【秘】 月鏡 アオツキ → 半分の仮面 リアン「王って、格好良いですね。私はその響きも肩書きも好きです」 「刺激しないように会話しても変わりませんし、 いっそのことショック療法も良さそうですね〜。 これは半分冗談です。私医療に関してはからっきしなので。 恋人ならいたことはあるんですけどねー」 気むずかしい相手との会話、年齢も違えば抱えるものもちがう。 実習生も前途多難だった。階段から突き飛ばされるかと思ったほどに。 これは冗談ではない、口には出さないが。 「おやおや〜。考えは私と似ていましたか。 やれることはすぐではありませんし、 確実性にかけるものばかり。 それでもたった一縷の望みにかけるのもひとつの人生です。 先生に知られたら怒られますから、しー。ですよ〜」 表情豊かな言葉のなかで目を細める。 「……少しここに居たがる生徒が多いですね。 私はどんな病だとしても、外の世界に希望がないとは言いたくないのですが。 お話を終える前に、君が自覚している病気を聞いてみても良いですか?」 (-188) 2022/05/06(Fri) 12:44:53 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「確実性に欠ける、非効率的なやり方。結構。 そこは、これから効率化できるだろう」 「一体何に怖がっているように見えたんだ? ……たとえ一人で失敗しても、痛手を食らうのは自分だけ。 "私たち"が先生になることで漸く叶うことに、君たちは不要なだった」 うまくいくに違いない未来を作るのは、■■がいるから。 怖いハズなんて、何もない。 「それに君が生徒でなくなったら」 「僕は君の不確定要素になるじゃないか」 「何が起こってしまうかわからない立場で」 「救えなかった理由にしてしまうぞ」 君を救えないのは教師でなかったから、 君が隣にいたのは共謀者だから、 君に何もできなかったのは君が悪い子だから。 君を失うのは、僕が■■じゃなかったから。 先生ではないこの自分なんて、いったいなんの価値があるのだろう。 透明の瞳が一瞬光も通さず、深く沈みかけた。 届かないと決めつけて、逃げようとしている。 それを、今見抜かれているのだ。 (-215) 2022/05/06(Fri) 18:46:06 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス■■は、時間があれば、これからきっと良い先生になったのだろう。 すべて、これからであったのだろう。 君はいつかは生徒という記号から外れる、一人の存在だ。 そんな君のことも、■■なら救うことができた? そうに違いない、諦めるわけなんてなかった。 喪わせるわけが、ないよな。 「私は」 「生徒"だけ"でも助けられる先生になりたい」 僕は君の先生、じゃない。 ■■の目指したものがその先にある。 皆が望んでいる、誰もが普通を為せなくなった者が過ごせる居場所が。 ■■は、僕の"■■"だった。 僕は君の何になることができれば、君を、自分自身を助けられるのだろうか。 「それなのに、それだけだったのに」 「仕方ないな、フィウクスくんは」 (-216) 2022/05/06(Fri) 18:49:03 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「君の未来を見たい」 君の助けになれない私がここにいる。 「君を助けたい」 これは私たちの意思だ、どうか面倒を見てやってくれないか。 「共に謀る為にも、」 「誰かに奪わせたりしない」 もう二度といなくならせたりしない。 例えこの病がなおって私が保てなくなったとしても。 君たちが、僕に先生をさせてくれるのなら 「きっと居場所を作り続けると」 ■■なら、 "私たち"ならやれますから。 (-217) 2022/05/06(Fri) 18:52:53 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「約束します」 「君の言葉をこれからもきかせてください」 「私たちを、信じてみてくれますか?」 きみの首へとこの手を伸ばす、届くのならば喉に指を辿らせ。 ひっかくような仕草を見せた。 初めて、君に僅かに微笑みかけ、次はと頬への進行をやめない。 長年の間教諭たちに搾取され続けた生徒。 捨て置かれながら、劣悪な環境で飼われ続けるなんて。 許してはおけない、■■はそんな僕を傍に置いてくれた、愛してくれた。 僕はあの人になるために、こうして生まれ変わったのだから。 なんだって。 (-220) 2022/05/06(Fri) 18:58:13 |
