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【人】 3839 南波 靖史「………………???」 カメラを渡されると聞いてやってきたのに、 なぜか直前で取りやめられた。 皆の総意か、誰かの指示かは不明だが。 ただワクワクしていた所で寸止めされた気分である。 「?」 南波靖史はこの感情がわからない── (0) 2021/09/23(Thu) 21:48:29 |
南波 靖史は、俺えすもえむもどっちもできるよ。わかんないけど。と念を送った。 (a1) 2021/09/23(Thu) 21:51:19 |
【赤】 3839 南波 靖史──まだライトはついていない。 そして聖句もまだ聞こえてこない。 区切りの良い時間なのにこれと言う事は、 余程アレは“あの子”の言葉を気にしているのだろう。 ……遺憾だがそろそろ認めるべきか。 その“気にする”には私も含まれている。 「よくわかりましたね。ありました。 アレにとっての存在意義が下手すると丸ごと変わるお話を、とある方とされていまして。まあそれがアレにとって良い事かはわかりませんけども」 何より“私”が今出ようと思えた発言の意味を考えると、酷く珍しい事だが、貴方の会話に応えようと思った。 稀に一方的なツッコミを入れたくなって出た時は除くとして。 皮肉で言われているのは当然理解しているが、生憎別に気分を害すほどの心も持ち合わせていない。 正確には、他者と「会話」をしたのは何年振り?十数年振り? うろ覚えだが、まあそれのせいで別に刺々しさなど気にならなくなってるのもある。 「つまりは今、アレがそぞろな気分で空っぽだから“実は隠れていた私が見えてる”って感じですね。まあ、聞き耳を立てたくなる話だったので、私も前に寄ってたせいなんですけども。 ……アレに見つかりたくないんですよね」 (*0) 2021/09/23(Thu) 22:14:24 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 額への口づけを受け入れる。受け入れるというよりは、拒まないといった方が恐らく正しい。身じろぎ一つ、無かった。 「好きだよ。気持ちがいいことは」 どこか生真面目さすら醸す表情とは裏腹、あっさりと淫蕩を口にして。自身の制服の胸ポケットに指を差し込み、プラスチックを爪の先で摘まむ。 そうしながら反対の手で、指輪の嵌った指の股、自身のそれを絡ませて。金属を僅かに肌から浮かす。 「お前はどうなんだ、靖史。……快楽は」 近づいた青緑に漆黒を映り込ませる。好きか。囁くように問いを返した。 (-7) 2021/09/23(Thu) 22:48:26 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 3839 南波 靖史「僕はなんもしとらん。────あ?」 同じように返して、それでまた終わりのつもりだった。これが普段なら、口に出すまでいくらかの間があっただろう。 ──だが今この時は、即座に言葉が口から出ていた。 「 幸 せ っ て 何 ? 」「僕に僕の幸せを与えるっていう靖史の幸せ? 僕に君の幸せを与えるっていう靖史の幸せ?」 「どれにしろ僕の幸せの話でないよな。セックスして気持ちいのが幸せって言うんなら僕はとっくに幸せだったしここに居んくてこんなことになってないわ。いたいのはいやよって言ったよね焦らされるのもいやだ、要らない要らない」 「押し売りなら余所でやれよ、ばかみたい」 彼が喋り始めたところで、きっと手は止めていただろう。吐き捨てたその後には口から出るのは呼吸だけだったので、行為を続けようと思えば続けられたはずだ。 (-9) 2021/09/23(Thu) 23:04:05 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「ほんと?本当に?」 純粋に嬉しそうに、口付けを拒まれなかった事も、帰ってきた言葉にパッと顔を明るくする。何人か抱く事はあったけど、素直にそう言って貰えた事は──例え抱く前の仮初の言葉かもしれないとしても──随分と久しぶりに思えた。 「あのね。皆さ、抱いても気持ちいいのは別にっていうんだ」 指輪が外れかけてもそれを止めることはない。制限もない。 左手薬指のそれを着けている理由を、今はもう、今はまだ、覚えていないから 「俺は快楽って人間の原初の欲求かと思ってたから、どうして拒むんだろう?って思って── 俺?」 目を合わせる。自分とまるで違う色に目を瞬かせて、問いを考えるようにその色を覗く。 ──快楽が、好き? 「──……考えた事なかったや」 「快楽で『幸せ』になってくれればそれでいいから。 人間の為に、与える側。俺はそう言う存在だから」 「快楽とは、人間の為に存在しているでしょ? だから、本当にどっちでもいいんだよ」 「俺、好きな人が『幸せ』になってくれるならそれでいいから」 (-10) 2021/09/23(Thu) 23:18:48 |
【秘】 0251 鏡沼 創 → 3839 南波 靖史「だって、いたいと死んじゃうじゃん」 貴方の思考も知らず、口から出る言葉はいつものように大袈裟だ。 告げられた言葉に頷き、力を抜く。『トモダチ』がそう言うなら、きっと大丈夫だろう。少なくとも害は与えないはずだ。 頬に落とされる唇、軽く沈む身体、衣擦れの音。 いつもなら警戒するそれらをおとなしく受け取り、されるがままになっている。 「うん。痛くないなら、気持ちいいのなら、好き。きっと。 だから、はやく、やすふみ、 」―――この少年はまだ、過ぎた快楽というものを知らない。 初めて与えられる快楽に、それはそれはよく鳴いただろう。 泣き言も言っただろうが、貴方が手を止めれば高まった身体が苛むように疼いて、すぐに続きをせがむ事になる。 焦らすような前戯から始まって、待ちわびた刺激を与えられて果てるまで。 なので、まぁ。 終わった後にどこか恨むような拗ねたような視線を向けたり呼び方が変わったりしたかもしれないが、一時的なものだとすぐにわかっただろう。 なにせ通知が来た時、少年は真っ先に貴方の所へ来たのだから。 (-11) 2021/09/23(Thu) 23:21:00 |
【秘】 0251 鏡沼 創 → 3839 南波 靖史そんなこんなでカメラを渡されたカガミンがこちら。 バァン!と部屋の扉を開ける。確定部屋にいるロールだ。 「手伝ってくれるよねぇ、ふみちゃん?」 後ろ手に扉を閉めながら、カメラを見せる。全員に行き渡った通知とカメラ。それだけ見せたらわかるだろうと踏んでいる。 「……ぽっぷこーん持って来ればよかったかなぁ」 そして勢いで部屋に戻ってやっと、素面でやるのは初めてだな?と気付いた。 熱に浮かされるように受け入れ続けた貴方の段取りは、正直うろ覚えだ。あまり記憶を引っ張り出そうとすると与えられた刺激の方ばかりを思い出してしまうので、早々に諦めた。 (-13) 2021/09/23(Thu) 23:44:06 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「そんな言い方するって事は、悪い『とされている事』をできない故の暇潰しに聞こえるけど、何か変な感じ。罪状は俺と一緒だけど、別に潤くんが楽しそうに悪い事してるイメージ、浮かばないからさ」 「……あのさ。ずっと引っ掛かって考えてた。 潤くんが好きなのは、人が苦しんでる“姿”じゃなくて、苦しんでる“理由”?無限の可能性を信じているのは、」 「君が幸福になる可能性を見出すため?」 ここで『それなら自分が幸せにできる』と即答しないといけないのに。できるのに。できないなら、不要と同じなのに。自信と言う概念すら薄かったのに、気圧されているのか、……──。 「なんで?なんで人の幸せは俺の幸せにならないの? 人が幸せなのを見ていて喜ぶのは、そんなにおかしい?」 「今、潤が言ったじゃないか。『誰のもの?』って」 「──“幸せ”は、人間のものだろ?」 迷えるだけいいと、君は思うのだろうか。 でも俺は、正しい意味での迷子にはなれないんだよ潤くん。 それでも他に道なんてありはしないから。 自分の知ってる“幸せ”の与え方を、彼が本当は肯定する事が無いのを薄々感じつつも、教えられた通りの、実際に多くの人を幸せにできた通りのやり方の行為を、そのまま捧げた。 (-28) 2021/09/24(Fri) 10:42:52 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「────。」 「“お前は幸せじゃない”って言う事は、」 「潤くんは。潤くんも、幸せを何も感じなかったんだよね」 貴方に告げられた言葉を聞いて、激昂する訳でも泣く訳でもなく、ただ信じられないと。