イクリールは、大人達の手によって隠されている。それでもなおイクリールに恐れる事は無い。 (c9) 2021/05/28(Fri) 20:40:16 |
【墓】 籠絡 イクリールイクリール。危ない事はしてはいけないよ。 イクリール。誰がそんな事をしたんだい。 イクリール。よく我慢したわね。 イクリール。もう近付いてはいけない。 イクリール。 イクリール。 イクリール。 「ええ。わたしは平気よ、『せんせい』。」 イクリールは『大人達のお気に入り』だ。 そんな噂を流す生徒も居ただろう。 今までも、そしてこれからも。 イクリールは、恐れる事など何も無い。 だって、それが悪い事だとは ほんの少しも、思ってはいないのだ。 (+6) 2021/05/28(Fri) 21:02:07 |
【墓】 籠絡 イクリールイクリールが居なくなる少し前、ある生徒の事について 大人や生徒に尋ねて回る姿を見た生徒も居るかもしれない。 それが原因かは定かではない。けれど イクリールは現状、寮の自室から出る事を許されていない。 治療を受ける必要は無い。 少なくとも、大人達の目がある間は。 それを不満に思う事は無い。 その必要があれば、抜け出す事は厭わないけれど。 イクリールは、大人達の事が好きだから。 大人達が、自分を心配してそうしていると わかっているから。 本当にそれだけのはずがないのに。 イクリールは、それでも良かった。 (+10) 2021/05/28(Fri) 21:24:01 |
籠絡 イクリールは、メモを貼った。 (c14) 2021/05/28(Fri) 21:27:07 |
【秘】 盲目 ブラキウム → 籠絡 イクリールお母様はいつも誰かに好かれようとしていた。 相手の懐に入り込んで受け入れられるようにころころ表情を変える人だった。 ブラキウムにとっての初めて認識した女とはそういうもので、将来そんな風になってしまうことが耐えられなかった。 あなたは確かにそれを想起させた。 加えて、 「どう、だって? 無い。無いよ。無いんだよ。 お前の……イクリールの仮面<かお>は真っ白だ。 何も無い。何も見えない。何も分からない」 たとえ裏がないとしても、表も見えないのだ。 怖い。 またひとつ、深くあなたとふれあって体を強張らせた。 「お前みたいな女がさァ…!調子に乗ってるのか!? 自分の立場をわきまえたらどうだい!? 質問をしているのは、僕だっ!」 右手にもう一度力をこめる。 けれどうまく力が入らない。 左手もあなたに新たな痛みを与える。 けれど銀は少しだけ深く――とはならなかった。 小刻みに不安定に震える刃先が傷口を滑るだけだ。 余すところなく密着したあなたには全部筒抜けになっているだろうが、語気は弱まらない。 結果としてはあなたを抱きしめ返しただけだった。 (-32) 2021/05/28(Fri) 22:09:57 |
【秘】 盲目 ブラキウム → 籠絡 イクリール「これから、仲良くなるだって? まだ、まだそんな事を、おま、え…… バッカじゃないのっ……!?」 あなたのかおも 仮面をかぶせた 自分の気持ちも知ってしまったら、認識してしまったら、もう戻れなくなる。それでも、まだ屈することは無い。 ブラキウムはまだ知らない。 軽いと一蹴したあなたの甘い毒はゆっくりとだが確実に全身に染み渡ろうとしていることを。 白い仮面と軽いと思い込んだ言葉だけに耐えている。 小柄で年下のあなたに比べてブラキウムはちっぽけだ。 おとなになりたがって背伸びをしているこどもだ。 すぐそばに広がる森はこんなに大きかっただろうか。 (-33) 2021/05/28(Fri) 22:11:09 |
【秘】 籠絡 イクリール → 御曹司 ブラキウム「ブラキウムが立場をわきまえろ、と言うのなら それをわたしに望むなら、そうするわ。 でもね、ブラキウム。 本当に、見えないままでいい?わからないままでいい? 見えないから、わからないから怖くなるの」 うわさ話も、森の外も。きっとそういうものなのよ。 イクリールは、震える刃をやはり恐れる事は無い。 痛みを感じないわけではない。けれど痛みは重要ではない。 わからないなら、これから知ればいいわ。 もう一度そう言って、より確りと、ブラキウムを抱き締めた。 ブラキウムよりも小さな手が、強張るその背をそっと撫でる。 (-42) 2021/05/28(Fri) 23:02:06 |
【秘】 籠絡 イクリール → 御曹司 ブラキウム「知ってちょうだい、ブラキウム。 わたしだって、理由もないのに人を好きになったりはしないわ。 それに、なにも好きになってもらうことが目的ではないの」 イクリールは、物分りが良い方だと認識されている。 イクリールは、決して愚かなわけではない。 たとえバカと愚かと誹られようと、 それそのものはイクリールにとって重要ではないだけだ。 「あまり相手のことをよく知りもせずに、好きだとか嫌いとか そんな無責任なことを言いたくはないの。 あなたのことを知って、その上で 好きか嫌いか、わたしにもう一度答えさせて。」 イクリールは、ただの等身大の子どもだ。 周りよりも少し、大人びているだけで。 「お互いのことを知って、それでもわかりあえなかったら その時は、あなたに嫌われたって構わないわ。」 それでもイクリールは、知る事を恐れない。 それでもイクリールは、知られる事を恐れない。 それに、まだ。ブラキウムが自分に嫌厭を向けるその理由の たったのひとかけらも、わかってはいないのだ。 (-43) 2021/05/28(Fri) 23:02:52 |
【墓】 籠絡 イクリール>>+21 >>+22 ルヘナ シェルタン 「ええ、そうね。 わたし、いつかあなたともお話したいと思っていたのだけど こんな形でそれが叶うとは思わなかったわ。」 こんな形、とは言うものの イクリールの表情に憂いや陰りの類は無く、 ただいたずらに笑っただけだった。 イクリールには、各々の事情を追及する意思はない。 少なくとも、今この場では。 誰かがそれに触れようとしない限りは。 「……そうね。 わたしも、会いに行きたい子がたくさんよ。それに… …どうかしら。わたし、食堂には行かせてもらえなかったから 他の子がどうなっているかは、わからないわね…」 それから、シェルタンへ向けた言葉と それから彼自身の言葉に、それだけを呟いた。 そこにある意図に気付いているかは、定かではない。 (+23) 2021/05/28(Fri) 23:22:53 |
