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守屋陽菜は、反省文を書いて居る。「柏倉ぁ、良い言い回し教えて!文字数誤魔化せるやつ!」 (a13) 2021/11/06(Sat) 23:11:41 |
守屋陽菜は、「そんなぁ!柏◯もん〜!」 (a19) 2021/11/06(Sat) 23:26:04 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「おー、食う食う」 適当に机を空けてしまおう。 放課後のティータイム……ならぬミルクタイム。 そっちの方が重要だ。 「────で、どうしてまた急に 誰かに影響されたんか?」 口ぶりからして、全部受け売りらしく。 自分がどう見られるのか頓着しない君にしては、 気にしてるような素振りを。 相手は誰かはわからんが、良い方向だと思うよ。 (-10) 2021/11/06(Sat) 23:34:19 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「……自分を大事にしろ、か いいじゃん? その人はちゃんと、朝日を見てくれてるわけだ」 こぽり。 牛乳が注がれて、白が溜まっていく。 「そう、偶には自分に我儘に 好きにすればいいんだ 案外、それを受け入れてくれるもんだよ 私だって応援しようとも」 切り口を破れば、ようやくご対面。 一口。 口の中を、甘い香りが満たす。 続いて紙コップを傾ける。 「────他にも、やりたい事があれば試してみるといい 一人で出来るもの、誰かとやりたいもの 思いつかなければ、誰かに倣うのもいいだろうさ ……私みたいな、物好きのお節介は結構居るんだぞ?」 白い髭を生やしながら、物好きのお節介さんは微笑む。 (-21) 2021/11/07(Sun) 0:27:06 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「私かい?……そうだなぁ」 カステラをまた頬張って。 一口一口がでかい。 「まず君が言った、美味いもんを飲み食いすること これは、本当にいい……腹が満たされるからね それに睡眠だってそうだ」 あとは、というと。 「……私個人でのやっている事だと こうして……落ち着いて、誰かの話を聞く事だよ 好きなんだよ、人と触れ合うの 声が聞こえると、安心するからね」 (-37) 2021/11/07(Sun) 1:55:24 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「────……ふふ 私を相手にして、落ち着くと申すかぁ?」 絡み牛乳。 神出鬼没にして、“噂”にも耳聡い女は警戒の対象だろう。 事実、家族とも敢えて距離を置いて、寮に通っている。 家族仲は悪いわけではない。むしろ良い方だ。 それでも、秘しておきたいものはある。 居るかもしれない。 それだけで、気の休まらない空間が出来てしまう。 お互いの為に、距離を置いたのだ。 「……だとしたら、変わったやつだよ君は 本当に、君がいてくれてよかった」 目を閉じ、思い起こす。 この部室での出来事、思い出を。 アルバムなんて、大層なものは用意してはいないが。 焼き付いた記憶を大切そうに噛み締めて、また一口。 笑みが零れる。 (-48) 2021/11/07(Sun) 3:34:00 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 風雪 世良健人他に人が居なかったから、女は静かにしていて。 道具をとりに来た拍子に、あなたを見つけておぉと目を開く。 薬を薦められたことも、それを口にしたのも知っていた。 ただそれだけの事実。 どうしての理由も、どうしたの結果も知らない。 ……きっとそういうものだろう。 トントンと、音がしてもう一度。 振り返れば声がかけられて。それなのに煮え切らない態度。 どうしたのかと、唇を歪ませて。 「……うん」 余った間を埋めるように、小さく相槌を打つ。 静寂の中、これくらいでも届くだろう。 柔らかく笑って、次の言葉を待ち。 「わからないよ、…………だけど こんな私を、守屋陽菜を見つけてくれる人はいたみたいだ ……ひとまずはそれでいいかな、なんてね?」 どうやら、彼らには何者かではあるらしいと。 だったら無理に、なりたい自分を取り繕わなくてもいい。 そんな気付きを得たのだった。 (-55) 2021/11/07(Sun) 8:03:31 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 風雪 世良健人「そっか」 それだけ人の為になれる異能なのに、とは正直思う。 