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【人】 寡黙 エミール>>3 ディルク(5日目続き) 「俺も外に興味がなかったと言えば嘘になるがな……。 ……、そうだな……老人とガキどもの相手なら慣れたが」 確かに今の状況は慣れないし居心地は悪い。 それでも見知った孤児院の人間が居たりしたから、案外のんびり過ごせていたけれど。 「……孤児院は、たまたま買い出しに来た時に迷子になってるヤツを見つけてな。 孤児院に送り届けたのが縁で……小動物で宥めてたら、妙に懐かれた」 子供は怖いもの知らずでもあり、得てして小さい生き物を好むもの。 そうやって次もまた来てねとせがまれ、今に至る。 自分らしからぬつなぎ続けた縁だった。 (4) 2024/02/11(Sun) 22:38:36 |
【人】 寡黙 エミール>>5 ディルク 「……俺は無愛想で好かれるタイプではないと思うが……」 ただ、子供には好かれやすかった。 小動物という興味を引くものがいたというのも大きいだろうが、遊んでやるのは苦ではなかったから。 見えるものが違う……か。 確かにそうかもしれない。 実際、自分はその時の今をきちんと見れてなかったようにも思う。 「……これから、か」 難しい質問だなと思う。 少し前ならYESと頷いていたことが、今ははっきりと答えることが出来ない。 それくらいはあの孤児院が気に入っていたらしい。 「どちらを選んでも、――少なからず後悔することになりそうだ。……俺は」 (6) 2024/02/12(Mon) 2:36:42 |
【秘】 寡黙 エミール → 掃除屋 ダーレン「小細工はしてあって……後は動くのを待つだけ……か?」 「……それならそれを見届けるまでだ」 別に何かをすることはない。 視線を向けるだけでいい。 ――自分が与えられた祝福はそういうものだ。 「これから行うというのであれば……、おすすめはしない。 細工済みなら手遅れだが……、……未だであるなら引き返せるぞ」 どうする? きらりと光る眼光が、貴方を見据えた。 (-7) 2024/02/12(Mon) 2:43:12 |
【秘】 寡黙 エミール → 聖女 リッカ――神殿。 聖女が居るとされる場所。 子供の頃に一度だけ神託を受けた時に見た女。 今こうしてまた、まみえる事になろうとは思わなかったが。 「居るんだろう、そこに」 なぜか自分はこの聖女にそれなりに気に入られていたらしい。 今まで持ち得なかった力を得て二人、痣を光らせた。 この世界での望みを叶えてもらえると言うが……果たして、本当に願わせてもらえるのか。 そんな事を考えながら、男は一人。 聖女像をじっと見上げていた。 (-8) 2024/02/12(Mon) 2:48:39 |
【人】 寡黙 エミール>>7 ディルク 「それはまぁ……そうかもしれないが……。 アンタは人に好かれて生きてるのだと思っていたんだ」 好かれるにしたって対象がまるで違うだろう。 そもそも動物と孤児院の子供と村の老人としか関わってこなかったので、世間一般的な好感度の得やすさというのがいまいちわかってないかもしれず。 世間知らずと言われても仕方ない。 「答えを見つける約束をしてしまったからな……」 誰と、とは言わず。 どうするべきなのか、それは最終的に直面してしまわなければ、きっと答えなど出ないに違いない。 「……アンタも、いつか何かしら決断は下さないといけないんだろ。 お互い様、だな」 事情はわからずとも。 この痣を得てしまった時点で、この憂いで……何となく、そう思ったのだ。 (9) 2024/02/13(Tue) 2:25:47 |
【秘】 寡黙 エミール → 掃除屋 ダーレン「……そうか、残念だ」 向けられた視線は動かない。 何かの力が動いたなら、それを絡み取り、捕まえる。 賽はもう投げられてしまった。 ターゲットの痣が光ると同時に、貴方の痣も光るのだ。 「一応聞いておこうか、その名前。 ……まぁ、アンタもおそらく共倒れになるがな」 (-38) 2024/02/13(Tue) 2:30:17 |
