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【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 気ままな 一葉 梢矢高く響いた音に怯えるように、水音がぱしゃと浮いて消えた。 かすかな物音などそうそう聞こえはしないだろうが、たまたま扉を締めきりそこねていた。 息を呑むような声。湯気のはりついた透明なガラス越しに人影をみとめて、 露天風呂のなるべく端に縮こまった。背中を丸めて、息をひそめる。 自分はもう体も洗って温まったのだから、 堂々と出ていってその横を通り過ぎてしまえばよかったのに。 うまく、最良の判断ができないまま、蛇神はじっとやり過ごそうとした。 (-16) 2022/01/29(Sat) 22:15:46 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「……」 渋い顔をして共有板の前を通り過ぎる。 ほんとうにこうして秘密とやらが晒し者のように張り出されるのだ、と。 暗澹たる面持ちで夕食の席についた。 (7) 2022/01/29(Sat) 22:25:18 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「他人の秘密をどう扱おうがどう向き合おうが好きにすればいいだろ。 俺は嫌だ。俺は俺の秘密を知られるのは嫌だ。きいたふうに扱われるのも嫌だ。 勝手に人の身の振り方を解釈して自分の良いように言うなよ。」 立ち上がる。 従業員に声をかけて、自分のぶんのお膳を部屋ではなくカフェテリアに出してもらうようお願いした。 言うだけ言って、逃げるのは卑怯だ。真正面から人の意見に対する態度ではない。 それでも、その場から逃げた。 (20) 2022/01/29(Sat) 22:47:37 |
蛇神 阿門は、みなの声の届くところにはもういないので、好きに魔法少女の話をしてほしい。 (a4) 2022/01/29(Sat) 22:50:46 |
【独】 文字食う紙魚 蛇神 阿門他人を気にする余裕はなかった。 極端な話、他人のことについて自分が必ず働きかけなければいけないことなんてない。 すこしくらいできることがある、というのと、どうにかできる、というのは全く別の話。 これから先の人生を五年も十年も担保するわけではないんだから。 ただ、"自分が"。嫌だった。それを受け入れる度量が出来ていない。 自分は受け入れられる自信がない。環境があるともおもっていない。 これから先も一人で抱え続けなければならないと固く決めたことを、 打ち明けるべき、受け入れるべきと安易に言われて、そうと言えはしない。 わかってる、本当はもっと要領よくやればいい、できればいい。 そうしたなら受け入れられる日が来るかもしれないし、誰にも指さされはしない。 でもそんなふうにはできない、できなかったから、こうなっている。 一人で食べる夕食は暖かいのに冷めるのが早く感じる。 (-24) 2022/01/29(Sat) 23:33:22 |
蛇神 阿門は、寒締めの脂ののった厚切りの鰤を炭でじっくりと炙ったステーキ風を食べているらしい。 (a9) 2022/01/29(Sat) 23:37:02 |
【秘】 気ままな 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門改めて桶を拾いなおして、 そんな最中に響いた水音を聞き逃すことはなかった。 「……蛇神?」 早い時間に一人で済ませていたやつといえば、そう、蛇神だ。 籠に入っていた服の雰囲気もそう遠くなかった気がする。 そういえば姿が見えないと思ったら露天風呂のほうにいたのか。 ひとまずは身体を洗って。これといったスポーツの型にはまらない、薄らとした筋肉付きの遊び盛りな肢体をさっと泡立て、湯で流す。 その数刻の待ち時間すら彼にとって息の詰まるようなひと時であったことは知る由もない。 「そこにいるのかな」 閉じかけの扉に逆らって、露天風呂のほうへ顔を覗かせる。普段ぼさぼさ放題な髪はじっとりと濡れて、まるで水をたっぷり含んだ長毛の犬のよう。 きょろきょろと見渡し、その姿を見つければ、なんでそんな端っこにいるのだろうと首を傾げた。 (-30) 2022/01/29(Sat) 23:51:14 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 気ままな 一葉 梢矢声をかけられてまた再び、丸まった背が震える。 湯から出た背中はこころなしか汗が流れ落ちているようにも見えた。 