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【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ「 うっっせ!! ふざけんなバカ!!俺の耳までやる気か!?」 天地も地獄の底を引っ繰り返したみたいな騒音の中。 せっかく迎えに来てやってんのに、と ハンドルを握りぶつくさ文句を垂れ。 『家族』を迎えにやって来た車は警察署の前で停まる。 譲り受けた車に、託された『預かり物』。 全部が借り物の男を乗せて。 (8) 2023/09/26(Tue) 22:14:02 |
【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>18 黒眼鏡 「おう、bentornato大馬鹿野郎」 正面から堂々と、散歩でもするみたいに歩いてくる姿に、 車の窓を開けて騒音に負けないくらいの大声でがなる。 それでも最初に言う言葉は『おかえり』だと決めていた。 「俺ァ『家族想い』だからな!!わざわざ来てやったんだ 『家』に帰る足が要ると思ってな!」 いつも通りの傲慢は、踏ん反り返らん限りの勢いで。 (20) 2023/09/26(Tue) 22:35:35 |
【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>22 黒眼鏡 「そりゃ大変、上司の教育が悪かったみたいだなあ?」 乗り込んでくるや否やのご挨拶には軽口で。 叩かれた肩はすぐに竦められた。 「ろくでもない事仕出かす気しかしねえ前フリだな。 はいよ、しょうがねえな。一つ貸しな」 車を再び発進させれば、あなたの店まで最短距離で。 その後はちゃあんと指示通りに動くだろう。 (24) 2023/09/26(Tue) 22:52:05 |
【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>25 黒眼鏡 「は? 嫌だね。 地獄の果てまで行っても取り立ててやるわ」 裏社会の人間など皆平等に地獄行き。そう思っている。 だから地獄まで行けば取り立てられる。簡単なお話だ。 「はいはい、言われるまでもねえよ。 心配すんな、手前の犬くらいきっちり躾けてやらあ」 どん、とそう厚くもない胸を叩いて。 そんじゃあな、そう言ってドアは閉じられる。 きっと別れはずいぶんとあっさりとしたものだった。 (26) 2023/09/26(Tue) 23:06:58 |
【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → 門を潜り ダヴィードあなたをどこぞで拾って車内に詰め込んで。 それからアジトを離れ、 隠れていろと言われた手前隠れ家の一つへと。 そんな移動中の車内でのこと。 「見ないうちにずいぶん 男前 になったなあ?ダヴィード」腫れた頬を横目に見て、不意に。 「こういう生き方をするって事がどういう事かわかったろ」 「お前は今岐路に居る。 そのツラ見るにどうしたいかも、もう腹が決まってんだろ」 どうするかではなく、どうしたいか。 マフィアとして生きていくか、それとも違う道を選ぶか。 頬を腫らして、けれどどこか晴れ晴れとした顔で。 あなたは確かにそうしていた。 ならばきっと、答えは決まっているのだろう。 ちらりと横目に見た端末の中では、 情報チームの頭がようやくお帰りになるとの事だった。 (-42) 2023/09/27(Wed) 21:37:55 |
【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード>>-47 「おう、着いたら後で箔も付けてやるよ。 湿布と消毒液って名前のな」 泣いて後悔したって、もう引き返せやしない。 ──この門を潜る者は一切の希望を捨てよ。 一度その門を潜ってしまえば、神も法も助けてくれはしない。 神も法も助けてはくれない者の居場所。 この世界には、神も法も手を差し伸べないものが、 場所があるから。だからそれがある。 「───ふうん、そう。」 返答は短いものだった。 既に決意された事に、御託は必要無いと思ったからだ。 故にこの後に続くのは、単なる確認でしかなく。 「そんなら、こないだ言った事は忘れてないだろうな? 自分の命には、行動には、自分で責任を持て。 これまでも、これからも、お前の命はお前のもんだ。」 「使い方を決める権利はお前だけが持ってる。その上で、 ノッテに、ボスに、俺達に胸張って誇れる 番犬 になれ」「わかったな、Cucciolo」 曰く、男は犬が好きだった。 自分がどれだけ姿形や振る舞いを変えても、見付けてくれるいきものだから。 (-51) 2023/09/27(Wed) 23:22:52 |
【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード>>-55 「そいつは無理な相談だな」 なんとも薄情なこたえを返して、笑う。 斯くして、一切の希望を捨てた後に残ったのは 決意と幸福のかたちであった。 たとえそれがどんなに儚いものであろうとも、 たしかに今そこにある事には変わりない。 そして、それを守ろうとする者が居る事も。 「良い返事だ」 そう言ったのはあなたのこたえにだか、鳴き真似にだか。 何れにせよ、確かな事は。 勲章に箔が付けば、それはきっと 忘れられない思い出になるだろうということ。 (-59) 2023/09/28(Thu) 2:26:34 |
