人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「あんたが正論を言ってると、
 鼻をつままれたような気分になるよ」

ははは、と笑い声を放り投げる。
間に置かれた距離はちょうどよくて、
それでもきっと短すぎる。

「はいよ。
 じゃあちょっと準備するから、大人しく座っててくれますかね」

店ならサイフォンを火にかけたりしはじめるところだが、
裏口から入れば店の外観からは想像もできないほど
狭くぎゅうぎゅうと物が押し込まれた部屋がひとつ。
あなたも何度か覗いた事くらいはある、事務所兼黒眼鏡の私室だ。

スチールデスクの上に置いてあった電気ケトルのスイッチを
ぱちんと指で弾きながら、

「あんたからなんか持ってくるなんて、
 明日は海が荒れるな。
 船は出すなといっておかにゃ」

二つ置かれたカップのひとつをひっくり返して、
口許だけで笑った。

「で、ご注文は?」

珈琲ではなく、と。黒眼鏡の隙間から、瞳が覗いた。

#Mazzetto
(-5) 2023/09/11(Mon) 21:20:14

【人】 黒眼鏡

>>0:179 イレネオ

ぎらぎらと研ぎ澄まされ、突きつけられる牙に視線が合う。
柔らかく緩みすらする黒眼鏡の奥の目が、
どこか楽しさを抱えている。
若者と話すと楽しい。
その言葉通りなら、そういう感情で。

「好き嫌いはよくないね」

指は渋面を一度、くるりと空中でなぞるように回ってから
再び膝の上へと戻る。

視線は奥へ──祈りをささげる神父のほうへと向けながら、

「今夜には仕事があるよ」
「きちんと税関を通ってきた、
 法律上何の問題も無いコンテナを受け取るのさ」

海。
黒眼鏡の部署は、"港"とも呼ばれている。
ファミリーの密輸・流通、流れるものの大半を牛耳るその中核は、
船。
海に囲まれた三日月島における海運には、
黒眼鏡の息がかかった会社がそれはもう、浜の真砂のようにある。

#教会
(5) 2023/09/11(Mon) 21:29:20

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

いいやNon.

そして囁きには、すました顔で否定する。

「道中に部下が関わってる可能性は否定しないが。
 あえてここに麻薬を広めることはしてないね。
 主観だけ伝えるなら、
 麻薬は儲かるが、関係者の中にバカが混じるというリスクがデカい」

…そこでようやく、もう一度あなたに視線を向けて。

「今追ってるのはそれ? イレネオくん。
 俺も調べて置こうか?」

#教会
(-8) 2023/09/11(Mon) 21:30:16

【赤】 黒眼鏡

――反社会組織取締法成立のため、
さる資産家が多額の融資を行った。
そいつは『アリソン・カンパネッロ』という女性だという。
署長代理を強力に支援したという、
けれど正体不明の彼女の存在は、
この法案において独特な立ち位置を持っていた。

そんな彼女から、あなたたちへと連絡が入る。
あなたたちは、警官として秘密裏に摘発チームにアサインされただろうか。
それとも、全く別の理由で関わるのだろうか?


/*改めて、皇狼です。
皆さまよろしくお願いいたします。

もしよろしければですが、所属組織の関係もあり私から皆様にお声をかけるシーンなどやらせていただければと思います。
皆さんはどういう立場で摘発チームに参加しているかなど、
開示できる情報がありましたらお伺いできれば幸いです!
(*1) 2023/09/11(Mon) 21:57:30

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

「部下の管理も出来ないほど耄碌したのか。」
「引退を考えた方がいいんじゃないか。その前に洗い浚い吐ききって。」

反撃の機とばかりに返したのはそんな言葉。
その程度で貴方が狼狽えるはずはないとわかっている。だから本当に、これは何の意味もない、憂さ晴らしに近い棘。
そんな風だからこそ、返ってきた言葉の角度に戸惑うのだ。

面食らって。
合わせた金の目が丸く開いた。
そしてすぐにまた、見通そうとするように細まる。

「はあ?」
「何を企んでる。」

窮した、馬鹿の一つ覚えのような。

#教会
(-14) 2023/09/11(Mon) 22:55:20

【赤】 黒眼鏡

――理由など聞かれることはない。
警察の関係しない、だが恐らくは誰かの息がかかった雑居ビル。
打ちっぱなしのコンクリートで覆われたそこの一階に、
狂犬が二人集められた。

無機質な机と椅子が三脚。
それだけの部屋に、

「『Albero』、『N.N.』だな。
 アリソン・カンパネッロだ。
 アリソンと呼べ」

とても『女史』とは呼べない風体の者が、
ドアを押し開け、靴音高く入ってくる。


/*ありがとうございます! よき狼ライフを送りましょう。
ちなみにこちらはこの通り、
法案の成立を強力に後押ししたある意味での仕掛人、クロマクです。
立場上偉そうにふるまい、指示をくだすことも多いかと思いますが、基本的に行動は相談して決めて行ければと思っておりますのでよろしくお願いいたします!
(*4) 2023/09/11(Mon) 22:56:39

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

今日は特にメッセージがない。

ただいつもの場所で受け取れば、

『送った』

とだけ書いてある。
……家に帰れば、宅配便が届いているだろう。
チョコレートに合いそうな、
色鮮やかな七色の缶に入ったフレーバー・ティーの詰め合わせだ。
当然のように、高い。
(-15) 2023/09/11(Mon) 23:07:58

【人】 黒眼鏡

>>18 イレネオ

あなたのふるまいのいちいちが、
きっと薪のようにくべられて
満足そうな笑顔の熱が保たれる。

「そう」
「法律上」

神父の言葉は、もう聞こえない。
――けれど男は、形ばかりの祈りの姿勢は崩さない。
あなたとの話よりも、そちらに半身を預けているようだ。

「イレネオくんも大事だろう、法律。
 俺もね」

だがそれは、それとして。
片手であなたに、崩したピースサインのようなものを送り。

「可能な限り守っていきたいよ、法律。
 市民の義務だ」

#教会
(22) 2023/09/11(Mon) 23:21:30

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

「この仕事をほかのやつに譲る気はないなあ」
「部下の教育も上司の仕事だから、そこはご忠告どうも。
 キミの上司も、しっかりと教えてくれているかな」

頭をかく手は、演技じみて。

「いや、もし本当に薬がバラまかれてて、俺が知らないなら」
「どこがやってんのか、ってなるでしょう」
「商売敵だったら、しかるべき対応はしないとねえ」

なにかおかしいことを言った?と。
頬に手をついて、首をかしげた。

#教会
(-18) 2023/09/11(Mon) 23:21:41

【赤】 黒眼鏡

「女王でもなんでもない。
 ただのオフィス・レディくらいに扱え」

OLは、法案に莫大な寄付などしない。

「部下でいいのか?
 チームではあるが、組織上の上下などないが」

低いテーブルに腰かけながら、笑みすら浮かべずに返して。

「おれは昔からこうだ。
 眼鏡を外しただけさ」

文字通りだ。
(*7) 2023/09/11(Mon) 23:29:33

【赤】 黒眼鏡

「エヌか。
 お前も頼む」

かつ、かつ、かつ。
靴音がまた響いて、『アリソン』が二人の目の前までやってくる。
差し出されたのは――古びた携帯電話と、口座番号とパスワードが書かれた紙。

「連絡用だ。
 普段は使うな。
 カモフラージュでbotからスパムが延々と届くから、着信音もつかないようになっている」

「こっちはチーム活動用の予算だ。
 好きに使え。領収書なんか出さなくてもいいが、無駄には使うな」

てきぱきと指示してから、他に質問は? と。
(*8) 2023/09/11(Mon) 23:35:06

【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡

「……ふぅん」
「ね、何で喧嘩やめちゃったの?」

ずっと気になっていたのに、聞いてこなかったこと。
昔と今で、すっかり変わってしまったあなたのこと。
今も楽しくやれているのかな、とか。忙しそうだけど充実してるのかなとか。
彼女なりに心配していたのだ。

「分かった。……って言っても、悪くなったら元も子もないし。
 冷凍のカルツォーネがあったらそれも買い溜めておくわね」

今は様々な保存方法に、いろんな味があるものだし。
暫く憂いがないようにしておくのもいいんじゃないかという気遣い。

ここ数年で幾度と触っているあなたなら、昔スラムにいた頃よりもずっと肌も綺麗になっていることに気付いていただろう。
手入れをする余裕が生まれたのだろう、年を経て変わったのは彼女も同じだ。

「あら、もうそんなになるの?
 全然実感ないわ、あの頃の"お兄さん"って印象が強いんだもの」
「元気って言われても何だかぴんとこないけどね。
 毎日楽しくしてるのはそうかも。今の生活、大好きよ」

密着しているのに、こうしているとまるで年が離れた兄妹であるかのようだ。
あたたかくて、心地よい距離。
(-21) 2023/09/12(Tue) 0:00:42

【赤】 黒眼鏡


「無理はしなくてもいいが。

 ああ、もちろん――"アリソン"がどんな女だったかなど、
 上司にも漏らすなよ。
 女について語ることほど無粋なことはない」

確認については、どうぞ、と手をやる。
(*11) 2023/09/12(Tue) 0:10:20

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

これの動作は武骨で。
貴方の仕草は演技じみて優雅だ。

もし本当に薬がバラまかれてて、俺が知らないなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自分が掴んだ情報がガセだったのかと一瞬疑い、ぐ、と息を詰める。
しかし、これは往来で小耳に挟んだ噂話などではない。確かなはず、と詰まった息を飲み下す。

「潰し合いか。」
「それで、また人を殺すのか?」

#教会
(-25) 2023/09/12(Tue) 0:20:26

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「カポにもなって、殴ったの殴られただのやっていられないだろう。
 殴ればより仕事が面倒になるだけだ」

もちろん、嘘だ。
アレッサンドロが面倒になるとかそういう些細な・・・ことで出すのを我慢できていたなら、あのときもその時もあんな大ごとにはなっていない。
あなたの言葉には、まるでなんともないように緩む口許の笑みを見せて。

「おう。悪いな。
 冷凍ね、最近のは悪くないしな。
 お前も最近……」

肌をとんとん、と撫でる指先。
遠慮なく女の肌を弄うことはしても、
いいもん食ってんな、みたいなことを言わない程度の配慮はあったようだ。

「俺を兄さんなんて言うのは、お前らくらいだよ」

もう一人、あなたと一緒にちょろちょろと走り回っていた少年のことを指しつつ、

「そりゃあ、よかった。
 まあ、そういうのが一番だ。
 お前にゃあ未来があるんだからな」

兄妹のように遠慮なく、ぐいと抱えた腕が胸元を押し上げる。
別に色気のあるふれあいでもないが、
とん、と押せばすぐに転げ落ちるような――
人肌の暖かさと、心地よさが暮れなずむ。
(-26) 2023/09/12(Tue) 0:22:33

【赤】 黒眼鏡

「勿論、構わない」

何もためらうことなく頷いて。

「ただ、基本の方針として――
 
どちらでもいいならマフィアだ。


いいな、と確認をとりながら。
ばさり。
机の上に資料を投げる。

「読んだら捨てろ。
 最初のターゲットだ」

ガイオという名のマフィアだ。
観光案内所の役付きで、観光客相手に"仕事"をしている。
…あえて狙う必要はなさそうだが、

「"うまく"やっているやつだ。
 そういうやつも叩けると示せば、今後やりやすくなる」

「直接の執行は任せる。人手が必要なら、警察から要求があれば連絡しろ」
(*14) 2023/09/12(Tue) 0:48:54

【赤】 黒眼鏡

「他」

――質問は?

ファミリーへの明白な敵対行為。
血の掟の上に腰を下ろしてどっかと座るようにふてぶてしく、
男はチームの指揮を執る。
(*15) 2023/09/12(Tue) 0:50:14

【人】 黒眼鏡

>>28 イレネオ

「それでも、祈る権利くらいは守ってくれるんだろ?」

それもまた権利だろ、と。
一度目を閉じて顔をふせる様は、
まるで黙祷しているかのようだった。

「なるほど、それじゃあ今は俺はきみに守られているわけだ。
 警察つきの礼拝も悪くないね」

ぱ、と顔を上げた時には、そんな様子はどこかにいってしまっていたけれど。

#教会
(29) 2023/09/12(Tue) 1:00:35

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

男は問われないことには何も応えない。
ただ、問われたことには、

「もしそれが必要なら、誰かが死ぬことはあるだろうが」
「なるべく少ない方が、俺の仕事は楽になるね」

それは本音だったか、どうか。


#教会
(-27) 2023/09/12(Tue) 1:03:17

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

「別にいつでも詭弁を口にするわけじゃあないさ」

長い脚を折り曲げて言われた通りにソファに座る。
手持ち無沙汰げに上げた目が散らかった部屋を見回して、そのひとつひとつを眺めた。
小言じみた声を聞き流しながら、明け渡されずに残された物を見つめている。

机なりがあるなら、その上にビニエを置く。紙袋から取り出すまではしない。
ご丁寧にふたつきりのそれを、どう扱うかは持ち込んだ先が決めるべきということ。
座った席の肘掛けに頬杖をついて、注文の為に口を開く、その合間に視線が戻ってくる。

「言っただろう。最後になるかもしれないから、って」

スカイブルーの瞳は色付きレンズの向こうをじっと見つめる。
冗談にしては、視線は外れないまま瞬きも少ない。

#Mazzetto
(-29) 2023/09/12(Tue) 1:27:19

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「そうとも。似合わないさ」

湯が沸く音、インスタントの珈琲が注がれる音、部屋を歩く軽い足音。
部屋は狭いなりに雑多な荷物が押し込まれていて、
いうなれば狭苦しい。

だが机の上はきちんと開けていて、
無秩序にちらかされているわけではないことは分かるだろう。

「皿」

さほどの時も置かず、コーヒーカップを二つ片手で鷲掴みに持ってきて、
もう片方の手で皿を一枚机の上にかちゃんと放る。
コーヒーカップもことり、と続き、
やっと空いた手でビニエの袋を吊り上げて、中を取り出し一つを皿の上に乗せた。
雑に手で押しやるように、その皿をあなたのほうに差し出す。

