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【人】 悪食 キエ>>51 >>52 ユピテル 「君って案外世間知らずじゃないよねェ。契約前に内容の開示を求めてきたの此処では君が初めてだよ。そして予め言っておくんだが以前伝えた通り君は“基準を満たしていない”から君の持ち物では対価にならない」 現時点でキエはユピテルをそう思っている。キエは賢者と取引をしない。彼らは キエの望む品を持ち得ないからだ 。そしてキエの好む人種というものは傍目に見ても非常に判り易い。 さらにキエは地中の奥深くに眠る謎を掘り起こす程飢えてもいない。 「 愁傷 、苦悩 、寂寥 、憎悪 、絶望 ………此の辺り?僕ァ食が細いから“後一滴で溢れる程に濃い感情”しか食べないよ」 キエは『悩み多き者』が『必死に隠そうと足掻く』『毎秒付き纏う希死念慮』の方が好みだ。 (56) 2021/10/23(Sat) 15:58:02 |
【人】 悪食 キエ>> ??? >>53 >>54 「 其れを早く言ってくれ!! 」とっくに忘れていた筈の歓喜がとうとう弾けた。 性を食い物にする事を辞めた時に諦めた筈のご馳走が、 食べられる筈が無いと思っていた初物が、今、今、目の前に在る! 「嗚呼勿論だとも! 眠らなくたって、眠れなくたって、此処でなら! 僕は君に素敵な夢を………夜の長さなんて忘れる程の夢を見せてあげる!!」 キエは感情の変化に乏しい。しかし其れは本来の在り方から外れてしまったが故の本能と気質の不和から来るものだ。 されどたった今初めてキエは本能と気質が合致するご馳走を見つけた。 勢い良く立ち上がると其の儘 ??? へ抱き着いた。椅子の倒れる音がしたし温度は感じないがそんな事はどうでもいい。…キエが何かを欲し手を伸ばすなど此れが初めてであった。 「さァ、目を閉じて。大丈夫だよ、夢は恐ろしいものではないから。きっと君も気に入るよ。全身全霊をかけて僕が誘ってあげる。怖くない。対価なんて求めない。だから安心して?」 胎の底が怒りではなく喜びで煮えている。其の熱気に触れるかどうかはナニカ次第。 普段の難解な言い回しは何処にも無い。獲物を眼前にした捕食者が無防備に ??? へ腕を回していた。 (58) 2021/10/23(Sat) 16:43:18 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「君にも兄さんが見える?」 着いてきた山羊に声をかけた。 ポルクスには兄が見えていた。 何年も会ってない兄の今の姿など知るはずもないのに、ひと目で大人になった兄だとわかった。 だって。 俺達は同じ魂を分け合った双子なのだから。 「兄も館に居たらしい。 兄が館で何をしていたのか、どうやって出ていったのか……この花びらが教えてくれたよ」 (-246) 2021/10/23(Sat) 16:56:24 |
【赤】 悪食 キエ「君に許されなくたって僕が僕を許すんだから其れで良いんだよ。人間は本当に身勝手だなァ…君達の都合に僕を付き合わせないでほしいね」 キエは胎の底から聞こえる声を聞き流していた。其れは自分が得意とする夢の世界にいるからこその余裕であり慢心でもあった。 “人格を喰らうのは僕も初めてでねェ。 咀嚼に時間がかかってしまうだろうがそこは許してほしいな” 此の言葉に嘘偽りなくキエが胎に人格を収めたのは初めての事である。意思を持つ食べ物など初めて口にしたが故に胎の中から抗われた事も初めてだ。 だからこそ、此の展開をちっとも考えていなかった。 未だ“ゲイザー”に此処まで意思が残っているだなんて思っていなかった。 「 ぅえッ キエは初めて吐き気を催す。 (*21) 2021/10/23(Sat) 17:34:38 |
キエは、初めて吐き気を催した。 (a50) 2021/10/23(Sat) 17:35:32 |
【赤】 悪食 キエキエは嘘吐きであるし数え切れない程の嘘を吐いてきたが幾つか本当の事がある。其の内ひとつが食の細さだ。 大食らいでないからこそ此の在り方に馴染んでいる。 性でもなく感情でもない力が胎で溢れれば直ぐに許容量の限界は訪れてしまう。 「ちょ、 ちょっと 待って! 「待って、本当に待って………此の儘だと 全部出る 此の小さな箱庭で禍根を全て零してしまえば結果は目に見えている。此れまで散々見せて来た高圧的な態度は今や見る影もない。 (*22) 2021/10/23(Sat) 17:36:44 |