昨日までの常識は、何一つ消え失せてしまって。ただ思いつめた顔をしている。 「……。言い返せる事、いっぱいあったさ。君の話の中で」 「でもそれは。俺が。俺自身が、 君を“幸せにできなかった”時点で全部無意味になる」 「前提として俺はみんなを幸せにできないといけないのに、潤くんを幸せにできないなら──在り方自体、全て崩壊するから」 「今までの俺の言葉も、信じていたものも、全部、」 「──“誰か”の代替品だったんだね」 (-29) 2021/09/24(Fri) 10:47:28 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 9949 普川 尚久ピクリとその問いに反応した。 貴方が言う言葉を、その実半分も理解できていない。 『僕に僕の幸せを与えるっていう靖史の幸せ? 僕に君の幸せを与えるっていう靖史の幸せ?』 何が違うのか、何一つわからない。 ただ否定された事は理解した。問題は、 「──尚久くんが素直なら、」 「俺も素直に、『違うの?』ってとれたのに」 「君、嫌とか要らないとか言いつつ、実際の所そうじゃないんだもん。明確に痛いの、好きじゃん。嫌いな子はこうは反応しない」 押し売り。押し売り。 言葉の意味だけは知っている。意思がない物にそうさせる事なのは知っている。でも、仕方ないじゃないか。 「今、明確に嘘をついた上でそれを言われてもさ」 「それとも嘘吐いたつもり、なかった?無自覚?それじゃあ尚更になる。君が気付いてない良い事があるなら、教えないといけない」 「憎まれても誰かが知らせてあげないと、永遠に知らないままの方が不幸だよ。その役割をできる誰かがしないと」 無理やり口なり何なり塞いで“いつも通り”与えれば、きっとそれで“知る”から。まだ途中だから、こんな事言っているけれど、素直じゃないからなだけで、結局の所、快楽を得る事自体が幸せなのには変わらないのだから、受け入れられないならそうできるようにしないと。与え続けたら理解── してくれる、筈なんだけどな。 (-30) 2021/09/24(Fri) 11:14:20 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0251 鏡沼 創「……創くん?」 偶然、自室で本を読んでいた。 元々本を読む事は多い。一体どこで調達してるのか、ブックカバーが掛けられてる事が多いし、余り見せようともしなかったから、恐らく中身は見た事は無いだろうけども。 貴方の姿を見て、本を仕舞う。 先日、普通に身体を重ねただけなのに何故態度が変わったのか、実の所この男は全く理解できていない。カメラの姿も確認したけれど、やはり不思議そうな顔をした。 “どちらか”だけなら理解できたかもしれないが、どうしてそうなるのかが、そうなったのかが合わさると分からない。 「手伝うのは全然構わないけれど、」 「……前の、嫌じゃなかったの?創くん。 俺に対して妙に刺々しいと思ってたんだけど」 幸せ厨な南波だが、前回はそもそも異能を使っていない。だから当然、『ただの媚薬程度』では、そりゃあ『幸せ』とは思えないだろうと考えている。 だから素気無い態度でも仕方ないと思っていたし、今自分で良いのか?と言う顔もしている。 ──最も。最初から、いつかは『幸せ』を与えようとはしていたのだけれど。 (-31) 2021/09/24(Fri) 11:22:20 |
【人】 3839 南波 靖史>>4 素崎 「……世界に、母さんしかいない?」 その言葉に、何か引っかかりを感じた。喉に小骨でも詰まったような小さな違和感だけど。最近これに近い感覚を頻繁に覚える。 自分に両親はいない。 それは確固たる事実で、当然の事で、だからこそ皆のその問いの返答に何か心が落ち着かなくなるのが、酷く──酷く、何だろうこれは。 不安?焦燥感?或いは、まだ知らない感情? 物凄く大切な何かを、忘れている気がした。 「……一気飲みしたから酔ったかも。 なんか、気持ち悪くなって来た。ちょっと捨ててくる……」 率直に吐くと言えばいいのに。 別段飲みなれまくっている訳ではないから当然と言えば当然だ。だからきっと、感じた違和感も慣れない酒のせいに、違いない。 またね、と律儀にそんな返事だけして、ふらふら立ち去るだろう。 (5) 2021/09/24(Fri) 11:31:37 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史4日目。 貴方の部屋の戸を叩く。 その手にはハンディカメラを持って。 反応が無ければ、 ドアに背を預けて座り込み、貴方を待つだろう。 (-45) 2021/09/24(Fri) 15:37:24 |
【秘】 0251 鏡沼 創 → 3839 南波 靖史何を読んでいるのか、同室者になって日が浅い頃に聞いた事もあっただろうがどう答えても深くは詮索しなかっただろう。これは、そういう少年だ。 「あんまり好きじゃないけど。でも、やらないといけないじゃん。オレ怒られたくもないし、するならふみちゃんがいい。 ……痛く、しないよねぇ?」 念を押すようにそう口にする。 きっと痛い事はしないだろうし、一度知った快楽ならまだ前回のように訳が分からなくなる事もないだろうと。 真っ先にこの部屋に戻った自分の行動に尤もらしい理由をつけた。 素面ではあるが、媚薬もないのだから先日よりはまだ、マシだろうとも。 少なくとも、貴方の思考を知らない鏡沼は現段階でそう思っている。 だからいつものように、持ち慣れないカメラを持ったまま貴方に近づいて少し考え込み。 「……どうすればいいんだっけ」 服、脱げばいいのかな。そもそもカメラはどこに置こう? 大体の事柄は卒なくこなせるのだが、こういった事にはとても不慣れだった。 (-46) 2021/09/24(Fri) 15:51:13 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「……あれ、俺の方待ちかな。ごめんごめん、何か──」 あった?と尋ねようとして、カメラに気づく。 南波靖史は、施設側と通じている。 もう、半分以上の人間は知っていることだ。そのカメラを持っているのが最早その証明にもなるのは皮肉だが。 「……お手伝いの件?或いは、違うお話?どちらにしても、ここじゃ創くんが戻るかもだから他の場所に行こう。 お手伝いか、人に聞かれたくない話なら空き部屋にでも。二人きりが嫌なら、談話室かその近くの部屋に行こうか。……はい。立てる?」 座り込んでいた貴方に左手を差し伸べる。 掴むと少しこの男の薬指の指輪が当たって軽く痛むかもしれないが、それも僅かなものだろう。 (-47) 2021/09/24(Fri) 16:10:40 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 3839 南波 靖史 嫌いな子はこうは反応しない。事実として普川の身体は痛みによく反応するが、普川としては言いたいことが山ほどあった。きゅうと指を締め付ける自身の身体に、心の中で悪態をついて。大きく息を吸って、呪詛を吐き出す。 「嘘ってなんだよ…素直でないのはそうだけど、全部全部にでもない……好きなもの好きではないもの嫌いなもの必要なもの必要ではないもの不要なものその他色々っていくらでも組み合わせ発生するだろ……風邪薬は体治すのに必要だけど苦くて嫌いって言ってる人を見て「結局飲んでるから好きなんじゃん」ってなる? 猫アレルギーで体は猫を拒絶してるけど猫はかわいいから好きだって人に「結局近付きもしないから嫌いなんじゃん」ってなる? アレルギーの話もっこ言えるな、猫アレルギーで苦しくなるから猫が嫌いって人に猫を近づけて「体がいっぱい反応しているからそうは言うけどやっぱり好きなんだ」ってなる? 必要不要は好き嫌いの理由になるけど、どっちの理由にもなるしどっちの理由にもならん。幸不幸と好き嫌いもおんなじさ。場合分けっていくらでも存在するよ。全部あげ連ねるの多くて面倒……一項目あげるなら、「好きだから幸福」も「好きだけど幸福ではない」も「好きだけど不幸」も発生するよ。僕の体は快楽によく反応するけど僕はそれが好きなわけではなくて僕に必要なわけでもなくて、」 「だからえっちなことできもちいのは僕の幸せではない」 区切って言い切った言葉の理由を、 ちゃんと説明しきれているか、よく分からなくなっていた。 「体が好きだから心でも好きで、だから幸せって言えてたら、 僕はここに来ないで外で幸せだった」 ただ、それは事実だった。 (-49) 2021/09/24(Fri) 16:41:11 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史貴方の姿を認めれば ひとつ頷いて、カメラを見せつけた。 