【墓】 籠絡 イクリール>>+24 >>+25 「ううん、わたしは大丈夫よ。 朝食は寮まで『せんせい』が運んでくれたもの」 至って当然の事のように、何でもない事のように イクリールはそう言ってのけた。 大人を恐れる素振りを見せないのは、やはり変わる事は無い。 イクリールの噂は、二人は聞いた事があっただろうか。 「でも、そうね。 それならわたし、暫くシェルタンと一緒に居るわ。 だから、もしルヘナがよかったら あとで温かい飲み物を持ってきてくれるかしら。」 二人の分と、それからルヘナの分。 今日はなんだか冷えるから、と柔らかく微笑んだ。 『病気』に関しては、触れなかった。 (+26) 2021/05/28(Fri) 23:54:02 |
【秘】 盲目 ブラキウム → 籠絡 イクリール「はーっ……はーっ」 無意識に荒れた呼吸が漏れる。 いっそこの口を二度と聞けないようにしてやればマシになるだろうか? いいや、でも殺すなんて。 殺すのは違う。 僕は人間だ。 こころのない怪物なんかじゃない。 そんなことがしたい訳じゃない。 「僕は」 背を伝うあなたの手の感覚が嫌というほどわかる。 神経を触れられたみたいに頭が痺れる。 言葉を聞くたびに見せかけの言葉が紡がれずにほどけていく。 「君が嫌いなのかもわからなくなってきたよ」 もはや右手はあなたの髪にしがみつく様に、左手の銀は空を切っていた。 あなたの腕の中で御曹司のブラキウムのかけらが零れ落ち始めた。 今度こそあなたの答えを聞くために。 もう何も知らない子どものままでは居られなかった。 (-53) 2021/05/29(Sat) 0:31:18 |
【秘】 盲目 ブラキウム → 籠絡 イクリール「……お母様は誰にでも優しかったんだ。 僕はお母様が好きだった。 こんな人になりたいと思っていた」 けれど、金と権力の絡む家はそんな平穏なものではなかった。 たくさんの顔を使い分けて、ブラキウムの望む顔を望んでもいないのに見せていた。 誰にでも変わらずそうすることが気持ち悪かった。 いい人だと多くの人に言われるのも恐ろしかった。 自分はこの女の……娘なのだと思って何度も泣いた。 だから君は僕のなりたかった姿で、なりたくなかった姿なんだ。 そこまで語って息を吐いた。 結局はブラキウムの相反する印象があなたの仮面を白く染め上げていただけだ。 まさしく病的なフィルターにふさわしい。 もしかすると今は違うかもしれないが、今はあなたの顔はうかがい知れない。 (-54) 2021/05/29(Sat) 0:32:06 |
【秘】 籠絡 イクリール → 御曹司 ブラキウム乱れた呼吸に上下する背を撫ぜる。 悪夢に、或いは他の何かに怯える子どもにそうするように。 どちらが上で、どちらが下だとか。そんな話ではない。 ここに居るのは、ただの二人の子どもなのだ。 「ブラキウム。」 あなたが話し終えて、一つ息を吐いて。その後に イクリールは、変わらず優しく語り掛ける。 「話してくれて、ありがとう。 そういうことならわたし、あなたに無理に わたしのこと、好きになってほしいとは言わないわ。」 ただ、訥々と。 あなたに最も正しく伝わる言葉を探すように。 「けれどね、もう一つだけ聞かせてほしいの ブラキウムは、『お母様』になぜそうするのか ちゃんと向き合って、聞いてみたことはある?」 (-59) 2021/05/29(Sat) 1:13:03 |
【秘】 籠絡 イクリール → 御曹司 ブラキウム「もしまだなら、聞けなくなってしまう前に一度だけ 今すぐじゃなくていいの。聞いてみてあげて」 もしかしたら、本当は。 何処かにわかり合える理由があるのに、その機会が訪れなかった それだけの話かもしれないから。 「たとえあなたが、わたしのことを嫌いでも。 わたし、やっぱりあなたのことが好きよ。 だから、かなしい思いはしてほしくないの」 既にちゃんと話をした上でわかりあえなかったとか、 それともブラキウムが嫌なら、それは仕方のないことだわ。 無理にそうしてほしいわけじゃない ただの、わたしからの『お願い』よ。 そう言って、もう一度 慈しむようにブラキウムの背を撫でた。 (-61) 2021/05/29(Sat) 1:14:52 |
イクリールは、いつも通りだ。首元の包帯以外は、何も変わった所など無い。 (c32) 2021/05/29(Sat) 3:28:11 |
【秘】 御曹司 ブラキウム → 籠絡 イクリール/* 絶賛限界のアタイよ!PLよ! 占ったあなたに、役職の設定的なお話をロールの最中にお出しできるか分からないから先にざっくりとお伝えしておくわね。 ・ブラキウムは調香師の家から秘密裏に持ち込んだ特性の香を隠し持っている。 ・誰にも知られていないと思っているがおとなには筒抜け。 ・効能は【忘れさせること】。起こったことは無くならず、永遠に続くこともない。けれど、誰かの一時凌ぎにはなる。 ・香を使っただけでは本人にしか影響は無く、周囲からの扱いは変わらない。 という感じでふわっと考えているわ。 (-90) 2021/05/29(Sat) 9:32:02 |
【秘】 剥離 ブラキウム → 籠絡 イクリール「……ない。 僕はそれからお母様の事は見ていない。 だから……うん。僕はずっとお父様みたいになろうとしたんだ。 何者にも囚われずに堂々と、上に立つ者として振舞うまっすぐなおとなになれば、立派な凄い人間になれると思ったんだ。 選ばれようとする人間じゃなくて、選ぶ人間になれば逃げられると思ったんだ。 言葉も、振る舞いも……体も全部そうしてきた」 あなたの優しい手に撫ぜられるたびにブラキウムの表面に塗り固められた殻が剥がれ落ちていく。 歪んで病に侵された彼女の素顔をようやく覗かせた。 「だけどそんな風に人の顔ばかり見ていたからかな。 いつの間にか全部わからなくなったんだ。 きっと僕が聞いて感じたようにしか仮面は見えないんだろうね。 今までは無機質な情報としてだけ見えればそれで良かった」 (-102) 2021/05/29(Sat) 10:52:41 |