「――なんだ、ついに辞めンのかね。
 それとも転勤?
 勤め人は大変だね、旦那」

がぶり、とビニエにかぶりついて、瞳を合わせる。
視線が合わない時は一切合わないし、
合ったのなら外すことはない。当然だ。

#Mazzetto
(-30) 2023/09/12(Tue) 2:08:27

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

「燕が運ぶ黄金の元はここから剥いできているのか??」

言葉は暗に蔵の中身を空けたかのような部屋の様子を指していた。
いずれは此等も人々の手の中に明け渡されてしまうのか、
それとも難を逃れたものたちがここに残されているのか。

黒く帳の降ろされて色の見えない瞳を、見えているとでもいうように見つめる。
その癖見透かしているというには目元の険は鋭くはなく、望遠鏡を覗き込むようで。
しばらく見つめ続けたあとに、ふ、と満足げに笑って視線は外された。
何を悟って何に納得したか、なんて口にされることもない。

「お前のほうこそ景気はどうなんだ。市井が荒れると、書き入れ時だろう。
 それとも一丁前に店一本に絞れるくらいにはそろそろ腕も上がった頃か?」

貴方を見つめていた時には蝋のように動かなかった指は、すいとコーヒーカップの方を取った。
手間の少しも掛けられていないインスタントであるのを目の前にして知っているのに、
わざわざ一口啜って、皮肉っぽく片眉をあげた。

#Mazzetto
(-35) 2023/09/12(Tue) 7:43:38

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

あなたに、その日届くメッセージ。

『例の件、摘発チームが編成された』
『メンバーを知る必要があるが、無理はしなくていい。
 引き続き、署内の対策法に対する態度を探れ』
『ただし「アリソン」には気を付けろ。その名前が出たら触れなくていい』

…女性の名前だ。

『それと資金を追加した。好きに使え』

君の口座に、追加で予算が振り込まれている。…車でも買えそうな額だ。
(-36) 2023/09/12(Tue) 8:12:44

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「そうだったり、そうじゃなかったり」

ここにあるから渡している――だけではなく、新たに買ったりしているらしい。
意味不明だ。
彼自身が使っている電気ケトルなどは、簡素でシンプルなものでしかない。

目を合わせて、言葉もなくじいと視線が交わされて──
肩を竦める。
不十分だ。
だが、十分だった。

「客は来るよ。こないだも、警官さんが来たぜ。
 まったく、人気店は困るね」

客が来るのは当然のことだ。
珈琲については自分も口にして、眉だけをあげて、
…少しだけ笑ってから、腕を組んで。

「……うちは流通だ。
 何もなくつつがなく、ただ流しているのが一番儲かる。リスクもなくな。
 しばらくはやりづらいだろうな。
 俺の好みじゃない」

10年カポとして"真面目に"やってきた男の手腕は、
驚くほどに保守的で慎重なものだ。リスクを最も嫌う。
今の状況は、彼の指揮する"港"にとってはあまり好ましいものではないのだろう。

#Mazzetto
(-38) 2023/09/12(Tue) 8:26:54

【秘】 黒眼鏡 → コピーキャット ペネロペ

メール。

『暇なとき店に来い。急ぎではない』

営業メールだろうか…


『犬にも言っておけ』

ダヴィード
(-39) 2023/09/12(Tue) 8:28:53

【人】 黒眼鏡

営業中の看板が出ているが、店主は店にいない。
……いや、たまにガレージの方から顔を出しては、表の掃き掃除をしている。
掃除をすることはできても、カウンターに座り続けることはできないようだ。
機械いじりの方が楽しいのだろうか。

#Mazzetto
(37) 2023/09/12(Tue) 8:30:12

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

単に手段として行われる加害。
淡々とした、殺人の可能性。

ほら、見たことか。
それが貴方の本質だろう。そう問うような金の瞳は、案外にも目を逸らさない。

「……」
「アレッサンドロ・ルカーニア」
「お前を捕まえる。必ず。」

逸らさないまま。
宣戦布告のようにも、未熟ゆえの蛮勇のようにも、自己の存在意義の確認の用にも聞こえるそれを、やはり貴方にだけ聞こえるように吐き出した。

#教会
(-42) 2023/09/12(Tue) 10:08:33

【人】 黒眼鏡

>>40 エルヴィーノ

「これはこれは、毎度どうも」

黒眼鏡越しに笑顔を浮かべ、あなたを歓迎するように片手をあげる。

「勿論、それが仕事だからね。
 出してくるから、珈琲でも飲んで待っててくれ」

注文されれば、余計なことを問うことも無い。
珈琲をカップに注いであなたの前にだす。
そうしてから、店の奥へと荷物を取りに引っ込んでいった。

待っていれば、ほどなくして紙袋を一つ持ってくるだろう。

#Mazzetto
(44) 2023/09/12(Tue) 10:32:45

【人】 黒眼鏡

>>42 イレネオ

「昔は手の方が早かったんだがね。
 最近こっちばかり使っているから、減ったら困る」

あなたの様子を相変わらず楽し気に見つめながら、
また軽口をぽいと一つ。

「仕事熱心だね」

そう言うと、また神父の方へと座り直して目を閉じる。
それはやはり、祈っているかのようだった。

―――
――



黒眼鏡はその後、時間一杯礼拝に参加してから立ち上がる。

「俺は帰るけど、キミはどうする?」


#教会
(45) 2023/09/12(Tue) 10:46:06

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

「うん。
 仕事熱心なのはいいことだ」

彼はそう繰り返すだけ。
ただ、その顔に滲む笑顔のようなものが、
なんとも満足そうで、楽しそうだった。


#教会
(-43) 2023/09/12(Tue) 10:47:38

【赤】 黒眼鏡

「任せる。やり方もな。

 ああ、部下も逃がすな。
 名簿にあるやつは全員引っ張っていい。
 なるべく殺すなよ。死者はリスクで、俺はリスクが嫌いだ」

殺さなければいいということだろう。

「それと――……別に摘発チームが編成されているらしい。
 そっちについて何か分かったら教えろ。
 警察内部の情報は、さすがにわからん」
(*17) 2023/09/12(Tue) 10:53:31

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

貴方の言う通り。
言葉熱心な青年は、貴方の言う通り、今晩港に行くのだろう。
嘘つきだなんだというくせに、そういうところは信じる。いや、所謂足で稼ぐということだろうか。

いずれにせよ。
この渋面が貴方に付きまとうのをやめる火には、今はまだほど遠いようだった。

#教会
(-44) 2023/09/12(Tue) 11:22:39

【赤】 黒眼鏡

「分っているならいい。
 大分強引な仕組みだ、無理をしすぎず実績だけ積み上げて、動きやすくしてやろう」

続く言葉にも、ああ、と頷く。

「これは"アリソン"のプランだ。
 俺の目が届かないチームは要らん。
 潰せ」

淡々と告げる。いらないものをゴミ箱にすてるのは当然のことだと、そういっているだけのよう。
(*20) 2023/09/12(Tue) 11:30:08

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

/*
PL発言で失礼します。バナナマンパナマ湾です。
トゲトゲの男にお付き合いいただきありがとうございます。
PLは黒眼鏡さんが大好きなので今すぐにでも尻尾を振りたい気分なのですが、PCがPCなので出来ず悔しい思いをしています。素敵な方とお話できて嬉しいです。

あまりこういうRPをしたことがなく、不快な思いをさせていないか不安になったので連絡しました。
当方のPCの発言で嫌な思いをされていませんでしょうか。されていましたら申し訳ありません。その場合、今後のやり取りについては抑えるか完全に取りやめますので、仰ってくださると幸いです。
(-45) 2023/09/12(Tue) 11:31:04

【赤】 黒眼鏡


「分っているならいい。
 大分強引な仕組みだ、無理をしすぎず実績だけ積み上げて、動きやすくしてやろう」

続く言葉にも、ああ、と頷く。

「これは"アリソン"のプランだ。
 俺の目が届かないチームは要らん。
 潰せ」


「話がスムーズでなによりだ。
 できるチームを持ててうれしい」

N.N.の言葉にも頷く。
…どういう姿勢か、なぜ参画したのか、そういうことは一切問わない。
ただ話がまとまったという事実だけで十分と、手を鳴らす。

「では、解散。
 ここはもう使わん。
 次の場所は、また連絡する」
(*21) 2023/09/12(Tue) 11:32:27

【人】 黒眼鏡

>>46 イレネオ

「自働車修理をしていると、行政にも提出しているのになあ」

そんな軽口は、静謐な祈りと聖句の中に消えていって。



「そうか。それじゃあ、ここで。
 車に気をつけてな」

子供にいうような言葉をかけて、教会を出る。
……途中で、ふと。どこかへと視線を向けて、それでも立ち止まることなく歩いていった。

#教会
(47) 2023/09/12(Tue) 11:50:58

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

あなたの存在をどうにか遠ざける手段を、男はきっと持っていた。
だがそうしないのを選んだのは、リスク回避のためだろうか?
……若者と話すことを楽しんでいるのだろうか。

どちらにせよ、港で行われる取引はなんともしっかりとした手続きにのっとったもので、何か分かることはない。


ただ、教会を出た時に彼が見たものについては、君ならばわかるだろう。
どうやらそれは、共同墓地の方を向いていた。

#教会
(-46) 2023/09/12(Tue) 11:52:39

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

/*
ご連絡ありがとうございます、ポップコーン殺人事件です。
トゲトゲ堪能致しました! こちらこそお話いただけて嬉しいです!

色々言っているけど普通に黒眼鏡も悪人なので、むしろ自然な反応かと思います…!
嫌な思いなどは全くしておりませんしむしろ喜んでおりますので、これからもどんどんチクチクトゲトゲしていただけると嬉しいです。よろしくお願いします!!
(-47) 2023/09/12(Tue) 11:54:36

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

/*
ありがとうございます。わーい! 許可が出たので頑張ってチクチクしていこうと思います。

黒眼鏡さんのこと、気になるな……ウキウキしています。この男が引き出せるものかはさておき楽しみです。今後またお話の機会がありましたらよろしくお願いします!
(-48) 2023/09/12(Tue) 12:32:08

【人】 黒眼鏡

>>48 エルヴィーノ

「珈琲をきちんと飲んでくれるやつは、皆上客だ」

自動車修理業のほうと喫茶店、店の内装はそれを半々につなぎ合わせたようで妙なものだ。
なんともハードルが低いことを口にしながら、代金を受け取る。
ついでに、と包みに入ったものをいくつか、一緒に渡す。

「ついでにこれとこれ。
 あー、正真正銘ただの菓子だ。
 そっちは飴で、そっちが焼き菓子だったかな」

ここで買い物をすると、たまにこうして何かを押し付けられることがある。
別に断っても、「そう?」と引き下がるだけだ。

「ちゃんと寝るのは大事だからな。
 体には気を付けろよ」

ついでに、お節介もひとつ。

#Mazzetto
(49) 2023/09/12(Tue) 12:45:15

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡


Si了解

短い1文。
昨日の宅配物についても何も触れられないままの、それだけの応答を送る。
しかしこの日は、追伸があった。

『近々伺います』

そうしてあとはいつもと同じように、読み返して履歴を消した。
(-49) 2023/09/12(Tue) 13:27:06

【独】 黒眼鏡

/*娼婦はニンナ・ナンナを唄う定めなんですかね
(-52) 2023/09/12(Tue) 15:32:39

【人】 黒眼鏡

>>57 エルヴィーノ

「幸い、そういう客に恵まれているよ。
 まったく、いい商売だ」

暢気なことをいいながら、自分の分の珈琲もいれてカップを傾けている。

「余ってたからな。
 まぁ貰ってくれ。

 まったく、客に倒れられたら俺が困る。
 あんたの体のことだ、良い感じにやってくれよな」

特に余計なことを聞くでもない。
それでもそういうことを口に出すのは性分だろうか。

「帰りも車に気ーつけなよ。この辺、海辺で開けてるから皆スピード出しやがる」

#Mazzetto
(59) 2023/09/12(Tue) 17:05:37

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 黒眼鏡


『了解』

ぽん。愛想もへったくれもない返信ひとつ。

送信してしまえば、前に行ったのはいつだったかと思いつつ。
客足が一番少ないのは何時ごろだったかな。
そんな事に思いを馳せるのだった。
(-59) 2023/09/12(Tue) 19:11:12

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

/*
何度もすみません。バナナマンパナマ湾です。PL相談を失礼します。

当方、エルヴィーノさんが貴方といたところを目撃して、「エルヴィーノさんに」突っかかるロールをしようかな……と画策しております。険悪寄りのロールになる可能性があるのでお相手様にPL確認を取ってからになりますし、お相手様の返事によってはロール自体発生しない可能性もありますが、知らないところで当て馬みたいな存在にされるのは嫌かもしれないなと思い先に相談させていただきました。
マツェットにいたことをきっかけにする(場合によっては)険悪なロール、問題ありませんでしょうか。
あまりこういった立ち回りに慣れていませんので、いちいち確認を取ってしまいすみません。お手数をおかけしますが、検討よろしくお願いします。
(-61) 2023/09/12(Tue) 19:55:46

【人】 黒眼鏡

>>65 エルヴィーノ

「そうだろうそうだろ、
 持ちつ持たれつというやつ」

なんとも楽しそうに笑う。
若者と話すと楽しい、などと前にこぼしたことがあるが、
本気だったのだろうか。

「万が一俺がいなくなっても、
 引き継げるようにはするがね。
 そこは…アフターサービスだ」

物騒なことを口に出しつつ、
無害をアピールするように両手を挙げて。
店の扉をからん、と空ける。

「そうしてくれ。
 情報もうちの商いだが、これはいつ入るかわからない。
 気長に待っていてくれ」

よほど暇なのか、店の外まで出てあなたの車を見送る。
手を振るでもなく声をかけるでもなく、
あなたの姿が見えなくなるまで見送っていた。

#Mazzetto
(71) 2023/09/12(Tue) 21:44:21

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

/*
ご連絡ありがとうございます!
こちらとしては問題ありません(エルヴィーノさんがOKでしたら!)ので、
ジャンジャンやっていただければ!
(-65) 2023/09/12(Tue) 21:45:25

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

店員を通して、この日の女の注文があなたへと伝わる。
カップの注文は、『待ち合わせ』を意味していた。
味の数だけ綿密に決められた待ち合わせ場所。
あとはあなたから時間の指定さえあれば、その日時落ち合う運びとなる。
(-67) 2023/09/12(Tue) 22:09:07

【人】 黒眼鏡

カウンターで暇そうにタブレットを叩いている。
すると、メールが一通ポン、と鳴った。

「ん。おー……」

かたかた。返信を打ち込むと、立ち上がる。
壁際に張ったボードにかけてあった車のキーを手に取って、
ガレージへと向かった。
ついでに、カウンターに一枚のボードをかける。

『ちょっとドライブ』

……営業中なのにドライブに行く男だ。

/*来客の方は気にせずいらしてください あなたが来る頃には戻ります
(76) 2023/09/12(Tue) 22:36:16

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

時間の指定が飛んできた。
割とすぐだ。
『今から向かう』と添えてあった。
(-75) 2023/09/12(Tue) 22:38:49

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

/*
快諾ありがとうございます!
今すごく眠いさん側からも許可が出ましたので、そのようにさせて頂こうと思います。

ちなみにこの男は本日墓場で何か黒眼鏡さんに通ずる情報などがないかと捜査を行っていましたが、何か墓場で得られることなどはあるでしょうか。
ない、あるいは開示したくなければ大丈夫です。一方的にPLPC共々やきもきしておこうかと思います。
(-76) 2023/09/12(Tue) 22:43:36

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

/*はい、よろしくおねがいします!