水の中にいるのだからそれは単なる水滴かもしれないし、気のせいかもしれないけれど。 尖った肩を晒して自分の体を抱え込んだまま、ゆっくりと顔を上げる。 今まで見てきた中ではみられなかったような怒気とも怯えともつかない感情は、 向けられる側からすれば理不尽極まりないものだろう。 そう、要領よくやればいい、素知らぬ顔をしていればいいのに。 いかにも隠し事があります、といったふうに喉を震わせて、にらみつけるだけ。 「なに、」 「し、に」 「きた、んだ」 何なんて、風呂しかないし、風呂以外ないんだけど。 息をするのも苦しそうに、すう、と呼吸をして、蒼白の顔面を晒す。 くそ、と悪態をつく。小さな声で、鍵かけてなかったのか、とごちた。 (-46) 2022/01/30(Sun) 0:21:33 |
【秘】 気ままな 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「うん?湯浴みだが……」 逆方向に小首を傾げて。 自分は何か間違えただろうか、なんて思う。 「何だかよくわからないけど」 「具合が悪そうだ、湯舟の中だというのに」 堅い表情から滲むのは心からの思い遣りだ。 わざわざ人の少ない時間を選んでいたからその方がよかったのはわかる。ちょっと邪見に扱われるのもわかる。 だが、終ぞなぜ人目がつかないようにしていたかは思い至らなかった。そもそも慮りの外にあったのでは仕方がない。 パーソナルスペースの狭さは、こんな場でも遺憾なく発揮され。しなやかな脚を湯に沈め、熱さに慣れれば足早にざぶざぶとそちらへ近づいていく。 「湯治ならわからないでもないが」 「冬の風にあたっては一層体調を崩してしまうかもしれないけど、大丈夫かな」 (-60) 2022/01/30(Sun) 1:04:22 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 気ままな 一葉 梢矢「やめろ。来るな」 理由さえ言えばもう少し柔らかくなったのかもしれない、 もとより言動にしっかりと配慮を行き渡らせるほうではないが、 ことさらに今はそうした意識が欠けていた。例え貴方が気にしないひとであっても。 追い詰められるように湯船の際にはりついて、ついには立ち上がるしかなかった。 腹を隠すように片手で抱えて、もう片方の手で出口の方を指差す。 腕で隠した腹には、胸の真ん中から臍の下まで古傷のような線があった。 それに交差するように、同じような薄い皮膚のひきつれがいくつか。 「具合悪いわけ、じゃない。出てけって、言っているんだ」 (-70) 2022/01/30(Sun) 1:27:04 |
【秘】 気ままな 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門言葉と、見える傷のようなものに僅かに動きを止めるが、一瞬止めただけだ。下がってやるわけでもない。 「……ふむ」 「入ったばかりだからちょっと難しい相談かもしれない」 言葉を選んでいる様子こそあるけれども、それでも出てくるのはマイペースな発言ばかり。 露天風呂に固執する理由はないはずなのだが、それはすっかり頭から抜け落ちているのか。普通に自分も露天風呂がいいということか。 「具合が悪くない……ということも、ないんじゃないかと思う。 それを隠そうとするのは……時に美徳ではあるけれど、そも、俺には通用しない。目がいいから」 「上がるか?俺が面倒ならきっとそのほうがいい」 と、長躯はさらに距離を詰めて、相応に長い腕を伸ばし、湯の滴る手で背でも触れようとするだろうか。 特段意味はないのだ。気遣うように差し伸べた手は、どんな時どんな相手に対してでも差し出すようなもの。 この場でそれがどんな意味を持つかは、まあ今のところ全く知らないわけだ。 (-79) 2022/01/30(Sun) 2:20:56 |
【秘】 悪々戯 雑司ヶ谷 累 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「どうも〜阿門ちゃん先輩。 ちょ〜っとお時間頂いても?」 多分、あなたが一人静かに食事を終えた頃。 食事中に押し掛けて歓迎はされなそうだとは思ったらしい。 とはいえ他者への配慮はそこまでで品切れ。 ふらっと現れたこの何処ぞの二年生の態度言動他諸々。 後の事はやっぱり無神経なものだった。 「あ〜勿論別に大事な用とかじゃなくて。 無神経な奴はツラも見たくないってんなら退散するつもり。 でも人をいや〜な気分にさせた時って 普通『ごめんなさい』をするもんでしょう?」 その辺放ったらかしってのも蟠りが残りそうだし? なんてへらへら笑って相席のお伺いを立てた。 