「嗚呼、手伝いは……いや、 先に場所を変えよう。 二人きりでも何でも良いけど 出来れば近い場所が良いな。」 昨日の出来事は、貴方の耳にも届いていると思うので あからさまに自らの腰へ手を添える。地味に痛いんです。 「…………、」 差し伸べられた手を取る。引くように力を込めて立ち上がる。 指輪が当たるくらいでは気にと留めない。 「有難う。」 それだけ告げて、 行き先を貴方へ委ねる。どこへ導かれても何も言わずに着いていくだろう。 (-52) 2021/09/24(Fri) 16:49:13 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史「そうか。……臆病な奴が多いんだろう。それにしても――」 胸ポケットから錠剤のシートを取り出す。 ぱき。既にふたつ、空いている。凹んだプラスチックの音。ぺき。催淫剤の類。 素直に、快楽は好きだ。けれども他人との触れ合いでまともに得られるかは、また別の話だった。 「『人間』ですらないような物言いをするんだな」 するりと片方、抜き去った指輪を放り投げる。 小さな輪っかは、滑らかな白いシーツの上へ音も無く着地した。 「考えてみろ。……お前が、怖がりでないなら」 告げると、少年の前髪を抑え、額へ口づけを落とした。 ……画角の外、ぱき、とまた音が鳴る。 (-58) 2021/09/24(Fri) 17:52:44 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0251 鏡沼 創「俺は幸せに繋がらない事はしないよ」 念を押されて、淡々とそう返した。 「……俺がいいの?どうして?一回やった事あるから? まあ、やった事ない相手とよりはやりやすいものなのかな。或いは俺の事を結構好きとか」 逆に言えば、同じくらい自分の事が嫌いだからこそ、という可能性もあるが。理解した上でそんな軽口を叩く。 「俺が攻めでいいの?まあカメラ置いておいてその前でする、って方法もダメではないけど受けは悪いかな。創くん、ご褒美狙ってるならカメラ貸して。服、脱いでるの撮ったげる」 平然とそんなことを言いながら手を差し出す。無論、脱ぐの範囲は下着も含まれている。全部脱がずとも膝まで下ろせばそれでいいよとは伝えるだろう。 (-59) 2021/09/24(Fri) 17:58:44 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「悪いことだと思っていないからな、言われてやったことだ。 ……命令をされるのは好きでは無かったがあくまで親族であることとそうしなければ食事にもありつけなかった。 被害者だとは思ってはいない。向こう側のリスクで得られる行為だった、それに特に犯罪出あることを教えられなかった、俺も悪いモノだと思わなかった、それだけだ。 ――かえってくるものはあったし、それがどのようなモノかは味わされたがな」 いやなモノではあるが、それを使うのも個人の自由だろう。 破滅したいモノがして何が悪いんだ。金も何もかも払っているのだから、これは犯罪だとはまだ、自分は思っていない。 「さあ、……他人の不幸の根源がどこにあるのかわかればとは思っているな? 追求すると厭そうな顔をする奴が多い、吐き出してしまえばいいものを」 そんな戯れ言を吐いて、この話はやめだと切り上げる。 その前に、お前から受け取らねばいけないことがあったから。 (-60) 2021/09/24(Fri) 18:03:26 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史あなたの幸せを、うけとる。 その不明瞭で確かな快楽は、誰のために捧げられた? 「だったら。」 「好きな人間からしか快楽を享受したくない、触られたくない。 お前すら見たくないと言われたら。 お前はその人間を幸福に出来るのか? する義理もない、そんな世界だ、ここは」 甘い声と、縋り付く熱に、焦がれ、蕩けた言葉。 お前の人生は、お前のためだろう。 俺を幸せにするためにじゃない、誰かを幸せにするためじゃない、そこからはじまるんだ。 (-61) 2021/09/24(Fri) 18:05:11 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「――…ああ、俺は、全く。しあわせ、じゃ、ない」 理性を飛ばすな、今だけは、舞台に上がるお前のために。 「“誰か”の代替品であるお前は。 確かに、靖史自身、だろう? 忘れるな。 お前は、お前だから、誰かの代わりに"も"なれるんだ」 「俺の上に乗って置いて、勝手に価値を下げるな。阿呆が」 体力が切れて、意識が落ちようとも、この目が開かなくても、言ってやる。 お前が何人にも言われてきて、何人にも言われ続ける言葉だ。 「俺の幸せは、俺が決める。 お前が、勝手に幸せを決めつけてくれるな。 ――お前もそう言い返せるようになれ」 否定できるようになれば、それはお前の幸福なんだろうよ。 (-62) 2021/09/24(Fri) 18:08:37 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「────。」 「"幸せ"は人間のものじゃない。個人のものだ。 誰しもが他人の不幸で笑って、他人の幸福を羨む。 それが同じになることなど奇跡に近い、他人の幸福が幸福だ? "それ"は、他人が幸福になっているのを見ていて嬉しい気になっているだけだ、高揚感、優越感だ、快楽、その他諸々だ。 "それ"は、お前自身の幸福だとは限らない。他にも存在するだろう、お前だけが得られるものが。 そうでなければ――他人と触れあわなければ一生幸せでは無いと言われている。 そんな世界があってたまるものか」 「――帰っていいか。俺の幸福はここにはない、少なくとも本を読んでいる時間の方が有意義だ」 (-63) 2021/09/24(Fri) 18:10:32 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 9949 普川 尚久「んー……」 「アレルギー?聞いた事あるけど、ううん」 捲し立てられる言葉に必死に噛み砕こうと唸っている。意識がそぞろだ。 「ひとつ思ったけど」 「それ、そもそも尚久くんって、エッチで気持ちいいことが最初から嫌いだったんじゃなくて、」 「『最初に嫌なことがあった』から、素直に気持ちいいことが嫌いになったんじゃないの?」 もしこの状況でなかったなら、おそらく蹴り飛ばされでも何でもして逃げ出されていただろう。最も、物理的な拘束じゃなく異能による別の意味での高速もある以上は難しいだろうが。 「人間が快楽を拒むのは、快楽アレルギーは、原初には存在しない。多くの場合は宗教など後から植え付けられた思想の影響か──トラウマになった場合だ」 「その例えだと、『好きじゃない理由』を俺は気にしてしまうよ。どうしても。『心で好きになれない理由』を、俺は聞きたいよ、尚久くん」 「俺にとってそれは、本来幸せな事を、享受できなくさせられたみたいに聞こえるから」 (-64) 2021/09/24(Fri) 18:13:39 |
【秘】 0251 鏡沼 創 → 3839 南波 靖史鏡沼創は、幸せがよくわからない。 「した事があって、痛くないのも痛くしないのも知ってるから。 ……わかんない。でも、嫌いじゃないよ。だってトモダチじゃん」 他人への好意はよくわからない。自分はそれを求めているのに。それでも、貴方を嫌っていない事だけはわかる。 鏡沼創は、トモダチとそれ以外で人間を選り分ける。 鏡沼創は世間で親と分類される二名を認識しなくなって久しい。 「ご褒美は今さらって感じだけどぉ……そういうのも、需要あるのぉ?」 常識は欠けていてもある程度の羞恥心はある。しかしだからと脱がされるのも嫌だったのか、何とも言えない顔で貴方にカメラを渡して服を脱ぎ始める。 ボタンを外して、ベルトを抜き取り、ズボンを脱いで。 下穿きに手をかけるところでやや躊躇するように手が止まる。 「……膝まででもって、言うけどさぁ。それはそれで恥ずかしい気がするのは、気のせい?」 小さく唸った後、するりと足を抜き去って。脱ぎ散らかしていた服ごとまとめて押しやり、ぽすんとベッドに腰を沈めた。 落ち着かなさげにしながら、貴方へと視線を向けている。 (-69) 2021/09/24(Fri) 20:20:11 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「……その話?」 腰を痛そうにするのを見て苦笑した。 引き上げて、談話室のそばの適当な部屋を見繕って入る。位置的に叫びでもすれば誰かは気付いてはくれるだろう場所だ。 