そして直接調べても、今、共同墓地自体で得られることはなさそうな…気がします!

・思ったよりキレイ。何かどこかから寄付金とか出ているのかも。
・たくさん墓標が並んでおり、中には名前が分らなかった無縁仏のようなものもあったりします。
・この国のものではない名前もあり、観光客なども埋葬先に困ったらここに埋葬されていたりするようです。
・墓参りに来る人は結構多いようです。

みたいな感じです! 後日別ルートで突っ込んでもらったら何か分かるかも……!?!?
よろしくお願いいたします!
(-77) 2023/09/12(Tue) 22:55:19

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

今日の指定は、或るマンションの地下駐車場。
白い明かりが天井から、打ちっぱなしの壁を照らす。
あなたの車が現れるのと同じ頃、女もその姿を見せた。
車の傍へと近付いて、乱視のレンズの向こうから、黒いレンズのその奥を映す。

後部座席のドアを開け、乗り込む。
ふうと息をついた女は、まず軽口を叩いた。

「喫茶店、開けてる時間じゃないんですかあ」

知りませんよおなんて続けて。
膝の上に、鞄を載せる。
(-80) 2023/09/12(Tue) 23:21:17

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「よう、お嬢さん」

滑るように入ってきた車があなたを乗せる。
黒眼鏡のお気に入り、赤のフィアット500チンクェチェント――
日本では某怪盗の三世の愛車として有名だが、
今乗るには多分に趣味的だ。
丸みのあるユーモラスなフォルムはしかし、かなり窮屈でもある。

「なあに、うちのお客さんなら分かってくれるさ」

運転席越しに振り向いて、笑う。

「このままドライブでも行くか? ダニエラ。
 海辺とかいいぞ」
(-83) 2023/09/12(Tue) 23:37:57

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

/*

なるほど……! 了解しました!
そして別ルートからなら開拓できる可能性が……? ヮ……! 俺の攻略対象なのかもしれない……うぬぼれてしまう……

ではひとまず単に徒労という感じで終わらせていただこうと思います。未熟な警官らしくてありがたいです。
ちなみに、ここには殉職した警官の墓などもあって大丈夫でしょうか? それともない風に想定されていましたか?
(-91) 2023/09/13(Wed) 0:15:43

【秘】 黒眼鏡 → 法の下に イレネオ

/*
ありがとうございます……!
黒眼鏡に聞いたら教えてもらえるかも…(教えてもらえないかも……)

そして警官の墓もあって大丈夫です!!!
(-93) 2023/09/13(Wed) 0:25:28

【秘】 法の下に イレネオ → 黒眼鏡

/*
わーん PLばかりがどんどん黒眼鏡さんを好きになる……
本当に素敵でかっこいいPCさんで大好きです。相性などでこちらではうまく引き出せないかもしれませんが……その場合はエピローグを楽しみにしようと思います。
良い村を……!
(-94) 2023/09/13(Wed) 0:37:50

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

「知りませんよお。」
「ちょっとサボってる間にい、コーヒー入れるの下手になってもお。」

せっかくこの間は美味しかったのに、なんて。
そこまで言いはしないものの、多分にその意図は滲んでいる。

そんな女は小柄という程でもないが、決して大柄でもない。
そもそもそれ以前、狭い狭くないを気にする必要もなくこの車に乗るのは好きだった。
そう口に出したことはこれまで一度もなかったし、今後の予定にもないけれど。

「海辺にドライブですかあ。いいですよお。」
「あたしでよければ何なりと。お付き合いしますよお。」

だから本当は、その提案に見かけよりも喜んでいる。
それを素知らぬ様子に変換する、ひねくれた女であるだけで。
もしかしたらそれすら、あなたには筒抜けなのかもしれないけれど。
(-100) 2023/09/13(Wed) 1:26:17

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「それは困るなあ、またダニエラに飲んでもらわないといけないのに」

ノンキに笑いながら、パチンとハンドルの裏についたトグルスイッチを弾く。
メーターを照らす照明がパッと点灯し、古ぼけた計器を照らし出す。
そのままを慣れた仕草でガチリと音を立て、キーが回る。
表示や案内の何もない不親切極まる工業機械を、
物に執着しないこの男が使い続けているのは…なぜだろうか。

少なくともあなたと違って、かなり大柄な男にとって
その運転席は随分窮屈なはずだけど。

喜んでCon piacere.、お嬢さん」

気取った様子で答えてから、するりと車が動き出す。

「飯はもう食ったか?
 ジェラートはいくらでも食えるらしいから、そこは気にしないぞ」

地下駐車場から顔を出して、左右を確認しながらハンドルを回す。
建物の間から、ちらりと水平線が見えた。
(-101) 2023/09/13(Wed) 1:56:13

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

「あたしも困りますう。」
「…楽しみにしてるんですからねえ、
マスター
。」

後部座席で、微かに口元が緩む。
無意識のそれはすぐに引きしめて、窓の外を向いた。

初めてこの車に乗った時、同じ疑問を抱いたことがある。
けれど女は訊ねなかった。
理由は至って単純だったが、お陰で今も訊けずにいる。

「まだでえす。」
「カルツォーネくらいつまもうとは思ったんですけどお。」
「…そおいうアレッサンドロさんこそ、ちゃんと食べてますかあ?」

するりと連想されたのは、半分ほどのホットドッグ。ソーセージなし。
元来の女は、表向きの顔ほど食に執着がない。
それでもその顔のお陰でしっかりと食べている部類にあった。

「…大変な時期なんですから、倒れないでくださいよお?」

部下としての思いを微かに乗り越えたお節介は、口にすると逆に胸の中が濁るようだった。
これに関しては今言うべきではなかったかもしれない。
少なくとも表の自分のときに言えば、そんなことも考えずに済んだのだが。
(-105) 2023/09/13(Wed) 5:32:38

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

曖昧な回答に対するのは、ああ、なんて対象も不明な相槌ばかり。
一度外した視線は自由に動きはじめて、外とは隔意の有る空間を眺める。
漠然と眺めるというよりかは、遠い昔の面影を探すようにゆらゆらと表面を動いた。

「客入りがあるのだったら市民の一員らしく歓迎するところだけれど。
 ……自動車工の素振りにしばらくは絞ったらいい。
 どうせそんなに長くは保たないさ。緊縮の似合う島じゃない」

軽々に言って、カップを持ち上げる。大して手間の掛かっていない味わいを口に含む。
黒い手袋を外せば肉の削げた指が垣間見えて、ビニエの表面に食い込んだ。
もったりとしたバニラクリームを引き立てるように、オーソドックスなアーモンドの生地が挟み込む。
見た目の甘ったるさに比べて存外軽い焼き菓子をゆっくり味わう。
この島に、街にありふれた光景だ。

「"港"を封鎖できるほどの力があるわけでもない。
 ……そんなこと出来たらとっくにお前たちのことなんて追い出せているよ」

#Mazzetto
(-106) 2023/09/13(Wed) 6:52:17

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「ドライブは楽しかったかあ? 黒眼鏡の旦那」

それはドライブが終わってしばらく先であったかもしれないし、何度かあったであろう離席後のことだ。

貴方の縄張りにやってきた男は、主のいないそこに居座り適当に手帳を広げている。
しばらくして聞こえてきた音に顔をあげず声を投げかけた。
何度も聞いた足音だ、隠す気が無ければ間違えることもない。

「アポなしで悪いですねえ。
 切羽詰まった内容でもないんだが面倒事をかかえちまってな。
 すこーしばかり頼りに来たんだ。……もしかして、今忙しい仕事でも抱えていたりするか?」
(-110) 2023/09/13(Wed) 7:55:21

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

何処ぞでの“OL”としての貴方との逢瀬の後のこと。
程よく時間を置いてからのお話。
貴方の店へと、足を運ぶ男の姿があった。

制服はなく私服で
そして人目を気にするように客が居ない時間を選んで。

ガレージ、にしか見えない彼の城へ
踏み込んでは声を掛けるだろう。

「…ちわーっす。黒眼鏡の旦那、居るかい?」
(-115) 2023/09/13(Wed) 8:56:05

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「そりゃあ頑張らないとな〜」

狭い車内で、慣れた様子で首を巡らせて周囲を確認。
エンジン音を響かせながら、するすると車の流れに乗っていく。
堅実で真面目で、リスクを取らない。
今のアレッサンドロの仕事のような運転。

後部座席にはちらりと目を向けながら、
特に秘めた疑問には気が付いた様子はない。
それよりも、対向車の動きにじっと注意を向けながら。

「じゃあどこかで買って食うか。
 俺もまだだ」

家に帰れば、ホットドッグ…用のパンがある。
そのうち食べようと思っていたが忘れていたので、
まだ食べていない。

「仕事に穴をあけるようなことはしないさ」
「お前もな。
 大変じゃないか、仕事・・

仕事。
こっち・・・の仕事とか、
あっち・・・の仕事とか、
色々な意味だ。

車はすでに、海辺に続く広い道へと合流していた。
(-116) 2023/09/13(Wed) 9:07:35

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

菓子。電化製品。装飾品。酒。
高価なものから安価なものまで。共通点はない。
あえていうなら、必要とされていない、そのくらいだ。

当時から、飾り気や色気には興味のない男だった。
けれどそれは、先を焦り、目を向ける余裕がないだけだった。今は。

「税金は払えてるさ。…ンまあ、そうだな、長く続くとは思えない。せいぜい、身をかがめてドアをくぐるさ」

額をぶつけないようにな、と身をかがめる仕草。
ばり、と口の周りが汚れるのも気にせずに生地を噛んで、
少し溢れたバニラクリームが唇にしがみつく。
それをぺろりと舌先でなめとりながら、
ほんの3口程で食べ歩きの林檎のようにビニエを平らげてしまった。
味わう、という言葉とは程遠い。

「いつも警察の皆さんには、お世話になってます。ははは、そう、イレネオくん。
 "表"の仕事してるときにまで、港に張り込みに来てたらしいよ。
 国税局に転職したほうがいいんじゃないか、あの真面目さは」

言葉の内容ほどにはあざける様子はなく、むしろ好ましそうな語り口。
頑張っている若者。この男が明確に好意を示す、数少ないものだ。

「……で?」

そこでぱた、と笑顔を止めて。

「忠告は分かったけど。旦那はどうすんだい」

#Mazzetto
(-117) 2023/09/13(Wed) 9:17:10

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「おう、来るなら来ると連絡しろよ」

自分だって、あんまりアポをとる性質ではない。
黒眼鏡のお気に入り、赤のフィアット500チンクェチェントがガレージに滑り込む。
丸みのあるどこかユーモラスなフォルムは、黒眼鏡が乗るには小さすぎるようにも思える。
窮屈そうに車体から降りて、ばたんと扉を締めて、指先でちゃりちゃりとキーをまわしながらあなたに歩み寄る。

「いいや、仕事はいつも通り。
 つまりは珈琲をいれる時間はあるってことだ。
 お前も飲むだろ? まあ、入れよ」

そのままあなたの前亜を通り過ぎて、店の正面…カウンターの方へと向かう。
そこは自動車修理工と喫茶店を適当に混ぜ合わせたような、妙な内装だ。
壁際のボードに車のキーをかけながら、テキバキと手際よく珈琲の準備を始める。

「面倒ってことは、女だな。
 まったく、女に手を出すのは気を付けな」

サイフォンに火をかけながら、にやにやと笑っている。
(-120) 2023/09/13(Wed) 9:25:27

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

大きなスチール・ガレージに張り付くように建てられた店舗部分――カウンターが拵えられた店の正面側は、自動車修理工と喫茶店を適当に混ぜ合わせたような、妙な内装になっている。
気分で開店中だったり閉店中だったりして、黒眼鏡自身もいたりいなかったり。
けれど古びたガレージの中、年代物から最新のものまで自動車が押し込まれたそこは、文字通り黒眼鏡の城だった。

「おう」

今いじっているのは、彼の愛車である赤のフィアット500チンクェチェント――某怪盗の三世が乗る、レトロな車だ。
肩にタオルをひっかけて、上半身は腕まくりした柄もののシャツ。
下半身だけをツナギに突っ込んだ作業着にしてもラフな姿で、黒眼鏡だけはいつものまま。
頬に油汚れをつけたまま、軍手をつけた手を一度挙げた。

「このとおり、いるが趣味の時間だ。
 珈琲くらいなら出すが、ご注文はなんだね」

車いじりは、仕事ではないらしい。
(-122) 2023/09/13(Wed) 9:34:17

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「おー、作業中だったか。
いや、趣味の時間に押しかけたんだ。
珈琲は気にしないでくれ。」

この場合であれば
邪魔をしたのは自分の方であるから
気遣いはしないで良い、と両手を振るだろう。

「元より、聞きたい事があって来たんだし。
作業しながらで良いから、時間を貰ってもいいかな。」

ロマンやカッコよさの詰まった車を見ては
かっこいいなぁ、と男ならば思うそんなことを考えながら。
店を利用しに来た訳ではない、と伝えるだろう。
(-125) 2023/09/13(Wed) 10:16:15

【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡

「ええ〜?偉くなったから、やんちゃするのやめたってこと?」
「昔はあんなに暴れてくれてたのに……年食って変わっちゃったのかしら」

それこそ、スラムの人間からすれば一種のイベントのようなものでもあったわけで。
納得のいっていないような表情で失礼なことを口にしながら、あなたを見上げて。
首に引っかけた腕であなたごとベッドに倒れ込んでやる。

