人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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【赤】 灯守り 芒種

[ 自由に外出をすることもなかったから知らなかっただけで。
  父の家は驚く程近くにあった。
  運動不足のわたしの足で近くまで辿り着けても
  かろうじて不思議が無い程度には。

  父の顔はよく見ていたので、知っていた。
  度々気紛れに顔を見に来ては、
  気紛れにわたしを可愛がっていたから。

  人形、ぬいぐるみ、絵本、玩具
  洋服に、アクセサリー
  いろいろなものを持ってきては
  なんとか機嫌を取ろうとしたけれど
  いつもどこか見当はずれで、けれど捨てられなくて
  殆どが新品同様のまましまい込まれたままだった。

  何もわかっていないころは度々贈り物をくれる相手を
  父親だと理解しないまま『あにさま』と呼んで
  それなりに懐いていたこともあったらしい。 ]
(*0) 2022/01/21(Fri) 5:04:21

【赤】 灯守り 芒種

[ わたしが彼を父だと理解できる歳になっても
  わたしの境遇について父は一度も謝りはしなかった。
  恨む権利はあるとだけ何度も言われた。悪いのは自分だと。

 「それで楽になるのはあなただけでしょう?」

  その頃にはわたしはもうすっかり弄れていて
  そんな可愛げのない言葉で無気力に笑いかけるだけだった。
  声を上げて泣き叫ぶ気力はもう磨り減った後だったから。

  一度でいい、せめて言い訳を聞かせて欲しかった。
  嘘でもいいから手放したくなかったと言って欲しかった。
  たとえその場限りの子供だましでも
  いつか一緒に暮らそうと言ってくれるのを待っていた。

  それ以外のものなんて、何一つ欲しくはなかった。 ]
(*1) 2022/01/21(Fri) 5:05:40

【赤】 灯守り 芒種

[ 家を出て、拾われて世話になった家には、
  暫く疎遠になっていた懐かしい気配がそこかしこにあった。

  赤子の横には絶妙に可愛いと言い難いぬいぐるみ
  違うとも言えないが女の子用か永遠に悩む玩具のチョイス
  なぜそれを選んだが思わず問い質したくなるような
  どうにも残念な柄の男物のおおきな服

  そんなもので気付くことは勿論なかったけれど
  すっかり打ち解けた女性が笑顔で出迎えた相手が
  父だったのを理解しても、驚くよりも納得した。

 「芒種様ががそろそろ一度顔を見せろとおっしゃっている。」

  久し振りに聞く声に気まずそうに「帰れそうか」と問われ
  世話になっている間一度も崩さなかった
  完璧なよそ行きの態度を忘れ思わず素で
 「本当クソだな」とぼやいたせいで暫くの猶予が設けられた。
  夫婦は陰で言い合ったようだ。
  知ったことではない。

  問われなかったので弁明しなかったが。
  べつに父に言ったわけではない。

  自分の帰る場所はあそこなんだと思い知って溢れただけだ。
  咄嗟に『帰りたくない』とは思ったが
  『もう帰らない』とは出てこなかったから。 ]
(*2) 2022/01/21(Fri) 5:07:57

【赤】 灯守り 芒種

[ 自分の覚悟が所詮反抗期の家出レベルだったと思い知って
  諦めて元いた場所へ帰ると決めた。
  計画性が無さ過ぎたので。
  靴くらい履くべきだったし、
  荷物は持てるだけ持つべきだった。
  なにもかもきっと売れば高い。
  そのくらいまで考えるべきだった。
  生きていたくないだけで、どうせ死ぬ度胸もないのだし。

 「ここで一緒に暮らしたい」
  とは思えなかったので言わなかった。
  父はわたしと暮らしたくはないのだから。
  父の帰りを喜んだ母娘に気付いてしまって尚
  あの家から父を追い出し続ける訳にはいかない。 ]


  またあそびにきてもいいですか?