【秘】 盲目 ブラキウム → 籠絡 イクリール「イクリール」 腕に力を入れる。 今度は本当にあなたを抱き返すように。 「君の在り方はお母様に似ている。だけど、全部一緒じゃない。 お母様の仮面はうんざりするほど剥がれ落ちていたけど、君の仮面がずっと変わらないままだ」 ブラキウムにとっては決定的な違い。 けれど有象無象の誰かとして見ているだけでは気付かなかった違い。 「"お願い"ね……あぁ、聞いてもいい。 その代わりに、今度はちゃんと君の事を教えて欲しい。 言葉と行動で示してほしい」 お互いだと言ったのは君だ。 見えない仮面の向こうをはっきりと分かるように。 包み隠さないありのままのあなたに触れたい。 仮面を隔ててしか人と関われなくなったブラキウムは素顔 <ひかり> に飢えていた。 (-103) 2021/05/29(Sat) 10:55:56 |
【秘】 籠絡 イクリール → 御曹司 ブラキウム/* 委細承知したわ。気張りなさいよアンタこれからまだ長いわよ イクリールの占いについては、ロールで仄めかした通り 大人に聞いた、或いは大人とのコネを使って生徒から聞き出した という想定でいるわ。 だからブラキウムの事に関しては普通に聞き出せそうね。 (-113) 2021/05/29(Sat) 12:05:35 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「ありがとう、ブラキウム。」 「自分がどんなひとになるかは、自分が決めることだわ。 ブラキウムがそれでいいのなら、きっとそれでいいのよ。 でも、ブラキウムが何かをそれでは嫌だと思ったなら その気持ちは、きっと大事にしてね。」 子どもの世界に、正当性や正しさはあまり重要ではないのだ。 少なくとも、子ども同士の間では。 もう一つだけ、お願いよ。 そう言って、イクリールは屈託無く微笑んだ。 その気配は、今度こそあなたに正しく伝わるだろうか。 「たとえこれから嫌いになるとしたって 嫌いなものに、同じになりたくないのなら。 それがどんなもので、どうしてそうなってしまうのかは ちゃんと知らないと、間違えてしまうものね。」 それから、わかったわ、と言って イクリールはもう一度笑った。 ブラキウムとは、ちゃんと話がしてみたかったから。 イクリールだって、強か なように見えるだけ でそれからいつも忙しそうなブラキウムには 少しだけ、近寄り難さを覚えてしまっていた。 だから単純に、ちゃんと向き合って話す事ができるという たったそれだけのことが嬉しかったのだ。 「──でも、今日はもう帰りましょう。もう、こんな時間だもの もう少し時間のある時に、ゆっくりお話がしたいわ。それと…」 (-116) 2021/05/29(Sat) 12:42:18 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「ブラキウム。おともだちからもらったものは、大事にしてね こんなことに使ったら、サルガスはきっとかなしいわ」 イクリールは、『みんな』の事を知っている。 『それ』が誰によって、そして誰の手で 誂えられたものなのかなど、とうに知っていた。 ブラキウムの左手にそっと温かな手を重ねて、 許されるのであれば、震える手に握られた銀色を抜き取って。 それから、 名残惜しげにブラキウムの背を一つ撫でて腕の中から開放して 身体を離して、自分の袖口で、刃に付いた紅を丁寧に拭って。 そうして、サルガスからの贈り物を もう一度、ブラキウムの手に握らせるだろう。 今度こそ、使い方を間違えてしまう事の無いように。 優しいあの子の贈り物は、 こんな事に使って良いものではないはずだ。 (-117) 2021/05/29(Sat) 12:43:48 |
イクリールは、掃除用具の点検をしている。たった一人で。 (c38) 2021/05/29(Sat) 13:32:58 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム/* よく考えたら時限爆弾でナフキン赤く汚れてた描写あったのに こっちで勝手に血拭っちゃった。 辻褄優先する場合はそもそもナイフを渡さないか、 或いはブラキウムが手に付いた血を拭いた とかにでもしておくのがよいかと存じますわ。 ご自由になさってね。 (-129) 2021/05/29(Sat) 13:47:21 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール「…………うん。 僕のなりたいものを、やりたい事をちゃんと考えてみようかな。 今はなんだか一つの間違いでも取り返しのつかない事になりそうな気がするんだ。 気付いてからじゃ遅いような、そんな予感」 体の震えはすっかり収まっていた。 あなたのすべてに包まれている気がする。 それでも時間は止まってはくれない。 「あ、あぁ。そうだ。ナイフ。ええと……傷を」 温もりに名残惜しさを覚えると同時に気付く。 あなたが銀色の輝きを取り戻した後に、真っ白なナフキンをあなたの首の傷にそっと添えた。 じっとりとした仄かな熱と脈動を布越しに感じながら、穢れを拭き取れれば今度こそを身を引く。 あなたからナイフを返してもらう時にあなたの仮面を改めて見つめる。 ――それは一本の蝋燭の灯のような静かで柔らかい色をしていた。 ほっと気の抜けた表情で口を開く。 「わかった。もう誰かを傷つけるためには使わない。 危なくなった時はイクリールの事を思い出すようにするよ。 さ、夜は何があるかわからない。 君も気を付けて。また今度聞かせてもらうから、忘れないでよ?」 (-133) 2021/05/29(Sat) 13:58:09 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール/* アタイの答えはこれよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ナフキンの赤は変わらずイクリールのものよ!!!!!!!!!!!!!!!! (大丈夫です。それはそれとして、また今度ってなんですかまた今度って)(返信不要です) (-135) 2021/05/29(Sat) 14:03:28 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「………あら。 ありがとう、ブラキウム。 ええ、わかったわ。きっと、約束よ。」 