「冷凍ならいつでも食べられるし、暫く外に出なくてもよくなるし……
 まあこれは良いことなのかわかんないけど」
「最近……?」

もしかして太った……?とでも言いたげな、焦りの滲んだ顔。
肌が思ったよりもちもちしてるんだろうか。
気を許していると察しが悪めなのもずっと変わっていない。

「私たちにとってはずっとお兄さんみたいなものよ、これからもずっとね」


「ん……もう、自分にはないみたいに言う」
「もっと一緒に年重ねていってくれなきゃ嫌なんだから」

触ってもいいよ、と体温を分け合うように腕に身体を押し付けて。
鼻の頭に口付ける。じゃれ合い、そして好きにしていいよの合図だ。
どのような形であれ、満足出来るまで共に夜を過ごすことにはなるのだろうけれど。
(-126) 2023/09/13(Wed) 10:22:19

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「いや、珈琲もまた趣味だ。
 今淹れるから、カウンターの方に来なさい」

わはは、なんて笑いながら軍手を外して、タオルをガレージの隅の作業机に放る。
気遣いなんていらない、という押し付けがましい振る舞いは、
この男の性分でもあり――つまりは直らない。
隙があればものを押し付けてくる、ノッテファミリーの聖・黒眼鏡だ。

「車もサイフォンも、いじりながら話を聞けるという点では平等だ。
 それで?」

君の言葉も聞かずに狭いカウンターに入り、珈琲の準備をはじめながら話を促す。
(-129) 2023/09/13(Wed) 10:56:07

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「女ってのはそうして、男の生き方を要約する天才だと思うよ」

降参だ、なんていって笑う。

「勘弁してくれ、この年で若者と殴り合ってられるか……っと」

見上げてくる瞳と、自分の瞳を繋いだまま、ベッドにどさり、と倒れ込む。
シーツのしわがふたりのからだの形に伸ばされて、
ブラインドの隙間から差し込む外の灯りが体のラインにをぼんやりと、まばらに照らし出した。

「技術の進歩とは、いいもんだなあ」
「んー」

なんでもないよ、といいたげに。
男のそれに比べれば豊かな、腰回りの肉を掌で包むように揉んで。

「スラムのガキはそういうところ、律儀だよなあ」

自分だって、スラムのガキな癖に。
賢しらに大人ぶった口調は、わかっていておどけているのだろう。


「いやあ、それがな、最近どうにも生え際が気になる」
「禿げ上がったらショックだよ、シブい白髪じゃないと嫌だね…」

言葉にまで及ばない合図が、肌と肌の間にこもる。
服の上から触れていた指がするりとその下にもぐりこみ、
脇腹から背中をするすると撫でていって。

(1/2)
(-130) 2023/09/13(Wed) 11:11:30

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「ん」


そうして、会話の途中、言葉の途中、その息ごと抱きしめるよう。
促すような吐息と同時に、唇を重ねる。

熱で湿った音が交じり合うほどに近づきながら、
自分から押し付けるのではなく、
最後の1cmだけはあなたに唇を寄せさせて・・・

(2/2)
(-131) 2023/09/13(Wed) 11:12:38

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「なるほど、趣味か。
だったらお言葉に甘えさせて貰おうかな。」

城の主がそういうのなら
更に断るのも無粋というものだろう。
振っていた両手を降ろしては肩を軽くすくめてから
カウンターへと足を進めた。

「そりゃ確かに違いない。
いや、アンタは一応、マフィアなんだろう?
何で警察のやる事に融資なんかしたのかなってさ。」

「マフィアにとって仲間ってのは
家族に等しいって聞いたことがある。
裏切ることになるんだぞ。」

愚問、なのかもしれない。
けれど守るべきものを守るために手を上げた立場として
貴方の選択がどうにも腑に落ちなかったのだった。
(-133) 2023/09/13(Wed) 11:36:36

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「素直なやつは出世するぞ〜」

しゅんしゅんと湯が沸く音に、能天気な声が交じり合う。
カウンターに片手を突き、もたれかかつようにしながら
珈琲の準備を続ける。
どこかけだるげながら、手際は良い。

「そりゃあ、裏切るために決まっているだろう。
 だから警察より、マフィアを摘発することを重視してほしいのさ。
 法案自体の維持のため、警察を摘発するのも必要だとは思うがね。
 俺にとっては自分の目的の方が大事だから、
 ああして直接接触もした」

湯気とコーヒーの香りがふわりと広がる。
真っ黒な液体が、カップに注がれていく。

「そうとも、マフィアにとって仲間というのは家族で、血だ。
 生きる存在そのものだ。
 若いうちにファミリーに入ったものにとって、
 それは人生に等しいものだ」

かちゃりと音がして、皿に乗せられたカップがカウンターの上にトン、と置かれて。


「――つまり、俺は人生を殺そうとしてるわけだな」

どうぞ? と。笑って、珈琲を促した。
(-136) 2023/09/13(Wed) 11:55:51

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「出世は勘弁だな〜。」

ケラケラと笑いながら
その手際を眺めながら、言葉に耳を傾ける。

「裏切るって、そんな簡単に。
報復だってあるだろうし
アンタも検挙される可能性だってあるだろう。
嫌になったのか?マフィアが…今の人生が。」

明らかな答えを聞いてもやっぱり
腑に落ちない。

何が貴方をそうまで駆り立てるのだろうか。
珈琲を一口、冷ましながら啜って貴方を伺う。
(-137) 2023/09/13(Wed) 12:03:18

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「してみればそんな悪いものじゃないさ。
 ……いやどうかな…」

思わず首をひねりながら、自分の分の珈琲を注ぐ。
カップに指を引っ掛けるようにして持ち上げながら、

「マフィアってやつが嫌いなのさ。
 何も救えない、何も残せない。

 だって犯罪者だぞ?
 そんなに不思議なものかね」

なにかおかしいか? とばかりに肩をすくめる。
おかしくはない。彼が言うのでなければ。

「悪党と悪党が潰し合うなんて、警察からしたら渡りに船だと思うがね」
(-138) 2023/09/13(Wed) 12:10:41

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「ますます、不思議だな。
そうまでマフィアを嫌う奴がマフィアだなんて。」

疑問は解消されるどころか増すばかり。

「仲違いなんざマフィアに限らなくたってどこでもある。
警察だってそうだ。だからそこは不思議じゃない。
潰し合うのも上にとっちゃ渡りに船だろうな。」

「ただ、俺が不思議に思うのはさ。
所属して短くはなかった筈のアンタが
今になって裏切ろうとしてること。
嫌いだってのはびっくりしたけどよ。
仲良かった奴だって居たんじゃないのか?」

珈琲をもう一口。
今まさに家族たちを裏切ろうとしている自分が
貴方に対して言えたことじゃないのは百も承知だけれど。

「リヴィオも大概読めねえけど
あんたも読めねえ。何がアンタを駆り立ててるんだ。」
(-139) 2023/09/13(Wed) 12:49:00

【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡

「ね〜〜〜にいさん〜〜〜いる〜〜〜?」

『Mazzetto』の扉をばーんと開けるのは休日を過ごしていた男。
普通の店ではこんな開け方はしないけれど、そうお客さんもいないだろうと見越して家に帰ってきたときみたいな行動を取った。
ちなみに他にお客さんがいた場合は慌てて謝罪しているのがいつもです。

「にい……」

「……ちょっとドライブ……営業中じゃないのか……?」


きょろと見回しても気配を感じなかったところで見つけたカウンターに置いてあるボード。
せめて扉の前に立てかけるべきでは?ニーノは訝しんだ。
戻ってくるかな、どうだろう、わかんないけれど勝手にカウンターに腰掛けていた。
しばらく待っている、三十分ぐらい、戻ってこなかったらすごすごと帰ることだろう。
(-140) 2023/09/13(Wed) 12:51:36

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

今になって・・・・・?」


ふ、と。

息が漏れて。

「おいおい」

(1/2)
(-141) 2023/09/13(Wed) 13:05:39

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ




「─俺がカポになったのが、
 何年前だと思ってる?・・・・・・・・・・




─アレッサンドロがカポ・レジームになったのは、
当時の上司が死んだ十年前だ。

(2/2)
(-142) 2023/09/13(Wed) 13:08:55

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「なんだお前、来てたのか」

がたん。
突然カウンターの奥の扉が開いたと思えば、
この店の主──アレッサンドロがいた。
短パンにサンダル、柄シャツと、外出していたとは思えないような恰好だ。
手元ではちゃりちゃりと車のキーを回している。
きっと彼の愛車である、赤のフィアット500──日本では某"怪盗"の三世の愛車として有名な──のキーだろう。
いつの間に帰ってきたのだろうか。

「待たせて悪かったな。
 珈琲飲むか?」

答えもきかずに、ちゃかちゃかと準備を始める。
どうせ、お茶菓子的なものも出てくるだろう。
(-143) 2023/09/13(Wed) 13:16:06

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「…つまりはもうその時から、って事かい。
機を狙って、そしてその時が来たから動いた、と。」

話には聞いた事があった。
当時の自分はまだまだ新米だったから
深くは関わったことが無かったけれど。

「当時のカポが死んだから?
もしくは、殺したのはアンタ自身か。」

推測など、並べ立てるのは容易い事だ。
貴方がカポになったのは先代が亡くなったからだけれど
そこに含まれる意味合いは幾らでも考えられるから。

「何があったんだ、10年前に。」

今は聞くものは己しかない。
じい、と見つめる瞳は逃さない、と言わんばかり。
(-144) 2023/09/13(Wed) 13:17:08

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「須らくどんな仕事にもプライベートは保ってしかるべき、というのは俺のモットーのようなものだが」

珈琲の湯気が揺れて、黒眼鏡の向こうの視線がけぶる。
見つめる瞳から目を逸らすことはない姿は、
恥じ入ることも臆するところもなにもないといわんばかりだ。

「今回の仕事は信頼が大事だ。
 だったら話しておいた方がリスクが少ないか」

かちゃり。
この店は海に面した、ひらけた道路の傍にある。
だから潮の音や車の音がときたま響き、
古びた空調もこぽこぽと沸くサイフォンの音も、
どれも賑々しく響くのに。

カップが皿を叩く音が、妙に大きく高鳴った。

「──と、言っても、単純な話だ。
 当時の上司…レオ・ルッカといったが。
 そういうカポ・レジームがいて、今でいう"港"を取り仕切っていた」

港。
それはひとつの施設を示すのではなく──施設が海運・港湾関係に多いのは確かだが──
ファミリーの物流関係、一連の業務の総称だ。
今ではアレッサンドロが取り仕切り、なんとも危なげない調子で運営している。

「あいつはあまり素行がよくなくてな。
 俺はあいつから、損害・・を被った」

(2/2)
(-146) 2023/09/13(Wed) 13:38:29

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ


──アレッサンドロは当時のレオの右腕だった。
ソルジャーでありながら、メイドマンをさしおいてさまざまな業務に関わっていたらしい。

「だからやりかえした・・・・・・
 ついでに、そんなことになった理由──つまりはマフィアを恨んだ」

ぱちん、と。
胸の前で手を打って。

「以上だ。シンプルだろう。
 疑問があるか?」

(2/2)
(-147) 2023/09/13(Wed) 13:39:39

【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡

「わ゛ッ」


がたん。
カウンターで勝手にうつらうつらしかけていたので、突然の音にびっくりして椅子から転げ落ちそうになった。
はっとそちらへと顔を向ければ相変わらずの貴方の姿がそこにある。
回されているキーからやっぱりドライブに行っていたんだなと納得。

「お、おかえり〜……びっくりした……。
 いらないって言ってもくれるんだろ。
 もちろん貰うけどさ……」

思い浮かべるのはそのキーで動く愛車だ。
車のことは詳しくないけれど、かっこよくて目立つ奴だというのは知ってる。
貴方が厭うタイプでなければ、乗せてもらったこともあるかもしれない。

「な〜営業中にドライブ行くの……百歩譲っていいとして。
 このボード、扉に置いておくべきじゃない?
 入って誰も居なかったらお客さんびっくりするだろ」

そして準備してくれる姿を眺めながらカウンターにあるボードをつんと指差し、先程感じたことをそのまま伝えた。
(-148) 2023/09/13(Wed) 14:12:51

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「よくわかってるじゃないか」

言っている間にもカップには黒い液体が注がれて、
湯気と珈琲の香りが賑々しくも立ち込める。
古くレトロで、せまくるしい車内。
あまりものに執着しないアレッサンドロにしては珍しく長く乗っていて、あなたもその座席に何度も座ったことがあるだろう。

「俺がいないときに来る客だろ?
 俺の珈琲が飲めないということだ。
 じゃあべつに、びっくりしても問題ないな」

店主としては問題発言だ。

「で? 今日はどうしたんだ、お前」

今更そう訪ねながら、
すぐに珈琲のなみなみと注がれたカップが置かれて、
頼んでもいないメレンゲ菓子アマレッティも並んで出てくる。
さくさくとしたアーモンド生地が、ころりと皿の上で転がった。
(-149) 2023/09/13(Wed) 14:26:05

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「……おーおー。
 仮に浮いた話だったとして俺の心配するのはあんただけだ」

懐かしいと感じるにはまだ新しい記憶の赤に目を細めつつ珈琲を求めてカウンターへと。
いつもの場所など可愛らしい言い方ではないが、貴方と来店してくる客の顔が直ぐに確認ができる一角が気に入りの場所だ。
この場所を確立する前、死角から声をかけられる事が苦手なルチアーノが幼少期に何度驚かされたことか。

「子猫ちゃんでも、マジモンの方だ。
 ……今怪我猫の里親探しててなあ、あと残りは黒と白2匹だけ。
 俺がアジトに居られない時黒い方を預かってくれる人を探してる。
 宣伝してるから数日で引取先は見つかると思うが、対応できるかわからんのだ。ああ、部下は一人猫アレルギーだ」

呑気な口調であなたが気づくことがあるのなら、
5年前もルチアーノは発作のように慈善活動に目覚め、怪我猫を探して適切な治療を施した後20匹ほど里親に提供していた。
流石に目立ちすぎて貴方や数人に頼っていたし一時期の夜歩きの起因もそこにある。