それとなく自分の発言が不興を買った自覚はあったらしい。 (-88) 2022/01/30(Sun) 4:04:22 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 気ままな 一葉 梢矢たとえば部屋の隅に追い詰められたように、相手を真正面に認めて立ち竦んでいた。 貴方が少しばかり直線的な動きをする人間であるというのを差し置いても、 ここに至って蛇神のやることというのはどれも悪手で、愚かなものばかりだったろう。 だから伸べられた腕というのは逃げるような動きのせいで、腹のあたりにかすったのだろう。 「ア、」 その僅かな接触のために、体が僅かに震えた。多分に緊張もあったのだろう。 隠し通さなければならないと意識したせいで、よけいに力が入ってしまったのかもしれない。 一瞬、貴方の動体視力ならば視認できたものは、クリオネの捕食シーンに近いそれだろう。 傷のように見える皮膚の薄い部分が割れて、花の開くように咲いた。 見えた色はグロテスクなものではなく、真っ白い皮膚に肉の色が透けたような薄い色だった。 それは、吹き出した。笑い出したということではなく、文字通り。 視界を覆うような"それ"が数十本。突き飛ばすように、あるいはすり抜けて貴方を押し止めるように。 例えば水風船に限界まで水を入れたら、反対側から張力に負けた水がぜんぶ飛び出すように。 蛇神よりも背の高くて厚い体に襲いかかるように、大小も形も様々な"それ"が四肢を絡め取った。 (-104) 2022/01/30(Sun) 11:53:54 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 悪々戯 雑司ヶ谷 累ここまで運んできてもらったお膳なので、返却は自分の手で。 木製のトレイに乗せられた食器を持ち上げて片付けようとしたところで、 ちょうど貴方がカフェテリアに訪れたのだろう。 べつだん、顔を見たところで嫌そうなふうにするでもなく、ああ、と何の変哲もない声が迎えた。 「そんなことのために来たのか。 別に、いい。訂正させたくて言ったわけじゃないからな。 勝手に人の言動を間違って解釈されたのが嫌だっただけで、袈裟まで憎んだりはしない。 それだって今までそうやって生きてきたんだろうから、他人に直せと言われる筋合いはないだろ。 俺のそういうところと、お前のそういうところは部分的に噛み合わなかった。 それだけの話だ」 どうして自分がああした配慮のない行動に出たのかについてをつらつらと説明する。 そこにどっちが悪い、という焦点はない。貴方に同意したものも多くいたはずだ。 それなりにずっしりとした重量のあるお盆を持ち運びながらに、 世間話らしいていで思い出したように問いかける。 「堂本と不破と、久瀬の様子はどうだった?」 (-115) 2022/01/30(Sun) 13:03:31 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門次の日の講義終わりの頃には、もういつもどおりの様子で広間に現れていた。 本を片手に、なんとなくみなが戯れている様子を片手間に聞いている。 そこに秘密を見てしまったことへの憂いだとかは、なさそうだ。 (51) 2022/01/30(Sun) 13:50:43 |
【秘】 気ままな 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「お、う゛っ!?」 突如はじけるそれを躱せるはずもなかった。地面を蹴ろうとしては腿を湯水が纏わりついて、その場で跳ねただけであっけなく捕らえられる。 まず最初に浮かんだ感想は『納得』だ。納得、安心、そしてそれからやっと現状を認識してじっとりと溢れる恐怖。危機感すらもマイペースだ。 「い……」 「言えばよかったのに」 少なくとも出ていけとは言われたのだが。それよりももっと、さっきみたく言葉を尽くしてくれたら、なんて。非難するでも困惑するでもなく、もっと素直な言葉。 丸腰で絡みつかれるのがどうも落ち着かなくて、それを引いてみたり、身体を捩ってみたりして。 「不思議だ」 「浴場はよほど気を使わないと隠したいことがバレる」 とつぶやく。自分もそうだったし。まさに今この状況を脱するために明かすハメにもなりそうなのだが、それはまあ待つことにした。ひとまずどう出られるか待ってみても遅くはない。 (-129) 2022/01/30(Sun) 14:49:07 |
