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【妖】 三年 井上清春期待したものをそのままのかたちで手に入れたのに、 それだけで満足できなくて新たな欲求が生まれる。 「ほんと?」 わかりきったことを確認する。 こんなときにあなたはつまらない嘘をつかない。 傍にいていいことも一緒に寝ていいのも本当のことだ。 手のつながりはそのままに隣へ腰かける。 「とよひ、さっき、こわがってた」 ぼやけた蜂蜜があなたを捕まえる。 傷つけたくないとか、 さわってほしいとか、さわりたいとか、 頭の中はぐちゃぐちゃだ。 この問いかけの目的が心配だけなのな、 もしくは触る赦しがほしいのか 自分でもわからない。「おれの聞いちゃいけないはなし?」 甘えるみたいに小首をかしげて質問した。 ($1) 2021/08/16(Mon) 10:18:53 |
【妖】 三年 井上清春「うれしい」 熟れきった果実がぽとりと落ちた。 赦されたと思った。 握られた手を持ち上げて頬にあててもいいと。 「こわくないのも、あまえられるのも、」 「どっちも」 歓喜と熱が吹き出してもうずっとおかしくて 狂った唇は裏のない感じたままを紡ぐ。 欲しがるだけ甘やかしたい。 「ひどいこと」は甘えられたと同義だ。 目がよそを向いてるのがさみしくなった。 とろけた瞳で追いかけて覗きこむ。 赦されたから。 「俺はとよひにさわれると落ちついて、 そわそわするから、もっとさわられたい」 「でも、」 「とよひは俺とでほんとにいい?」 「俺は俺がいちばんしたいことしてる」 「とよひもおなじ?」 あなたのいちばん、おしえて。 ($3) 2021/08/16(Mon) 13:04:09 |
【妖】 三年 井上清春視界がぐらりと反転して天井を見た。 遅れて彼が現れて、安心からふにゃりと笑った。 夢心地の貌に降り落ちる暴力と懺悔という名の甘露に浸る。 芯の部分に走る苦味も愛おしい。 繋がったままの手をぐいと引っ張り、 スプリングが軋む音ともにあなたが近づく。 「いいよ」 耳元で囁いた返事は淫靡な顔に合わないほど 穏やかなものだった。 これまで負ってきただろう痛みを労るように やさしく触れるだけの手つきで頭を撫でる。 「話してくれてうれしい」 「たくさん傷ついてきたんだ」 その性質を起因として体験した苦しみが、 やさしい彼を怯えさせたのだろうと推測した。 「俺はそれだけで傷つかないよ」 「とよひーはそんなので俺を傷つけれない」 安心を与えたかった。 口にした言葉は強がりじゃない本心からのもので、 現に 悦び はあっても恐怖はかけらと存在しなかった。 ($6) 2021/08/16(Mon) 17:08:01 |
【妖】 三年 井上清春顔が見たくて彼ごとごろりと横に転がる。 「とよひー」 「したいこと、本当にそれだけ?」 どんな表情だったとしても大切にしたいなと気持ちが湧いて、 触れるだけのキスをした。 離れてしまえばすぐにでも繋がりたくなって はしたない考えが頭を塗りつぶしていく。 「おれは」 「体拓いて好きなだけ覗いて侵して」 「嫌じゃない」 「とよひならなにされてもたぶんうれしい」 「いやがってもぜんぶ見て」 どうして許容できるのか尋ねられても明確な答えはない。 想像力の欠如から彼の想定より矮小に捉えている。 ひとりで抱え続けた痛みを分かち合いたいと思った。 でもそれらは本質じゃない。 ($7) 2021/08/16(Mon) 17:08:11 |
【妖】 三年 井上清春「なんでって、」 彼の苦しさを消したい。 熱に浮かされてもそれだけは明瞭として存在し、 向けられた問には真剣に答えたかった。 「とよひーだから。 でもそれだけじゃなくって、」 傍にいたからじゃ足らない。 それだけで悍ましさすら帯びた執着を受け入れられるほど 聖人ではない。 やさしくされたから、息がしやすいから、気質が好ましいから。 どれもが正しくてしかし足らない。 「わからない」 「やさしくしたい理由はたくさんあるけど 言葉全部集めても違う気がする」 胃の腑を裂いて見つかるものならばどうか暴いて そんなことを答えれば悲しませることはわかっていた。 「……だから。 一緒に探したいじゃダメかな」 それがこの場で出せる答え。 ($9) 2021/08/16(Mon) 20:43:24 |
