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ヴィンセンツィオは、壊れていた。 (c0) 2023/09/23(Sat) 21:00:11 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ無感動な表情が貴方の言葉を浴びせられるがままにそこにある。 貴方が何に憤り、求めているかなど欠片も理解していないのだろう。 或いはそこに求めがあるのを知りながらに、理解を示そうともしないのだろう。 男が未だに庇護を向けるものとして見るもの、その外にある赤の他人。 知己が大事に面倒をしているのであっても、関係のないことだった。 だからそれが、ついでの用事を思いついたのは時の運めいたものであった。 多少はひょっとしたら、貴方に対する嫌がらせも含まれていたかも知れない。 その手を取り落とさせようがそうしまいが、さしたる労苦もありはしないのだが。 組んだ手を指だけ解いて、片手を己の襟元に添えた。 しっかりと締められたネクタイを緩めてシャツのボタンを外す。 色艶を帯びるにしては、やけに気怠げで眼差しも指の動きも重だるい。 「思い切り首絞めながら犯してくれ。 そうでもしなけりゃもう上手くトべもしないんだ」 (-108) 2023/09/24(Sun) 6:13:42 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「それは――……そうだろうね」 彼らのやっていることは許されない。それは確かだ。 それを見失うほど職務に反目を決め込んでいるわけでもないのだ。皮肉にも、残念ながら。 貴方がかつての上司として扱う限り、貴方の前でそれを違えることはない。 その上で男は、彼らを赦すことを撤回もしなかった。 「どうして警察でありながら、か」 僅かばかり目が細められる。遠くの風景をみるような仕草だった。 座ったまま、悠々と構えたままであるような姿勢のままで男は貴方を見上げる。 美しい瞳の色に焦点を合わせてしばらく考えるような間がある。 答えを今考えているのか言いあぐねているのだか、 そういうものさえ、いつも通りのままの表情に浮かぶことはない。 答えを放棄したかのような沈黙のあとに、男はやっと口を開く。 「彼らの未来を守りたかったと言ったとして、君はそれを信じるのかな」 (-110) 2023/09/24(Sun) 6:23:28 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ「……そうだね。人と比べてどれほどなどと言うものでもないけれど、 私もこれまでに幾度も悩みや迷いを重ねてきたものだ。なにせ45だから。 ニーノをふたりぶんにしたってまだ上のオジサンだ」 どこぞで怖いおじさんだなんて嘯かれてもいるような年嵩の男だ。 同じように捜査をしたとて犯人を追う体力は若い刑事にはどうしたって勝てず、 整った顔立ちに張った皮膚はどうしたところで多少なり水気を失って衰えている。 いずれは警察官としても貴方に追い越される下り坂の、大人を通り越しつつある人間だ。 子があったなら同世代ぐらいであってもおかしくないような若々しい貴方の姿を、 羨むよりも微笑ましく見守る、そうした態度で横に在り続けていた。 「世を抜本的に変えようとするばかりがあるべき姿でもない。 誰のための警察か……或いは、君が誰のための警察になりたいか。 どんな人達を守るために行動したいと思うかを忘れてはならない。 きっとそれは、君が迷った時に道を照らす明かりになるだろうからね」 貴方に仰ぐ背中があり、貴方が隣に置く肩があるように。 手元のパンにひとくち口をつけたというのになかなか食べ進まず、 投げかける言葉に注力してしまって、小麦の匂いは吹き流されつつあった。 それを惜しむわけでもなく、ようやくふたくちめを口に含む。 「いくらでも急いだり立ち止まってもいいんだよ。 ……ありきたりな答えで申し訳ないけど。少しは、胸の内も晴れたかな?」 (-112) 2023/09/24(Sun) 6:34:37 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方の言葉を、姿勢を。表情を、共感をスカイブルーが見据える。 目を細めたのはどういった感情であるのか、暗い留置所ではわからない。 見定めるかのように、沈黙は長かった。 「ここは取調室ではない。 被疑者の話すペースに飲まれて鵜呑みになんて、するべきではないよ」 背中を壁に凭れて、すっかり脱力したままに男は微笑む。 貴方をいち警察官として見て、そうある姿勢を望むように諭す。 言い含めるような柔らかい口調はやはり、いつかと変わらない。 こんなふうになってしまってもまだ、男は教育者めいた振る舞いをするのだ。 「あまり此処に居れば、自分が怪しまれてしまうだろう。