しかしルチアーノ自身は、猫と慈善活動が特別好きなわけでもない。
正しく発作なのだ、何かを思い出して、誰かを真似した。

そして今、それすら出来ない状況に至る可能性があることを真面目な男は正直に貴方に話している。
(-150) 2023/09/13(Wed) 14:29:06

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「心配されて喜んでるのはな、老けた証拠だぞ〜」

軽口にほぼ等しい返答。
話している間にも手際よく作業は進み、
珈琲がカップに注がれていつもの席にことんと置かれる。
ついでとばかり、更に乱雑に広げられたビスコッティがいくつか。
狭いカウンターの中で、長い手足を器用に動かして珈琲を淹れるアレッサンドロの姿は、
確かに当時より手際がよくなったといえるだろう。

「ハァ、またかよ。
 まぁいいがね。
 そんなに今忙しいのか。
 例の法案の関係か?」

自分の分の珈琲を注いで、カウンターに肘をつく。
だらしない恰好で身を乗り出して、首を傾げた。
(-152) 2023/09/13(Wed) 14:49:56

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

流れる景色を眺めつつ、時たまちらりと運転席の後頭部に視線を向ける。
今のあなたしか知らない女は、母の言っていた昔の姿を想像もできやしない。
時折それに寂寥を抱くことがある。それもまた、いつまでも口にしないことのひとつ。

仰せのままにSignorsì 。」

前述通りの女であるから、寄る先がどこでも何を買うでも文句は出ない。
短い返事で食事については切り上げて、濁った胸の中身を押し出すように吐息を落とした。

「んー。まあ大変は大変ですよお。」
「まだまだ下っ端ですからあ、大した仕事はありませんけどお、その分別の仕事もありますしい?」
「…
そっち
については、今のところ、ニーノ・サヴィアがあんまり善く思っていないことしか、調べもついていませんけどお。」

進捗は芳しくないらしい。
無意識に口を尖らせると、そんな自分の顔が窓ガラスに映り込む。
(-153) 2023/09/13(Wed) 15:32:32

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「白い方はロメオが拾ってくれそうなんでなあ? 似合ってんだろ」

今年もまた一人、猫の犠牲者は増えていたらしい。

「ああ、元から調べるつもりだったが関わっちまった。
 ただの噂話じゃなくて本気でマフィア全体に喧嘩を仕掛けてきてやがる、おっと"面倒な女"はここかあ」

くつくつと笑いを零せば香りをかぎながら機嫌良く一口啜る。
本当に貴方はよく当ててくれる、すべてを知っていると思わないが既に知られていてもいいと思うほどには面白がっている。

「そいつは俺たちに迷惑をかけそうにないんで、つい、な。
 法案の賛成者を探していれば金が貰えるんだ、手伝うしかないだろう。美人だったし」

言い訳がましくなっているのはあまりの規模の大きさと見えない勢力に手に負えない可能性があることのせいだ。
無茶をしているつもりもないが、事が起こる前特有の嫌な予感を感じている為こうして恥を忍んで貴方のもとにまで訪れている。

「だから、一番嫌なところに馬鹿正直に聞いてしまおうかと思ったんだ。
 
……どうせこっちが調べ始めたらすぐ気づくだろうし。

 知りたいことは『法案の摘発チーム協力者』であるかだけ」

あなたの性格とこれまでのことを考えれば法案に関わっている確率は限りなく0に等しいと思っている、だからこれは。

「………それに俺とはいえ余計なこと詮索されたくないだろ。

 なぁ、黒眼鏡の旦那。
 本当に、忙しくならんのか」
(-155) 2023/09/13(Wed) 15:40:49

【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡

「流石にわかるよ、もう」

最初は珈琲の味に慣れなくて難しい顔をしていたことも多かった。
が、飲み続ける内にすっかりと慣れて、今ではこの店を訪れたときの楽しみのひとつ。
言葉にはしないが香りに目を細めて出てくるのをそわりと待ちながら。
あの車に乗ってドライブもまた行きたいから今度ねだろうかな、とも考えながら。

「おみせの人としてど〜なの、その発言……」

続く言葉にはついジト目になってしまった。
貴方らしいといえば貴方らしいのだけれど。
尋ねたそれには「あ、そうそう」と用件を伝える前、出てきたカップとお茶菓子に目を輝かせて。

「やった〜!おやつもありがと!」

「……あ、で、そう、うん。
 なー、にいさんってカンターミネって人知ってる?
 え〜〜〜っと……先生?らしいんだけどさ」

今よりもう少し陽が高い頃の出来事を思い出しながらも問いかける。
返事を待つ間にまずはカップに口をつけ珈琲を一口。香ばしい苦味が口内に広がって、それが不思議と心地よかった。
(-156) 2023/09/13(Wed) 15:49:57

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

後部座席の人物が何を考えているか。
男でなくとも、それを悟ることは難しい。
だから少なくとも、鼻歌でも歌いそうな調子でハンドルを握るこの男が、口に出さず留められた想いを知ることはないだろう。

そこに思い悩む様子もない。
彼が見せるのは道行く車たちとすれ違い、海辺の道に出て、
ぱあと開けた視界に、

「お」

声が漏れて。

「お嬢様、見えましたよ海」

ほらほら、とバックミラーで笑う、能天気な顔だけだ。


「確かあっちにフリットラ売ってる屋台があったはず…ん」

海辺の道をゆきながら、
あなたの言葉を聞いて、ほう、と応える。

「まぁそうだよな、警察の仕事内容までは良く知らんが」
「いじめられたりしてないよな〜?」

ハンドルをゆっくりと回す。
海岸線にそったゆるやかなカーブを、フィアット500が進んでいく。

そっち・・・についても、
 そのくらい分かればいい。リスクは少なく、な」
(-167) 2023/09/13(Wed) 19:54:34

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「あいつそんな暇あんのかよ」

もっと仕事押し付けてやろうかな。
ろくでもないことを呟きながら、カウンターの裏に置かれていたパンをてにとってがぶり、とかじる。
焼いたり、バターを塗ったり、そういう味付けをした様子が全くない…
つまりは味気のないホットドッグ用のパンだ。
ソーセージがはさまれている様子はないが。

「美人さんじゃしょうがない」
「あー……噂通りなら、かなり強引で…リスクまみれだ。
 俺の好みじゃないし」

10年前ならともかく、今の彼ならそういうだろう。
あなたの言葉を、ふうん、とばかり興味無さそうに、
珈琲のお供くらいに聞いて。

「まぁもし俺が関係者なら」
「もっと賢く・・やりな、って言うだろう」

黒眼鏡の奥で、ちら、と瞳が動いて、あなたの顔を見た。


(1/2)
(-168) 2023/09/13(Wed) 20:03:38

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「で」



「そりゃ、俺がファミリーを裏切ってるって意味か。
 ドラ猫」



――あなたなら、よくわかっている。

10年前にがらりと変わった男の中には、
その黒眼鏡の下には、
10年前と同じものがまだ、
赤熱した焔のようにとぐろ・・・を巻いて渦巻いている。

(2/2)
(-169) 2023/09/13(Wed) 20:07:29

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「あはっはっは、いい理解者を得て幸せだ、俺は」

なんとも楽しそうに笑う。
自分の分の珈琲をカップに注ぎながら、
本人は……ソーセージをはさんでいないホットドッグ用のパンをかじっている。
これもまあ、昔からだ。
この男は、味気のあるものにあまり興味がない。


「ここは俺の店だ。
 つまり俺が決める」

商売をまともにする気があるとは思えない発言をしながら、
尋ねられたことには首をかしげて。

「カンターミネ…ああ。
 知ってるよ、店に来ることもある。
 あいつがどうした」

またロクでもないやつに関わったな、なんてことは口には出さない。
(-170) 2023/09/13(Wed) 20:11:17

【人】 黒眼鏡

>>113 ペネロペ

ドライブ中のボードはちゃんととっぱらわれているが、
だからといってカウンターにいるわけではない。

「おー。
 待ってろー」


…だがどうやら奥にはいたようで、そんな声が聞こえてくる。

「おう、珈琲飲むよな」

カウンターの裏の扉から顔を出す。
つまり飲めということだが、…いつものことだ。

「そこ、クラッカー抓んでいいからな。ビスコッティも。
 ちょっと待ってろ、片づけてくる」

カウンターの上にあるものを指さしながら、手に付けたままの軍手を外してどこかに放り投げている。
車いじりの最中だったようだ。

#Mazzetto
(115) 2023/09/13(Wed) 20:14:15

【神】 黒眼鏡

『珈琲持って行っていきます』

妖怪珈琲飲ませるおじさんが参戦した。
ポットで持っていくつもりだろう。

『仕事で遅れるかもしれないから、
 その場合はソルジャー・ロメオにもっていかせる』

こっちは本人の許可を得ていない。

#ノッテファミリー
(G2) 2023/09/13(Wed) 20:16:25

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「…なるほどなあ。
確かにシンプルだし疑う要素は無い。
つまりは被った損害への報復、ってことか。」

貴方の話を最後まで聞き終えて。
零れる感想は殆ど納得のもの。

「ならついでに聞こう。
今回の作戦が上手くいってマフィアが壊滅したら。
報復を終えたら、その後はどうするつもりだ。」

協力した分の恩赦はあるかもしれないが
貴方もマフィアである以上、ただでは済むまい。

「それと、アンタに根掘り葉掘り聞いてる分
こっちに疑問があれば答える。」
(-174) 2023/09/13(Wed) 20:44:14

【人】 黒眼鏡

>>116

「ダヴィードも、座れ座れ」

座り方を気にする様子もなく、手を拭いながら戻ってくると
手際よく準備しながらサイフォンに湯を注ぎ、火をつける。
用意する珈琲は三人分。
ふわりとあがった匂いを、ごうごうと鳴る空調が遮って。

「どうだ最近」

…雑な話題だ。
(119) 2023/09/13(Wed) 20:59:31

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

育ち・・が悪いものでね。
 贖いにはそれしか思いつかない。
 別にする理由があるかといわれれば、わからないが、
 そうしなければならないと俺の人生が言っている」

どこか淡々と。ひょうひょうとした笑みを浮かべながらも、
淡々と語る――当たり前すぎて言葉にもならないほど、
それは暴力で生きてきた彼の人生の延長上。

その顔はどこか、哲学者めいていた。

「壊滅は無理だろうな」

だから、賢しらに。…あるいはそれも当然のこととばかり、
こう返す。

一人残らず・・・・・マフィアを潰すことは不可能だ。
 だから、後などない」

「最後までやる」


それだけだ、と答えて。

「取引は公正であるべきだろ?
 俺が、家族であるマフィアだって潰す理由を言ったんだ。
 誰であれ、それこそ警察だって捕まえてやろうという、
 お前のほうの理由を聞きたいね」

そうだろ? と、首を傾げた。
(-178) 2023/09/13(Wed) 21:06:24

【赤】 黒眼鏡

/*襲撃まわりの描写について、いかがいたしましょうか。
 アリソンからは初回は特にありません。
 運営ちゃんさんには、寄付者の名前としてアリソン・カンパネッロ女史を伝えてあります。お二方から描写などありましたら投げて頂きましたら!
(*24) 2023/09/13(Wed) 21:11:37

【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡

本当に思ってんのかな〜なんて考えながらも、貴方が楽しそうなのはいいことなので胸は暖かくなる。
何とも随分シンプルなパンを食べているとは思うが昔からなので今更指摘もしない。
喫茶店してるくせにあんまり興味ないんだよな、そういうところ。

「客入り気にしないならそれでいいと思うけどさ〜」

「え、ここにもくるの?そっか……
 いや、今日スラム近くで子猫にミルクやってたんだけどさ。
 道通り辛そうにしてたから大丈夫だよって話しかけたんだけど」

「なんかオレの素性知ってる変な人で……
 めちゃくちゃ早口だし……
 
…………さらっと肌見せてくるタイプで、すげ〜苦手


経緯を話そうとしたつもりが後半愚痴になった。
幼少期の身売り経験から、男はずっと"そういう"のが苦手だ。渋い顔。

「あのへんだと有名だって、評判聞いてみろっていうから気になったの。
 にいさんだったらなんか知ってるかなって。
 先生って呼ばれてる理由とか」

今でも足を運ぶものの、それでも家に引き取られる前と比べたら随分と頻度は減ってしまった。
そちらの情報には疎くなってしまったので、こうして貴方に聞きに来たというわけである。
(-182) 2023/09/13(Wed) 21:28:25

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

その声を受け、外へ向いていた視線は不思議と車内へ向いた。
まず映ったのはフロントガラスの向こうに広がる景色。
開けた道とその先の海。同じくらいに広い空。

そして。

「…ほんとお」
「きれーですねえ、」

やおらに、女の表情が移り変わる。
頬が緩んで、それを隠してツンと澄ますまで緩やかに。
この車に乗るのは、好きなのだ。
たとえ狭くて窮屈だとしても。…そしてもしかしたら、それすらも。

「いじめなんてありませんよお。」
「アレッサンドロさんの部下は優秀ですから、ちゃあんと、上手くやってるんですう。」

くすくすと、ささやかに笑う。
口元に当てた左手に、小指のエナメルが煌めいた。

「だから、安心しておまかせくださあい。」
「お時間は、その分いただきますけどねえー。」

歌うように言って、また外を見た。
別に目新しくもない見慣れた海辺だ。
だけど窓ガラスに映った顔は、どこか楽しそうな色を浮かべていた。
(-183) 2023/09/13(Wed) 21:30:52

【人】 黒眼鏡

>>120 >>121

「おう、喰え喰え」

黒眼鏡の生態として、
若いのが飯を食っていると嬉しそうにする。
もしかしたらおじさん全体の生態かもしれないが。

片付けに関しては「気にするな」と手をふって、
ダヴィードに座るよう促した。

「いつも通りが一番だ、商売も人生もなんもかも」

含蓄があるんだかないんだか、わからないことをいいながら。

「アマラントか、最近行ってないな。
 行ってみるか」

自分の分の珈琲も準備し終わって、カウンターに肘をつく。

「俺も……特にはねえな。
 なんだか騒がしくなりそうだが、
 デキる男の俺は仕事に常に余裕を持っている。
 つまりは問題なしってコト」

ず、と珈琲を傾けて。

「まぁそんな忙しさに向けて、お前らの様子を見たかっただけだ」

#Mazzetto
(122) 2023/09/13(Wed) 21:38:54

【秘】 黒眼鏡 → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

メール。

『知ってることあるか』

端的すぎる。
…恐らくは、例の法のことだろうが。
(-185) 2023/09/13(Wed) 21:48:09

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

「俺はデキる男ゆえ、ちゃんと収入はある。安心しろ」

あまり信じてはいけない類の大人の言葉だ。
パンののこりを口に放り込みながら、

「ああー……」

女の行動を聞いて、……難しそうな顔になる。

「そういう女だ。気にするな」

…なんてわけにはいかないよな、と顎に手をあてた。

「街で…ガキ相手に青空教室みたいなことをしてるらしくてな。
 あのとおり、話すのが好きなやつだから」

口から生まれたに違いない。

「だから『先生』。誰が呼んだかまではしらねえなあ。
 いろんなところで喋るし話も聞くから、いろんなことが耳に入るんだ。
 お前の素性も、誰かから聞いたんだろうさ。
 