その手によって傷付けられたのは、 昨日の今日、どころかつい先程の事。 それでもブラキウムがその頸に触れようとする事を、 やはりイクリールが恐れる様子は無い。 約束には、約束を。 気を付けて、には あなたも気をつけてね。 また今度、には ええ、また今度。 ブラキウムの凶行に、善悪や正しさというものに イクリールは決して無関心なわけではない。 けれど、やはりいつものように、何事も無かったように ただその体温のようにあたたかく微笑んで、言葉を返す。 「わたしは思うの、ブラキウム。 きっと、取りかえしのつかないことなんてないわ。 そのやりかたが、まだわからないだけよ。いつだってね」 時は残酷にも流れて行く。 秋口の冷たく乾いた風と、暖かな黄昏の陽。 相反する、けれど矛盾する事無く両立した景色の中 イクリールは いつものように、ごきげんようと微笑んだ。 ────その次の朝、イクリールは食堂に姿を現さなかった。 (-143) 2021/05/29(Sat) 14:30:24 |
【秘】 籠絡 イクリール → 世捨人 デボラ/* そういえばなんですけど、連行絡みのPL間の認識の擦り合せの為に 占った呪人に対してテメー占ったら墓下ブチ込まれたぜ! って(PL連絡で)明かすのは大丈夫なんでしょうか。 お暇な時にでもお答え頂けたら幸いですわ。 いや、別に呪人占って墓下ブチ込まれたりなんか してないんですけどね。 してないんですけども。 (-152) 2021/05/29(Sat) 15:23:12 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール/* え〜一番有象無象じゃないのが君なんだよね。ダメ? 動機も消去法じゃなくてちゃんとあるし。 (-157) 2021/05/29(Sat) 15:44:24 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム/* ルヘナと仲良くしろよ ルヘナと仲良くしろよ、おい ルヘナと仲良くしろよ まあPC的にはこうする!と思ったならそれに従ってほしいん ですけども。 え?でもマジ? 墓下で余裕ぶっこいてたのにこれから罪を清算させられるの? 一番今の表の空気どうにかできそうな他三人じゃなくて 敢えてこっち来るの? いいですけども。 『ブラキウムが』そうすると言うのならいいんですけども。 でも本当にイクリールでいいんですか?(心理戦) (-159) 2021/05/29(Sat) 15:50:22 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール/* 地上含めて一番ブラキウムの情報を握ってるのって君だよ。 感情のままに動くならそうだし。 イクリールに付いてもうちょっと知ってれば……という感じではあるんですが……が…… ルヘナと迷っているのはありますね。 ただ本当にちょろっと話しただけなのでううん。難しいですね。 (-162) 2021/05/29(Sat) 15:59:58 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム/* はえ〜そうなんだ PC的にはこうするぜ!っていうのがあるのなら そっちを尊重したい気持ちはありますね。 罪の事後処理は考えたくないですけど。 現状イクリールは別に傷心という事も無いので この後三日目時空に突入した体での秘話で 中庭か自室かでもう一度会って話して、それから決める とかでもいいんじゃないかと思います。 ルヘナも結構あちこち出歩いてるようですしね。 シェルタンというルドマンを選んでもいいですよ。 (-165) 2021/05/29(Sat) 16:07:24 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール/* それもそうね! それじゃあ頑張って会いに行くわね。 ブラキウムはそういうの気にしないでしょうし。 表で少しだけ発言するわ。 たぶんやりにくいのでなるはやで秘話に行くのがいいかしらね。 (-169) 2021/05/29(Sat) 16:13:18 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム/* OKよ、了解したわ。 生存者はたとえ見えてても墓下発言には アンカー付けられないんだったかしらね。 適当に秘話投げてくれたらいい感じにするわ。 (-171) 2021/05/29(Sat) 16:20:37 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「そう、ならよかった。 このごろみんな、どこか思いつめてるようだから… ブラキウムも、無理をしているんじゃないかって。 あなたには、余計な心配だったかしら。」 変わっていないようで何より、という言葉には わたしは平気よ、と返していつも通りに微笑んだ。 『大人に呼び出された』と噂される生徒は、その大半が 多かれ少なかれ、それまでとは違う表情を見せるものだ。 それは噂が理由なのか、或いは呼び出された事が理由なのか。 けれど、イクリールに変わった様子は無い。 それから、手招きに応じて近くへとやってきたブラキウムに 嬉しそうに笑い掛けて、口を開く。 「今度は、わたしのことを話すって。約束だったわね なにから話せばいいかしら。 ブラキウムは、なにか聞きたいことはある?」 (-194) 2021/05/29(Sat) 17:43:06 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール「僕は大丈夫だよ。 まだ僕は僕のままだ。 でもその気持ちだけ受け取っておくね」 変わらない。優しい甘く染み込む声音。 それは脱皮途中のように不安定なブラキウムを覆うヴェールとなり得る。 「忘れていなくて助かったよ。まさか居なくなるなんて予想できなかったけどね! はぁ。いろいろと聞きたい事はあったけど……何よりはこの状況に決まってる。 君自身の話とも関係があるんだろう?」 大きくため息をついてからいきなり核心に踏み込んだ。 (-200) 2021/05/29(Sat) 18:05:29 |