【秘】 半分の仮面 リアン → 月鏡 アオツキ「民の事を考える王は好きだ。僕もそうありたいものだな」 民を見下す、腐った統率者にはなりたくない。 「ショック療法なんかして、爆発でもされたら……皺寄せは同室の僕に来るんだ。 流石にその覚悟は出来ていないぞ。 恋人………」 冗談とわかってはいても、流石に距離が近いものだから。 その時の彼の様子を考えて、眉を寄せた。 自分も距離感を誤って、怒らせたことがあるからなおさらだ。 恋人のいたことがあるという君の発言には、懐疑の声音。 「やらないわけにはいかない。 僕のため、ひいては他の生徒。そして、未来の生徒の為に。 無論、計画こそすれ まだ上にその意思を知られたくはない。 どちらかといえば、今は―――取り入るべき期間なのだろう。 気に入らないが、学園のためにはやむを得ない」 「僕の場合は、家柄の問題もある。 良くない風評があるものだから、外に出たところで……居場所はなくなっていることだろうな。 ……そうだな。僕は、"善行を積むほど、自分の身体が醜い痣や傷に蝕まれていく"病気だ。 逆に悪行を積めば、それは和らぐのだろうが。僕はそのために思いを変える事を望まない」 指先で右頬の化粧を落とす。そこには、 どす黒くおぞましい痣 (-234) 2022/05/06(Fri) 19:59:01 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「……ツキは……」 頭を撫でる手に手を添え、指を絡めて膝の上へ下ろす。 心の中を吐き出すように訴える貴方に、頷きながら目線を返す。 ぱち、ぱちと呼吸にあわせるように降りる瞼は、耳を傾けていると示すよう。 少しだけ、沈黙だけが挟まる時間があった。 そのうちに腕の中に掛かる重さを受け止めて、髪の硬い感触に頬を寄せた。 ぐったりと弱ったような貴方の背中を見下ろして、青年は考える。 「ツキは」 「可哀想だ」 「誰かがなぞった人間の形をしていないと」 「耐えられないんだ」 「ツキは、普通じゃなかったんだね」 「普通じゃないから、誰かの普通に憧れて」 「自分じゃないものになったんだね」 とつとつと語る。耳に聞こえた言葉への、純朴な感想だ。 それを理性的な形で表すのならば、同情なのだろう。 ひどく脆弱な精神を曝け出す貴方を、悲哀の目で眺め下ろす。 「ツキは幸せに"された"んだ」 「自分が思うものじゃない」 「他人の思う幸せに」 「ツキは本当は」 「僕じゃなくて、誰かを幸せにしたいんだ」 「その代わりを誰かに、やってほしいんだね」 (-236) 2022/05/06(Fri) 20:03:27 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキとん、とんと背中に回した手が子供をあやすように叩く。 落ち着かせ、心の安寧を取り戻すことを望むように。 純粋に、無雑に。青年はそこに一変の屈折もなく、貴方の言葉を受け入れた。 貴方が誰かに言われた言葉の正誤を断ずることは青年には出来ない。 そこまでの知性を持ち備えるほど、青年の精神は習熟していないのだ。 大きな成人の身体に、まだ彼よりも年下の子供にも劣り兼ねない柔らかい心だ。 貴方を真に救う方法は、未熟な心は持ち得ていない。 「僕が幸せになって」 「僕が普通になったら」 「ツキは、嬉しい?」 「僕、アオの代わり、やってあげる」 「だからもう、苦しくないよ」 それはまるで、片割れを亡くした母親に、子供が父親の代わりを申し出るように。 家族をなくした生き物に、誰でもないものが無邪気に寄り添うように。 耳元で流し込まれる声は大人のそれであるのに、抱く気持ちはひどく幼い。 だからこそ、そんなことも簡単に言ってしまえるのだ。 「これからは、僕がアオの代わりだよ」 (-237) 2022/05/06(Fri) 20:03:38 |
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