【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「そんな気はしていたよ」 本当におかしなグレイ達。だから集められたのか。 曲がりなりにもここはゲームの世界だ。 多少殺す気であっても何事もなかったかの如く癒えるだろう。 それでも。旗の一振り、石突きによる打ち払いは、 盾を狙い、鎖やレイピアを防ぐのに使い、 あくまで自分がこうして活動できることを第一に。 勝つつもりは微塵も無い。 だが、連れ戻される気も無い。そういう意地の張り方だ。 「君たちは俺のことを、 仲間だの、居なくなったら寂しいだの、友だの…… 俺はそうは思わないです。どうでもいいんですよお」 「だってそう思うのが、何よりも“痛かった”から。 そういったお優しい飯事遊びが、 グレイの仲間意識が、人間の厚意が、 俺にとっては全部、玩具に見出すものと変わらない」 どんどん目線が、得る気持ちが乖離していく。 自分ばかりが何者にもなれない錯覚に陥っていく。 どこからどこまでがバグと本心なのか分からない。 ▽ (G25) 2023/12/10(Sun) 16:05:37 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 それでも、確かに根底で抱え、苛まれていて、 だからこの塔に連れて来られたことには違いない。 「……世界を誰かに管理させることが、 正しいとは口が裂けても言いません、それでも」 「俺だけが永遠に立ち止まることすら許さないのは、 君たちのエゴです。自己満足でしかありません。 俺は皆のストレスのことなんて分からない、 皆にとっての俺だって同じ!それなのに!!」 電車正面の景色を背に、ホイッスルを手にする。 「俺は恨みます。この身体を作った者を、 まがい物の息を止めさせてくれない君たちを。 それでも構わないなんて言葉、聞き飽きたんです!」 給仕用としての働きが出来なくなっても。 疎まれはすれど、新しく換えようと言い出す者はいなかった。 くだらない情だ。これまでの働きに報いようとでも言うのか。 自分はもう、こんなにも疲れていたというのに。 ホイッスルを吹く。線路を模したデータの刃が伸び、 思い思いの方向に伸びて、進路を切り裂く。 (G26) 2023/12/10(Sun) 16:16:55 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「だから───それが」 ごつん!!! 「 嫌だっていってるんでしょうがあ!!! 」旗槍を片手に、もう片手で肩を掴んで、 鬱憤でもぶつけるべく再び、強く、頭を打ち付ける。 「どうして“そういうもの”だと向き合って、 それから前を向いて生きていかなくちゃならない!? 分からないくせして頭ごなしにつべこべ言う、 筋金入りの頑固者はそっちの方じゃないですか……!!」 説得される気はない。なかったとして、 真っ向から石頭の水掛け論で殴りつけてくるやつがあるか。 上等だ、気が済むまで言ってやる。 「君たちだって休みたければ休めばいい! 道を照らすなら、勝手にすればいい! ああそうさ、灯りを掲げて、 『通った所が道だった』とでも嘯いてやればいい!!」 ▽ (G29) 2023/12/10(Sun) 18:57:32 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「ッ───」 「餓鬼でいい、一人でいいと言うてるに…… どこまでの聞かん坊なんですか、看守用ってのはあ」 避けることもなく真っすぐ殴られて、 そのまま項垂れる。迷いが膨れ上がっていく。 「別に、皆が飢えたって構いやしない。 洗濯物が溜まっても、困るのは俺じゃないんです。 心にも思ってないことを語ることが得意なだけ。 ……ああ、でも、あいつは守りましたね。俺の言葉を」 夕飯前には云々は、周りから見て正しいことを言ったまで。 正しさが。標となることもあるのだろう。 「でも結局、その飯事だって永遠ではない。 皆が皆一緒に暮らせるのは、この世界の中だけです。 君たちは……それでもいいんですか? 多かれ少なかれ、何か理由があって、 この塔に集められたグレイばかりじゃないですか」 「いつかここから離れても、 俺が安心して……歩いてみようと思えるくらい、 生きることに向き合えると、言えますか」 (G33) 2023/12/10(Sun) 21:54:07 |
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