないよ。 ──は来てから透明なのか、来る前からこうなのかって、 わからないけど。──の性格が変わっていないと仮定して考えはさぁ、 」「 多分、たまたまだったんだよ、それ。 」「 ──は来る前から透明で、これまでのここでしていたみたいに、 透明なままでもやかましくしていて、 誰かのいるところにいて、誰にも見聞きしてもらえなくて。 でも、何かの偶然で、そう言ってもらえたように思えた時があって。 それがうれしくて。じゃあどこかに行くぞ〜って張り切ったから、 」「 だから、その勢いで世界を飛び出しちゃったんじゃないかなぁ 」「 どこかに行かないと、帰って来ての“おかえり”って聞けないからね 」誰かの部屋でそう言い続けたのは 、多分それがほしかったから 。 (-260) 2021/10/23(Sat) 18:23:04 |
【秘】 浮遊想 テラ → 夜の一族 チャンドラ「 それだから、──を待っている人ってさ、 別にどこにもいない気がするんだ。 気がするだけだけど、多分、そうなんだ 」ナニカ はいつから透明人間? 本人は最初からだと思っています。 事実としても、最初からです。 「 そういうふうに 思ってもいいかなぁ。 これを、事実なんだって思ってもいい? 」「 こういう推測も、──の話ってしていいのかな 」いってらっしゃいが偶然だったか、 そうでなかったかは誰も証明できないけれど、 待つ人がどこにもいないのは、事実です。 (-261) 2021/10/23(Sat) 18:24:17 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 浮遊想 テラたまたま。偶然。 だとしても、それであなたが喜んだのなら、嬉しかったのなら。 「ええ、もちろん。 推測でも、それはあなたの言葉よ。 わたしはあなたを知りたいの」 その推測で、わたしはあなたが何を喜ぶのか、知ることができるもの。 今もあなたがどこにいるかはわからない。 わたしには見えない。それはとても残念なことだけど。 「ねえ、もうひとつ教えて」 もうひとつと言わず、本当はたくさん聞きたいけれど、ひとまずはもうひとつ。 この身体の 寒さ はなくなった。だけど、 ぬくもり に包まれても忘れられない冷たさ がある。 (-263) 2021/10/23(Sat) 18:44:43 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 浮遊想 テラ「わたしの部屋に、来たとき。 あなたはわたしに、何をしたの?」 見えないからって、ずるいわよね。 それとも見えないわたしに責任があるかしら。 どちらにも責任なんてないといい。 あなただって、好きで透明なわけじゃないんでしょう? いってらっしゃいを喜ぶのは、そういうことよね。 わたしはそうやって、ひとつひとつ、あなたを知ることができる。 (-264) 2021/10/23(Sat) 18:45:19 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラあなたが混乱しているのは目に見えていたが、 とりわけ意に介することはなかった。 キエとの”契約”については、説明が複雑になるので割愛。 事実だけを伝える。 「死んだ。死んだ死んだ! 死んだんだよ! アイツの意識は、この躰のゴミ箱の奥底。 そして殆どは、キエの腹ン中。 今はオレがこいつを支配してる!」 まるで彼の語るキエは怪物みたいだ。 『で、本題だけど』そう連ねる。 そいつはゲイザーの顔で、ゲイザーの顔で喋る。 「……なにか? べつに、何にもしてない。 ただ……オマエがゲイザーの友達だから、ムカつく!」 「あのグズ女の何がいい。あのノロマ女のどこに惹かれた?」 リーパーは、ゲイザーの頭の中のお友達。 忘れられてしまった、一番最初のお友達。 だからあなたに、幼稚な嫉妬を向けている。 (-265) 2021/10/23(Sat) 18:49:32 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザーたとえあなたの口から語られるキエがわたしの知らないキエだったとして。 わたしはわたしの知っているキエを知っている。 彼の道徳と私の道徳は違う。 でも、彼の言葉はいくつか、わたしにも理解できるものがある。 「意識がないと、それだけなら。 死んだなんて言ってはいけないわ。 まだ生きている。ただあなたが支配しているだけ。 そうでしょう?」 彼は彼の道徳に則って、差し出されたゲイザーに何かをしたのでしょう。 腹の中と言ったからには、食べてしまったの? そんな推測くらいしか、わたしには許されていない。 これが本題じゃないのなら、詮無い話なのだけど。 「どこが? ……どこかしら。 ねえ、あなたはお友達を作るのに、『ここが好きだから』ってわざわざ選ぶの?」 「わたしはね、なりたいから友達になったわ。 ゲイザーとはお友達になれると思ったの。 お友達になったらきっと楽しいって、そう思ったの」 あなたは違うのかしら。重ねてわたしは問うた。 誰かの友達だから苛立たしい、嫌い。 誰かに取られるようで、腹立たしい。 その気持ちはまるで、夜が昼間の私たちの行動を、制限するときのもののよう。 (-269) 2021/10/23(Sat) 19:08:08 |