【秘】 悪々戯 雑司ヶ谷 累 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「ふは、そんなこと! そりゃ阿門ちゃん先輩からしたら そんなこと かもだけどさ?ああでも俺も大事な用じゃないとか言っちゃったな? じゃどっちもどっちかあ〜」 そっけないあなたの物言いを大して気にしたふうでも無く。 からからと笑いながら盆を運ぶ後ろをついて回った。 「訂正させる気も阿門ちゃん先輩には無かったとしてもさ? 俺にはまあちょっとは改善の意思があったり無かったりして? んでもなんであそこまで嫌がるのかよくわかんなくて、 何処をどう反省したらいいかわかんなくてさあ。 ほら人と噛み合わないままで一番困るのは結局自分っしょ? 他人に直せって言われる筋合いは無くたってさあ。 ずっとそういうふうに生きてきたんだからって 端から諦めて掛かられるってのも残酷じゃない?」 あそこまで、という言葉が指すのは身勝手な解釈へのそれよりも あなたが先程示した秘密が暴き立てられる事への拒絶感の方。 聞かれても求められてもない事をべらべらとよく喋る。 それも問いを投げ掛けられれば一度中断された。 「ええ〜そこ俺に聞くかなあ〜。 まあ案外今にも死ぬ〜!!って感じじゃーないとは思うけど? なんか秘密バラされた奴同士で友情も芽生えたっぽいし? 心配するほどでもないんじゃない、今のとこ」 (-135) 2022/01/30(Sun) 15:33:48 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 気ままな 一葉 梢矢「うあ、」 腹の内側から伸びた触手を引かれるだけで、喉の上側をかするような声が漏れた。 宿主のほうと言えば湯船の部分を囲んだ岩の端に尻もちをつくような形で座り込んで、 身を震わせて深呼吸をするばかりだった。倒れそうな体を片手で支える。 どうにも明確な意志によって細かな動きを与えているというよりも、 本能的な欲動であったりに合わせてそれぞれが大まかに動いているらしい。 この一瞬のうちに疲弊しきったようにうなだれている間にも触手はうねうねと動き回る。 肌の上を這う粘液まみれのそれらは、積極的に害するようではなかった。 なんだかじゃれつくみたいに、布の内側に隠れていない体を探りまわって、頬の横を昇る。 一呼吸ようやくといったように吐き出して、貴方を睨みつけた時。 好き勝手に動いていた触手ははじめて統率をもって動き、貴方の体にしっかりと掴みかかった。 「で」 「て、け!」 ひょっとしたら貴方の講じる手によっては無力でしかないかもしれないそれは、 おそらくは開いたままだろう露天風呂と浴場をつなぐ扉のほうへと押し込もうとするだろう。 持ち上げて、もしくは押し込んで。 もしそれが叶ったとしても床に尻もちをつかせるような形であって、 頭を打ったりケガをさせてしまうようなことはない。 (-143) 2022/01/30(Sun) 16:27:23 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 悪々戯 雑司ヶ谷 累申し出、と言うべきなんだろうか、貴方の行動は。 それについて律儀に足を止めて考えを巡らせ、自分なりの答えというのを考える。 いつもどおりにほかへの配慮の少しばかり欠かれた態度をとってはいるが、 特別にあなたに対して冷たくしている、というわけではないようだ。 「ふむ。なら、そうだな。 俺はあくまで、自分の秘密も同じようにさらされるのがいやだという、 自己中心的な考えに基づいて、あの場で渋い顔をしたわけだ。 そこに他者への意見であったり思想であったりを交えた行動へと誤認されて、 このようであるだろうと広められた上で勝手な否定を受けるのが、面白くなかった。 もしも本当に改善したいというふうに思うのなら、 例えば意見提出を行う前に、相手の考えをきちんと確認するステップをとる、かな」 もちろんそれは貴方が労力を払いそうしようと思うならば、の話であって。 決定権は蛇神にはないし、強いるようなつもりもないらしい。 厨房のほうまでゆっくり歩き始めてお盆を返却しながらに、 秘密を明かされた彼らの話を聞くと、少しだけ肩の力が抜けたようだった。 「そうか。それなら、よかった」 (-145) 2022/01/30(Sun) 16:36:20 |