 ……お前、ああいう女と関わらない方がいいぞ。
 趣味じゃないだろ」

腕を組む。

「フィオと遊んでろよ」
(-186) 2023/09/13(Wed) 21:51:12

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「ああ」

海を見る時、黒眼鏡はなんとなく遠くを見る。
フロントガラス越しの、三日月島の海をじっと眺めているようだ。
だが、あなたの言葉には頷いて、

「綺麗だ」

「…ドライブ先にはよかったな」

ミラー越しに笑顔を垣間見たのか、笑みが混じるような声。

「ほんとか〜?
 困ったことがあったらいうんだぞ」
「怖いおじさんもいるからな、あそこは」

恐らくは特定の個人のことを指しながら、はははは、と声を上げて笑った。

(1/2)
(-187) 2023/09/13(Wed) 21:58:38

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 黒眼鏡

「お。」

何台かある端末の内、黒くてシンプルな物を手に。

「アレっさんは仕事の事となるとこれだからな〜あぁ」

画面を高速で叩き続ける、ぼやきの方が返信速度より長い。

『例の、ですね?どれも噂の域を出ませんがね』
『"警察の新署長の評判が悪い"』
『"その署長殿肝入りの策か"』
『"草案時点でお蔵入りだろ"』
『そんな具合ですか』
『普通に考えれば即施行とはならないかと』
『普通に考えれば』

次々と文字列が送られてくる。
ひとつにまとめないのはこれの癖だ。

『警察内部に何か仕掛ける訳にはいきませんからね』
『リターンに対してリスクが高すぎるもので』
『なので会議室にこもって何かされてたらお手上げです』
『あ』
『だからって俺の大事なエーコに無茶させないでくださいよ』

後半は愚痴混じりの雑談だ。端的なあなたとは対照的に、
締められなければ報告であっても口は止まらないらしい。
(-188) 2023/09/13(Wed) 22:01:51

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

途中、道端で営業している屋台の前に車を滑り込ませると、
フリットラ――パンにコショウとレモンの効いた牛のくず肉煮込みを挟み込んだもの──を二人分買って、

「ん」

と後部座席に手渡した。


「デートにゃ色気のないモンだったな」

悪いね、などと笑いながら、ふたたびアクセルを踏み込む。

「まぁ、安心してるよ。
 時間もかけていい。お前なら、変なリスクは取らないだろ」
「マフィア稼業で危険を取るなんざ、まったく、くだらないことだ。
 ……俺がいうのもなんだけどな」

再び、ガラスの向こうを海が横切る。
白波がさんざめく海面が、きらきらとした青と橙に瞬いた。

(2/2)
(-189) 2023/09/13(Wed) 22:02:25

【秘】 黒眼鏡 → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

「オンラインでもうるせえやつだなあ〜」 

ぴこぴこと連続で着信を伝える端末にしかめつら。
ぼやかれてるとは知らずにぼやきながら、

『立つかコケるかはわからんが、
 近く動きがあるだろ。
 中に入れなんざいわないから、
 何かわかったら俺にも流せ』
『どちらにしろ、港を引き締めなきゃいかん』

ファミリーの流通業務諸々を総書して“港“という。
それを取り仕切る黒眼鏡は徹底してリスクを避けた、瑕疵なき安定した運営を続けているが、末端の部下までそうとは限らない。
ぽこぽことあらたなメッセージが更新される中、長めのテキストをぽこん、と送る。
(-190) 2023/09/13(Wed) 22:16:21

【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡

声にはしないが、『ほんとお……?』と顔で訴えた。
とはいえ貴方がきちんと収入があるのは時折やってくる贈り物が証明してくれている。
自動車の仕事儲かるんだなって、最終的な理解はそこに落ち着くわけだが。

「あの人が青空教室〜……?
 
……意外と良い人……?


青空教室のイメージとしては慈善活動っぽさがあったので。
うん……?と首を傾げつつも、続きにもきちんと耳を傾けた。
ひとまず先生と呼ばれる理由には納得し、最後。
信頼している相手から“関わらない方がいい”を聞けば素直に受け取った、ふか〜く頷く。

「オレはああいう人よりねえさんの方が好き……。
 でもにいさんがそんな顔する相手も珍しいよな」

「あ、フィオねえには最近会った?
 オレは会った」

ふふんと謎に自慢げな態度を見せ、そこでようやくアマレッティを摘まんで口に運ぶ。
さくりとした食感とアーモンドの香ばしさ、珈琲との相性もばっちりなので目を細め、うま〜の表情。
(-191) 2023/09/13(Wed) 22:19:29

【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ

収入についてそれ以上細かくいうことはなく、
納得した様子ならそのままに。

「どうだかな、子供相手にも態度を変えない奴だからな…」
「話し相手が欲しいだけじゃないのか」

…ただあの女のことは、と、少し付け足して。

「やかましいんだよ。
 あれはあれで便利だが。
 頼んだことは大体やってくれるしな。

 …ま、お前にはそうだな」

珈琲を一口。

「フィオか、ちょうど最近うちに来たぞ」
「お前も会ったか」

ほー、と一声。
(-193) 2023/09/13(Wed) 22:46:27

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「…そうかい。
だったらその手伝いくらいはしよう。
必要があれば、俺は喜んで手を貸そうじゃないか。」

マフィアの根絶そのものは
衝突が頻発する警察官にとっては願っても無い事。
だから、貴方を止める理由は男にはなかった。

むしろ、貸せるものなら手を貸そう、と。
そんな風に言える始末。
果たしてそれが貴方に必要かは分からないけれど。

「ああ、そうだな。
勿論、聞かせてやるさ。」

フェアである為に、男は頷く。

(-195) 2023/09/13(Wed) 22:56:06

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「……、っ……」

ビリビリと空気が張り詰めたのがわかる。
ヘビに睨まれたカエルのようにあなたとの視線を外すことなどできなかった。

「……黒眼鏡が俺たちを捨てるわけないだろ」

自分がついていこうと信じた人間の瞳がそこにある。
あの日から一度も疑ってなんかいない。

それでも『知ること』は、
何よりも勝る安心を己にもたらしてくれることを知っている。


「伝があれば連中と繋がれてもおかしくはない。
 ……なにか思惑があって潜入している可能性もあった」

「言い方が悪かった、怒んなよ。あんたの前でまで頭使いたくねえんだ」
(-196) 2023/09/13(Wed) 22:57:36

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「まず、俺はマフィアを潰したいと思っている訳でも
警察内部に不満がある訳でもない。
ただ、弟妹を守るために立候補した。」

恨みからの復讐で貴方が動くのであれば
此方は度を超えた親愛と庇護欲からのもの。

「まだ俺がガキの頃の話だよ。
俺の目の前で、弟妹たちがマフィアに攫われたんだ。
まあ、特に大事なく保護されたんだけどな。
その時から決めたんだ。」

「もう二度と、こいつらの事を傷つけさせないって。」


「そいつらは今や、警察官だ。
片や巡査、片や警部補、って肩書で。
今、警察内部は所長代理殿のせいでごった返してる。」

「強硬策を推してんだからな。
内部分裂、なんてことも起こりかねない。
それはアンタも分かるだろ。」

「だから現場の最前線に俺が立って
それで上手く、あいつらの危険にならないように
もし警察内部で不穏分子があれば検挙でもして取り除いて。
そうやるしかないって思った。」

淡々とそう話すだろう。
(-199) 2023/09/13(Wed) 23:06:21

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 黒眼鏡

「お、真面目なタイプのやつだ。
 いや〜立たないでほしいんだけどなあぁ〜、
 だってなんか起きたらアレっさん怖いしなあ〜」

端末越しのぼやき合い。お互い知らぬが仏であった。

『りょーかいです』
『引き続き情報収集に注力しときます』
『あとはまあ、ウチのソルジャーにも
 「余計に動くな」と伝えておきます』
『まあウチに部下ほとんどいないですけどね』

元より、これの部下も引きこもり気質が多い。
流れて来る膨大な盗聴盗撮データを見聞きし振り分け、
重要度順にしてカンターミネブレインに渡す者達。
上からの指示を聞かされれば肩を竦めて、
『元から不動のチームです』と返すような連中。
少なくとも、"港"の不利益になるような事はあるまい。

『あ、それはそれとして』
『食事会の珈琲多めでおねがいしまーす』

ついでに添えられたこれは仕事外の連絡。
当日いけない可能性は考慮せずに堂々と頼む女だった。
(-203) 2023/09/13(Wed) 23:38:45

【赤】 黒眼鏡

/*それで大丈夫と思います!
お二人は現場にいくということでよいですよね?
(名前は出しませんが)
それで大丈夫そうなら運営ちゃんにいっておきます!
(*26) 2023/09/13(Wed) 23:45:22

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「チーム員の同意を得られて嬉しいよ。
 当然だが、メインで動くのはお前たちになる。
 "アリソン"は金と口をだすだけだ」

満足そうに頷き、珈琲を一口。
あとはその"理由"を、黙ったまま聞く。
黒眼鏡の奥の瞳は、じいとあなたを見つめたまま動かなかった。

――


コーヒーカップが空になっても、それをゆらゆらと指先で揺らしている。

「……」

「児童売買か。話には聞いたな。
 ……事実として話しておくが、俺の仕事じゃないな」

やったら覚えてる、と真顔で言って。

「理由があってそう選んだなら、いいだろう。
 選ぶやつは、立場が分かりやすくて付き合いやすい」
 ……そして、そういう理由があるなら考慮したい。
 そいつらの、お前が守りたい名前は?」

言いたくなかったら構わんが、とは付け足して。

「間違って摘発でもしちまったらたまらんだろ」

と肩を竦めた。
(-208) 2023/09/14(Thu) 0:50:44

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「――……」

かちゃ、と黒眼鏡を指で押して。

「お前が分ってることくらい、
 分かってるさ」

苦笑。いつものように、ひょうひょうとした笑みが張り付いている。
別にこの顔だって、全くの嘘ではない。
ただアレッサンドロにとっては、どちらも彼の顔だというだけだ。

「……そうだな、サツだけで手いっぱいなのに、
 ファミリー相手に頭を使うなんざまっぴらだよなあ。
 怒っちゃいないさ。
 ただ、俺の立場は明確にしておかねえと、お前も困るだろうから」

とん、とあなたの肩を拳で突いて、珈琲の御代わりを沸かしだす。

「確かに伝手はあるし、この件について…忠告だの、情報共有だのは受けてるよ。
 だがどうにも、摘発チームの内情が見えねえ」

「お前の方の伝手はないのか?」
(-210) 2023/09/14(Thu) 0:56:19

【秘】 黒眼鏡 → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ


『たのむ』
『必要ならうちから経費を出す』
『いつもの口座から使え』
『部下の飯代くらいなら使ってもいいぞ』

部下の部下については、口を出さずに金を出す。
現場時代が長かった黒眼鏡は、そういった扱いをきっぱりと割り切っているところがある。
そう入力してから、表示された文字に頬を歪めて。

「また代理のやつが来るんじゃねえのか…?
 今度店に引っ張ってやらんとな」

ぼやぼやしながら、整備していた自動車のボンネットをバン、と閉めた。
傍らに置いていたタブレットを叩く。
器用にも片手だけ、一本指で操作しているが、これは操作に慣れているわけではなく普段から一本指打法なだけだ。キーボードでも同じである。
なのでそこそこに入力は遅い。

『注文有難うございます』
『今後ともMazzettoをごひいきに』

広告みたいなメッセージ。
(-212) 2023/09/14(Thu) 1:01:39

【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 黒眼鏡

ピューウッ。羽振りがいい上司への感嘆だ。

『お仕事は順調なようで』
『それはまたありがたい』
『丁度「子機」が欲しかったんですよ』
『部下にはピザパでも開かせるかな』
『"港"からのオゴリってよーく言っておきますよ』

数日後届くだろう領収書には、数台の送受信用装置の類と、
およそカンターミネ率いるチームの人数から出るとは思えない
無数のピザ……と、アイスの請求が踊っていることだろう。
それこそ、今使っている端末と値段がトントンな金額の。

「『近い内行きますよ』、と。
 ヒッヒ、これじゃまるでSNSのスパムだな。
 ……礼も兼ねて今度珈琲飲みにいくかあ、
 説教されない事を祈りつつ、だな!」

そうしてのんびりと呟き、端末を閉じた。
(-213) 2023/09/14(Thu) 1:17:31

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

その声色にまたうっすらと頬を緩め。
ひねくれもののあなたの部下は、

「及第点ですう」

それでも声音の喜色は隠そうとしないまま。
また表情だけをすまさせた。

「大丈夫ですってえ、もお。」

どれだけ重ねられても信用がないだなんて受け取らずに済む程度の自負はある。
そしてそれはきっと自負だけに所以しない。…幸福なことだと思う。

(1/2)
(-214) 2023/09/14(Thu) 1:33:14

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

「まあ、そうですねえ。」

受け取ったフリットラをひとかじり。
色気がない、には同意しかなく、苦笑する。
そのまま色気のある車内食というものについて思いを馳せようとしていたとき。

「…ふふ。はあい。」

静かな首肯。
すぐ茶化してしまうより、多少は誠実さを残したかった。

「さすが、“港”の“黒眼鏡”さんは言うことが違いますねえ。」

直後には茶化してしまうわけだが。
そうやって久し振りに口にした呼称に、ひとりでまたくすりと笑い、遠くの海を見つめていた。

(2/2)
(-215) 2023/09/14(Thu) 1:34:08

【秘】 黒眼鏡 → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ

調子のいいやつ、と笑い、口座の金額を確認しておこうと思い直す。

『領収書回せ』
『キッチリな』

後日、領収書を眺めながら「ははは」と笑う黒眼鏡の姿があったりはするが、
中々趣深い表情をしていただろう。
それでもキチンと清算し、彼の個人口座がまたちょっと減った。

