【独】 甘言 イクリールルヴァを先頭に、それぞれが思い思いに森を探検する。 森の入り口、森の浅部、それより少し先。 そんな『みんな』に付き従って、行ける場所。 その中の、小さなイクリールにも見える範囲を探して回る。 けれどやっぱり、真っ白なハンカチは影も形もない。 屋上でメレフに話したように、 それそのものは特別大したものではなかった。 無ければならない訳ではない、換えだって幾らでも利く。 ただ、母親がイクリールの為にと選んでくれた それだけの 青い薔薇の刺繍が入った、白いレースのハンカチ。 イクリールは、大人の事が好きだ。 イクリールは、両親の事が好きだ。 イクリールの所持品は、身に着けているものは、 その多くは、大人や両親が選んで与えたものだ。 だから大事にしたいのだ。 (-316) 2021/05/28(Fri) 2:43:51 |
【独】 甘言 イクリール『せんせい』達も、物は大事にしなさいと言うものだから。 人に貰ったものであれば尚の事。 『みんなと仲良くしなさいね』なんて決まり文句をいつまでも、 愚直に守り続けているイクリールが、それを破る筈も無く。 それでも、見付からないものをいつまでも探し続けるほど イクリールは分別のない子どもではなかった。 『みんな』がそれぞれの探検を終え、疎らに解散し始めた後。 イクリールは寂しげに微笑んで、 森の木々、或いはその先にあるものを見つめていた。 (-319) 2021/05/28(Fri) 2:53:16 |
イクリールは、カストルの様子を見て目を瞬かせた。 (a176) 2021/05/28(Fri) 2:56:22 |
【人】 甘言 イクリール「あら……わたしのために探してくれるの? うれしいわ、カストル。でも無理はしないでね。」 漏れ聞こえた会話に、にっこりと笑顔を浮かべた。 痛い、と悲鳴が聞こえたけれど、カストルは大丈夫だろうか。 イクリールは、カストルと直接話した事はあまり無い。 だから、ポルクスの事をあまりよく知らない。 (229) 2021/05/28(Fri) 3:25:15 |
イクリールは、ルヴァの様子を見て、困ったように微笑んだ。 (a178) 2021/05/28(Fri) 3:26:22 |
【人】 甘言 イクリール「シェルタン。 喧嘩では……ないと思うのだけれど。そうね… ルヴァ、少し疲れてしまったみたい。」 シェルタンさえよければ、気にかけてあげて。 ルヴァの去って行った方を見て、そう言った イクリールは、その背を追おうとはしない。 (231) 2021/05/28(Fri) 3:33:50 |
イクリールは、カストルに手招きした。それが見える範囲に居るのであれば。 (a181) 2021/05/28(Fri) 4:12:10 |
イクリールは、シェルタンの草笛に耳を傾けている。 (a184) 2021/05/28(Fri) 4:43:57 |
【人】 甘言 イクリール>>244 とカストル 「………そう。カストルがそう思うなら、そうなのね」 イクリールは、その考えを否定しない。 二人の閉じた世界に分け入ろうともしない。 それでも、ただその傍らに在る事を許されるのであれば 理由無く去って行く事は無いだろう。 「でも、大丈夫よ。あまり落ち込みすぎないで。 だって、けっして悪気はなかったのでしょう? なら、ちゃんと話せばルヴァだって きっとわかってくれるはずよ。」 ただ、お話をするべきときが、今ではないだけ。 イクリールはいつも通りに微笑んで、 いつも小等部の子にそうするように、優しく言って聞かせた。 (245) 2021/05/28(Fri) 8:20:49 |
イクリールは、カストルを宥めようとしている。それが正しいかは別として。 (a189) 2021/05/28(Fri) 8:22:24 |
【人】 甘言 イクリール>>246 とカストル 「あら、ごめんなさい。名前を教えていなかったのね イクリールよ。よろしくね、カストル ポルクス。」 イクリールには、『もう一人』の姿は見えていない。 少なくとも、今はまだ。 それでも、二人を二人として扱って、笑い掛けて見せた。 「…ええ、わかったわ。 わたし、まだ二人のことをよく知らないの。 だから、カストルとポルクスさえよかったら。 またいつか、二人のことを教えてちょうだいね。」 そんなふうにいわないでくれ。 イクリールには、カストルがそう言う理由はわからなかった。 本当の所なんて、初めから 二人にしかわからない事なのかもしれない。それでも 少しでも知りたいと思ったのだ。 (247) 2021/05/28(Fri) 9:04:22 |
甘言 イクリールは、メモを貼った。 (a191) 2021/05/28(Fri) 9:14:39 |
【秘】 盲目 ブラキウム → 甘言 イクリールあなたと同じように耳元に変わらない調子の声が入り込んでくる。 あなたの表情は見えない。 見ることができない。 それは最初からずっと変わらない。 ブラキウムの視る世界にはフィルターがかかっている。 全ての人間の顔はぐちゃぐちゃの落書きのような仮面にしか見えない。 あなたの優しい笑顔も覗き込む瞳も無機質なハリボテと変わらなかった。 だからブラキウムにとって、言葉と行動の重みは常人よりも大切だった。 「無償の好意は虚構だよ。 人間には何かしら必ず打算がある。 自分で意識していなくても、奥底に眠っている。 僕は君に言わせたい言葉なんて無い。 何を、期待しているんだ」 (-344) 2021/05/28(Fri) 12:33:15 |