エルヴィーノ」 (-146) 2023/09/24(Sun) 12:54:15 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「最悪でいいさ」 貴方が多くの心を甘やかに満たしてきたことを知るわけではない。 それでも立ち振舞の洗練が、人を惹きつけるだろうことは想像がつく。 その上で、同じものを求めているわけではついぞなかった。 古びた座席の背もたれをネックピローのようにして支えていた首が傾く。 外回りで多少は日に焼けて、年を食って水気も失いつつある肌の下に、 どこか病的なものを思わせる血色が透ける。 「魘されるぐらいの最悪の思い出にして、悟ったつもりになって諦めれば良い」 薄曇りの空を思わせる瞳が貴方の瞳を覗き込む。 海のような深さの奥底へと期待をするのはせいぜいが腹いせくらいで。 印象を良いものにしようなんてはからいは欠片も感じられなかった。 両腕を投げ出し重たく沈み込んで、せいぜい着衣を緩めるのに合わせて体を起こすくらい。 頼み事をしたにしてはひどく非協力的で怠惰な肉の塊が横たわっている。 善かれ悪しかれ何をしようが、男が貴方の指先に抗議することはない。 (-149) 2023/09/24(Sun) 13:06:21 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ「そうかぁ」 ありきたりではなかったか。元気な否定がこんなにも微笑ましい。 思わず口調が緩んで、喉をくつくつと鳴らして笑った。 揺れるような瞳をして廊下で声を掛けてきた時と比べれば、 今の笑顔を見せる貴方は、庇護者の一人としてはいっそう頼もしく思えた。 これなら遠慮なく、多くを任せて構わない。 「それじゃあ、あと15年か20年の間に立派になってもらわないといけないな。 警察官の一年は矢のように過ぎていくから、ぼうっとしてはいられないぞ。 周りの人にもたくさん支えてもらってたくさん甘えて、頑張りなさい」 子供の頃よりはずっと育ったとて、長らく務めるものの多い職場からすれば貴方は若い。 面倒をみたがるおせっかいは、決して男だけではないだろう。 多くを頼って、いつか多くに頼られるようになればいい。 そういう祈りが、男の言葉には込められていた。 「……そろそろ仕事に戻らないと職務怠慢の判子を押されてしまうな。 ニーノも寄り道をしていないで、まっすぐ家に帰りなさい」 さほど長話をしたわけではないものの、秋の夕日ははっきりと顔を傾けつつあった。 パンの残りを口に入れると、包み紙をぐしゃぐしゃに小さくして手の内にしまい込む。 小麦のにおいのするゴミを持ち帰ったら、男の方はサボりはバレてしまうのだろうな。 (-152) 2023/09/24(Sun) 13:18:47 |
ヴィンセンツィオは、一度だけ収容所の賑わいの横を通り過ぎた。取調の為の一瞬だった。 (c19) 2023/09/24(Sun) 13:19:41 |
Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオは、メモを貼った。 (c20) 2023/09/24(Sun) 13:24:49 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ「仕事の仕方はテオドロに教えてもらうのがいいだろうし、 息抜きの仕方はエルヴィーノに教えてもらうのがいいだろう。 リヴィオなんかはあれで細かなところにはいちばん目が行く。 同じ階級の人間でなけりゃ声を掛けに行くのは大変かも知れないが、 それでも声を掛けられる側は嬉しくないなんてこともない」 きっと頼っていいだろう、頼られて邪見にはしないだろう者たちの名を挙げていく。 細かな課は違うものの、課同士の連携は存外密に行われるものだし。 そうやって、ひとつひとつ頼れる先を増やして、彼が一人にならないように計らう。 それが功を成すのは――おそらく何もかも終わったあとになるだろう。 「そうか。皆と仲良くしているようでよかったよ。 また明日、これからも頑張るんだよ」 立ち上がって敬礼を返し、それから帰る子供を見送るみたいな言葉をかける。 町並みの様子は変われど、取り巻く環境は変われど。 夕日の照らすものは変わらない。 → (-215) 2023/09/24(Sun) 20:03:23 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ「……最近疲れてる、か」 変わりゆくものは照らされなくなっていく。 手を首元に当てる。僅かに冷えた体温が、掌に返るだけだった。 この日の次に来る朝には貴方は在りもしないだろう罪に縛られ、 次には男が大嘘つきであると皆が知ることとなる。 貴方でさえ欺いたままにこれまでの人生を送っていた男は、 今は全く罪人らしく牢の内側に押し込められているだけだ。 貴方は優しく、傷つきやすいひとだから。 きっと本当のことなんて、何一つ知らなくともいいのだ。 (-216) 2023/09/24(Sun) 20:04:01 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「君は捨て鉢のように語る割に人を信用しすぎるね。 ……いや、これはそういう話術か。君の取調べを受ける側はさぞ困らせられるだろう」 これでも褒めている。調書の為に必要なのは相手の口を割らせる技術だ。 言って欲しい言葉を言わせるのでなく真実を口にさせるためには、 相手に、話すべきだという姿勢を押し付けて信頼させる必要がある。 時に、話をするのは被疑者ばかりでなく被害者も其れにあたるが故に。 「……これはきちんとした忠告だが、あまり肩入れしないほうがいい。 義憤はときに人の目を予想以上に曇らせるものだからね」 諦念や何が彩るものでもなく、確かなものとして。 それは相手が誰であっても。これから先のある警察官への、教えの一つとして。 貴方の背中にそんな言葉を投げかけ、閉まる牢の扉を見送る。 後に取り残されるのは冷たい空気と、冷えた膚をした男がひとり。 行く末、どうなっていくかを知る頃に、貴方が同じ牢の中にないことを祈る。 (-217) 2023/09/24(Sun) 20:15:47 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「碌な育ちをしているように見えるがね」 相手がマフィアで、構成員として認められるような人間であるのは重々承知だ。 だからこれはさも通り一遍のことしか相手が知らないように決めつけて、 挑発するが為だけの言葉だ。そこに全く意味がないわけでもない。 首を締め上げるにあたって躊躇でもされたほうが無為な時間が増える。 真っ当の思考を持つ貴方に、憎しみを以て力を込めさせようという狙い、それだけだ。 余程他者の動きを信用していないらしい。 張り艶の少しだけ失われた肌に歯を立てられたなら、最初のひとたびは短い声を上げた。 痛覚への訴えというよりかは、予告のない行いへの神経の悲鳴だ。 歯型が増えるたびに喉の奥で堪えた声のない息が抜ける。 痛みのほうが勝る行いでありながら、傷の周りから肩にかけて、 皮膚の薄い箇所には次第にじんわりと赤く血色が浮いてきた。 絶頂に至るのが難しくはありながらも、全く不感症ということではないらしい。 「……ん、ぅ」 眉がぴくりと動く。 わざとらしい声をあげたりはしないものの、喉の奥を空気が通る音だけはあった。 ただ、喜ばせるつもりもないのか唇を引き結んで、なるべく声の出ないようにはする。 それでも体の反応は隠せない。 触れられれば筋肉に力が入り、ソファのすり減った表面を掻いた。 それらしい部位に触れられれば、萎え気味だった性器が段々と芯を持ち始めた。 苛立った舌打ちばかりははっきりとした音を立てて、貴方の頭上へと浴びせられる。 「早くしろよ、……悠長なことしてるな」 (-261) 2023/09/25(Mon) 0:09:37 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「糞が」 頼み事をした側としては不遜な言葉が綴られる。 それでもやり方に必要以上に異を唱えるわけでもない。 内心でどんな文句を思い浮かべているのだかはさておいてもだ。 長年国家警察としての任のついていただけあって体躯はしっかりとし、 長駆を支える骨は太い。そのくせ、日の下になければやけに病的な雰囲気をしている。 多少体重移動を己の意志でするだけあって死体よりかは重くは感じないだろうが、 それでも協力的に動こうともせず横たわる丸太であるのは変わらない。 息をつまらせ耐える、その時々の天井を性感が打つ度に体が震えた。 声を聴かせてやるのはどうしてもいやなのか掌を唇に押し付けすっかりと口を塞いで、 殆ど見えもしない部屋の隅へと目線を逸らして睨むような目を向けている。 白髪のまじりはじめた髪と同じ色の下生えは存外形良く揃えられていて、 その下から生えた性器もそれほど初心な代物ではなさそうだった。 けれどもなかなか絶頂には至らない。先の言は確かなのだろう。 発散しきれずに知らず焦らすように蓄積されていく性感を得て、 漏れる息は苦しげなものに変わっていく。それこそ拷問めいた様相だった。 体の表面に冷えた汗が滲み、内側に籠もった熱とは裏腹に寒がるように震える。 演技の一つでもしてやり過ごすことは出来るかも知れないが、 それを放棄したならば明らかに異様とわかるほどには、"うまく出来ない"らしかった。 首まで赤く染め上げながら、しかし唯唯の射精一つできないまま時間が経つ。 「別に、っ……壊そうが構いやしない、だろう」 最悪パイプ椅子の足でも何でも突っ込んでそれで用を済まされようが構わなかった。 求められる最低ラインは倫理の底を突き破って低く、破滅的なものなのだから。 (-284) 2023/09/25(Mon) 2:40:11 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ再度の舌打ちが返る。