扉や鍵の施錠の有無は相手に任せ、自分はさっさと2つのベットの片方に座る。ここも元は誰かの相部屋だろう。健全に使われるのを感謝してほしいとばかりに腰掛けた。 「それで、なにか話でもあったかい」 (-71) 2021/09/24(Fri) 20:53:38 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 3839 南波 靖史「一から十までいわないと分からないんか? 思ってたよりも頭かたいな南波さん」 喋り倒して多少発散されたのか、いくらか激情は冷めた。極力動かないように、意識して呼吸をする。 退屈を感じさせない程度の、最大限の間をもって、それから話し出した。 「好きじゃないのってイコールで嫌いじゃないの」 「 白が特別好きだからって、黒が嫌いなわけじゃないでしょ。 朝が好きだから夜が嫌い? 昼はどう? 夕方と夜の間は? 数字の一から十の全部に対して好き嫌いってはっきりある? 強いて言うならどちらかで考えることはあるけど、 好きでも嫌いでもないものなんていくらでもあるわ。 0と1で全部全部が説明つく世界なら犯罪者は老若男女軽重問わず全員死刑だ。 そんな世界でないから僕らはここに居てこんなことを話してるね 」ふふ、皮肉げに笑った。 (-76) 2021/09/24(Fri) 23:29:37 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 3839 南波 靖史「そも、いやと嫌いですら一緒じゃないよ僕は。はぁ……。 …言わんて説明付けられんし、この際だから言いますけど」 「 僕は最初の時にいやなことは別に、なかったよ。 気持ちいくはなかったけどね、最初の時は。 きもちいのの最初の時は、他の人間がいないとこでやりました。 気持ちいいの自体はいやでないです。好き嫌いはどちらでもない。 気持ちいいからでさらすことになる、いつもと違う自分が恥ずかしくって、 それが発生するから気持ちいいのがいやだって言います。 いやだけど欲しい時はあるよ、気持ちいくなりたくないわけでないんだ。 性欲は、ある程度はあるつもりです 」「 暴力に対して反応が大きい身体だと思います。 暴力は単純に痛いのが苦痛だからいやです。 痛みは、快楽と違って嫌いだと思います。でもやっぱり、欲しい時はあります。 それは心の奥底では好きだからではなく、 何もない時よりは満たされている気分になるからです。 嫌いでいやなものでも、何もないよりは形のはっきりしたものだから、 何もないのに耐えきれない時は欲しくなる。常に欲しいわけではないです 」「…………あと言えてないことある?」 これだけ落ち着いているように振る舞っても昂ったままの自身の身体に、ほとほと嫌気がさした。人がいなければ全然構わないのに。 (-77) 2021/09/24(Fri) 23:31:09 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「彰人くんは快楽を拒むのは臆病って感じるんだねぇ。 俺は臆病とまではいかないけど、素直じゃないと思ってたけど、どうにも違うのかなって思ってた。 久しぶりに近い意見の人を見かけた気がするや。仲間だねぇ」 聞き慣れた音を聞いて、シートに視線を移す。 知らないとは言わない。そもそもこの男の罪状は実際はこの男が仕組んだ事では無いとは言え──薬物取締法だ。さすがに知識がゼロではない。 「そう。俺、『人間』じゃないんだ。 “君達を幸せにしに来た”──って言うと、信じてくれる?」 別段何の抵抗も見せていなかったし、何の感慨もなかったのに。指輪が取られて放り投げた時、意識しない「あ」と言う僅かな声が漏れた。その声自身に、本人も動揺したように目を瞬かせた。 ──今、何で俺、凄く嫌だって思ったんだろう。 ▼ (-81) 2021/09/25(Sat) 0:36:14 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「──彰人くんは?」 「彰人くんは、相手が快楽を感じてるのを見る方が好き? それなら俺も好きっていう。ないよりある方がいいし。でも、」 「彰人くんが、相手が快楽を感じてない姿を見るのが。 それが好きって言うなら、快楽はいらないや」 「それが俺の嘘偽りない答えだよ」 だって俺、攻めしかやったことないもん。 快楽、得る事できるもん。薬より強いものが。 自分にも、相手にも。 自由意志で、薬剤なんかよりも遥かに高精度の物を。 でも、目の前の錠剤が見えてるからそれはまだ伏せておいた。ちょっとだけ彼がどんな出方をするのかが気になったから。 俺“が”相手にアプローチすることは数えきれないほど行ったけど、俺“に”アプローチしてこられるのは初めてだから、少しだけ興味がわいてしまった。 (-82) 2021/09/25(Sat) 0:37:12 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史「……抱くのなら、その相手は感じている方が良いだろう」 思考を巡らし、答えを探る間があって。 教科書があったとするならば、例題と解答に載っているのだろう、判で押したような正答。 レンズ越しの監視の目、それがあるうちは――意識するうちは、黒塚は多くにとってのただしさを選び取る。 好きでも、嫌いでもなく。 そうしてふと、「お前、選べるのか」と漸くの疑問を浮かべた。 己のように服薬をしているのだろうか。 それにしては嫌に断定的な物言いをする。もっと明確に、自在に操れるかのような―― ……さて、これの異能は何だったかと、記憶の底を浚う。 その程度の関心で、侮りとも言えた。▼ (-87) 2021/09/25(Sat) 1:56:17 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 一度は離した手を、再び左手へと伸ばす。 嵌められた輪の無くなった、心臓に最も近いとされるその一本を摘み。軽く持ち上げる。 ……左胸からこの末端まで、血が巡る身体をしていながら。 人間ではないと称するのなら――これは、何なのだろう。 そんなふうに、興味の片鱗を掴んで。 僅か、口の端がゆるりと吊り上がっている。笑っていた。 (-88) 2021/09/25(Sat) 2:01:15 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「はは、模範回答だね。 別に合意の上なら、相手が痛がってるのに興奮する性癖でも俺は構わないと思うんだけどねえ。それは流石に犯罪でも何でもない個性でしょ」 薬指に触れる感覚がこそばゆい。落ち着きはしないけれど、まだ右手薬指にも同じものはある。だからなのか、この朧気な不安も相手の熱で中和される。何より、貴方の表情で意識が逸れる。飛ぶ、に近いかもしれない。 「──ふふ。彰人くんが笑ってるの、初めて見た」 人間でないと自称するのに、確かに血は巡り胎動している。少なくとも身体は人間と同じ物にしか見えないだろう。構成要素も何もかも。その何ら人間と変わらない、『証』がまだある方の手で笑うあなたの頬に手を添える。指で唇をなぞって、開かないのかとばかりにトン、と叩いた。 「……ねえ、感じてる方がいいんだよね。ならはやく」 「お薬もあるんでしょ?俺が快楽嫌いなら、全部自分でそれ飲んだの?或いは無理やり俺に飲ませたのかな。ねえ彰人くん」 「好きにしてみせて。今まで他の子にしてきたように」 あなたが飲むのか、飲まされるのか。 どちらでも構わないとばかりに、貴方が薬を含もうとするのを待って確認してから、頭を引き寄せて口付けを交わそうとするだろう。口内は、別に閉ざしていない。侵入を拒む要素は何一つない。 (-92) 2021/09/25(Sat) 2:37:19 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史貴方に先導してもらい、空き部屋に立ち入り 扉を閉めて、しかと鍵を掛ける。 貴方の居るベッド──隣へ腰を下ろしざま 自分用に先日支給されたハンディカメラを貴方へ放り投げた。 受け取らなければベッドか地面に音を立てて落ちるだろう。 続けて電子端末を取り出し、見せつける。 自分の持っている端末は、別のカメラの映像や、過去のアーカイブも見えるようになっている事を貴方も知っているだろう。 「───W見たW。 お前がこの企画のバランス調節してたんだな。 心労、察する。」 ひとつ、大きく頷いて 本心からの言葉をかける。 「……で、本題。 盤面を誰よりも注意深く見ていただろう、お前に聞きたい。 今は テコ入れが入るギリギリ だろうか。」勿論、所感で良い。 分からないならば、返事はそれでも良い、と付け足して。 