【妖】 三年 井上清春この答えで受けいれてくれたことに安堵の息を吐いて、 じんわりと嬉しさが広がっていく。 「一緒に」 ことさらに小さな声で重ねて抱きしめ返した。 密着したことで 鎌首をもたげるよからぬものからは いまはまだ目をそらしていたかった。 甘やかしているような体勢なのに、 後頭部を見下ろす瞳は穏やかに とろけている。 幾ばくか不安を取り除けて嬉しかったのに、 胸にあたる吐息や、回された手が背を抱き留める感触に、 淫らな熱がとろとろ身を焼いてあつくてくるしい。 こちらこそ、とか返事をしたいのに 焼かれた思考はまとまりを取り戻せない。 酸素を求める金魚みたいに口をぱくぱくさせてしまう。 ($12) 2021/08/17(Tue) 0:31:39 |
【妖】 三年 井上清春あなたの言葉と匂いと感触のすべてが、 その気なくとも悦びを与えて導いていく。 やさしくしたい。 色の欠片ない言葉ですら嬉しくておかしくなってしまうのだ。 だからあなたの目に映った顔が次なる質問のこたえである。 欲にほてる頬に、うれしくて吊り上がる口端、 我慢できなかった涙を浮かべてあなたを見上げる。 そんな表情で、 腰をびくりと震わせて快楽の声を漏らした。 「とよひ」 「みて」 「うそじゃないのわかるから」 あなたの下腹へ擦りつけるそれは膨らみを持ち、 思いを直接的に露わにした。 「やらしいことして」 ($13) 2021/08/17(Tue) 0:36:57 |
【妖】 三年 井上清春ゆるゆるとした擦り合わせがもどかしい熱を与えてほしがりにさせる。 すぐにでも下肢をくつろげてより強い刺激を得たいけれど そうできないのはあなたの求めるものを覚えたいからだ。 どういったものを好み、 どのような瞳を浮かべてこの身を漁り、 どうすれば求めるすべてを明け渡せるか。 「とよひ、きもちぃ……あっ」 そのためなら刺激で生じるはしたない声も抑えない。 自身の喉から生じた弱々しくか細いたぶらかす声に興奮して、 背中へ回す手の力が増した。 ($15) 2021/08/17(Tue) 10:41:26 |
【妖】 三年 井上清春すき。 おれもすき。 とよひがすき。 すき。すき。すき。すき。 与えられた言葉は脳髄にじんと染みわたり、 まだ名前のなかった感情は縛りつけられて あなたに掌握される。 この身すべてあなたのもの。 教えられたことばをうわごとみたいに繰り返すたびに 息継ぎできない深い場所へ心が溺れて もうもどれない。 もどれなくていい。 同じだと言葉以外でも伝えたくて首筋に顔を寄せて甘えた。 鼻を擦りつけたり、舌でなぞったり、精一杯の愛撫をしながら、 耐えきれなくなった腰をぎゅうと押しつけた。 ($16) 2021/08/17(Tue) 10:43:02 |
【妖】 三年 井上清春ピアスごと噛みつかれるんじゃないかって 甘い期待に身体は震えて 言いなりになるのが嬉しくてこくこく何度も頷く。 不自由な体勢に焦る感情が ベルトを外す動作をもたつかせて、 ようやく引きずり下ろしたそれを乱雑にベッド下へ放る。 尻ポケットのスマホの振動を確かめる余裕はなかった。 ($18) 2021/08/17(Tue) 17:31:02 |
【妖】 三年 井上清春グレーのボクサーパンツは内側から押し上げられて、 下着の上からもかたちがはっきりとわかった。 しかも先端が当たる部分は湿って色を濃くしている。 情けない声をあげる間にもその中へ彼の手は入り込み、 下生えをすきながらしとどに濡れた幹を撫でた。 「あっ、あ、とよひ、っ」 人に触られたことなどない人体の急所ともいえる部位なのに 恐ろしさを飲み込む熱さに 快楽のためだけに存在する器官かと思えた。 自分でするように吐き出すためだけに絞り上げるのではなく 意図を持った動きがきもちいい。 とろとろと先走りを零す小さな孔を嬲られれば、 女々しい声があがる。 「とよひ、は、」 「きもちいいから、とよひも、したい」 両手は背をすべり腰へ辿り着く。 衣服がまだ乱れていなければあなたに同じことを施すだろう。 ($19) 2021/08/17(Tue) 17:31:30 |