だけど人の数だけ悩みがあって、異能の数だけ悩みもある。 ただそれだけの話、なのだ。 この度の騒動で、ずっと見て居た事。 「世良がさ、言ってた社会の話 たった一人、個人の異能で助けられる範囲は知れてるって あれ、……きっと異能だけじゃないんだよなぁ この学園でだって、問題があった時 事前に動くやつ、直接対処するやつ、後処理に回るやつ みんなばらばらで、どれも必要なんだよ そんで、大人になったらその範囲は広がるんだ」 この社会で、独立して存在できる人間はいない。 不確かな少女はそう信じて居る。 「だから、助けは別に求めればいい 自分の手が及ばない範囲なら、手を取り合うのもいいんだ ……これは、私もつい最近知ったことだけど 世良には、一生物の近しい人がいるんだからさ ────……へへ、上のもんは大変だよねぇ?」 (-82) 2021/11/07(Sun) 23:23:06 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「……飽きるって」 棘を含んだような言葉に嘆息しつつ、ティッシュを受け取る。 心当たりがないから、多分そういうことじゃないんだろう。 先に手を拭いて……視線を感じて口周りを。 「あのなぁ、飽きるも何も知らないことばかり 異能のことだってそう ……第一、可愛い後輩を蔑ろには出来んよ あと半年もないんだから、最後まで可愛がってやるさ」 可愛がってやれてるのかはわからないけど。 何しろ、ついこの前に助けられたばかり。 一番醜い無様を晒しただろう。 ……おや?飽きられるとしたら、こちらなのでは? 少し不安になって、前髪の隙間を隠れて覗いた。 (-84) 2021/11/07(Sun) 23:45:30 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「うん、そのつもりさ いくら君が嫌だと言っても────」 覗く。見つける。見つけてしまう。 年相応の、いじらしい瞳を。 何に対して?それがわからぬ程、幼くはない。 それと、見ない振りを出来る程、老いてもない。 溜息。不快も不満もなく。 心地良い。視線にそんな感情を抱きながら。 ほんの少しだけ、大人になるのが早い私は口を開く。 「寂しく思ってくれるなら、頑張った甲斐があったもの ……ふふ、恵まれていたんだな私は 惜しまれるくらいの人間には、なれたみたいだ 出来ることなら、まだ続けたいと……そうは思うけど 朝日も、そう思ってくれるかな?」 無頓着な誰かな気持ちを代弁するつもりで、声に出す。 誰かに何かを伝えることの大切さ、難しさは学んできた。 もし、これがそのままなのだとしたら……とても嬉しい。 私と君は、通じ合えて居ると。 そう言ってもいいのだろうから。 (-89) 2021/11/08(Mon) 1:10:43 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親甘やかしているという自覚はない。 かといって厳しくしているとも違う。 城 二年の四月、君が私の放送室の扉を叩いてきた時。 前髪を目元まで下ろした姿が、自分と重なったから。 その時から、ずっと気にかけてしまっていた。 ……今となっては、心配の必要がないとは知っているが。 ふふんと、得意げに鼻を鳴らす。 「本心だよ、これでも せっかくだ、甘えておけ甘えておけ やりたいことは積極的にするべきだ 私に出来ること、だったらいくらでも協力しよう」 君には礼だってある。 努力は惜しまないさ。 わざわざ、私の為に言葉を繕ってくれる。しかも君が、だ。 嬉しくないはずがないだろう。 「 それで……どうして欲しい? 」どうしてくれるのかと問われたから。 どうしたらいいのかと乞おう。 大人になるとは狡いものだなと、唇が微笑んだ。 目を細めて、君を窺う。 (-91) 2021/11/08(Mon) 3:45:30 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 風雪 世良健人「おう、良かったなぁ……お互いに そう思えたんなら、きっと大丈夫 ……やっぱ、君なら心配はいらなかったようだ」 なりたい者も、そのための道を歩むことも、 全部わかっていたのだろうから。 躓いた先でも、誰かが引っ張ってくれることも知った。 そう、お互いに。 