『おう』
『いつでも来い』

返事だけ入力してから、端末を閉じて。

「さて、来たら色々聞いとかんとな」

ぐるぐると首を回してから、なぜか指の関節を鳴らした。
これはただのストレッチなので特に他意はない。
(-217) 2023/09/14(Thu) 1:56:06

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「っあ〜〜〜……久々で痺れた。
 今ガチで珈琲の味わかんねえ……」

貴方にひっ付いていたときは向けられることも少なかったそれ。
この威圧感だけは真似できないから、違うものを武器にすると決めたんだったか。

「此方はなんとか、ありはするが……
 どうも街中が監視されてるような気分で地雷を踏んだらお陀仏だ」

それで猫を預けに来たのだと。

「俺が掴んだのはー、警察の署内でも相当な地位の人間が、
 ごく一部の警察の奴らに指示を出していることだけだ。
 何も知らんで捕まえようとしてるだけの集まりかもしれん。
 向こうもそんな真似を新人警官にでも任せた方が始末が楽だからなあ」

選抜理由も、部署も不明、偉い人の考えはわからない。
流石に警察署内だけで完結してると思いたいが、どうだろうか。

「怪しい奴に心当たりがあるなら、俺が時間をかけてでも調べに行っても構わんぞ? まあ、自分で動くか、あんたなら。
 あー、逆に絶対大丈夫そうなやつとか言えるのなら聞いてみたいね……俺は基本どんな可能性も疑っちまうからよ」
(-220) 2023/09/14(Thu) 2:02:28

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ


「そいつはよかった」

かちゃり、と黒眼鏡を押し上げる。
声色が耳を擽って、それが伝染したかのように口許が綻んで。

「まぁ覚えておけ。
 年を食うと、若者が頑張っているのを手助けするのが楽しくなるのさ」

押し付け癖の延長と言われれば、そうなのだろうけど。


「そういえばあそこのジェラート、最近食ってないな。
 あんまり繋がりを残したくなかったが、
 立ち寄るくらいはいいだろ」

さっさと食べ終わり、包み紙を助手席の紙袋の中に放り込む。
食事にさほど拘らないアレッサンドロも、濃い味付けの肉のあとに冷菓を食べたいという欲求はあるようだ。

(1/2)
(-221) 2023/09/14(Thu) 2:07:52

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「うるせ」

茶化す言葉には、おどけて応えて。
――しばらく、開けて真っ直ぐな道が続く。
フロントガラスからリアガラスまでが海面の煌めきを映しとり、
海辺の稜線がゆっくりと遠くを過ぎていく。

ハンドルを片手で固定すれば、漫然と走っても構わない。
そう思ったからか、ふとアレッサンドロは振り返って、
座席に肘をつきながらその大きな手をひょいと後部座席に伸ばした。


そのまま、腕を避けることが無ければ。
何も言わずにあなたの頭を、くしゃりと撫でた。


(2/2)
(-222) 2023/09/14(Thu) 2:08:05

【人】 黒眼鏡

>>123 >>127 カフェ

「そーかそーか。
 なんもねえなら、それでいい」

…もう用件は終わったのだろうか?
うんうんと頷くと、ふたりの話に耳を傾ける。

「ああ、なんかあったら呼ぶよ。
 クソ重たいガソリン缶が届いた時とかな」

ダヴィードにはそう、軽口で――けれど頼もしげに頷いて。

「お前は変なことに首を突っ込みそうだからな。
 そもそもマジで通るのかわからんが、
 どちらにせよ何か動きはあるだろう。
 しばらくは大人しくしておけ」

珈琲についても、いつも通り。
良くも悪くも特に何か変わったことがないのは、いいことなのかどうなのか。

「そうだお前ら。
 レストア終わった車が一台あるんだが?
 どっちか要るか?
 足が多くて困ることはないだろ」

……なくはなさそうだが。


#Mazzetto
(138) 2023/09/14(Thu) 2:13:46

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「おいおい、鈍ってんな。こんなオッサンにビビってちゃだめだぞ」

しれっと言いながら暢気に笑う。
実際、鈍っているという話ならアレッサンドロこそ、そうだろう。
あなたの知る限り、もう10年はまともな喧嘩もしていない…はずだ。

「どこもかしこも浮足立ってる。
 まぁ、変に動かない方がいいだろう。
 …俺はあまり出歩かないから、猫くらいはどうにかなる。

 前のケージがまだあるはずだしな」

前回預かった際にあわてて揃えたもろもろを思い出しながら、
アア、とあなたの言葉に首肯をひとつ。

「……機密がしっかりしてんだろ。警察内部でも、温度差と情報格差があるのは確かなようだ。
 調べるなら、そこからつくのがよさそうだが」

カウンターに伏せられていたタブレットを持ち上げてとんとん、と何かを操作した。

「耳ざとい奴に頼んではいるが、今のところは誰もかれも…って感じだな。
 とにかく今は、情報が欲しい。お互いある程度調べてみてから共有しよう。

 ……絶対大丈夫なやつなんて」

そして、大げさに――けれどきっと、演技だけではなく、溜息をついて。

「……"自分"くらいだろ?」

皮肉なことだ。
(-223) 2023/09/14(Thu) 2:21:37

【赤】 黒眼鏡

/*確認ありがとうございます!
それではそのように運営ちゃんに良い感じにしてもらいますね!

二日目以降もよろしくおねがいしますーーー!
(*29) 2023/09/14(Thu) 2:25:08

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

眦は細く、無機質なガラスやプラスチックの表面を見つめた。
集合体の意図するところを理解したなら、それで視線は逸れてしまう。
聞いたふうな口を利き、悟ったような目をして、見知った街路を歩く足がある。

訪れたことも多くはない部屋を一個一個理解したように頭の中に入れてしまって、
もう分かったとばかりに帰った視線はアーモンドのまぶされた生地の行き先を見ている。
スカイブルーの目は澄んだ空のような色ほどには冴え渡ってさえもなく、
曇天めいて淀んだ色が閉じ込められているだけであるのを、分かっている者は少ない。
春霞の向こう側にぼやけた焦点は今は貴方の所作だけを追っていた。

「ああ、あの子か。まだ若いだろう、あまり焚き付けないでやってくれ。
 彼の熱心さが彼の足元をおろそかにさせるようにはしてやりたくないんでね」

ふ、と表情が緩む。庭の花でも見るような穏やかな皺が目元に寄った。
己の手の届く範囲にあるかれらに対するときの男は、一層ありふれた老成を現す。
老いさらばえていくもののように緩めた表情が、どれほど実を伴っているものか。

「どうも」

笑う表情は変わらない。
『いい警官』になってから、余裕のあるかのような表情が鈍ることは少なくなった。
他愛なく進む会話が時計の針を押すごとに、いつしか皿もカップも底がまあるく顔を出している。

「為るように為るものだよ」

#Mazzetto
(-224) 2023/09/14(Thu) 2:58:42

【秘】 情報屋 エリカ → 黒眼鏡

/*
ぴこん。御機嫌よう運営です! ヴィンセンツィオ様から黒眼鏡様宛てに、情報屋ロッシを利用しての情報開示希望のお知らせです。

 

情報請求先:黒眼鏡
求める情報:カポになって以来他者に物を与える癖が悪化するようになった、
その変化を及ぼされることになった出来事や心境の変化の具体的な理由
 

あとなんか相手のPLが覚えのある感触してる気がするから、
せっかくだし回数一消費してこれから毎日パンツの色聞こうかな。
 

とのことです。変化の理由で一回、デイリーパンツカラーで一回のカウント。両方OK、片方だけOK、両方NG、黒眼鏡様の都合に合うものを回答いただければ。
OKの場合は運営を通して内容を伝えるでも、黒眼鏡様が直接伝えるでも構いません。如何しましょう?

(-227) 2023/09/14(Thu) 4:26:39

【秘】 黒眼鏡 → マスター エリカ

/*
なんだこいつ(困惑)


@カポになって以来他者に物を与える癖が悪化するようになった、
その変化を及ぼされることになった出来事や心境の変化の具体的な理由

所有欲・執着心が極端に希薄になっている。
理由は「本当に欲しかったもの」を既に失ってしまったため。
彼女は恐らく墓地にいる。
アレッサンドロが教会に礼拝に通うのは、彼女の墓参りだ。
だが、彼女の墓に直接行くことはしていない。
※「彼女」の情報はアレッサンドロによる執拗な情報処理により、詳細不明

Aパンツ:今日は柄パン(花柄)

お手数ですが、運営様経由でお願いいたします!
(-228) 2023/09/14(Thu) 4:43:43

【秘】 黒眼鏡 → マスター エリカ

/*

追伸
パンツの色がぬけていました 赤の柄パン(花柄)です
明日のパンツの色が必要なら 青の柄パン(みずたま)です
(-229) 2023/09/14(Thu) 4:56:04

【秘】 情報屋 エリカ → 黒眼鏡

/*
お早い返答ありがとうございます。追記もありがとう。これから更新のたびに能力行使先の確認と一緒に明日のパンツの色を聞きますね、よろしくお願いします。そんなでCiao〜!
(-231) 2023/09/14(Thu) 4:57:21

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

言葉も四肢も、その間に立ち塞がるものを埋めようとはしなかった。
ただ視線だけが互いの色を、その粒子のひとつぶひとつぶを見極めるように交差する。
直接その双眸を見やること、それすらも最近はできてはいなかっただろうから。

「いじめたように言ってくれるなよ、こっちはオフの日に話しかけられたから応じただけだって。
 旦那の教育方針を疑うわけじゃないが、あれはそのうち痛い目見るぞ。
 普段ならともかく、今はいささか状況が悪い。
 怪我せず転べないのなら、子供の手は握るべきじゃないか」

年を取ったなあ、などと柄にもない言葉が意識をかすめる。
そしてそれはきっと自分もそうなのだと思い、
苦笑しながら黒眼鏡を指で押さえた。



「それも、そうか」

だから、帰ってくる言葉も素直にすとんと、腹の奥に落ちてくる。
そういうものだ。

「じゃあしょうがねえな。
 何かやることは?」

明日の話はできない。
だから、とりあえずは今の話をしようと思った。


#Mazzetto
(-235) 2023/09/14(Thu) 5:39:28

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

「えー?」
「そんなこと言ってるとお、すぐおじいちゃんになりますよお」

肩を竦めて、既に年寄りくささある言葉を笑っていなす。
成人して3年のまごうことなき若者にはそれこそ響かない。
だけど、きっと、それでも女は忘れることはないのだろう。

「ご随意にい。」
「ダニエラ巡査はあ、ミルクfior di latteがおいしいって言ってましたよお。」

そればっかり食べていただけだ。
署長の入院まではほぼ、そうして『異常なし』が届けられていた。
最近は、『警戒』のイチゴfragolaの頻度が多くなっていることだって、当然あなたは知っているだろう。

(1/2)
(-236) 2023/09/14(Thu) 6:40:30

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

早くはない速度で食べ進めながら、色移りゆく景色を眺めている。
早くはないだけで遅いわけでもなかったが、食べ終えても包み紙だけはまだ手の中だ。
停車の折にでもと考えていただけだが、運転席の気配に気づき振り向いた際それは乾いた音を立てた。

「…何ですかあ、もお。」

ひねくれものは反射的に、文句のようなものを漏らしている。
だけど確かに一瞬見せた、面映ゆそうなへにゃりとした笑顔が、その本心を映し出していた。

多分それは、親に頭を撫でられる幼子の姿によく似ている。
そして、隠そうとしたところで満更でもなさそうなわけだから、きっと大して隠れてもいないのだ。

(2/2)
(-237) 2023/09/14(Thu) 6:43:30

【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡

「年の功って奴、見せてあげればいいのに」

冗談だ。だからこそ今はこうなっているんだろうと一旦は納得を見せる。
天才ってそれ褒めてる?なんて言って。
男のプライドだとか、そういったものにはまだまだ疎い。

「やだ、もうちょっと引き締めようかしら」

吸い付くような、しっとりやわらかな肌に掌が触れる。
揉まれるような感覚に、口ばっかりのそれが返った。
このくらいの肉付きが好まれるのを知っているから。

「あそこは…何も持っていない分、繋がりを大事にしてるの」
「恩も仇もずっと覚えているわ」

分かっているくせに、と笑う。
あなたにとっても私はずっと妹みたいな存在でしょうに。
何にも変わらない。私たちはそうして生きていくのだ、これからも。

「いっそスキンヘッドにしたら、威圧感も出ていいんじゃない」
「その眼鏡にもピッタリだと思うし……」

肌を指先が撫でていくたびに、小さく体を震わせる。
鼻から抜けるような甘い声が、空気に溶けて。

(-239) 2023/09/14(Thu) 7:44:25

【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡

「ん、……いじわる」


吐息のかかる距離、一向に縮まらない1p。
拗ねたような、甘えるような声で囁いて。

自分から唇を重ねる。そうしたのなら、啄むようなキスを何度か繰り返してから。
舌先があなたの唇を突いた。
(-240) 2023/09/14(Thu) 7:45:03

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「……あのなあ。
 見た目でなめられないようにするのが精一杯だがあ?
 あんたに参ったを言わせるのは夢だけども」

特訓しても貴方に勝てないから、苦手になった。まともな素手ゴロでは敵わないので腕相撲とかになるだろうか。

「それでも動かないわけにはいかなくてな……まあ、最新の注意は払うさ。
 そうだ、無事に情報を渡せそうならその分小遣いは貰うぞ、こっちは一応商品扱いだ。
 そっちのもんに対価が必要なら別で何か支払わせてくれ」

至極真面目に貴方になら問題ないであろう金額を告げる。
ルチアーノから渡す情報は基本金銭でやり取りをすると。
これまで言ったものは換算されない程度のことらしい。
安くない動きをするつもりであることと、暗に今なら調べる能力に関してはかなりの自信があることも重ねて。

「ん」

「あぁ……」

目を伏せて何処かおかしくて笑ってしまう、今日はずっと珍しい姿が見られる。

「違いないです」

永遠と名の付くものに憧れがないわけではないのだけれど。
(-242) 2023/09/14(Thu) 7:51:10

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「それは構わねえよ。
元より矢面に立つつもりで来てるからな。」