【秘】 悪々戯 雑司ヶ谷 累 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門ともすれば自分なりに考えた上での申し出だったかもしれないし、 ただ気まぐれに思い付きを口にしただけかもしれない。 胡乱げな瞳からは、考えのほどを読む事は少し難しい。 そうして同じように足を止め、あなたの考えを待ったのち。 丁寧に筋道立てて言語化された言葉や行動のわけに ふうん、だとか不釣り合いな相槌を打って。 別段真面目に受け止めていないわけではないのだ。 あなたが誰にも冷たくしているつもりは無いのと同じように。 「秘密ってそんなに知られたくないもの?」 それから提案された改善策に、じゃあ、と問いを投げ掛けた。 「俺の秘密はまあ、知られないに越した事はないし。 公然の秘密になっても困るし苦労が水の泡になるしで嫌だけど? 数日もしたら別れるような奴に知られるくらいなら もう生きていけないってわけじゃないし。 全員バラされる可能性があるなら痛み分けだし? 周りもそれくらいのもんだと思ってたんだけどさあ」 先程秘密を暴かれた生徒達も、各々動揺を示しはすれども。 暫くすれば平時の通りに戻っていたくらいのものだった。 けれどどうにも皆がその限りではないらしい。 そのギャップが無用な軋轢を生んでいるのは自明だった。 (-165) 2022/01/30(Sun) 18:34:22 |
【秘】 悪々戯 雑司ヶ谷 累 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「言いたくないなら『言いたくない』が答えでいいけどね? そういう事もあるんだな〜と思ってちょ〜っと気を遣うだけ。 空回ってもご愛嬌、だけどまあ善処はするつもり」 気の利かない後輩は特に手伝う素振りも見せないまま、 あなたの手によって盆はきちんと返却された頃。 一言『言いたくない』と返せば、この話はここで終わり。 (-166) 2022/01/30(Sun) 18:34:48 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 悪々戯 雑司ヶ谷 累「ふむ」 ゆっくり歩きながらに、問いかけに対してまた考え込む様子を見せる。 やはり、それで何か不都合がるようではない、貴方が今は本質的には、 こちらの嫌がることをしようとしているのではない、秘密を探ろうとしているのではない、と。 話しぶりの違いはありながらに、そのように感じているからなのだろう。 「確かにここにいる連中っていうのはおおむね二度関わることはないだろうし、 連絡先を交換しなきゃ、会う機会なんてのはほとんど失うだろうな。 何かがあったとして、この数日間をやり過ごせば何もなかったのと変わりない」 合意を重ねる。そこに関しては同意見だったのだろう。 ここでのやりとり、交友、それらを厭んでるふうでは全く無いが、 事実として、ここでの時間はそういうものだ。 → (-168) 2022/01/30(Sun) 18:47:35 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 悪々戯 雑司ヶ谷 累「けれど、」 目を伏せる。歩みが遅くなった。 想像し得る痛みに耐えるように、ゆっくりと呼吸をする。 「ここで起きたことそのものが自分に与える影響は、消えるわけじゃない。 ここで秘密を明かされて周囲から受ける扱い、視線、そうしたものが、 これから先もやっていけるという自信を打ち砕いたなら、 それを取り戻すまでの時間も心も、計り知れないほど必要になる。 なかったことにできるのは大きな影響だけだ。 内に刳りこまれた棘までは、やり過ごして消えるものじゃない」 (-169) 2022/01/30(Sun) 18:51:13 |
【秘】 気ままな 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「ん、……?」 身体をまさぐられてくすぐったく思えば、兄弟に頬を舐められたことを思い出したりして、ちょっと落ち着いたり。 どうやらあんまり危ないことはなさそうだぞ、と油断していたのだが。 「うわ」 無数の触手に持ち上げられたその身体は、あっけなく運ばれて。扉から追いやられる寸前にふわ、と重さが減って、するりと拘束を抜けて、それでも浴場へと押し込まれる。 曇ったガラスの向こうでは四つ足の獣が受け身をとるように転がり、水気を払うように身震いし、今度は仄明るい光に包まれたかと思えば、また人のカタチを取り戻すした。 「…………今あったことは、気にしていない」 「だから、まあ、そっちは好きにするといい」 最後までそう気遣うように言って、シャワーのある方へ大きな影が歩いていく。ひとまずは粘液を洗い流しにいくつもりのようだった。 (-171) 2022/01/30(Sun) 19:22:40 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 気ままな 一葉 梢矢薄く向こうの風景を透かしたガラスの、シルエットを見て瞬きはしたかもしれない。 