「────世良、正直さぁ 私、あんたのこと……あんた達のこと羨ましいと思ってた 双子で、一年生の頃から噂をよく聞いてて 一人抱えるような悩みはないんじゃないかって ……すっげー眩しかった」 「けど、そうじゃないんだよなぁ 世良も私も同じだ……なんか、安心したわ ……おかげで世良のこと、より好きになれた」 陽が傾いてきたからか、二人きりだったからか、 女は、これまでの抱えた感情を打ち明けた。 憧憬だったり、羨望だったり、そんな複雑な感情を。 そうして、遠くに見ていたから気付かなかったのだろう。 君も、一人の男の子だった。 「……頑張れよぉ 私も、あんたに負けないように頑張るからよ」 なんでもなかったように、送り出す。 気持ちを言葉にするのは難しいと、耳まで陽に染まった。 (-101) 2021/11/09(Tue) 3:46:22 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「飽きるまで傍に、かぁ…………────」 ようやく出てきた要望に、 なんだそんなものかと頷きかけて止まる。思考する。 「 ん? 」・・・・・・ えっと……つまり、そういうこと? ………… 本気か朝日!? そんなことはないと結論付けたがる頭が、煮立っていく。 簡単に、朱く、気持ちを露わにしていく。 「──………… へぁ 、ちょ 、ちょっと待って欲しい!……い、一度考え直して!?」 もっといい相手がいるだろうに! そんな、可愛くない主張を絞り出す。 動揺する頭に呼応するよう、少女はぼやけていく。 まるで頼れる先輩らしくない、ただの女の子。 (-102) 2021/11/09(Tue) 4:21:20 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「──逃げ、る、……つもりはないけどっ」 ないけども……。 触れる指に、近付く顔に、身が硬直してしまう。 逃げられる気もしない。 「 〜〜〜〜〜!!?? ま 、まって朝日!? 」心の準備がと悲鳴をあげるが、現実は無情である。 迫る君がちゃんと男の子だったから、きゅっと唇を噤む。 そうして、君を受け入れる。 「────── ん 、ぷ 」下手くそな呼吸が漏れる。 それが自分のものだと届くから、余計に恥ずかしくて……。 一番に近い君が直視できない、目を瞑ってしまう。 触れあった時間は一瞬だけだったかもしれない。 だけど、感じた時間はとても永くて。 離れてしまった瞬間から、口を押えて顔を逸らす。 触れるすべてが熱い。……視線が君の口元に注がれる。 「……………… ずるいぞ朝日 …… お前だけ 、隠してるの! 」不公平だと、子供の駄々を。 そっと、長く覆われた前髪へと手を伸ばす。 ……直視してしまった後のことは考えない。 (-105) 2021/11/09(Tue) 15:31:05 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親見つめた先で覗く舌、笑む口元。 味わうような素振りに……、今初めて君の異能を思い知った。 余裕すら感じるその仕草が悔しい。 前髪を分けても、表に浮かぶ目は柔らかく。 真直ぐに、私を見据えていて。 それがまた、私を縛る。そんな顔で見るなよ。 よそ見出来なくなるだろ……。 「────────」 眼鏡の奥、確かに透き通った瞳が。 君を見つめて、しばらく。 ────熱く固まった唇が、ようやく言葉を繕う。 「────………… じゃあ 、お願いします ……」 (-109) 2021/11/09(Tue) 20:48:54 |
【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 朝日元親「────…… おま え〜〜〜!? もう 、いいから ……」お前には照れはないのかと睨みつけるが、 険のない瞳は可愛いのもので。 並べられた言葉に、口元が、 弧を描いているのを感じてしまう。止められない。 ……せめてもの反抗として、目は逸らさないように。 「…………ほんとに、いいんだな……? 面倒臭い女だって自覚あるけど、 ……逃げたくなっても知らないから」 ぎゅと、重なった手を結び直す。 見つけてくれた、掴んでくれた手を、しっかりと握る。 そっちがそのつもりなら、いいってことだ。 「──── だから……私を、安心させて 」せめてもの仕返し。 今度はこちらから、唇を重ねる。 もうすぐチャイムが鳴る。放送の時間。 それも忘れてしまいそう。たまにはそれもいいだろうか。 (-117) 2021/11/10(Wed) 6:29:58 |
守屋陽菜は、確かな暖かさを知った。 (a40) 2021/11/10(Wed) 12:48:11 |
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