その間にも、堪えた息が唇を暖めた。 どれだけ嫌がって声を押し込めようとしても、次第にそれにも限界が来る。 恐らくは普通の女、普通の男を相手するよりもむしろ快感を喚起するのは早かった。 キャリアもいくらか詰めばそうした生活をする余裕が出来るのか、或いは。 「ぐ、」 なかなか言うことを利かなかった性器が、根本の筋肉に力が入って跳ねる。 さして濡らしていないにも関わらず貴方の指は存外にすんなりと受け入れられた。 反応が返ってくるのも早く、押し込まれるたびに耐え難いように指を締め付ける。 その上で肛門の周りには、治りはすれど古い裂傷がいくらか見られた。 見れば小さなケロイド状の火傷痕さえある。普通に生活していて出来る傷ではない。 腕で顔を隠して身を捩る。快楽に溺れていることを隠すのも難しかった。 息をする度に胸板を上下させ、背中を逸らしてソファを軋ませる。 粘膜の上に指より高い熱が添えられれば、やっとか、と大きく息を吐いた。 濡れた瞳が貴方を見上げる。行為が始まってからはじめて相手の顔を見た。 返答としては、それで十分だろう。 (-302) 2023/09/25(Mon) 6:58:22 |
【墓】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ>>+1 もうじき収容された被疑者の自由時間も終わりの頃、 人も疎になりつつある頃、ふらついた足取りが隅を目指す。 腫れ物のように誰も声をかけない男は、何かの延長線のように出し抜けに声をかけた。 「……お前葉巻持ち込んでやしてねえか」 #収容所 (+56) 2023/09/25(Mon) 8:44:53 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 路地の花 フィオレ/※ お疲れ様です。しまむらです。 お声がけありがとうございます。 復讐に関しては問題ありません。 現状いただいてるお話との兼ね合いとして、 お受け頂いた話の中で死ぬことはまだできないこと、 またその後に対等な損傷具合でのタイマンデスマッチの予約があるため怪我の度合いは多少指定させていただくことだけご了承ください。 ナイフで脇腹グサーとかなら問題ないかなと思います。 (-331) 2023/09/25(Mon) 12:49:56 |
【墓】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ (+66) 2023/09/25(Mon) 18:43:20 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ肉茎が体の中へと侵入してくるのを受けて、あ、あと息が震えた。 詰まらせた声が唇を割って法悦の響きを体の外へと吐き出す。 媚びるように腰を浮かせ、自然と逃げてしまいそうな腰を自ら押し付けた。 貴方が動くペースをそのうちに掴んだのか、いつしか動きに合わせて体を少しずつ動かす。 そういうのも、自然と身に着けた技なんだろうか。 黴臭さを帯びたソファが悲鳴を上げるほど体を軋ませて首を反らせ、 体をいっぱいに動かして与えられた快楽を甘受する。 この次の日になって囁かれる噂を聴いたなら、貴方もその様子に納得がいったかもしれない。 「ぁ、……はあ、ぁ、……んっ……」 ひくりと腹筋が動く度に、内臓の内側を引きずり上げるものを締め付ける。 意識的なものでない限界を何度も越えそうになるごとに、脂汗じみたものが肌を流れる。 長い髪が湿気を帯びてふわふわと揺れ、面に張り付いて行為の激しさを物語る。 時折、終わらせるつもりのないような動きに痺れを切らしてか、 覆い被さる貴方のほうを首を転がすようにして睨みつけた。 頭の中から内側までを占める快楽のためか、瞳を湿らす涙が汗に混じりさえした。 柔らかく嫋やかな女が相手であれば、もう何度も貴方の名前を読んで達していただろうし、 白く細い腕を背中に回していくらも貴方を賛美していただろう。 けれども男はようやく、首に触れる指の重さを感じてようやく、 やっと翳った瞳に期待を滲ませ、唇を歪めて薄く笑った。 きっとこの夜の逢瀬の中で一番艶を帯びた、あでやかな表情をしていた。 喜色を帯びた声が指の下から上がって、喉で笑う震えの為に僅かに手を押し返す。 → (-439) 2023/09/25(Mon) 22:36:25 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「殺すつもりのくらいでやれよ、坊主」 至る道に多大の快楽を得て肌を弾ませ、媚びるような吐息を溢して尚。 求めるものなんて、たった一つしかない。 (-440) 2023/09/25(Mon) 22:36:45 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡戻って来もしなけりゃ悪態さえ続かない。 代わりにふ、と息だけで笑ったようだった。 