そうして貴方に言われた言葉に少し考えるようにする。

「…テオドロ・アストーリ、アリーチェ・チェステ。
この両名には手を出したら、俺が許さない。
アンタだろうがリヴィオだろうが…所長代理殿であろうが。
代償を支払わせるさ。」

例えそれで貴方が裏切ったとしても
自分は警察官で貴方はマフィア。

利は此方にある。
そう踏んだが故の牽制と
仲間すら売り飛ばすだけの覚悟がそこにあった。

「だが、もしそれが、あいつらを表から遠ざけて
守る事が出来る方法になるなら、検挙も厭わねえ。
俺自身が非難を受けてどうなったとしても、だ。」

自分は彼らの兄貴分で
かつては守る事が出来なかったから、今度こそ。
(-250) 2023/09/14(Thu) 9:00:33

【人】 黒眼鏡

>>139 >>140 カフェ

「このトシで運ぶのキツくなってきてな〜〜。
 おーしおし、偉いぞダヴィード。体を鍛えて悪いことはない」

ダヴィードの腕を見て、ぱんぱんと嬉しそうに手を叩く。

「ああ、ふたりともそうしてくれ。
 ……いうまでもないと思うが、情報共有もしっかりな」

やっとカポらしいことを言ってから、
壁のボードにかけられたキーを指先でひっかける。

「いざという時エンジンくらいはかけられるようになっとけよ?
 俺は14の時にもう運転してたぞ」

おっさんのヤンチャ自慢が始まりつつ、キーを投げ渡す。

「じゃあペネロペ、お前持ってけ。
 で、どこでもいいから停めとけ」

どうやら、逃走手段みたいな話のようだ…。

#Mazzetto
(144) 2023/09/14(Thu) 10:43:57

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

「あいにく、生涯現役のつもりだ。
 魚釣りをしてのんびり暮らすのは性に合わん」

若者の言葉にもどこ吹く風。

「おお、そうか。イチゴも悪くはなかったんだが、やっぱりそっちだよな」

彼が食べる分には意味がないことだが、

「……意味深になるな」

なんていって、フロントガラスにまた一つ、笑みを刻んだりして。



「いいや。
 お前、いくつになったっけ」

腕を伸ばす時一瞬向けた顔は、もうフロントガラスを見つめている。
海鳥たちが視界を掠めて、その顔に一瞬陰を落とした。
(-255) 2023/09/14(Thu) 10:47:17

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

「…スキンヘッドなんかにしたら、
 マフィアのおじさん一丁上がりだろうが」
「今でもスラムのガキには怖がられるってのに…」

ぼやきのような言葉が、口づけの中に溶けていく。
肌を、その下の肉を撫でていく指先。
家族のように育ったものと睦み合う、ともすればいびつな関係。

――それでもアレッサンドロは、女を抱いた。
きっとそれは、あなたが望んだから。
けれどあなたは、彼の手足が触れ合うことを求めていると知っている。
望まれるままに触れるのに、こうして肌と肌が触れ合ってからはどことなく――きっと無意識に求めてくる。

(1/2)
(-257) 2023/09/14(Thu) 11:04:05

【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

――湿ったような音とないまぜになった吐息が、唇の隙間から漏れる。

ゆっくりと肌を撫でていただけの掌は、
指先でついと掠めるように肌のあちこちを弄っていく。
ぎゅう、と腕が回されて、体が強く押し当てられる。
段々と体重が乗せられて、掌が掌を絡めとり、指の一本一本をこそぐように摩り、愛撫する。

湧き上がる情欲を少しずつ追い立てるように、優しく。
けれど、逃がさないように体中で捕まえて。




舌先を絡めあい、口腔のあちこちを捏ね回してから、ふいと唇が離れた。
男の顔が頬から顎へと伝い落ちていって、白い首筋に口づけを落とす。


「足」


はあ、という溜息に混じる声。
腰の辺りを撫でていた手が、太腿をぐいと押し開くように当てられていた。


(2/2)
(-258) 2023/09/14(Thu) 11:06:34

【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ

「『参った』か。若い奴には大体、ずっと思ってるがね」

歯を見せるようにしてにやにやと、どこかの猫のように笑う。

「ああ。俺が代金を払わなかったことがあるか?
 気にするなよ。必要なら、いつもの口座を使ってもいいぞ」

伝えられた金額については、特に悩むこともなく頷いて。
――かつて君に、『資金が必要なら使え』といってポンと渡した口座がある。
君が今でもそれを覗いているかは分からないが、
どうやらずっと維持しているらしい。


「まったく、お互いトシを取ったな」

勝手におじさん仲間にされそうだ。
ひょいと腕を伸ばして、ぽんぽんとあなたの肩を叩いた。
おじさんはスキンシップも好きだ。
(-259) 2023/09/14(Thu) 11:10:39

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「名前は覚えた。
 御同輩にもちゃんと言っておけよ。
 まったく、そういうものは伝えて置けばトラブルを防げる」

あっさりと頷き、あなたの覚悟を肯定する。

「元々言っていたとおり、俺は極力マフィアしか狙うつもりはない。
 特にやることはかわらないさ」

そして、その覚悟と決意に、


「お前ー、いいなあ」

ぽん、と。
…もしあなたが油断していたのなら、肩に大きな手が乗せられる。


「残念ながら"アリソン"としてはできないが。
 うん、個人的に応援する。
 お前は、」

きっとそれは、

「できるといいなあ」

       本心だ。
(-260) 2023/09/14(Thu) 11:14:06

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「…ああ、そうだな。
リヴィオにも伝えておいた方が良さそうだ。
アイツもアイツで、なんかありそうだったしな。」

いつもは前髪がミリズレるだけで動かなくなる男が
あの場では静かで、常に聞く台詞の一つも言っていなかった。

貴方と同じくらい、いやそれ以上に
何かを抱えている可能性は感じられたから。
確かに伝えた方が良いな、と頷いただろう。

「あの場でも言ったが
その方針に関しては異論はないさ。
基本的にはマフィアを。それともう1つの派閥も。」

油断というよりは貴方という人物に気を許していたからか
肩を叩くことは容易に出来て。
少しだけ驚いたように、男は目を丸くするのだろう。

「んっ…良いなって何がだ。兎も角、Grazie.
出来るといい、ってより、やるだけだよ。
そっちこそ上手く事が運ぶと良いな。」
(-262) 2023/09/14(Thu) 11:24:35

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「あいつのことはよくわからん。
 同じチームだしお前のほうが近くにいる。
 サポート頼むぞ」

勝手に仕事を押し付けられている。根回しと言うか、強引というか。

「言葉通り、応援してるってことさ。
 ああ、お互いにな」

頷きとともにすぐに手を離すと、
カウンターの裏から袋を持ち上げた。


「ああそう、これ。
 持って帰れよ」

………新品の電気圧力鍋だ。安いものではないが、立ち寄った人間に押し付けるようなものでもない。
(-264) 2023/09/14(Thu) 11:39:34

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

似合うと思うのにい、とくすくす笑った。
そんな女が浮かべたのは、派手なシャツにサングラスのまま釣り糸を垂らすあなたの姿だったりする。
…でも、せめてそれよりはあの喫茶店で車を弄りながらコーヒーを振る舞っている方が、なんてこれは取り留めもない話。

「21、ですよお。」
「…いけないんだあ。女の子に年齢聞くなんてえ。」

宣いながら、指先が前髪を整える。
そのまま滑るように、するりするりと横髪を弄んだ。
(-265) 2023/09/14(Thu) 12:57:39

【秘】 黒眼鏡 → 日差しにまどろむ ダニエラ

よせやい、と言うように肩をすくめる。
海を見ていることはあっても、魚釣りなんてしているところは見たことがない。
10年前からずっと、惰性のように同じことを繰り返している。
それは執着か、それとも残滓か。


「もうそんなか。
 トシとるわけだ」

しみじみとつぶやく声は、きっとガラス越しに潮騒よりは大きくて、けれど車内に響くエンジン音には負けてしまう。

「いいじゃねえか、お前ね、
 聞くべきことを聞いてこない男より、
 ちゃんと色々聞いて確認してくれる男のほうが
 QOL高いぞ」

俺みたいな、と笑う。
嘘である。
この男は、放任主義がアロハを着て歩いているような男だ。

そんな男に任せているのだから、車も好きに走っていく。
ハンドルがゆっくりと回って車線を変えた。
次の曲がり角を曲がれば、海辺沿いの道から一本内側へ。
そのまままっすぐ細い路地を勧めば、"待ち合わせ場所"へ戻るだろう。
(-266) 2023/09/14(Thu) 13:44:08

【人】 黒眼鏡


>>145 ペネロペ

「行けるうちに行っとけよ。
 俺なんか腰が重くなっちまってもう」

ここ以外ではほとんど見かけることがない男は、
のんびりとカウンターに肘をつく。
君たちを見送る構えのようだ。
短いやりとりで、"仕事"上必要なことが含まれていたようには思えない。
となればやはり、顔を見たかったというのが本音なのだろう。

そのくせ、来たら来たでこの調子なのだから、
なんとも放任主義がサンダルを履いて歩いているような男である。

「ああ、知ってるよ。必要なことは言うだろう」

お前ならな、と付け加えながら…お代と言われて、手のひらを突き出す。

「いくらだっけな? 忘れたな。
 次もちゃんと顔だしたら、その時払ってもらおうか」

…おごり癖が出た。

#Mazzetto
(146) 2023/09/14(Thu) 14:24:30

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「ああ、任された。
って、
おいおいおいおい。


ドン、と渡された電気圧力鍋。
近所の奥さんが持ってってと渡すお菓子やおかずほどの気楽さで。
流石に突っ込まざるをえない。

「なんでまたこんなもんを!
ドルチェを渡すくらいの気軽さで渡すもんじゃねぇだろ!?
つかアンタは使わないのかよ!」
(-267) 2023/09/14(Thu) 14:40:17

【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ

「なんでってお前、よっぽど料理に興味がないと
 こんなモン使わないだろ」
「俺はいらん」

ちゃんとレシートも入っている。
なんで買ったのだろうか。

「ホームベーカリーとホットサンドメーカーとジャパンの…タコヤキ?メーカーもあるが、それが一番高いんだぞ」

気を使ったみたいな言い方してくる。
(-268) 2023/09/14(Thu) 14:44:49

【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡

母が亡くなり拾われた日から5年。
それ以前の付き合いも含めれば、もっと。
子供が大人を見て年月を想うのは、その姿に老いを見た時だけだから。
紛れた声が聴こえたとして、きっと共感なんて、できやしない。

「そうですかあ…?」

つまり、ただ、懐疑的な声が続く。というか当然、信じてない。
他に聞くべきことはいくらでもあろうに、聞いたのが年齢という辺りが特に。
そういえば女はあなたの年齢を詳しく覚えていない。
出会った時から大人だったあなたは、ただ“大人”であり続けている。

「……」

窓越しの海を、ぼんやりと。
あなたの大嘘に対する自分の意見を述べようとしたが、何故かこの時に限り言葉がまとまることはなかった。
そうする間に道が移り、デートの終わりを女も悟る。
(-270) 2023/09/14(Thu) 16:46:01

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「……ずっと? だらしない姿を見せすぎの間違いだろ」

「一応聞いただけだよ、払えねえとは思ってない。
 というかあの口座、……使わないなら今のうちに金塊でも買い占めておいたらどうですか」

あの金を最後に使ったのは貴方の直属を離れた直後、促して使わせてきたのはファヴィオだった。
可愛がって貰えているうちに使っておけと、良くも悪くも自分を甘ったれにした原因は俺自身の身の回りのものを他人の金で揃えさせ。
そして、貴方とは違った金の取り扱い方と、他人に
頼る
術を叩き込んできたのだ。


先ほど肩をたたかれたときは保てていた姿勢、それが続けばだんだんと上半身をうつ向かせていく。
最後には机に伏せて黙り込んで深く息を吸わされる羽目に。
普段は隠している
甘えん坊
の記憶が掘り出されていく、決して悪いものではないのだけれど。

「その言い方、本当に歳を取ったなあ……!」

おじさんの仲間にされそうな男はスキンシップに弱くなった。
その上怠惰を許されるともう動きたくなくなってくる甘ちゃんだ。

冗談抜きで腰が抜けると、額を抑えながらふらつくように立ちあがれば「眠いから戻る」と言って出ていこうとした。
ここは、居心地が良すぎる。疲れた時に来ちゃならん。まだ働かなければいけないのだから。

「本当にあんたは、……そういうやつだよ」

何もかも人のせいにしながら次の休日を頭に浮かべる。
結局はすべて事が起きてからでしか時間は取れなさそうだと、深く深くため息を吐くことになった。
(-272) 2023/09/14(Thu) 19:22:36

【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡

「そういう問題じゃねえし何で買った????」


レシートが入っているので
完全に貴方が買ったと思い込んでいる。

「高いのは分かったし、貰うけどさ。
使わないのにそんなに買ってどうするんだよ…」

何なら全部貴方が買ったと思っている。
ついでに自分も料理をそんなにする方じゃないので
署に置くかな……とか思っている。
(-277) 2023/09/14(Thu) 20:24:19

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

「痛い目に合わないように支える人間は幾らもいるだろうよ。
 まあ、けれど。出来るだけの教育くらいはしておくとも。
 知らないおじさんが心配していたよって伝えておいてやろう」

からかうような言葉が苦言を受け流す。少しも真艫に捉えていないようだった。
そうでなかったとしても、仮に、そうだとしても。
犯罪組織の渦中にてその重責を担う貴方の見えないところで行われることだ。
周りの労苦や心配が実を結ぶときが来たとしたって、きっとずっと先のことだろう。

水を向けられた、如雨露の首を返すように視線は流される。
既に短いやり取りで、多くに納得をして、多くに満足した。
そこから先を、この部屋においていく必要はお互いに無い、そうだろう。

「何も。お前の顔を拝みに来ただけだ。珈琲の腕前もお目にかかれたようだしな」

皮肉っぽい言い回しとともに、長い指と素爪がカップをつついた。
ほんの少し小麦の粉がついた指を軽く払うと、手はそのまま机について立ち上がるのを助く。
用事はそれで済んでしまった。
部屋をいっそう狭く見せるような長駆が伸びて、入ってきたばかりの扉の方をつま先が向く。
帰りの見送りは、さて。『いい警察』を厭うなら、必要かもしれないけれど。

#Mazzetto
(-282) 2023/09/14(Thu) 20:49:46
 


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