その真意は、 貴方との約束を、わがままを、手伝いを、 どうしたものか迷っている──とでも言わんばかりだ。 (-95) 2021/09/25(Sat) 2:51:09 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0251 鏡沼 創「そうだね。トモダチは好きだし、トモダチ『だからこそ』してあげたくなる事、この世には沢山あるもんね」 会話が噛み合っているようで、噛み合っていない事に気付けるのは、果たしているのだろうか。もしいるとすれば、ただ一人、終演の日を待ちわびている誰かさんくらいか。 「でも貰えないよりは貰えたほうが良くない?あるある。勢い良く脱ぐよりはね、恥じらいに興奮するらしいよ、人って。俺も最近知ったばかりの事だけど」 つまりは需要はちゃんとあるよとのフォローだ。カメラを手渡された以上は、片手に嵌めてストリップショーの光景をしっかり映している。 「半脱ぎの方が興奮する人もいるんだって。足開き辛くなるから、俺としては脱いでくれたほうがらくだけどね。特に今回、これ撮りながらやるんでしょ?……まあ、見所ありそうなとこは見える位置に設置すればいいか」 そう言ってから一度鏡沼の姿が映る位置にそれを置いて、自分も上のボタンを外しはだけ出す。ベルトを脱ぎながら、それは何の予兆もなく起こる。 何も服用していない筈なのに、あの日に近い──けれど、それだけではない、高揚と感度が、ゆっくりとダイアルでも回すように徐々に上げられていっている事に、身体の異様な変化に気付くだろうか。 最も、勘が良すぎて逃げ出そうとするなら、すぐに両足を掴んで馬乗りになるだろうが。 (-96) 2021/09/25(Sat) 3:00:35 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 ――犯罪でも何でもない個性。 それに、黒塚は返答を寄越さなかった。 黒塚は所謂、虞犯少年だ。近しいものが犯罪に走り、その影響を受け、 ▼自身もまた罪を犯す――そんな可能性を危惧された存在。 故に、ただしく在らねばならなかった。 黒塚が『ただしくない』個性を持ったとして。それは殆ど、罪にも等しい。 (-98) 2021/09/25(Sat) 3:22:25 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 ぴり。薄いアルミを破り、口に含んだのは一錠。 それから、引き寄せられるがままに任せる。 その頃には、いつもの仏頂面が再び貼りついていた。 目は瞑らない。漆黒は隠されない。色の違う前髪が、高さの異なる鼻先が触れ合う、 そうして―――― 、、、、、、、 ふたつは、重ならなかった。 ▼ (-99) 2021/09/25(Sat) 3:28:04 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 少年が感じたのは、柔らかい弾力を押し返す、かさついた感触だけだろう。 人差し指と中指、その指先。 薄くひらいた隙間を更にこじ開け、咥内へと差し込まれる。 「……飲めるな?」 ぬるり。舌の上、錠剤を一つ、滑らせる。数度、刷り込むように擦りつけた。 (-100) 2021/09/25(Sat) 3:29:07 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「……ん、ッ、……、……」 ──成程。わざわざ薬を飲むだけある。 ここに来て、特殊性癖を見るのはそう珍しくなかった。何の性癖かは知らないが、キスを拒んで指を突っ込んで飲まそうとしてくるとは。 (その方が下手な性癖より残酷だろうにねぇ) 傷付きはしない。ただ不満ではあった。 誘い方はうまいのに、その辺りで現実に戻される。無論この素っ気なさを好む人間もいるだろうが、少なくとも自分はそれを受け入れるよりは──いや、すぐに来るだろう。 それよりも、だ。 「飲めるな?」と問われればそれを拒んだ場合どうするのか。もう模範囚ですと言った態度を取ろうとしているのは明白で。ならば、ここで抵抗すれば何をするのか。面白い実験じゃないか。 「……ふ、……」 息を吐いて舌でその指を止めてみる。 さて、無理やり指を押しこむのが一番早いだろうが、指だけでそれを無理やり抵抗する相手にさせると咽させてやり直しになる可能性も高い。じゃあ飲ませないまま行うか? こんな状況なのに生意気にも、どこか好機と期待と挑発に満ちた目で、貴方の動きをつぶさに観察している。 (-102) 2021/09/25(Sat) 3:51:09 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 9949 普川 尚久「靖 史」 そこだけは断固譲れないらしい。軽口なのか好感度の低下か、何にしてもこの状況ですらそれだけは譲らないらしい確固たる意志を感じる。 「固くない、はずだけど。 ──壱か零しかない場所でずっと生きて来た。 いきなりその間が存在すると言われて『はいそうなんですね』と即受け入れられない奴は全員頭が固い扱いは手厳しいな。 世界が象に支えられてたと思ってた時代の人に丸いのを解く時も同じ事言う?……まあ、狭い世界だったのは確かだよ。“一般的には”極端になりやすい思考らしい事は、認める」 貴方の先程よりは落ち着いた言葉と、解説に、耳を傾ける。 目隠しをされているあなたには見えない事を良い事に、時には怪訝な顔をして、時には信じられない顔をして、時には理解できない顔を隠しもしなかった。 律儀に此方の問いを返してくれた事に対して、思わない所がない訳ではない。このような思考があるのを聞いたのも、実は院では初めてではない。けれど、 「……理解しようとは、考えてる。でも、正直俺がずっと外で聞いていた事と違いすぎて、すぐに頷けない。そう言う風に常に教わって来ていたから、尚久くんみたいなタイプに会ったのは、院が本当に初めてなんだよ。別に嘘付きとはもう思ってないけれど──」 何より、何よりだ。 「……素直に言ってくれたから、俺も正直に言うね。まだ始めたばかりだ。今なんて快楽のほんの僅か、最初の扉を見せただけで、与えれば少し意識が変わるのではって思う思考が俺の中に無いとは言い切れない。それくらい根深いし、それくらい、行為の痕に意見を変えた人を見て来た。…………」 「ただ、尚久くんの主張は踏まえた上で、続けたい。その上でやっぱり嫌だったら嫌だし幸せでもなかったって言ってくれた方が、俺もまだ、納得できるから。……駄目かな」 (-104) 2021/09/25(Sat) 4:13:08 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「っ、と、」 投げられたカメラを反射的に受け止めた。苦笑しながら座るベッドの上にそれを置く。 「ああ、うん。元々向いてると思ってたし、実際そうだったと思うからさ。人間だと良心の呵責とか、逆に適当すぎてみんな揃って怒られるとかしそうかなーって」 褒められた、と言うよりは労りか。その言葉に謙遜ではない本音を零しながら、片手をひらひら振る。 「で、なるほど本題ね。正直言うと今もギリギリだよ。ダメすぎる、とまではいかないが面子の気質かな、これは。個人間は多いけど、もっと拗れるなり複数人なり、みたいな刺激のあるものも特にないからね。ないなら必然的に数が求められる」 「ただ、……暁くんにこれを言うのは皮肉かもだけど、リョウちゃんとのアレは受けがよかった。だから、別に暁くんが無理に俺としなくても他の面子が好き勝手やってる程度で、後は終わると思う」 最も、あくまで俺の得た情報の上での推論だ。100%はない。気まぐれだからね。と付け加えた。 「……望みの答えを返せたかな?俺は」 (-105) 2021/09/25(Sat) 4:59:52 |
【人】 3839 南波 靖史 (11) 2021/09/25(Sat) 5:19:56 |