【秘】 徒然 シトゥラ → 籠絡 イクリール「イクリール、 ……あなたは変わってしまった?」 イクリールの部屋の前でノックもならさず、 小さな翠色の声が廊下に響いた。 皆に連れて行かれた人間の噂は小さく静かに流され続けている それはシトゥラからはじまったものもいくつか存在していた。 「……噂だけなら、羨むことも無かったのに」 シトゥラは大人に愛される子供に嫉妬をしてしまった。 「約束を必ず守ろうと思ったのにな」 どんなことがあっても、この体は動かそうとしていた。 大人に怒られて、誰かに会うのを拒まれたとしてもだ。 「あなたはこれから幸せでいられる…?」 ここにイクリールがいるか等知らない。 返事が返ってくることを望んでもいない。 ただ、会いに行きたくなってしまって、 ――向かわなければば永遠にあなたを見れないような気がして。 「 また来るね 」何を言いに来るのだろう、 それでもわずかに藁をつかむことはできた気がする。 こんなあがきができるのも、ほんのわずかな間だけだと思うから (-201) 2021/05/29(Sat) 18:13:40 |
イクリールは、ただそこに居る。揶揄いも抗拒も、今は重要ではない。 (c53) 2021/05/29(Sat) 18:24:10 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「あら。じゃあ全部受け取ってくれるのね」 元より心ばかりの心配だ。 ブラキウムがその気持ちを受け取ってくれるのであれば、 それは当然、そういう事になるだろう。 「……この状況、うぅん、そうね… …ブラキウムには、すごく言いづらいのだけれど。 昨日、あのあとに医務室に行ったのよ。」 そんなにたいしたことではなかったけど、 それでも怪我は怪我だから。 イクリールは、そう言って少し困ったように微笑んだ。 「そうしたら、『せんせい』たちみんな大あわてで… しばらくは、お部屋でおとなしくしていなさいって。」 『イクリールは大人達のお気に入り』。 そんな噂は、何も今に始まったわけではない。 有象無象に気に掛けない 今までの ブラキウムであれば、聞いた事が無くとも、或いは覚えていなくとも不思議ではない。 記憶の片隅で埃を被っていないとも限らないけれど。 (-210) 2021/05/29(Sat) 18:37:19 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール「……そういうことでいいよ」 変な発言には突っ込まないのが無難だとわかった。 「 え、 何だいそれ。つまりこんな事になっているのは僕の所為って事? 待ってくれ、冗談じゃないよ……」 頭を抱えた。 想像通り、ブラキウムはあなたが特別な事を知らなかった。 それを知っていても行動は変わらなかっただろうけど。 「ごめん、本当に全然、これっぽっちも知らない」 因果応報だった。 (-212) 2021/05/29(Sat) 18:52:25 |
【秘】 籠絡 イクリール → 徒然 シトゥラ「…………シトゥラ。」 寂しい一人きりの部屋の中、ぽつりと呼んだその声は 立ち去るあなたの耳に届いただろうか? イクリールは、『みんな』の事を知っている。 シトゥラの事だって、『せんせい』に聞こうとして そうしたら強く止められて、それきりだっただけだ。 イクリールは知っている。 誰が居なくなったのかも、誰が噂を流しているのかも。 それが今に始まった事ではない事も。 でも、イクリールは、それでも良かった。 イクリールには、恐れる事など何も無い。 たとえ生徒達に遠巻きにされ噂を流されたって、それでも好きだ たとえ大人達に行動を制限されたって、それでも好きだ たとえその頸にナイフを突き付けられたって、それでも好きだ イクリールは、いつまでも変わる事は無い。 たとえ、いつか大人からの愛を受け取れなくなったとしても。 「ねえ、今度はきっと、二人で向き合って話をしましょう。 もちろん、シトゥラがよければ、ね…」 また明日、そんなささやかな約束さえも イクリールは、果たす事はできなかった。 だから、返答に期待していないのは、お互い様だ。 (-213) 2021/05/29(Sat) 18:52:25 |
イクリールは、スピカの力になりたかった。イクリールは一人ではないから、だからそんな事が言えるだけかもしれない。 (c62) 2021/05/29(Sat) 19:02:14 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「ええと……違うの、ブラキウムが悪いって わたし、そう言いたいわけじゃないのよ。 でも、それで『みんな』をびっくりさせてしまったのは たしかだから…」 柔らかな唇を白い指先でなぞりながら、 イクリールには珍しく、うんと考え込むように言い澱んだ。 「うん……でも、そうね ごめん、と言われたのだから、わたしはいいのよと そう言って、仲直りをするのがいいのよね。」 イクリールは『治療』を受けていない。 生徒達に遠巻きにされているのも、 以前のブラキウムのように、イクリールの言動が気に食わない そんな生徒を警戒してか、大人がそうさせているのだろう。 わたし、もうちっとも気にしていないわ。 そう言って、イクリールは少し困ったように微笑んで見せた。 (-217) 2021/05/29(Sat) 19:12:17 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール「そう言ってもらえるといくらか気は楽だけど……はぁ」 あなたとはそれでいいかもしれない。 衝動のままに振るった狼藉が苦々しく残るくらい。 それはそれとして、ブラキウムの知らないあなたの知り合いのことまで考え始めると頭が痛い。 ひとまずあなたの事に意識を戻した。 「じゃあ君は、本当にそのままなんだね。 次に会ったときイクリールが別人みたいになってたらどうしようかと、不安で」 あなたからもらった安心が余計にそう思わせた。 「――そもそも君の病気って何なんだい?」 (-247) 2021/05/29(Sat) 22:05:59 |