けれども物見遊山にそれを確認しにいくでもなく、貴方が無事であるのを確認するでもなく。 存外に自己中心的な男は、触手の一本を使って扉を閉め切ってしまった。 わかった、だとか、ごめん、だとか言えば、よかったかもしれないのに。 しばらくそちらから働きかけがないのなら、浴場から出ていく音がするまでそのまま、 露天風呂の片隅に縮こまったままでいるだろう。 屋外にある都合上、屋内のほうより湯の循環が早いから清掃上の心配はない。 ただ、扉の向こうですすり泣くような声がして、それだけ。 (-174) 2022/01/30(Sun) 19:39:45 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「ああ……光ってるところが似合うって言いたかったのか。 水銀はけっこう詳しいんだな。やっぱり大きいパソコン使うのか?」 (85) 2022/01/30(Sun) 20:42:10 |
【秘】 悪々戯 雑司ヶ谷 累 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「悲観的だね」 痛みを押し殺すように語られた言葉への返答は。 やっぱり無神経で、何処までも主観的な解釈による感想だった。 「怖いんだ?周りの反応が。 秘密を知った人が、何気なくした反応が自分を傷付けて すぐには消えない傷を残すんじゃないかと思ってる。 そうじゃない可能性だって十二分にあるのに、 それに対する期待より怯えの方がずっと強いんだね」 きっと誰しも、あなただって。 まったく誰の事も信用していないというわけではないはずだ。 この林間学校に集められた、同じく秘密を抱える生徒達の事を。 実際の所、自身の抱える秘密故かもしれないけれど。 他者を笑わず色眼鏡で見る事もせず居た者も少なからず居る。 それでも、もしかしたら、という怯えを打ち払えないでいる。 何も特別な事も無い、きっと誰もが抱き得るような恐れ。 なんてのは、やっぱり他人のした勝手な解釈なわけだけど。 (-187) 2022/01/30(Sun) 21:14:25 |
【秘】 悪々戯 雑司ヶ谷 累 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「意外だな〜。我が強くて理屈で割り切るのも得意そうなのに そういう所では結構雁字搦めになるタイプなんだ? 勿論だからって馬鹿にするつもりも無いけどさ? 案外かわいいとこあるねってくらい? ああよく考えたらこれって俺の勝手な解釈に過ぎないし、 間違ってたらまたごめんなさいをしないとね?」 歩みをやや緩慢なものにしたあなたの数歩先。 そちらの表情を窺うためか一度振り向きはすれど、 やっぱり他者の問題を過度に深刻に扱うつもりはないようで。 特に気遣わしげな様子も無く、歩調も緩めず歩いて行った。 (-188) 2022/01/30(Sun) 21:14:50 |
【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → 悪々戯 雑司ヶ谷 累「俺だって普通の高校生で、春には大学に上がる準備に追われてて。 たぶん周りが見ているほど、達観して独り立ちした人間ではないさ。 ここに至って超然的に振る舞える類いの、例えば久瀬みたいな老獪でもない」 心中の吐露を終えれば存外表情は緩む。けれども言葉通りだ。嘘で飾るつもりもない。 唯唯一般的な成人前のこどもとして、ありふれた高校生として。 無作為に集められたうちの一人でしかない、そういう話なのだ。 「お前がどうかは知らないが、強いて言うならそういうところがお前との違いなんだろう。 ごく当たり前に不安を覚えてごく当たり前に二の足を踏む、そういう人間だってだけだ」 やがて歩調は普段どおりのものに戻るが、開いた差は特に埋まりはしないだろう。 皆風呂か部屋にいるだろうから少しだけ廊下の静かな時間帯。 何事もないのなら、ただふつうに、それぞれ大部屋へと戻るだけだ。 (-194) 2022/01/30(Sun) 21:33:22 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「あんまりまだ実感のないところかもしれないが、 そろそろ具体的な進路を決めておいたほうが良い人間もいるんじゃないか。 選ぶ学校だって就職先だって、決まってくるだろう」 (99) 2022/01/30(Sun) 22:39:28 |