[ 迎えという名の見張りに引き渡されながらそう尋ねた。
  食い気味で何か即答した父を完全に無視して
  女性からの返事をじっと待った。
  望んだ笑顔と返事を、望んだくせに恐怖を以て受け取って
  怯えながらも出来る限りの丁寧な
  礼の言葉を返すくらいは出来たと思う。 ]
(*3) 2022/01/21(Fri) 5:13:46

【赤】 灯守り 芒種

[ 家に帰ってまず待ち構えていた先代に呼ばれ
  碌に向けたこともない目一杯の微笑みを浮かべてやった。
  傍で控えていた側用人はその毒々しさに硬直したという。
  ……そう、媚びるのは昔から絶望的に向いていなかった。]


  ねぇ、芒種さま。
  どうせ赦すつもりで迎えをよこしたのでしょう?
  その寛大なお心遣いに感動で胸がはちきれそう。
  これからは心を入れ替えて今まで以上に真面目にやるわ。

  ……それでね。わたし、考えたの。
  ご褒美があると、今のやる気を違えることなく
  ずっと、ながく、持続できるんじゃないか、って。

  そんなに難しい話じゃないのよ。
(*4) 2022/01/21(Fri) 5:18:47

【赤】 灯守り 芒種



  ねぇ……『おじいちゃま』
  ………玫瑰、お小遣いが欲しいな。


[ にじり寄って、膝の上を陣取って
  腕を絡めて、体を寄せて、擦り寄って、…
  目一杯甘ったるい声を出して潤んだ瞳で覗き込む。
  子供らしい甘え方なんかちっとも知らなかったので
  たしかこんな感じだったかしらと
  子供の頃から何度か見かけた彼の愛人の真似をした。

  結果として要望はあっさり通った。
  先代は卒倒して暫く寝込んだけれど。
  どこで育て方を間違えたかと随分と魘されたようだ。
  知ったことではない。 ]
(*5) 2022/01/21(Fri) 5:19:12

【赤】 灯守り 芒種

[ かくして金に物を言わせた静かな攻防が始まった。
  何と何を争うかなんて決まっている。
  あのあと一歩なにかがずれた絶妙なセンスの数々と、だ。

  父の事は許す許さないのはなしではないが
  父のあれだけはどうしても許せなかった。
  父を選んだ彼女は彼女自身の選択なのだから何も言わない。
  けれどまだ何も自分で選べないあの赤子に
  独特の感覚を刷り込むのは
  どうしても、どうしても耐え難かったから。

  なんて。
  そんなのきっと、ただの口実のひとつだった。
  温かく出迎えてくれることはわかっていても
  あと一歩勇気が出なかったから。

  実際、その後何度も繰り返し
  もういちどあそびにいく、いい口実として使われた。 ]
(*6) 2022/01/21(Fri) 5:20:23

【赤】 灯守り 芒種

[ 小さな赤子が言葉を覚えるのはあっという間で
  自分がどういう立ち位置になるべきかなりたいか
  決めるより先に『姉』の役割が与えられた。

 『目上の女性』も『ねぇね』なので
  否定も訂正もしないままでいたら気付いたときには
  すっかり彼女に『自分の姉』として認識されていた。

  きっと訂正する機会はいくらでもあったのに。
  どうなりたいかどうなるべきか
  答えがでないのを言い訳に先延ばしにした。

  はじめて、わたしと家族でいてくれる相手ができたようで
  家族でありたいと願ってくれる相手ができたようで
  どうしても、手放すことができなかった。 ]
(*7) 2022/01/21(Fri) 5:21:51

【赤】 灯守り 芒種

[ 子供らしい甘え方の正しい解は随分と遅れて知った。
  小さな子供と接する機会がなかったから。
  自分が子供らしい遊びを知らなかったことも、知った。 ]


  ええと、……まってね?
  どうするのが正しいのか考えるから。

  ……、……とってもおいしそう!ね?
  茉莉ちゃんはお料理が上手ね。
  ママに似たのね……

  ええと、その……いただき、ます……?
  たべる?のよね?きっと、
……え、たべ…る……、……?