いつしか真正面に向き合って肋の中の憤怒を燃やすことさえ、 大人びて忘れてしまったかのようにしなくなった。 餞別をまんまと頂戴すると、ふらついた足取りは自分の部屋へと消えていく。 こんなものを難なく調達できるんだったら、お前はこんなところから出るのも簡単だろうに。 追い立てるような無言が、ただただ残される。 (-517) 2023/09/26(Tue) 8:05:55 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ気道が狭まれば、堰き止められた空気が逃げ場を探すように喉を打った。 細いということも無いながらに不健康な手触りを思わせる筋張った首筋は、指を境に色を変えた。 はじめはさっと赤く、だんだんと黒ずんだ色合いを帯びる。 苦しさを感じないということもなく、呼吸を求めて体はびくびくと跳ねて暴れはくはくと唇が痙攣する。 それであって尚、不安定になり始めた意識の中で男は笑っていた。 狂喜するように肺が震える。喉を塞がれていなければ笑い声が響いていただろう。 遊ぶように時折に得られる酸素を乞うて体を捩り、耐え難い苦痛のためにより一層直腸を絞める。 抉る陰茎の形がはっきりわかりそうなくらいに締め付けては、身体を捻る度にそれが撫でるように捻れるのだ。 苦痛を受けてか快楽を受けてか、天井を突くように男の股座から生えた性器も聳り立つ。 体躯に見合って赤黒くそそり立ったそれは触れずとも破裂しそうなくらいだった。 「 」 笑っている。声の出ないのをいいことに、恍惚として名前を呼んだ。 明滅して白い雪の降りるような視界の中に、意識を失う寸前の光を見てはまた息を吹き返す。 首をいっそう強く締め上げられた、それを受けて殊更に体を跳ね上げさせきゅうと腹に力が籠もる。 空気を掻くような唇の動きが、やっと男が絶頂を迎えたことを告げた。 同時に腹の上はどろりとした精液に濡れる。初めは勢いも良く、それからてろてろと噴水のように溢れた。 それで解放されたか、どうか。 勝手に満足すると、あとは貴方のされるがままというように両腕を投げ出した。 恍惚に濡れた瞳が暗い天井を見上げて、未だ朦朧の内に置いてきた意識に耽溺する。 少なくとも貴方の名前を口にしたわけではなかった。 (-518) 2023/09/26(Tue) 8:27:24 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡/* お疲れ様です。しまむらです。 すみませんご足労おかけしまして本当にね こちらもなぜか釈放された後にちょっとひと踊りしたら行方をくらます予定なので、 お互いやってんな〜ってのを一通り見届けてから、 流れに沿って色々介入を盛り込んだり盛り込まなかったりするのが良さそうだなと考えております。 うまく拾いやすいポイントを作って拾って貰えたらあとは二人きりで暗黒武闘会編くらいエグい殴り合いしましょうね……♡ (-614) 2023/09/26(Tue) 20:26:29 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「人のケツの中にさんざんご機嫌に中出ししておいて何を気取ってるんだ」 はだしの足が背中をどつく。爪先にはルージュ・カザックが煌々と彩られていた。 汗まみれのシャツに腕を通しただけの格好で、気怠げにソファにもたれかかったまま見据える。 少なくともしばらく動かなかったのはそうだし、気をやりかけわていたのもそうだ。 或いは銃口を向けられてそれが退けられるその時までは、まだ夢の中であった、そうあれていたのかもしれないが。 筋張った長い指が投げ寄越された衣類を引っ掛け、居座りすぎない程度に着衣を正し始める。 「色男ぶっているくせに、一度きりのセックスでよくもそんなに感傷的になれるもんだ。 どうやら存外、思った以上に面の皮の中身はヘタレの小僧らしい。 手前の落ち度で人を巻き込んだと、思い込めるだけはある」 声は掠れていっそう聞き取りづらく嗄れている。さんざ鳴かされたのは演技ではない。 熱っぽく赤く染まった肌が汗で冷え切ってしまう前にと、のろのろと体を起こして汚れた衣類を端にまとめる。 あんまりな物言いをつらつらと述べて、それから赤毛のまるいあたまをじっと眺めた。 → (-619) 2023/09/26(Tue) 20:40:34 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「そんなに権利がほしいなら、そうだな。 俺の死体を見つけられたらくれてやる。 好きな場所にでも墓を作って埋めるんだな」 そんなのはなんの気休めにも成らない歩み寄りだろう。 わかっていて、人を寄せ付けないような救わせないような物言いをする。 それでも、譲歩は譲歩だった。 (-620) 2023/09/26(Tue) 20:41:04 |
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