【秘】 悪々戯 雑司ヶ谷 累 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門「ふうん?悩み多きお年頃ってやつだ? 阿門ちゃん先輩の年相応でかわいい一面知っちゃったな〜 と思っておく事にしようかな」 振り返った先の表情は思ったよりかは穏やかなものだった。 そこに居るのは案外年相応の、等身大の一人の人間だったらしい。 一先ずそんなふうに認識を改めて、 後は特に何を言うでもなく人気の疎らな廊下を歩いて行った。 その別れ際、ふと何の気なしに呟いた一言は。 あなたに聞こえていたかもしれないし、聞こえていなかったかも。 「人間ってのは大変だね」 (-216) 2022/01/30(Sun) 23:08:07 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「将来の進路ってのは、そんなに大それた話じゃあないだろう。 せめてもどういう大学のどの学部かくらいは、漠然と決められるし、 はっきりと職業のアテがあるならそうした会社の公募条件を見ればいい。 よしんば魔法少女だからって、ほかに仕事が見つからないわけじゃないんだから」 本に目を落としたまま、つらつらと。総理大臣になりたいとかでもあるまいし、なんて。 (115) 2022/01/30(Sun) 23:45:10 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「給料はもらったほうがいいな……」 そうだね。 「神職に務まりたいなら専門学科を出るのがいいだろうな。 時間の自由が利くとなると、そうだな。難しい点は多いだろうが…… フリーランスで動けるだけの技術だとか資格を身に着けたほうが、実際的かもしれないな」 (118) 2022/01/31(Mon) 0:02:21 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門>>+51 不破 「現代社会において人を拘束する対価がないというのは相当厳しいことだと思う。 ともすれば生活できなくなって肝心の不破がくたばりかねないだろ。うまくやれよ」 魔法少女の本部がどういうものかはもちろん知らないので無責任な応援をするのだった。 この合宿の中の誰かを魔法少女に推薦すれば負担は減るかもしれないが。 「IT系だったりCADだったり、技術を売って歩けるものは少しはフットワーク軽く出来るかもな。 セキュリティに関わるようなものだと在宅で仕事っていうのは難しいかもしれないが…… 俺は弁護士だ。法学部の方は合格も決まったから、あとはこれからだな」 (122) 2022/01/31(Mon) 0:41:41 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門>>+54 不破 「まずは法人登録をしろ。違法組織じゃこっちの管轄じゃない。 いや下手を打てばこっちの管轄になるだろうが……頑張れよ」 目指せ! 魔法少女にも人権のある世界を。 「そうした知識も必要になるだろうが、ソフトの扱いの方が要求されるんじゃないか。 文系方向のものがいいなら、そうだな。それこそ不破は博学だしWebライターとかになるか……。 それかいっそ自分で魔法少女のための法人を打ち立ててしまうとかな。 こうなったらいいのに、なんて不満も案外、原動力になるものだぞ」 たぶん、どうにかなったらいいのにというのぞみへの答えにはなっていないのだろう。 それでもそうした考えを口にする不破を見る目は、むしろ希望的だ。 (126) 2022/01/31(Mon) 1:49:29 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「秘密にしている以上明かされて面白いものではないと思ったが、……」 場の雰囲気に合わせて考えを巡らせていたが、ふと言葉を途切れさせて、やめた。 (128) 2022/01/31(Mon) 8:19:26 |
【独】 文字食う紙魚 蛇神 阿門明かされなければ助けられないものもあるのだ、と。 打ち明けることばかりが正しいように言うのは、まだ喉がつかえるらしい。 (-310) 2022/01/31(Mon) 8:20:18 |
【人】 文字食う紙魚 蛇神 阿門「秘密の開示、か」 ここにもってきたいくつかの本のうち、薄い一本の頁を捲る。 内容に集中しきれていないのか、指の動きは鈍い。 頭の中の考え事を振り払うように、息を吐いた。 (142) 2022/01/31(Mon) 20:20:06 |
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