イクリールは、彼が石を投げられても、それでもまだシェルタンの傍に居る。 (c71) 2021/05/29(Sat) 22:12:38 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「……他の子は、違うのかしら。 わからないけれど、わたしは見てのとおりよ。 少しだけ、門限がきびしくなったようなものだわ。」 ヘイズには、会えずじまい。 シェルタンやルヘナとは会ったけれど、互いに何が起こったか それを問い質す事は無かった。 言葉の通り、イクリールに変化は見て取れない。 何かを隠しているような様子も無い。 いつものように、冗談めかして笑って見せた。 「病気……ええと、そうね。そうだったわね ここではほとんどみんな、 なにか困ったことがあるのだものね。」 『病気』の話を振られれば、予想外と言うように瞠目した。 或いは、『みんな』の中に 自分は含まれていないかのような口振りで。 「わたし、どこも悪いところなんてないわ。 ただ、父さまと、母さまの知り合いのひとが、ここのひとで… その紹介で、入学させてもらったの。」 小等部に入る前に、一度だけ。 見学に連れてきてもらったことだってあるのよ。 イクリールは、なんてこと無い事のようにそう言った。 その表情に、その言葉に嘘や含みは見て取れない。 少なくとも、イクリールにとってはそれが真実だ。 (-250) 2021/05/29(Sat) 22:32:31 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール「さぁ、知らないけど。 でもここまでの扱いをされるならそうなんだと思うけどね。 都合の悪い事には目を塞いで見えないようにする、大人たちのやり方だ」 先日ルヴァと森を探検したときに外についてのほとんどの記憶が思い出せなかったことを思い出して苦い顔をした。 「な……特別も特別。秘蔵っ子じゃないか。 当たり前のように一緒に居るからてっきり…… そんなのアリ?どこまでここは大人の都合まみれなんだよ」 また大きなため息を吐いて。 「本当に困った事が一つも無いのならこんなところによく居られるね。 僕にとってはずっと鳥籠に閉じ込められたようなもので、外に出たくて仕方がないのに」 事実がどうであれ、イクリールの口から語られる言葉がブラキウムにとっての真実になる。 大人でも、神様でもなくただのこどもなのだからそれ以上はどうにもならない。 (-256) 2021/05/29(Sat) 22:59:12 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「……そう。ううん、でも… やっぱり、直接聞いて、知りたいわ。 少なくともわたしはそう思うの…」 イクリールは、大人が善いものだと信じている。 それは大人の悪性に触れて来なかったからかもしれない。 けれど、大人が悪いものばかりという事も 今はまだ、誰に証明する術も無いのだ。 「特別……そうかしら? たしかにここは、そういった困りごとのある子が多いわ。 でも、そうでなければ来られない場所だなんて そんなことも無いのではないかしら。」 イクリールの考えは、やはり誰も そうだとも、そうでないとも、断言できはしないものだ。 知る為には、大人達と直接向き合うしかないだろう。 「わたしは、このギムナジウムが好きよ。 もちろん、ここにいるみんなもね。 ここはもう一つのおうちで、みんながもう一つの家族 わたしにとっては、そうだもの。」 イクリールは、決して森の外への関心が無い訳ではない。 覚えていないわけでもない。 ただそれ以上に、このギムナジウムの中にあるものを ただ、愛しているだけなのだ。 (-259) 2021/05/29(Sat) 23:14:39 |
【墓】 籠絡 イクリール>>中庭 「……そう。 よかったわ。みんながわたしと同じ考えで。 それに、わたしたちなら『こうなってしまった』子にだって、 堂々と会いにいけるものね。」 イクリールは、そう言っていたずらっぽく笑って見せた。 いつものように。 これからも、誰に対してだって、同じように。 「わたしもそれに、賛成よ。 シェルタンやスピカが卒業したって続けるわ。 でも今は、わたしたちだけではきっと手が足りないの だから、手伝ってくれるとうれしいのだけど。」 ──ねえ、ルヘナ。 イクリールは、遠くこちらを窺う視線の事だって、知っている。 (+46) 2021/05/29(Sat) 23:22:45 |
イクリールは、野草を食べるスピカを見て困ったように微笑んだ。 (c77) 2021/05/29(Sat) 23:33:32 |
【墓】 籠絡 イクリール>>中庭 「あら、隠れていたルヘナが悪いのよ。 仲間はずれがいやなら、ちゃんと仲間に入れてと言うべきだわ」 イクリールは、そう言ってまた笑った。 他の生徒から向けられる、揶揄するようなものではない 至って普通の、日常の一コマのように。 それから、『経験則』を語るブラキウムを見て 心の底から嬉しそうに、その表情を綻ばせた。 「いいわ、みんなが妬いてしまうくらいに楽しくやりましょう それに、ひとりぼっちでいるよりは、誰かと一緒に居た方が できることって多いもの。」 (+54) 2021/05/29(Sat) 23:58:09 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム/* 正直誰が墓上に居ても誰が墓下に居ても この連中のやる事って多分何も変わらないので。 RP的な整合性とか、『ブラキウムはこうする』を 優先するのが一番綺麗じゃないかなって思います。 それはそれとして、イクリールは他の人にしてほしいと 言うと中澤は思いますけどね! (-268) 2021/05/30(Sun) 0:00:20 |
【秘】 振子 ブラキウム → 籠絡 イクリール「ちゃんとした理由の為に、だよね」 目の前の少女はどこまで大きいのだろう。 「でも、そんな可能性、あり得ない。 まさか、いや。君が何も知らないだけだろう。 箱入り娘に余計な物を与えないで育てるなんて、よくある話だ。 信じられないよ……」 真実との乖離が一番の違和感だった。 けれど、ブラキウムだって真実は知らない。 知らず知らずそういう場所だとフィルターをかけていたのだ。 彼女の無垢な体で見て触れてきた世界が本当にあるのだとしたら。 「だけど、あぁ。君の好きも、少しわかったかもしれない」 (-271) 2021/05/30(Sun) 0:07:03 |