[ はじめて知る遊びにいつも戸惑ってしまって
  子供の遊びすら上手くできないわたしを
  それでも懲りずに何度も遊びに誘ってくれるのが
  また失敗するのが怖くて、けれど嬉しくて
  うれしくて。

  最初はへたくそだった絵本の読み聞かせも
  後継としての教育以上に熱心に取り組んだ。
  自分が贈った絵本を選んでくれた時に機嫌が良くなるの事に
  幼い彼女が気付いた上で絵本を選んでいると気付いたときは
  いろんな感情がごちゃまぜになって
  どれが正解か悩んで軽く知恵熱をだしたりもした。 ]
(*8) 2022/01/21(Fri) 5:25:20

【赤】 灯守り 芒種

[ いつの間にかあの子がわたしの世界の中心になっていて
  あの子にはなんでも与えてやりたくなっていた。

  例えば、そう。
  わたしには与えられなかった『自由』だとか。 ]
(*9) 2022/01/21(Fri) 5:25:56

【赤】 灯守り 芒種

[ 真面目にやったところでわたしの出来は頗る悪く
  何をやらせても不器用で、伸び代は早々に尽きて。

  それでも父の…祖母の血筋を諦めきれない先代は
 『もうひとりの娘』に目をつけた。
  まだ諦めきれないわたしに競い合わせようと目論んで
  わたしにも、わかるように。

  是が非でも退場していただこう。
  たとえ今のわたしに芒種が務まらなかったとしても
  知ったことではない。
  そう決めるのに時間はかからず、
  そう動き出すことに迷いはなかった。

  幸い、芒種を失落させたい味方はたくさんいた。
  みんな自分に都合のいい誰かや自分を次の芒種にしたくて
  その為には、今の芒種は邪魔なひとが沢山いたから…… *]
(*10) 2022/01/21(Fri) 5:27:08

【人】 灯守り 芒種

[ >>1:105いつもわたしを信じきって体重を預けてくる。
  この子のことすら微塵も信じられないわたしには
  決して真似できないその振る舞いは心にずっしりと重たい。

  裏切りたくない、期待されるまま、或いはそれ以上に
  彼女の望む立派な姉でありたい。出来もしないくせに。

  願望と現実の差なんてもう嫌と言うくらい
  理解しきっているはずなのに、
  何度でも新たに絶望する。 ]


  長い移動だったからお着物が着崩れてしまっていないか
  少し鏡を見ていただけよ。
  ああ、けれど……ふふっ、今また崩れてしまったかも。

  暫く見ない間に、あなたがすっかり大人になっていたら
  どうしようかと少しだけ期待と……
  たくさん心配をしていたのだけれど。

  相変わらず茉莉は甘えん坊さんのままね。

  
(14) 2022/01/21(Fri) 5:30:03

【人】 灯守り 芒種

[ 無邪気な笑顔は子犬みたいな愛らしさがあって
  悩んでいること全部が一瞬なにもかもどうでもよくなる。

  守りたいこの笑顔。
  可愛さの化身か。かわいいがすぎる。
  今日も妹が尊い。もはや世界遺産。

  妹しか勝たん。

  限界オタクと化し死んだ語彙と情緒を立て直す作業だけは
  プロ級なので、天使かな?とか余韻で考えつつも
  一瞬たりとも表情筋が崩れることはない。

  供給過多な脳内麻薬でちょっと逝ってる頭のまま
  推しに蕩かされてうっとりと溢す熱っぽい吐息を、
 「安心したわ」なんて取って付けた言葉で
  安堵の溜息に非常に雑に擬態させておいた。 ]
(15) 2022/01/21(Fri) 5:30:31

【人】 灯守り 芒種

[ 姉の挙動がいつでもだいたいおかしいことには
  一切動じることがないくせに
  ふと、体調ばかりを慮ろうとする心配性の気配を察した。

 『助けること』が出来るようになってからは
  特に顕著な気がするその癖を矯正してやりたい。
  そんな自分勝手な昏い願望を胸の内に押し込めて
  確かめるように重ねられた手のひらに指を絡め
  指の間の温い体温を此方から奪い取りに行く。

  過ぎたものを与えようかと彼女が悩むより先に
  必要で充分な分だけを譲り受けるために。 ]


  あら、冷たかったかしら。
  そうね……ここはいつでも少し肌寒いかも。
  普段が普段だから、どうしても、ね。

  茉莉はいつでも暖かいわね。
  幾つまでこのままでいてくれるのかしら。
(16) 2022/01/21(Fri) 5:32:36

【人】 灯守り 芒種

[ 彼女には自由を。
  彼女のしたいことの邪魔はしない。

  今頃立春ではなく芒種になっていたかもしれない未来を
  自分が望んで、毟り取った時に決めたことだ。
  今更違えるわけには行かない。

  自己犠牲なんて一番選んで欲しくない能力だった。
  それでも刷り込まれ押し付けられた感性でなく
  体験から見つけた望みを選び取った結果なのだから
  否定はしたくない。物分りのいい顔をしたい。
  理解者であるような、いい顔をしていたい。
  彼女のためではなく自分自身のために。