キエは、嘘吐きであるし数え切れない程の嘘を吐いてきた。 (a51) 2021/10/23(Sat) 17:38:50 |
キエは、しかし幾つか真実も言っている。 (a52) 2021/10/23(Sat) 17:39:37 |
【秘】 巫女 ユピテル → 悪食 キエ「私、ずっと揺らいでいたのよ? 最愛の存在の言うことを聞き、 最愛でない人の為に、巫女の使命通り最愛の存在を壊すか。 最愛の存在の願いも否定し、誰も望まない道を選び、 最愛でない人を、巫女の使命を悪用し全てを終わらせるか。 或いは、その先に衰退しかないとわかっていて。 常に抱く希死念慮<自殺>の元全てから逃げ、捨て去るか。 ……選択が、『できる』が故に、逃げたかった。 どれを選んでも、『私のせいで』何かが終わる」 「嘘と思うなら聞いてみる?試食する? 故郷では、立ってる事すら辛い女よ、私」 (-257) 2021/10/23(Sat) 17:39:49 |
キエは、昔から食が細い。其れは本当だった。 (a53) 2021/10/23(Sat) 17:40:04 |
【秘】 悪食 キエ → 巫女 ユピテル「成る程なァ、今は立場が違うから見え難いのか。 ……… 残念だ 、故郷で眠っている君の夢を覗きたかった」“残念だ、もう食べられてしまったね。” 其れは初めて会ったあの日に告げられた一方的な言葉と同じだったが含まれる意味は違っていた。 (-262) 2021/10/23(Sat) 18:26:26 |
【赤】 悪食 キエ胎の底から1匹の鰐が浮かび上がると其の背中はゲイザーの足場になった。 「はいはい、出してあげるから大人しくしてなさい。…で、何処に出るの君」 鰐が発する声はキエのものだ。此の鰐が“キエ”だと夢を見ているゲイザーならば判るだろう。 鰐はゲイザーを乗せてゆっくりと感情と記憶の沼を泳いでいく。 ………そう、沼だ。ゲイザーは人格であるから直ぐに混ざらなかったというだけで、本来胎の中は泥濘のように混ざっている。此処から特定の何かを掬い上げる事など砂浜から一粒の砂を探し当てる事に等しい。 何処かから赤ん坊の泣き声が聞こえる。 「君達が勝手に持ち込んだ魔力とやらを使わせて貰うからね。君も出られるんなら文句無いだろ?」 キエの行動は酷くあっさりとしていた。此処から出る為の試練も無ければ課題も無いが其れが“キエ”だからだ。 (*24) 2021/10/23(Sat) 18:48:39 |
【独】 悪食 キエヤベ!!!!!!鰐もう使っちゃった!!!!!!! あともう亀くらいしか残って無くない!?!?!?! ウワ〜〜〜〜せっかくだし眠り姫問題使うべきだった〜〜〜〜〜 (-266) 2021/10/23(Sat) 18:51:41 |
【秘】 悪食 キエ → 逃亡者 ポルクス嗚呼、君のお陰で今見えた。 からから、からから。 頭蓋骨がぐるりと動きポルクスの視線を追った。骨の間を桜の花弁が通り抜けても山羊は音を鳴らし続ける。 そうか、教えて貰えたか。そして君はどう思った? からから、からから、からから。 兄君の到達点からは何が見える? からから、からから。 案内人は只思考を促すだけで助言らしい事は言わなかった。不要だという事はポルクスの表情を見れば判るからだ。 (-270) 2021/10/23(Sat) 19:09:41 |
【人】 悪食 キエ>> ??? >>64 >>65 女の柔らかい肩が、腕が、胸が、腹が、腿が、冷えていく。錯覚はまだ止まない。 「……此れでも口説いてるんだけど?可愛い子猫ちゃんが誘ってると言うのに冷たいねェ。 君さえ決めてくれればきっとできるのに…残念だ、とても」 真っ白な指先で頬 があるかもしれない 場所を撫でると抱き締める力を強めた。実際にできるかどうかなど知らないしそうであれば良いと願っているだけだ。熱で潤む瞳を歪ませ口から冷たい吐息を漏らす。キエは寒くても死ぬ事が無いからこそ何の危機感も持たず其の儘笑っている。 「嗚呼、夢を見ないMr.ホワイト。僕は君が夢を見ないからこそ此の想いを思い出した。ずるいなァ、口惜しいなァ…目の前に在るのに食べられないなんて。 きっと人は此れを夢物語のようだと言うのかな 」キエは此の想いもいつか飽きて忘れてしまう。夢を見ない ??? の事は覚えていても、感情の起伏が少ないからきっと此の歓喜を忘れてしまう。??? が期待していないからこそ此の想いは直ぐ冷える。音の眠るような静けさの中、目を閉じて目蓋越しに何かを見たと思う。 「もう少しこうしていても? 多分僕、君から離れたら冷たいのを失くしちゃう気がするから」 自分の理を持つキエは誰かに支配された事など無かったから其の時間を強請る。 