【秘】 籠絡 イクリール → 振子 ブラキウム「ええ、そうよ。 本当の事を、直接聞きもしないで決めつけてしまったら 『うわさ』だけを理由に、誰かをいないもの扱いをするのと 何も変わらないものね。」 イクリールは、ただの等身大の子どもだ。 人よりほんの少し、人の気持ちを慮る事ができるだけで。 「…ブラキウムがそう思うなら、そうかもしれないわ。 あなたはきっと、わたしより ずっと多くのことを知っているもの。 でもね。わたしはやっぱり、病気や不便なことがあるなんて このギムナジウムに来て、ひとつも感じたことはないの。」 それは、幼い子ども特有の適応力ゆえかもしれない。 或いは、イクリールがそれを病気や不便と認識していないだけで 本当は、他の子どもと何一つ変わらないのかもしれない。 確かなのは、イクリールは『みんな』の事が、 このギムナジウムの全てが好きだという事だ。 そして、そこには確かにそれに至る個々の理由があるという事も。 「……そう、そうだわ。 わたし、よく考えたらブラキウムの好きなものを ただの一つも知らないのね。」 わかったかもしれない。そう零すブラキウムに微笑んで、 それからはたと思い当たったようにそう続けた。 (-276) 2021/05/30(Sun) 0:28:55 |
イクリールは、ブラキウムの事を知っている。重要な事、些細な事、そのどちらも。 (c83) 2021/05/30(Sun) 0:44:27 |
【墓】 籠絡 イクリール「わたしも……あまり手伝えることはないかもしれないし、 抜け出すのにだって限度はあるわ。 それでも、できることはあるはずよ。」 早く抜け出さずとも出歩けるようになるといいのだけど。 そう言って、少しだけ寂しげに微笑んだ。 「相談……というほどのことじゃなくてもいいの。 わたしに話せることだったら、いつでも聞くわ。 だから、シェルタン、スピカ、ルヘナ。 それに、ブラキウム。 どうか、一人で抱えこまないでね。」 わたし、みんなのことが好きよ。 だから、少しでも力になりたいの。 そう言って、イクリールはやはり『みんな』に微笑み掛けた。 恐れるものなど、何も無い。 (+62) 2021/05/30(Sun) 1:01:17 |
イクリールは、いつものようにサルガスに笑い掛けた。彼等は確かにそこに居る。 (c89) 2021/05/30(Sun) 1:21:22 |
【秘】 目明き ブラキウム → 籠絡 イクリール「……なんだか僕の考えが全部が君の言う通りみたいで癪だな。 とても小等部とは思えない。 どんな生き方をして来たら君みたいな人間が出来上がるんだろうね」 そこにあるのはもう、嫌悪でもなんでもなくて驚嘆だった。 「知らないだけだろうから、知らせてやろうと思ってたんだけどね。 そういう次元の話じゃ無かったし、本当に……はぁ〜〜〜〜」 完全敗北だった。 もはや人間の領分を超えているじゃないかとすら思った。 結局、大それたことは関係ないままふたりのこどものじゃれ合いだったのだろうか……。 「あれだけいろいろ知ってて好きなものを知らないってどうなの……まぁいいや。 好きなもの、好きなもの……ん、甘いものは好きだよ」 (-297) 2021/05/30(Sun) 1:48:37 |
【秘】 甘夢 イクリール → 目明き ブラキウム「あら、ごめんなさいね。 でも、わたしはわたしよ。 ブラキウムがブラキウムであるようにね。」 形ばかりの謝罪と共に、冗談めかして笑う。 ブラキウムがイクリールの歩んできた道を知らないように、 イクリールもブラキウムの歩んできた道を知らないのだ。 その口から明かされた事以外は。 「案外、知れば考えも変わるかもしれないわ。 試してみる前から諦めてしまうのは もったいないと思わない?ブラキウム。」 考えは変わるかもしれない。 けれどやっぱり、イクリールは変わらないのだろう。 これからもずっと。 「……じゃあ、いつか… 今やらなければならないことが、落ちついたら。 好きなお茶請けを持ちよって、みんなでお茶をしましょう。」 いつも言葉を交わす『みんな』で、和やかな一時を。 そんな淡く、脆く、甘い夢。 この約束は、守る事ができるだろうか。 わからない。けれど、イクリールは信じている。 (-304) 2021/05/30(Sun) 2:12:30 |
【秘】 目明き ブラキウム → 甘夢 イクリール「そういうところが、本心なのかはぐらかされてるのかわからないんだ。 それが真っ白な仮面から出てきた時の恐怖はなかなかだったよ」 もちろん恐怖も既にないけれど。 盲目には少し刺激が強かった。 これから段々と慣らしながら隣を歩めば触れられるかもしれない。 「僕もたった数日で随分と変わった気がする。 はじまりは一人だったけど、少しずつ増えてきた。 それくらい、ここはもったいない場所だと思える。 いつか君みたいに……みんなを好きになれるかな。」 この手であなたを変えてしまうことが無くて、こちらばかりが負けてしまったようなほんのちょっぴり残念な気持ちはあるけれど。 変わってしまったあなたはきっと好きじゃない。 だからこれで良かった。 変わらない方がいいものもある。 「そうしよう。 みんなが集まったら賑やかでそれはそれは、楽しそうだね」 みんなのかおを思い浮かべる。 僕の好きなもののために。 なりたい自分になるために。 ふたりのこどもは同じ夢を見る。 (-358) 2021/05/30(Sun) 13:37:02 |
【秘】 甘夢 イクリール → 目明き ブラキウム「そういう子も居るって、わたし知っているわ。 だから、しかたないことよ。でも… ブラキウムは、それがわたしの『ほんとう』でも きっと、もう怖くはないでしょう?」 言葉にできるような根拠なんて、何処にも無いけれど。 それでもイクリールは、あなたがもう恐れない事を ただ、心から信じている。 「たった数日……そうね、たったの数日なのね いろんなことがあって、みんな疲れてしまっているけど… でも、悪いことばっかりじゃなかった。」 そうでしょう? そう言って、ブラキウムに笑い掛けた。 この数日で変わってしまったものは、きっと少なくはないだろう。 それでも、変わらない日常もまた、確かにそこにある。 願わくば、それがブラキウムの愛せるものであるように。 「きっと、できるわ。 ブラキウムはもう、みんなのことを こうして確かに、好きになりたいと思えるのだもの。」 答え合わせは、その時に。 夢の続きは、その目で見れば良い。 指きりをしましょう、ブラキウム。 そう言って、イクリールは変わらず微笑んだ。 (-374) 2021/05/30(Sun) 15:04:25 |