  けれどそれが正解なのか、わからなくて。

  どうするのが正解なのか、
  幾ら悩んでも未だ答えは出ないままだった。 ]
(17) 2022/01/21(Fri) 5:33:59

【人】 灯守り 芒種


  あら、もうそんな時間?
  呼びにきてくれて助かったわ。

  あら……こんなことで良ければ、幾らでも。
  もし、誰かになにか言われたら
  わたしの手が冷たかったから温めていたって言えばいいわ。
  本当のことだもの。


[ 時間に死ぬほどルーズな姉を意識せずフォローする
  神対応に圧倒的感謝しかない。
  顔がいい上に性格もよくて軽率に推せる。
  しかも甘え方が可愛くてしんどい。最高オブ最高。

  姉の顔は崩さずに頭の中だけで静かに発狂する。
  元より離す気のない手をぎゅっと握り締められて
  変な呻き声が溢れそうになったがギリギリで喘ぐのは堪えた。
  手を引かれるまま歩き出す。

  昔は逆だったのに頼もしくな……ったとか言いたいが
  何時だって引かれる側だ。
  歩幅で勝てるうちに手ぐらい引いて歩けば良かった。
  実に惜しいことをした。

  そんな阿呆なことを考えているなんて
  なぜだか妹には特に不思議と伝わらない。 ]
(18) 2022/01/21(Fri) 5:34:50

【人】 灯守り 芒種


  いいわね。
  一緒にお風呂に入るなんて何時振りかしら。


[ 度々軽率に暴かれ、毎度それを雑に隠すものだから。
  帯を解くと家で待っている猫の機嫌を損ねるのだけれど。
  推しの裸及び成長の成果を合法的に拝み
  推しの浸かったお湯を浴びる魅力の前には
  その程度の面倒、無力でしかなかった。

 「断られるかも」なんて懸念を
  妹が抱いているかもしれないと、姉は考えることがない。
  彼女はいつだってわたしにならなんでも叶えて貰えると
  信じきっているはずだと疑っていなかったし
  当たり前にそういう思考になるくらいに
  いつだってなんでも望まれるまま
  叶えられる限り叶えてきたつもりでいたから。 *]
(19) 2022/01/21(Fri) 5:37:21

【独】 灯守り 芒種

/*
なんか、めちゃくちゃじかんあったのに……
なんもせんでながめちゃう。

誰がどこで何してるか何も把握できん。
なんもわからん……

妹ちゃんがかわゆいことしかわからん。
いや、じゅうぶんだな?じゅうぶんだった。
(-34) 2022/01/22(Sat) 6:25:41

【独】 灯守り 芒種

/*
年齢10以上下か圧倒的に上しかいないので
誰にも話しかけようという気が起きない。

うそです近くてもだいたい起きません。
平常運転です。

天乃くんに絡むかプロローグからなやんでいる。
(-35) 2022/01/22(Sat) 6:31:06

【独】 灯守り 芒種

/*
妹ちゃんかわゆいね。
かわゆいな?え?これわたしの妹?え?
かわゆ。え、つれてかえっていいですか?
(-39) 2022/01/22(Sat) 10:32:05

【独】 灯守り 芒種

/*
姉は「こうしたい」を一切口にせず諦めるくせに
不満だけ一人前に抱く人なので
その視点から見た真実と
実際に起こったことはきっとちがうんだぜ。
(-40) 2022/01/22(Sat) 10:34:14

【独】 灯守り 芒種

/*
パッパはご近所住まいでそもそも逃げてないし
生みの母どこいったか知らんが
男手ひとつで苦労させて育てるより
可能なら恵まれた環境をって
良かれと思って芒種に預けてるかもだし

才能がないなら無理をさせるより
やり直しが効くうちに他の道を
選ばせててやるべきって考えは間違ってないし
姉が脱落して空いた席に
妹ちゃんをって考えた人はだいたい
芒種になれるのは名誉な事って思ってる。
(-41) 2022/01/22(Sat) 10:49:07
 




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