【秘】 寡黙 エミール → 聖女 リッカ「……はぁ、俺は夢の中でどうこうされてばかりだな」 夢魔の痣を光らせてしまったのは全くの偶然だった。 見張るなら、なにか怪しい、でもどこかで会ったことがあると訝しんだ女をずっと見ていただけ。 アイツが俺を襲わなければ、あんなことにはならなかったはず。 そして、聖女……貴方で二人目だ。 俺の夢に堂々と現れる女は。 「なぁ、聞かせてくれ。 ……もし、俺が帰りたいと言ったら……帰れたとしたら。 あの事故から何年後のことになるんだ」 俺が現実を思い出したのは14年前。 戻ったとして事故から14年後だったとしたら……自分は死んだ扱いになってるだろう。 逆に事故直後などであったとしたら。 事故当時の自分の年齢は、10歳。 となると俺は、大人の意思をもったまま子供の体に帰ることになる。 そもそも一緒に旅行バスに乗ったはずの両親や妹も亡くなってる可能性すらあって……俺は。 戻ったあとのことを考えると、どちらであっても不安を覚えるしかない。 (-39) 2024/02/13(Tue) 2:39:50 |
【秘】 寡黙 エミール → 聖女 リッカ「それは何も……大丈夫ではないな……」 答えになっていないが、予測はついた。 大人の体に子供の頃の俺が戻ればいろいろな意味で大変だ。 全部忘れるから大丈夫、とは。 それは子供の体に戻るからということなんだろう。 日常に戻るのは楽ではあるかもしれないが。 ここで過ごした14年を忘れてしまうのは……嫌だと思う。 何にも固執しないで生きてきた14年の間でも、それでも少なからず愛着を覚えたものがいくつもあったのだから。 ……だけど、苦がなく元の世界で元の日常に戻るためには必要なものなのかもしれない。 ――この世界での記憶は、あまりにも優しいものであったから。 ▼ (-73) 2024/02/14(Wed) 13:53:10 |
【秘】 寡黙 エミール → 聖女 リッカ――後ろ。 姿は見えずとも、気配だけははっきりと感じる。 あぁ、でも。 それでもこの植え付けられた力を持つ瞳は、聖女をも絡め取る事が出来てしまうらしい。 ――残るは、3人。 記憶の如何はどうあれ、自分たちはこの体に生を受けた年数分、この世界に根付いて積み重ねてきたものがある。 これ以上、最悪の選択を強いないでほしい。 「なぁ……、すべてが終わったら」 「俺はアンタに願いたい事ができたよ、聖女」 これ以上、賽の河原で崩れては小石を積み上げていく哀れな子供は要らない。 だから――― 「…………、だからもう。 このゲームはおしまいだ。―――聖女」 (-74) 2024/02/14(Wed) 13:54:13 |
【秘】 寡黙 エミール → 掃除屋 ダーレン「ここで叶う願い事を言ったとして……」 「……それが何なんだって話しだよな、掃除屋」 自分は、その餌をもって力を与えられた者。 おそらくはあなたもその同類。 ――とはいえ、返ってくる物があるあなたの事が、少しばかり羨ましく思う。 何度。 誰に狙われようとも、俺の痣は光らないのだから。 もちろん、言ってなんてやらないが。 「……そうか、魔女にとってそれが幸か不幸かは知らないが……、これがアンタにとって良い幸先になるのを祈ろう」 「……Good Luck」 (-75) 2024/02/14(Wed) 14:12:11 |
【秘】 寡黙 エミール → 小悪魔 ロキ「アンタは……」 しがみつくようにしていた手を緩めて距離を取った。 まだ肩に触れていた指先に少しだけ力を込めて、表情を歪ませて。 どうして。 あの少女だと思い出してすぐに、こんなことになってしまったのだろうか。 親友離れ、同世代の友もおらず。 心の空洞を埋めようともせず。 何にも執着しないようにしていた少年が、初めて知ったもの。 あの頃の感情は、紛れもなく人生で初めて抱いたものだった。 生まれて初めて、持たないようにしていた執着。恋心。 「アンタの痣をどうこうする気はなかった…………。 俺にとっては、……特別な人だったんだ」 こんなやりとりをしない場所で、もう一度会えればよかったのに。 「ちょっとでも、くらいでもなかった。 あの時ありがとうが言えなくて……忘れてしまってて、ごめん」 (-84) 2024/02/14(Wed) 20:20:32 |
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