【独】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ「マ〜〜〜ジで ろくでもない事 しやがった、あのクソ親父」アジトに『カチコミ』が掛けられた後。 仕事用の端末に矢継ぎ早に入る連絡を見て、 猫被りは盛大な溜息を吐いていた。 「はいはいはいはい箝口令箝口令、 戻ったらまず立て直しからだとは思ってたが 仕事増えたじゃねえか覚えてろよマジで……」 ぶつくさと言いながら各所へ根回しをしていく。 余計な混乱を広げるなと箝口令を敷く。 この『ろくでもない事』がこれだけで終わるはずもない。 何せ報復を与えられるべき下手人は、 今はすっかりと行方を眩ませてしまったのだから。 (-115) 2023/09/28(Thu) 21:07:50 |
【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード『お祭り』の日の夜が明けて。 きっと日もとっぷりと傾きかけた頃。 そこまであなたが寝過ごしていたって、誰も咎めるものは居ない。 寝転がったまま、ぼんやりとしていても。 隠れ家は静かなものだった。 「ダヴィードー、ダヴィード起きてっかあ〜?」 「飯行くぞ飯!ずっと家に籠もってんじゃカビ生えるわ 後の事は一旦全部後回しだ」 一応の家主がいつも通りにやって来るまでは。 端末が床に落ちていてもお構いなし、 あなたを叩き起こしてでも連れて行くだろう。 何せきっと、昨日の夜からろくに食べていないだろうので。 (-134) 2023/09/28(Thu) 23:22:22 |
【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード>>-142 どんな時であっても、腹は減るし明日は来る。 滑稽とも思えるほど当たり前に世界は回っていく。 「休みの連絡入れるついでにアマラントでも行くか。 どうせしょぼくれたり他所行ったりで 忙しくて行けてないだろ、お前」 これは根拠もない決め付けだ。 とはいえ慌ただしい数日だった事には間違いない。 一人で慣れない場所へ行く機を窺うには少し不自由な程度に。 「酒のあて以外に普通の飯もあるし…… シチュー、よく作ってたんだと。 腹にも優しいし傷にも沁みにくい、ちょうどいいだろ」 車は出さず、徒歩で向かう。ただ歩くだけでも、 何もせず助手席に座っているよりかは幾らかましだろう。 そのような考えがあってのことだった。 (-147) 2023/09/29(Fri) 1:26:19 |
【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → マスター エリカ『今日はお仕事はお休みします』 『お客さんとして行きたいので』 『知り合いも連れて行きますよ』 歩きながら、簡潔なメッセージを送信した。 (-148) 2023/09/29(Fri) 1:26:44 |
【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>-142 ダヴィード 表通りからは離れた路地の一角、隠れ家のような入り口。 石の階段を下ると、落ち着いた色の木の扉がそこにある。 下げられたプレートには『OPEN』の文字だけ。 カランカラン 扉を開けばドアベルの音が店内に響く。 暖色の控えめな明かりの下、 カウンター席に着けば、さっそく注文を。 「マスター、シチューとパンを二人分お願いしますっ。 あと、コンクラーベも!」 注文するのは、あなたが以前話していたものと。 比較的沁みにくいだろうノンアルコールカクテルがふたりぶん。 具沢山のシチューと、ライ麦100%の食事パン。 注文したものがカウンターに並べば、 猫被りは休日の一従業員の顔をして表情を綻ばせた。 「どうですか?美味しそうでしょう! マスターの作るシチュー、 私も一度食べてみたかったんですっ」 #バー:アマラント (62) 2023/09/29(Fri) 1:27:58 |
【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>-172 >>63 ダヴィード 「Buon appetito! 冷めない内が食べ頃ですよっ」 食事前の挨拶をして、シチューをひとさじ。 具材の旨味と甘みがふわりと広がる優しい味。 しっかりとした食事パンの食べごたえも、夕食にちょうどよく。 「Buono! …そういえば、 実は近々マスターに料理を習おうと思うんです」 「最初に習うのは、このシチューで決まりですね」 なんて笑って、シチューをもうひとさじ。 いくらか食べ進めた頃に、カクテルのグラスを傾けた。 「それはそれとして。 来年来たら、今度は一緒にお酒を飲みましょうねっ。 成人祝いはここでさせてもらってもいいのかも」 来年。あなたが18歳になれば、 ノンアルコールでないカクテルで乾杯ができる。 そんなまだ先の未来の約束も勝手にしてしまって。 残暑も過ぎて、外は徐々に涼しくなっていく頃。 バー:アマラントは今日もいつも通り。 穏やかであたたかな時間が過ぎていく。 #バー:アマラント (79) 2023/09/29(Fri) 19:26:18 |