【秘】 0251 鏡沼 創 → 3839 南波 靖史「まぁね。早く外に出れるなら、出たいし。 えぇ……趣味悪ぅい……」 そういう趣味の悪い人々の元にこの映像も届くのだとすぐに思い出して、またちょっと嫌そうな顔もした。 鏡沼は恥じらいで興奮する性格でもない。薬が入っていない今日はまだ主張する箇所もなく、足でそれとなく隠しながら貴方の準備を待つ。 「―――?」 不意に、ふるりと身体を震わせた。 衣擦れの音に混じってどくんどくんと鼓動の音が聞こえてくる。視界に映る肌色が増えると共に体温が上がっている気が、する。背筋をなにかが走るような感覚を、覚えた。 ―――まるで、先日薬にあてられた時のような。 思い当たった瞬間、先日穿たれたはらの奥がずくんと疼いた。先程まで反応していなかった箇所が熱を帯び始める。 「っ、なん、で、」 これはきっと、ダメなやつだ。何も口にしていないはずなのにどうして? 無意識に丸めていたつま先を床につける。離れなくてはいけないともやが掛かり始めた頭の隅で声が聞こえる。 しかし、混乱が優っているのか動きは緩慢だ。押さえつけるのは容易だろう。 (-110) 2021/09/25(Sat) 5:29:06 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史「………まるでお前は人間じゃないみたいだ。 ともあれ、うん。 じゃあ、一先ず有難うだな。助かってるよ、南波。」 WそうだったWと過去形なのは何故だろう。 のらりくらりと何事も流していく貴方のことが、いまいち読めない。首を傾けながら、今度は正しく褒め言葉を吐いた。 続けて語られる品評。 断定をしてこない物言いに、堂々と語る様に、自分の見る目が間違っていなかったと言える。 「望み通りだ。信じる。 疑うつもりも無かったけどな。 ………だからこそ、続けて聞かせてくれ。」 貴方の方へ、近付く。 この部屋のカメラの位置を確認するように天井付近をぐるりと見渡す。それから、 「望みの報酬を得ようとするならば、足りないか?」 正直言うとギリギリ。 それでは自分たちを釣るご褒美は、約束されないのではないか? 不安。恐れ。 貴方はこれらを、取り除いてくれるだろうか。 (-115) 2021/09/25(Sat) 6:15:20 |
【秘】 9949 普川 尚久 → 3839 南波 靖史「……ああ、すまんな靖史」 名字さん以外で人を呼ぶ事は、どうにも慣れない。頭の中での呼称を変えていても、毎回自分の中で訂正する事になる程度には。 「んー、そこは僕はその時代の人にもおんなじこと言うな。 でも靖史はそこの人らよりはやわくはありそ……」 話をしてくれてる。急がない呼吸が出来る。 「いいよ。数字全部を大した理由なく 好き嫌いのふたつで割る奴でなかったら。 今僕が言ったことすぐに靖史のものにしなくても」 常識が、すぐに覆るわけもないのだ。自分も大概頑固者である。誰かから何かを聞いた上で変わらない事なんて、いくらでもあった。 「ヤるんは、もう好きにしてな。 言うこととか、変わらないからさ」 そのいくらでもある内のひとつを投げて。目隠しの下で瞼を閉じた。 (-122) 2021/09/25(Sat) 13:07:16 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「……また親だ」 「結局みんな何だかんだ理由をつけつつも、好きになって欲しかったのかな。両親がいないから何もわからない。でも殆どの子がそれを理由にするから浮くのかな。……親が居たらもう少し、俺も変わったのかな」 少年犯罪に両親の存在が関わっていない方が類まれな筈だ。にもかかわらず、それをいまいち納得、もとい理解していなさそうな顔をしている。 只管その単語が出て来る度に、その彼らの親に対する重さがそのまま自分の不理解の重さになるようで複雑だった。 さて、この複雑の感情が『親が居ない』からに由来するかは実は別なのだが、いずれにせよ今の南波は認識していない。 「不幸の根源」 「俺、他人の事は幾らでもそう思うけど、自分の事は不幸って思った事が『一度も』ないからそれは楽しませてあげられなさそうだ。ごめんね」 そんな異常な言葉を、貴方が会話を切り上げる間際、伝えた。 ▼ (-159) 2021/09/25(Sat) 21:32:03 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「────……」 最中、比較的喋りながら行為を行える方だが。 この時、殆ど南波から何か返答が返ってくる事はなかった。 単純だ。“返さなかった”のではなく “返せなかった”。 だから貴方が淡々と、薄々そう来ると感じていた返答を投げて来た後に、その答えが緩やかに返されていく。『幸せか』を聞くために行為を行ったのだ。他の事に気を取られる訳にもいかなかった。 「……わからない。その子に相手がいて幸せなら、別、かも。 対象指定の詳細な定義が行われていない為、不明です。定義付ける場合は、本来の──。 ただ義理の有無は問題じゃない。俺はその相手が『みんな』とされているから、それを叶えられないなら、……」 例えば『好きな人間相手以外は』なんて問い、小学生ですら本来『みんなを幸せにしたい』なんて言い出した時点でそれらに気付くものだ。 なのにこの男はその可能性を“考えた事が無い”。 正確にはそんな存在を見た事が、これまた“一度も”なかった。その時点で環境が異常、あるいは本人の性質が人間離れしているのか。両方か。察するのは容易いだろう。 ▼ (-160) 2021/09/25(Sat) 21:35:11 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「俺は、…… 俺は、靖史、自身?」 そして、おかしな所で引っ掛かりを覚える。貴方の言葉の重要な箇所はそこではない。しかしながら“この前提”がそもそも異なっているのなら、 「なあ潤くん」 「──俺、“『南波靖史』自体”じゃないよ」 価値を下げたつもりが無い。嘘偽りのない真実だ。 貴方の言う事は『南波靖史』自身であれば励ましになったのだろうが、逆に言えば、この男が『南波靖史自身ではない』場合は、どうなるか。 ▼ (-161) 2021/09/25(Sat) 21:36:43 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「誰かの代わりに“も”、どころか。 “俺は俺しか存在しない” “役目の為に生まれた”」 「なのに役目を果たせられないから最も嫌う代替え品なのかと思って、それすら成れないと言う事で、結局そして俺は『みんなをしあわせをする』を遂行できない。何かの代用品、に……?」 先程から思考がループしている。 否定しても否定しかできない。『せいぎのみかたになれる』と諭された、なれると言われ続けていた少年が夢破れた、みたいなものに一見見えるかもしれないが、それはあくまで人間だった場合の話で。 「 個“人”ですらないんだよ 」 ──声が震える。 数刻前の時と違う震え。 貴方の言葉を“もう一人”は本当は聞いているけれど。聞いて、目を閉じているし貴方の言葉はそちらに届いているけれど。 今、この瞬間に貴方の目の前で貴方に言葉を返す『南波靖史』には届いていない。 貴方の言葉は、 “前提として人間に宛てられている”言葉だ。 それを “人間じゃない物”が受け取れるはずがない。 「潤くん、『この布を切るためにだけに作られたハサミが、切れない』って知った時、どう思う?舌打ちするだけだろ?不良品を掴んだって思うだけだろ? わざわざ『切れなく作られたハサミが可哀そうに。大事にしてあげよう』なんて、一体どこの誰が思うんだ?そんなのさ、」 「──“捨てて終わり”、だろ」 「ハサミは幸福を望むように作られていない。あるとすれば、役目を果たせた時だ。少なくとも俺は、そう感じる」 (-162) 2021/09/25(Sat) 21:44:31 |
南波 靖史は、ニュースを見ている輪には混じらずとも聞いていた。 (a19) 2021/09/25(Sat) 22:57:46 |
南波 靖史は、『同じだ』 (a20) 2021/09/25(Sat) 22:58:19 |
南波 靖史は、同じなのに違う。 (a21) 2021/09/25(Sat) 22:59:43 |
南波 靖史は、『それって何処が違う?』と『気付いた』 (a22) 2021/09/25(Sat) 23:01:14 |
南波 靖史は、ただ、左手薬指の指輪を握り締めている。 (a23) 2021/09/25(Sat) 23:01:53 |
南波 靖史は、『これ、誰との指輪だっけ』と、思い出しかけた。 (a24) 2021/09/25(Sat) 23:03:27 |