【墓】 甘夢 イクリール>>82 夕方の屋上 レヴァティ 「あら……ごめんなさい、レヴァティ。 無理に起こしてしまったかしら。うなされていたものだから」 未だ微睡みの中にはあるけれど、 確かに自身の声を認識していた彼に、声の主は僅かに瞠目した。 いつかの朝食の席では、『見えないもの』を 『見えないもの』として、扱っていたように見えたから。 「それからもうひとつ、ごめんなさいね。用はないの ただ……こんなところで寝ていたら、 風邪をひいてしまうと思って。」 既に、陽はとっぷりと暮れている。 まだ冬は遠いけれど、秋風はやっぱり冷たくて。 或いは既に手遅れなのだろうが。 (+68) 2021/05/30(Sun) 15:10:35 |
【秘】 目明き ブラキウム → 甘夢 イクリール「……その言い方はずるくない? 僕は君みたいに何でも受け入れららえる訳じゃないんだよ。 期待には応えられるように努力するけど……僕みたいな人間には気を付ける事だね」 暖簾に腕押しなのは確実だがせめてものな抵抗を見せた。 根拠がなく信じられたり、理由がないと嫌いになれなかったり人間の感情は一枚の仮面では納まらないほど複雑だ。 「あぁ同感だね。 それじゃあお言葉に甘えて頑張ってみますよっと」 冗談めかす。 それからあなたの指とブラキウムの指を絡ませて指切り。 仮面の灯が柔らかく揺れたから応えるように微笑んで。 「ね、イクリール。 僕も君のこと好きになれたよ」 だから、また今度。 ギムナジウムで会いましょう。 (-384) 2021/05/30(Sun) 15:43:09 |
【秘】 甘夢 イクリール → 目明き ブラキウム「そうね、今まではそうだったかもしれないわ。 でも、ブラキウムは変われたのだもの。 きっともう、大丈夫よ。」 やっぱり抵抗しても手応えらしい手応えは無い。 そんな事は今に始まった事ではない。 あなたにはもう、イクリールはそういうものだとわかったはずだ。 「わたしのことを好きになってくれて ありがとう、大好きなブラキウム。」 ブラキウムの言葉に心の底からにっこりと笑って、 絡めた指は、やはりあたたかかった。 (-388) 2021/05/30(Sun) 16:35:47 |
【墓】 甘夢 イクリール>>85 夕方の屋上 レヴァティ 「とさつごっこ?」 ただ何となくそこに居て、 ただ何となく、夕暮れの空を眺めていたイクリールは 唐突なレヴァティの言葉をなぞり、首を傾げた。 「………うぅん…むずかしい話はあまり、得意ではないけれど… 殺してしまった子は…悪気はなかったのかもしれないわ。 殺してしまったのは、どうしてかしら。 ただ間違えてしまっただけではないのかしら。 それとも、その子のことを嫌いだったの? 嫌いなら、どうして嫌いだと思ったのかしら」 イクリールにしては珍しく、うんと悩み 少しずつ、訥々と言葉を返していった。 「それもわからないのに、許すとか、許さないとか そんなことを決めてはいけないわ。 他のみんなは違うかもしれないけれど、 わたしはそう思うのよ。」 悩み考えるイクリールは、レヴァティの様子には気付かない。 (+70) 2021/05/30(Sun) 16:46:54 |
【墓】 甘夢 イクリール>>88 夕方の屋上 レヴァティ 「……そうかしら。 ううん、レヴァティがそういうなら、きっとそうなのね。」 その声色は、自分に言い聞かせるようなものではなく ただ純粋に、そう納得しただけのようで。 それから、慌てた様子のレヴァティに目を瞬かせた。 「…ねえ、レヴァティ。 たとえ悪気がなくとも、よくないことはよくないことよ。 殺してしまったことも、『なかったこと』にはできないわ。 それはきっと、たしかなことよ。 それでも、それがよくないことだと、正しいやりかたを 知らなかったことが悪いことなんて」 そんなの、あんまりよ。 きっと、誰も教えてくれなかっただけなのに。 「一度許されないことをしてしまったひとは、 いつまでもずっと、 許されないままでなければならないのかしら」 昏くなりつつある空は遠く、暮れる夕陽を眺めてぽつりと零す。 その手帳はきっと、レヴァティにとって大切なものなのだろう。 ただそれだけの事だ。イクリールはそう結論付けた。 (+71) 2021/05/30(Sun) 17:30:25 |
【墓】 甘夢 イクリール>>98 >>99 夕方の屋上 レヴァティ 「……そう。レヴァティがそう言うなら、そうするわ。 ごきげんよう、レヴァティ。どうか元気でね。」 立ち去る背中を追う事は無い。 寂しくなった屋上に、びゅうと一つ、冷たい風が吹いた。 「…わたしにだって、ゆるせないことはきっとあるわ。 まだ知らないか、それがとっても少ないだけで。 だれにだって、ゆるせないこと、ゆるしたいことがあって きっと、それだけでいいのにね。」 一人ぼっちのイクリールは、寂しげに微笑んだ。 この世界は、どうにも上手く行かない事ばかりだ。 きっと、誰が悪いわけでもないのに。 (+72) 2021/05/30(Sun) 19:43:11 |
【独】 甘夢 イクリール消灯時間の少し前、寮の自室。 変わらず机へ向かって、両親へ宛てた手紙を綴る。 ブラキウムとの些細な『喧嘩』で、大騒ぎになってしまった事は 手紙に書く事は無かったけれど。 恐らくは、大人達によって両親へと伝えられているのだろう。 「……次は…ああ、そうだったわ。 もう、聞いてはいけないのだものね。」 大人達から、もう深く生徒の事を詮索してはいけないと そう言われていた事を思い出した。 それでもイクリールのする事は変わらない。 大人達から聞く事ができないなら、本人の口から聞くだけだ。 『こうなって』しまう少し前、ブラキウムにそうしたように。 (-420) 2021/05/30(Sun) 19:49:46 |
イクリールは、レヴァティを見送った。たとえそれが届かずとも (c125) 2021/05/30(Sun) 19:54:03 |
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