そんな時間を過ごすのか、それとも直ぐに身体を離してしまうのかは ??? 次第だ。 (66) 2021/10/23(Sat) 19:55:11 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「兄さんはずるいな、と」 そう思ったよと話す。 俺の前には姿を表さず、何も言わず、やりたいことをやって そして手を取り合える人を手にしてしまった。 そこにもう俺という半身は必要ないらしい。 俺の行き場は、どこにあるんだろう。 「俺の到達点はどこにあるんだろうなと……考えている」 (-275) 2021/10/23(Sat) 20:01:49 |
【赤】 悪食 キエ「…ん、見えた」 目的地を意識に捉えると迷う事なく速度を上げた。 キエは人を導かないし救いもしないし愛していない。されど人を大切にせざるを得ない曖昧模糊な存在だ。 人によってキエは善にも悪にも成ってしまうし、キエ自身も自ら其の在り方を選んだ。其れはキエの嫌う面倒が多く在る筈なのに選んだ道だ。 赤ん坊の泣き声が遠くなっていく。 「相も変わらずおかしな事を言うねェ君は」 (*27) 2021/10/23(Sat) 20:10:25 |
キエは、ゲイザーと共に目的地へ至った。 (a55) 2021/10/23(Sat) 20:12:14 |
キエは、直ぐに其処へゲイザーを落とすとさっさと帰ってしまう。 (a56) 2021/10/23(Sat) 20:12:47 |
キエは、ゲイザーが持ち込んだ魔力で2人を会わせた。 (a57) 2021/10/23(Sat) 20:14:32 |
キエは、ゲイザーが持ち込んだ魔力で崩れた自分を少し直した。 (a58) 2021/10/23(Sat) 20:14:56 |
キエは、残った魔力を身体の外に流した。こんな異物が在っては“キエ”ではなくなるから。 (a59) 2021/10/23(Sat) 20:16:20 |
【秘】 悪食 キエ → 逃亡者 ポルクス―――がしゃん。 骸骨が崩れ落ちる音がすると其処には見慣れた姿のキエがいる。山羊の頭蓋だけを持ったまま立っていた。 「なァんだ、一寸無理して幽霊船に成ったのに。しかも僕ァ“何処を到達点とするかは君が決めろ”と言ったんだがね。てっきり此処がそうだと思ってしまったじゃないか」 「此処に無いなら違う何処かだろうよ。君はどうやら外をあまり知らない様だし実際に自分の目で確かめて来たらどうだい。少なくとも此処が終いじゃあないんだろう?」 祭でそうしていた様にキエは頭蓋を頭に被ると、空いた手を未だ賢者に至らぬポルクスへ伸ばした。 そうしてキエは微睡みから覚める刻を定める。 「君には未だ、」 「 歩く脚が在るのだから。 」 (-278) 2021/10/23(Sat) 20:28:57 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「無理をしていたの? 君は俺を買いかぶり過ぎだったようだね。 胸に空いた穴は塞がりようがないんだ。これは、兄さんにしか塞ぐことが出来ないものだから」 ここはひとつの到達点であり、通過点だ。 どちらかが命を失えば、正しく一つになろうと魂は導かれていくだろうけど、今その選択権を持つのは兄ではなく自分なんだろう。 「次の……到達点には、自分で歩いて行けと、そういうことかな……」 (-281) 2021/10/23(Sat) 20:39:42 |
【秘】 悪食 キエ → 逃亡者 ポルクス「当たり前だろう? 死者だと思ってサービスをしてしまったからねェ、頑張って貰わないといけないな」 キエは人の手を掴まない。先程船に乗せた時は死んでいると考えたから引っ張り上げた。 今は違う様だ。 「どうするんだい、君。君自身で決めなさい。僕は決めてあげないよ」 (-282) 2021/10/23(Sat) 20:49:46 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「俺も死んだものだと思ってたんだけどね」 どうやら神隠しにあってなお未だ生きているらしい。 どうやって帰るのだか方法はわからないけど。 「そうだね……」 くすりと笑う。 「まずは目的もなく歩いてみようか」 生きる理由も、死ぬ理由もありはしないから。 (-284) 2021/10/23(Sat) 20:57:44 |
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