【人】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>80 ダヴィード 「Certo!」 実際のところ、この男の『趣味』は多岐に渡る。 取り繕った顔の数だけ趣味があり、 料理を趣味とした事もあれば苦手なふりをした事もある。 ともすれば、以前にも手料理を振る舞った事があるかもしれない。 けれどそれとこれとはまた別の話。 「ふふー。感想聞くのが楽しみです、どっちも」 料理も、お酒も。 18歳になったあなたに似合うのはどんなカクテルだろう。 幸いにして酒には詳しいものだから、いくらでも選択肢はある。 初めて飲むそれが、良い思い出になるように。 それから、あなたの成長ぶりを楽しみにして。 #バー:アマラント (81) 2023/09/29(Fri) 21:33:41 |
ペネロペは、約束をした。 (a18) 2023/09/29(Fri) 21:34:00 |
【神】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>G7 ルチアーノ 「我らがカポ殿はずいぶん財布の紐が緩かったらしいな? ま、元からカネだのブツだのばら撒くたちではあったか」 もちろんそれは支出であって、浪費ではなかった。 今回のこれも同じ事だろう。 それを受けて周りがどう動くかも含め、 何もかもが計算ずくで行われたこと。 「せっかくの祭りだってんならついでに祝日にして 俺達にも休みをくれてやって欲しいもんだね」 「あーあ。あーあーあー。どーすんだよこれ。 人的被害も物的被害もカチコミにしちゃお遊びみたいなモン。 その『お遊び』で俺達の仕事だけが増えたじゃんか」 件の『襲撃』で死者は出ていない。 損失だって金や時間でじゅうぶんにフォローができる範疇で。 下手人も収束していく先はアレッサンドロ・ルカーニアだけ。 それが全てを物語っている。 「お互い忙しくなるなあ、ルーカス?」 アジトに吹き込む秋風と共に。猫被りはやって来るや否や、 大袈裟にやれやれと両手をあげるポーズを取り、 溜息混じりの言葉を投げ掛けた。 (G8) 2023/10/01(Sun) 2:40:26 |
【神】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>G9 ルチアーノ 「ったく、この件が片付いたら ぜって〜〜休みもぎ取るって決めてたのによ」 法案が撤廃されれば終わり、などという 簡単な話ではないとはわかってはいたが。 それに輪をかけて叶わぬ願いになってしまったらしい。 少なくとも、当面は。 「そりゃ大変だ。デートの時間は取れそうか?」 「俺は暫く纏まった時間は取れないだろうな。 文句と取り立てはあのクソ親父に言ってくれや」 口ではクソ親父、とは言えど。 子どもの頃から面倒を見てもらっていたようなものだ。 少なからず恩はあるし、慕ってもいる。 それが姿を眩ませ、剰え今や『報復』の対象となっている事は 何だかんだと身内に甘い男にとって気の重い事だった。 「言う事と言えばそれくらいだ。そっちは?」 (G10) 2023/10/01(Sun) 3:32:01 |
【神】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>G11 ルチアーノ 「しょうがねえな。全部投げ出したくなった時は 手の掛かるamoreを連れ去ってやるとするか。 何ならロメオの奴も巻き添えにしてやろう 道連れは多いほど良いからな、抜け出して酒でも飲むか」 どうせ怠惰を望むだけで怠惰に過ごしたいわけではないくせに。 そんなふうに内心勝手な事を思いながら、 シレッと本人の居ない所で勝手に巻き添えを増やした。 「うへえ、まーだやってたのかよあいつ。しかも死んだのか。 要らん要らん、どうせろくでもない事しかやってないだろ もう死んだ奴のやった事なんざ知っても何にもならん」 「あいつもなんであんなになっちまったかね」 イレネオという男とは墓地で出会してからそれっきり。 以降会う事も無かったのは幸運なのか、 或いは聞かずじまいに終わるという不運なのか。 今となっては答えのないことだ。 「ま、荒療治だが結果的には良かったんじゃねえの。 これでお前も漸く前だけ見て生きられるってわけだ」 前だけを見るしかないとも言うが。 あなたにファヴィオ・ビアンコという上司が居た事を知っている。 それを撃ったという事は、 そこに何某かの過去の決別があったのも確かだろうから。 (G12) 2023/10/01(Sun) 5:13:13 |
【神】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ>>G13 >>G14 ルチアーノ 「仕事一筋にはなりたくねえもんだなあ。 真面目が行き過ぎるとどうも融通が利かなくなるらしい」 どうもずいぶん真面目に考えているらしい話に交え、 やや私怨の混ざった評価を笑い飛ばした。 良くも悪くも死者を引き摺るつもりも、 死者を嘲笑う趣味も無いが。 反面教師にくらいはしてもいいだろう。 この首のケロイドが消えるまでは。 「仕留め損ねたねえ、そりゃ残念だ。 次はちゃあんと頭を二回ブチ抜いてやれよ。 この世の面倒事なんざ金と弾丸で9割片が付く」 「殺ったら教えろよ。覚えてたら祝ってやる」 物騒な提案に物騒なお祝いを添えて。 淡々とした言葉には内心珍しいなと思いながら、 物騒な発言とのちぐはぐさにチェシアの猫のように笑った。 きっと互いに人間は案外あっさりと死ぬものだと知っている。 そして、それが小憎たらしい人間であるほど、 死に際はあっけないものだとも。 (G15) 2023/10/01(Sun) 6:32:44 |
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