【赤】 3839 南波 靖史「────。」 思い出しかけたのを、止めようかと一瞬迷い。 でも、干渉を止めた。 時間の問題なのも薄々気付いていたし、 何より、終演を迎えるには停滞をさせてはいけない。 見届けなければいけない。 その使命感か、情か、或いは──か。理由がなんだとしても。 最期まで思い出さないで新しい物を見つけてくれれば。 思い出すならせめて、 くだらないと言わなくて、 愉快だと笑い飛ばせるくらい、 楽しいものであったと── そんな評価してくれる人がいれば。 或いは、共感してくれる人がいれば。 「もしもこの場所で思い出すなら、 そんな人が相手の時だといいんですけどね。 ──そうでしょう、▓▓▓▓」 (*1) 2021/09/25(Sat) 23:20:30 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 それは、男にとって予想外の抵抗だった。 ぴたりと動きを止め、小生意気な瞳を見下ろし押し黙る。 男の口内、少年に含ませたのと同じ薬が、舌の上でじわじわと溶けはじめている。 「――……」 口を噤んだまま、指を動かす。 押し込む動きとは真逆、錠剤を取り残したまま一度引き抜いて。 上顎を擦り、舌を摘まみ。形の良い口の中を犯すように、甘やかに掻きまわす。 ――『飲めるよな?』 繰り返しの問いかけを視線に乗せる。 瞳には、苛立ちと愉悦が僅かずつ、かすかに滲んでいるのだろう。 (-169) 2021/09/25(Sat) 23:57:32 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「よくわかったな。 その通り。別に俺は人間じゃない」 余りにその発言はシレっと。冗談と取るのが普通だと言うほどの羽根のような軽さで発せられる。元々の雰囲気も相まって、だろうが。 「ん〜。俺も勿論善意だけじゃないよ。需要と供給の一致で手を組んだ。裏切者って言われても別段間違ってないかもしれないのに、律儀だね」 傍に寄ってくるのを見て、そちらに首を傾ける。 別段カメラに視線を向ける事はない。あえて見せて安心させる事で、実に巧妙に隠しているカメラもどこかにあるだろうから、声はまだしも映像はどう足掻いても見られるだろうと開き直っている。 「ギリギリとは言ったが、もうテコ入れは来ないと思うよ。 安定自体はしている訳だしね」 顎に手を当てながら、顔を上げる。 こうして考える動作だけしていれば大人びているのに、実際に口を開くと変に常識が無い上に、基本的に話下手だ。正確には感情の共感能力の低さ故に、無意識にな言い方をすることが多い。 「損切するなら長く続きすぎている。テコ入れレベルなら、無策状態だともうとっくに打ち切られているから、何も来ていないと言う事は安全だろう。褒美がなしと言えば、俺たちが何を仕出かすかもわからないから、そこも保証されていいんじゃないか。ただ、」 「暁くんの望みの報酬が得られるかは、内容次第だろうね」 そう返すしかない。その先が聞きたいのなら、そこを答えてもらうしかない。それを貴方は察せるだろうし、此方もそう思ってるから特に続きを尋ねたり催促したりもしない。 (-176) 2021/09/26(Sun) 2:43:49 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史「そうか、人間じゃないのか。 アンドロイドか何かか? 飯は普通に食って大丈夫なのか? 」そうして此方は真剣だ。 異能が発展している今日、否定するばかりでは何も得られない。ただ冗談が通じないとも言う。 「裏切っては無いだろ。 そう言われたいなら、そう言うが。」 律儀だろうか。首を傾げる。 手を組んでいたとして、貴方だけが特別贔屓されている訳でもなく見えるし、特に此方が害されている訳でも無い。 罪悪感をどうにかしたいと言うならば、考える、と付け足して。 続く貴方の分析は、ひとつひとつ頷きながら聞く。 下手に言葉を増やされるよりは、端的に情報を語られる方が聞き取りやすい。 「そうだよな、有難う。……、」 揺れる視線。 貴方に求める報酬を明かす気は無いらしく、たっぷりと思案。 (頼まない) → (-181) 2021/09/26(Sun) 3:44:37 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史「……また、相談しに来ても良いか? お前から聞ける意見は、きっと貴重なものだ。」 今は、決断することを辞めた。 思うところが多い為、時間を有すると判断して。 どちらかと言うと今は 貴方がどう人間ではないのか 、とそちらに意識が向いている。 腕、足、それから頭部なんかに視線をやって どうなんだ?と言わんばかりだ。 (-182) 2021/09/26(Sun) 3:49:08 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 1117 闇谷 暁「体や内臓は人間だねぇ。ご飯も美味しいよ。 むしろと取らないと普通に死ぬね」 「リョウちゃんのニュース見た?或いは話して聞いた事ある? 俺は大して話した事ないから知らないけど、多分一番近いのはあんな感じ。“本来の中の人と違う”ってやつ」 別段、必死に隠している訳でもないので、貴方の性格に絆されたと言うよりは、そのまま聞かれた事に応えている感覚に近い。 何よりどう見ても、どこも人間だ。視線を受けてへらりと手や足を軽く動かしたけれど、最初に言った通り、体は人間なので何一つ変わりはしない。 「ただ俺は別に“新しく用意”はしてないけど」 ニュースの内容を思い出しながらそう言った。 無意識に、左手の薬指の指輪を抑えてはいるが、あのニュースを時と違って少なくとも表向きの動揺は見えない。 「てっきり、 “念のため抱かれておきたい” ──って言われると思ったけど」 「いいよ。別に相談だけでもいつでも。 暁くんがそう決めたならそれで。俺は尽くす側なので」 (-183) 2021/09/26(Sun) 3:59:10 |
【秘】 1117 闇谷 暁 → 3839 南波 靖史弟分の話題に、微妙な顔をする。 知っているし調べてもいるからこそ、彼を思って表情を曇らせた。 それが貴方に伝わるかは分からないが。 「中の人と違う………人間じゃない…… え、じゃあお前、中身 宇宙人 とか?」露骨に貴方をきょろきょろ見る。 目の前の『謎』に興味が俄然沸いたらしい。 ──ふ、と、左手の指にも視線が向いた。 「……大事な人が居るのか。」 先程手を取ったくらいでは気付かなかったが その指輪の位置には確かな意味がある。当然のように、そう言い放った。 「……正直、報酬の確証がない以上はそう言いたいんだが 大事な人を苦しめたくないからな。 わがままばかりで手間を掛ける、南波。」 穏やかに笑う。 貴方と話しているというのに、今自分の思考を占めているのは貴方ではない。 (-185) 2021/09/26(Sun) 4:41:20 |
【神】 3839 南波 靖史「そもそも泣き顔見れるわけじゃなくてカメラ渡されるだけだから、潤ちゃんが受け取っても相手をガン攻めしてる撮影してきそう〜」 シレッと会話に交じる。 「前回俺モテモテだったのに高志くん今いないし、もしかして誰もいれない?むー」 (G6) 2021/09/26(Sun) 17:52:51 |
【神】 3839 南波 靖史「かと言って突然俺に全部飛んでくるのも想像外だな。 なんかもう彰人くんにしとかない?」 別に自分に飛んでこようが気にしないが、それはそれとして突然矛先を向ける男だ。 (G12) 2021/09/26(Sun) 21:50:27 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「……大人共に呼ばれているんだ、30秒で返すぞ」 ため息をついた。たとえ話としては理解が出来る。 道具扱いをされていたのか、何なのか。 価値観の定義も暮らしで訪れた価値観も違う。 だから、言える、だから押しつけられる。 限りなくエゴイズムを、お前にたたき付ける。 それが人間である証だ。 たとえ、お前が人でないとして。 言うことはきっと同じなのだが。 「はさみを作った人間は、そのはさみが使われることを願った。捨てるためにつくったわけじゃない。 もし捨てるためにつくられたのであれば、――そのはさみは使われることを願ってもいい。それが淘汰されるかどうかなど、他人次第だ。モノがきめるもんじゃない」 「幸福を押しつける前に。 その"はさみ"は使って欲しいなら、声を上げろ。"口が付いてる"はさみなんだから、馬鹿かお前は……汚いモノでも好む者はいるさ、この場に居なくともな。せいぜい60になってから、決めつけろ」 それではご機嫌よう。そういって背を向ければあなたの元から彼は去った。希望を持たせる残酷な言葉で。根拠もない幸福を論じて。 (-242) 2021/09/27(Mon) 0:32:45 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 8435 黒塚 彰人「ンぐっ、……っ……」 自分よりも体格の良い男の太い指。それで上顎を擦られる度に息苦しさから声が溢れ、舌を指で嬲られる度に、吐息混じりの言葉を封じられた音が漏れる。 でも、まだ。 まだ、やだ。してくれないなら、 甘く飲ませてくれないなら、 ほら、早く破りなよ。『ただしい子』を。 面倒だと喉奥に突っ込めばいい。 飲まないお前が悪いと無理やりすればいい。 できないのかな、模範囚さん。 それほどまでに、 早くここを出たい何かがあるのかい? 