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【秘】 小悪魔 ロキ → 寡黙 エミール腹部にある痣が光を放つ。 衣服の下に隠していてもはっきりとわかってしまう。 「……ハッタリじゃなかったってことね」 それ事実に深い絶望を覚えるでも、強い嘆きを感じるわけでもない。 もはやこの悪魔にとってはまた失敗したという敗者の証でしかない。 悪魔の心を揺さぶるのは、それよりも。 「なんだよ、そんな顔しちゃってさ。 申し訳ないとでも思ってるのかよ? 子供の頃にちょっと遊んでやったくらいだろ?」 苦々しくこちらを見るあなたの姿に、ついには道化の仮面を被り続けることもできなくなって。 「……わけわかんないよ。 どうしてお前がそんな顔するのかさ」 あなたと一緒だった時間は間違いなく良いものだった。 だからこそ、悪魔はそれを受け取るわけにはいかない。 苛立ちをぶつけるようにあなたをなじる。 (-72) 2024/02/14(Wed) 8:17:28 |
【秘】 寡黙 エミール → 小悪魔 ロキ「アンタは……」 しがみつくようにしていた手を緩めて距離を取った。 まだ肩に触れていた指先に少しだけ力を込めて、表情を歪ませて。 どうして。 あの少女だと思い出してすぐに、こんなことになってしまったのだろうか。 親友離れ、同世代の友もおらず。 心の空洞を埋めようともせず。 何にも執着しないようにしていた少年が、初めて知ったもの。 あの頃の感情は、紛れもなく人生で初めて抱いたものだった。 生まれて初めて、持たないようにしていた執着。恋心。 「アンタの痣をどうこうする気はなかった…………。 俺にとっては、……特別な人だったんだ」 こんなやりとりをしない場所で、もう一度会えればよかったのに。 「ちょっとでも、くらいでもなかった。 あの時ありがとうが言えなくて……忘れてしまってて、ごめん」 (-84) 2024/02/14(Wed) 20:20:32 |
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