チャンドラは、簡単には絶望をしない。 (c34) 2021/10/23(Sat) 19:24:15 |
チャンドラは、 賢者 に似て、非なるもの。 (c35) 2021/10/23(Sat) 19:24:58 |
【墓】 夜の一族 チャンドラ>>+29 ポルクス 「言われてみれば。 死んだっていう発想は、しなかったわね」 死後の世界なんてものを信じていない。 夜でないなら、わたしたちにはその権利すらない。 わたしたちは夜にしか生きられないの。 「……ポルクス。 それはあなたは死んでもいいと、そう言っているの?」 常昼のこの館で死後の世界を信じないわたしは、自分が生きていることを疑わない。 もちろん、あなたも。 あなたの望みは知っている。 それは叶っていないと思っている。 同じくらい、叶わない方がいいとも思っている。 あなたの言葉を借りるなら、わたしはあなたに生きてほしいと思っている。 (+30) 2021/10/23(Sat) 19:51:17 |
【秘】 浮遊想 テラ → 夜の一族 チャンドラ「 え? ええと……自分で抑えきれない衝動で動いてはいたので、 目的?、は君を通り抜けることでした……? よくは、わかっていなかったんだ。その結果が何になるかって。でも、 」「 透明じゃない 何かを残せるとは思ったのさ 」それは、渦巻いていた寂しさの発露。 もうすぐ館に月がのぼるから、 その力と干渉して起こった何か。 「 何もないよりは何かしら思ってもらえた方がいいから、 どちらかと言えばおばけみたいなムーブをしたと思います。 持ち物を取ったり、壁とかを叩いて音を出したり。 抱き締めて、動けなくして。君からは触らせないで。 君の唇に触ったなぁ、 唇で 。そうしたくなったから。 それで、通り抜けて。……あとはベッドに寝かしたり? 」「 したことと言えば、それくらい。かな? 」本人的には、抜けなく述べたつもりです。 そして半歩分くらい、離れられた気がします。 視線を向けられているような気がしません。 実際、 顔を向けていません 。 (-276) 2021/10/23(Sat) 20:12:52 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ滔々と紡がれる思いの丈。 リーパーはそれを理解したくはないけれど。 ”ねえ、あなたはお友達を作るのに、 『ここが好きだから』ってわざわざ選ぶの?” つい先ほどゾズマに『友達になって』と 言ってしまったばかりだから、頷くしかなくて。 この思いの丈をどうすればいいのか分からなくて。 「やだ……」 あなたの首元に両手を近付けながら、零した。 リーパーは利き手を怪我している。 締め殺すことは叶わない、けれど。 「オ、オレがゲイザーの最初の友達なんだよっ。 あんな何もできないグズ女に友達なんてできる訳ないだろ!」 「オマエなんか、オレは知らない……っ!!」 (-277) 2021/10/23(Sat) 20:23:44 |
【墓】 夜の一族 チャンドラ>>+31 ポルクス 「……お兄さんが?」 偶然か、双子の神秘がそうさせたのか。 でも偶然にしてはできすぎていて、わたしは驚いていた。 追うものと追われるもの。 あなたとお兄さんの関係は、聞いた話ではそんなもの。 それなのに、先にこの館に来たのはお兄さんの方。 そしてあなたが追うようにここを訪れた。 とんだ運命の悪戯ね。 それともこれも、館の主の意志かしら。 「惜しくはない……あなたはそう、思うのね」 ひとつ知る。 お兄さんの影がなくなって尚、あなたを蝕むもの。 わたしが思っていたとおり、そしてあなたの話していたとおり、あなたの中のお兄さんの存在はとても大きい。 (+32) 2021/10/23(Sat) 20:34:52 |
【墓】 夜の一族 チャンドラ>>+31 ポルクス 「わたしはそうは思わないわ。 命は粗末にするべきではないもの」 ひとつ知ったなら、次はわたしの番。 わたしはわたしの道徳を語る。 そしてこれはわたしだけの道徳では決してない。 「命を危険に晒しても、やりたいことがあるなら別よ。 わたしはそれは、粗末とは別と思うもの。 わたしはあなたに、命を粗末にして欲しくないわ」 わたしは探して欲しいと言う。 どうせなくなってもいい命なら、それを賭けてでもやりたいことを。 叶うかは、また別の話。 それでも目標のために冒険する時間は、きっと有意義なもののはずだから。 (+33) 2021/10/23(Sat) 20:35:13 |
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