貴方の視線に目を細めて、抵抗の意思を緩めない視線を交わす。苛立ちか、愉悦か、その瞳に映る感情がどちらかだけなら、今くらい花を持たせてやろうとも思ったが。 そんな目をされたら、自分で飲む気なんて消え失せた。意地でも君に判断させる為に。……あは、錠剤。結構溶けて頭回ってるのかも。でもそれは相手も同じだろうから、その選択を心待ちにする昂りは、薬のせいにしていいかな。 (-272) 2021/09/27(Mon) 2:51:29 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 形を崩した錠剤を飲み込んで、舌を打つ。指に力が籠る。 自然、舌をぐ、と下顎に押し付け……不意に脱力し、引き抜く。銀糸が指先と唇を繋ぎ、ぷつんと切れた。 かくんと手首を曲げ、胸の高さ、中途半端な位置に置く。唾液を纏い、てらてらと光る指が緩く伸ばされている。そうして、溜息。 「……飲みたくないのなら、始めからそう言え」 呆れたような素振りで嗜める。 そうではないことを薄々分かっていながら、見当外れを口にした。 (-283) 2021/09/27(Mon) 4:21:11 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「──そうやって。 また、空想上の『誰か』に押し付けて、 勝手に良い事を言った風にして、美談にするんだ」 「ほんと人間、面白いよね。 やってる事の本当に意味に気付いてないんだもん。 それで生きろって言ってるつもり?」 「──とどめさしてきた奴が、そう言うんだよなぁ」 曇っていた気持ちが、どこか晴れやかな気がする。 守護者を名乗り続けて、死の宣告をされることは想定外ではあったけれど。思ったよりは、何も変わらなかった。 相手が去るのを見送ってから、踵を返す。 もうここには何もない。 (-290) 2021/09/27(Mon) 12:48:28 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤数日後。 適当にその辺を歩いてるのを見つければ捕まえて、 淡々と律儀に宣言だけしにやってくる。 「あー、今日の襲撃、潤くんになったから」 (-291) 2021/09/27(Mon) 12:50:19 |
【神】 3839 南波 靖史睨まれまではいかないが、見られてしまった。 へらっと手を振り返している。 「面白いから彰人くんと対決でも俺は全然構わないけどね? ま、別に全部俺に入って来たら〜撮影と小道具役に徹して適当な誰か撮ろうかな」 物騒な事を呟いた。 (G16) 2021/09/27(Mon) 12:56:28 |
【赤】 3839 南波 靖史「……アレの言葉を借りるなら」 「『人格』とは、人に存在するものでしょう」 「ならば多重人格でも何でもない。 私は、 本当の『南波靖史』は最初から私しかいない。 「──アレは、 貴方達がずっと『南波靖史』と認識し続け、この舞台上で話し続け、人を『幸せ』にしようとし続けていたあの存在は、」 「名付けいわく本名は、」 ネウロパストゥム・パトロヌス 「neuropastum patronus」 (操り人形の守護者) 「──自我が芽生えた、私の『異能そのもの』です」 だから、多重人格と言うのはおかしい。 経緯を知らない人間なら、最早それは『寄生』にも聞こえるような話。ただ、この『本人』はただ諦観しか見せていないが。 (*3) 2021/09/27(Mon) 13:46:41 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「……俺が?」 想像をあまりしていなかった、少なくとも舞台にあがろうとしていたもののつもりだったから。所詮は淘汰される演者の役を突きつけられていただけなのかもしれないが。 「そうか、……そうなるのか。 お前たちとしばらくいたかったんだが。――都合が悪く、お前たちの話も聞けずじまいだったしな、それで?」 一度目を伏せて、そのままま片目はあなたの瞳を捉えようとする。 「どうやって、連れて行くんだ今回は」 (-306) 2021/09/27(Mon) 15:25:37 |
【赤】 3839 南波 靖史「へぇ。珍しい事を言いますね。非なるとは散々言われましたが、 “似てる”が入っているのは初めてです。どう言う事ですか?」 気だるげな顔から少しだけ疲れが消える。 少し前に期待して、また落胆する羽目になったから止めようと思ったのだが。これは期待とは少し違う、同類の可能性への興味だからいいだろう。 「別に“お前”でいいですよ。気付かれたくないって言いましたし。 下手に名前をつけると、アレにバレると困ります。 ……アレの中では私、もう消えた事になってるので。 思い出すと暴走しかねませんから。私の事大好きすぎるので、あの子」 最後の最後、気を抜いたせいか、 今までの声色と違って少し苦笑に近いものが零れた。 (*5) 2021/09/27(Mon) 18:36:41 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「俺は人の思考は知らないからわかんないね」 嘘。 少なくとも、相方と相談はしていた。 適当でも、指示を受けた訳でもない。 この男は納得しない限り、選ばない。意外にも意固地だから。 「別に?潤くん、元々俺たち側だったし。 特別なにか思い知らせてやるー。とかそう言うのもないでしょ。 だから俺、伝えに来ただけ。後でビデオカメラ持たされるだろうから、頑張ってね。ってさ」 それじゃ、と。何時もより早口でそう伝えて、何か呼び止めなり制止がないなら立ち去ろうとするだろう。 (-329) 2021/09/27(Mon) 19:10:10 |
【赤】 3839 南波 靖史「成程。私の場合は、一時期は半共存のような形でしたが。 そちらはそもそも“別個体”として存在は出来るんですね。 それ、アレが知ると喜ぶから教えてあげるとどうですか? 最も私が見ていない際に、そう言う会話は出ていたかもしれませんが。あくまで私は“本元”ですし、近いのはアレの方でしょうから」 別段、今の『南波靖史』をしている異能は、自分が人ない事を隠してはいない。話に流れがあれば、容易に話していた。 それでもまさか“自分と同じ異能そのもの”が居たとは想像だにしていなかっただろうから、知ると喜ぶのはそうだろう。 ▼ (*8) 2021/09/27(Mon) 19:56:36 |
【赤】 3839 南波 靖史「そうですか」 貴方の気にする先を、視線の先を薄ら確認する。 この状況で、全てを正直に話す気がない──そもそも不可能な事も勘付いている。 本当に貴方の言う相手が『父親』なのか、違う存在なのか。気にはなったが確かめられる状況ではないけれど、どちらにしてもその声色だけで少しだけ慰められた気分になった。 ……自身の異能に対しての罪悪感は、0ではないから。 「中身や記憶が同一なのかは、気になるし本当はお話したかったのですが。……もうあまり時間もないでしょうし、それは“全部終わった”後に。気が向いたらアレに話してあげて下さい」 この演劇が終演を迎えた時、ここまで監視も盗聴も厳重じゃない──個人の会話同士くらい、誰にも聞かれない時間が生まれる。それは、この役職についてる自分だからこそ、知っていた。 ▼ (*9) 2021/09/27(Mon) 19:58:49 |
【赤】 3839 南波 靖史「──この現代社会における、」 「“ただしい好き”と言う感情を、持って生まれませんでした」 それを指す対象は、これを語る『本人』か『自我のある異能』か。或いは──『両方』なのか。そのどれかは、語らない。 「どう好いたんだ」の問いに、ただ。 「うまれつき他者の事を正しく愛せなかった」 と、付け加えた。曖昧な言葉のそれは、少なくとも『ただしさ』を重視する社会では、許される方向性の愛ではなかった事は理解できるだろう。 (*10) 2021/09/27(Mon) 20:02:51 |
【秘】 0043 榊 潤 → 3839 南波 靖史「……結局、その程度か」 誰に対しての言葉だったか。 あなたに対してにしては、少し空虚で。 自分のことにしては、他人事のような声色。 「……お前、あの異能は、はじめから使えたんだよな。 この、趣味が悪い企画が始まってから。 ……俺は使えるようにならなかった。 ……なぁ、俺の研いだものの方が必要とされていないと思わないか?」 本当に使われていないハサミはどこの誰だろうな。 「それではごきげんよう、いい写りは期待するな」 (-331) 2021/09/27(Mon) 20:24:59 |
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