【秘】 盲目 ブラキウム → 甘言 イクリールいつまでたっても二人の体は動かない。 次の瞬間にでも命が奪われるかもしれないと言うのに、まだ抵抗しようとしないあなたを抑え込んでいる。 もはや意味を為していない行動だととう自覚はある。 ブラキウムは常日頃から嫌っている無駄であるはずなのに、どうしてか止めない。 逃げられるから? ー違う。逃げるならとっくに逃げている。 抱き締められているから? ー違う。僕だって簡単に逃げられる。 それじゃあ、どうして? ーわからない。 今はただ、問答を続ける。 「あはは!君は人を嫌うのには理由が必要なのかい? わからない、教えて、知りたい……ねぇ。 僕も君のことがわからないよ。 君がどこまで僕のことを知っているのか。 君の好きが何なのか。 逃げないことも、好こうとすることも。 ……名前だって知らないのに」 こんな女になってしまうかもしれない自分が怖かった。 見ないまま、知らないままの方がきっと。 わかりあう必要なんてない。 僕は上に立つ側だ。 一方的でいいじゃないか。 お父様がそうしていたように、僕がおとなになればいい。 なのにどうして。 ブラキウムの口は止まらない。 (-346) 2021/05/28(Fri) 12:44:03 |
【秘】 甘言 イクリール → 御曹司 ブラキウム「 言わせたい言葉なんて無い? それは違うわ、ブラキウム。あなたの言うことは正しいもの 誰かを理由もなしに好きになることなんてないように、 誰かを理由もなしに嫌いになることだってないはずよ」 ────それとも、気付いていないだけ? イクリールは、 何も平等に 無関心に 好意をばら撒いているわけではない。確かにこのギムナジウムに通う『みんな』の事は好きだ。 そこに嘘偽りや謀、況してや個の軽視などあるわけもない。 それは、このギムナジウムの事が好きだからだ。 そして、このギムナジウムに通う『みんな』の事を ちゃんと知って、それからもっと好きになりたいと思っている。 同じ人間として、対等に向き合いたいと思っている。 それが許されるのであれば。 「 ブラキウムは、わたしにどうしてほしいの? 」 (-378) 2021/05/28(Fri) 16:54:12 |
【秘】 甘言 イクリール → 御曹司 ブラキウムブラキウムと同様に、イクリールも大きく動こうとはしない。 未だブラキウムによって抑え込まれているから?それは違う。 形ばかりの拘束は、きっとイクリールにだって振り解ける。 それでも自ら望んでそうはせず、 もう一度、ブラキウムを優しく抱き竦めて、肩口に頬を寄せる。 今はまだ、そしてきっと、これからも 狭く柔らかで、丸みを帯びたブラキウムのそれに。 「ねえ、ブラキウム。 嫌いになるのだって、ちゃんと理由があった方がいいわ。 自分の気持ちを言葉で説明できないのは、気持ちが悪いでしょう?」 夕暮れ時の、今ここだけは、二人きりの世界。 どこか日々の営みからは隔絶されたようなこの場所で、 どこか時の止まってしまったような錯覚さえ覚えるこの場所で 二人はただ、何処までも無為な時間を過ごしている。 「小等部の、イクリールよ。 どうか覚えていて、ブラキウム。 だってわたし、あなたと仲良くなりたいの。 わたしがあなたをちゃんと好きになるために、 あなたがわたしをちゃんと嫌いになるために。 これからお互いのことを知っていきましょう?」 これは打算に入るのかしら。 そんなどうでもいいことを呟いて、イクリールは一人笑った。 何の含みも、拗れ絡まり合った感情も無く。 (-380) 2021/05/28(Fri) 16:57:17 |
【独】 甘言 イクリール父さま、母さま。 このごろのギムナジウムには、少し心配なこともあるけれど 心配に思うってことは、それだけみんなの事が好きってことよ。 それって、悪いことじゃないと思うわ。 それにね、シェルタンやスピカ、シトゥラにメレフ─── ハンカチの事は、少し書くのを躊躇って、やめた。 消灯時間の少し前、寮の自室。 机へ向かって、両親へ宛てた手紙を綴る。 イクリールの、細やかな習慣だ。 一日一通、日記を綴るように手紙を書いて それらを一週間の終わりに『せんせい』に預ける。 そうすれば、手紙を両親へと届けてくれる。 大人達と、そう約束したのだ。 (-381) 2021/05/28(Fri) 17:28:12 |
【独】 甘言 イクリール「……次は、誰の話を聞こうかしら。」 ギムナジウムでの生活は、毎日が彩りに満ちている。 少なくとも、イクリールにとっては。 だから両親への手紙に書く事は尽きないけれど、 それはそれとしてやっぱり知りたい事も尽きはしない。 あまり話した事が無い、或いは話す機会を作り難い そんな生徒の顔と名前を心の中で挙げ連ねて行く。 シトゥラの事も気掛かりだ。 一人での食事が難しいのは、事情があるのだと言っていた。 シェルタンの事だってそう。 この頃の生徒達は、何処か神経質になっている。 生徒が『居なく』なるのは、今に始まった話ではないのに。 「────ううん、でも、そうね。 次に聞くのは、カストルとポルクスの事がいいわ。」 シトゥラはきっと、尋ねれば答えてくれるはず。 また明日と約束だってしたのだから、話す機会はあるだろう。 シェルタンは、無理に問い質すよりも 今は休む事を優先させてあげたい。 そんな根拠の無い信頼と、無責任な思慮。 残酷なまでの子どもらしさ。 (-382) 2021/05/28(Fri) 17:31:00 |
イクリールは、夕暮れ時に差し掛かる頃にはもう、森の中には居ない。 (a196) 2021/05/28(Fri) 18:46:33 |
【置】 甘言 イクリール薄暮の頃、一人医務室へ向かうイクリールの姿があった。 廊下を歩く姿も、その表情も至っていつも通りで、 目立って不調があるようには到底見えなかった。 誰の目にも。 (L57) 2021/05/28(Fri) 19:29:20 公開: 2021/05/28(Fri) 19:50:00 |
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