【妖】 三年 井上清春掌がもたらす愉悦に溶かされた。 捕食者の目に囚われながら、 自ら火の中へ身を投じる愚かな兎みたいに、 今にも泣きだしそうな顔であなたに強請る。 よくしたい。 さわりたい。 おれのからだつかって。 見せつけるために開いた口から覗く舌は 赤く湿って欲を誘う。 体のいい言葉でほしがりで我慢できない本心を隠すさまは、 あなたのための純粋な奉仕とはもういえない。 指先よりもっと太いもので犯され、 匂いに満たされ味わいたい。 それに喉を塞がれ呼吸できなくなっても 望みなら全部受け止めたい。 きもちいいから。 「このままするのと、」 「どっちがいい?」 この体勢か、それとも。 ($21) 2021/08/18(Wed) 0:06:29 |
【妖】 三年 井上清春「……ん………」 腕を引く手のやさしさが嬉しくてじんわりした暖かさが広がる。 こうした気遣いがすき。すきのひとつ。 反面、『このまま』でも良かったとも心が言う。 きっと身動きのほとんど取れない格好で 口の中いっぱいを満たすそれが喉奥まで突き立てられて 抵抗のひとつもできずに好き放題されただろう。 酸欠の中で揺さぶられて道具みたいに扱われても 興奮に変換できた。 ……被虐の気なんてないはずだったのに。 四つん這いになって尻を高くあげて、 彼自身へ鼻先をすりつけた。 匂いがする。 少し高い位置から口をあーんと開けて、 唾液を湿り気の代わりとした。 片手でやわく擦りながら、舌先でぺろぺろとなめる。 上目遣いに覗いた表情から快楽には物足りないようだ。 「とよひ」みて。 声とともに思い切りよくふくんだものの愛撫はたどたどしい。 口をいったりきたりするだけの単調な動きに 興奮したのは自分自身で、 ふるふると悶えるように尻を揺らして、 あなたがもういいと静止をかけるまでへたくそな奉仕を続けた。 ($23) 2021/08/18(Wed) 1:26:08 |
【妖】 三年 井上清春「んぅ」 頭に近づく圧を察して目を細め いつものように 撫でられると期待したものへ甘えたにすりつく。 解放された顎は強張っていてじんといた。 「へぇき」 口を覆う仕草は自分でもわかる嘘だ。 きもちよくなんてなかったろうに。 それでも すきな やさしさが嬉しい。うれしいからもっとよくしたくなる。 「もっとさわらせて」 「最後までしよ」 膝立ちになり、正面から彼の肩へもたれかかりながら、 不埒な手が屹立の先端を撫でる。 すべりおりた手は彼にされたことを意識しながら、 口腔とは異なる熱と慈愛をいとしいものへ与えた。 ($26) 2021/08/18(Wed) 13:18:03 |
【妖】 三年 井上清春ほてった肉体はわずかな刺激も敏感に感じて、 耳元に吹き込まれるあなたの声だけで達しそうなほど すき 。「とよひ、たぶん、」 「こうすると、もっときもちいい」 一歩前へ出て、猛る熱を擦りつける。 裏筋を擦り合わせるように動かせば、 それに合わせてあなたの手が二人分を握りこんだ。 「すき」 腰の動きが止まらない。 混ざり合った体液がいやらしい水音を響かせて まるで下でもキスしてるみたいな快楽に背筋が震え、 ──さいごまで、一緒。 「………」 手で受け止めきれなかった奔流は腹を汚し、 とろとろ粘度をもって脚の間へ流れていく。 おもむろに濡れたままの彼の手をとり自身の太腿へ導いた。 好きなように触られれば白が広がり、 濡れたそこがあなたを受け入れたがっている。 「……もっと、する?」 ($29) 2021/08/18(Wed) 19:53:13 |
【妖】 三年 井上清春くったりとした身体をベッドに沈み込ませる。 満足するまで熱を吐き出しあって、 汚れたシーツを剥いで、 べとべとの体を室内つきの浴槽で身を清めながら また触り合って。 惚けたような顔で視線は彼を追いかけていた。 ($30) 2021/08/18(Wed) 20:00:52 |
【妖】 三年 井上清春「の〜〜む〜〜〜」 ぼふんと倒れた体をぽふぽふしてペットボトルを受け取る。 ほんの一瞬だけその瞳は唇を映してすぐに逸らされた。 「は〜〜〜〜……いきかえる…………」 頭へ触れた手にぉぁーと鳴く声は、 甘さを隠した理性あるもので意識して色を消そうとしていた。 「もう今日は動けそうにないや。 ごはん食べてないけどこのまま寝ちゃっていいかなあ」 ($32) 2021/08/18(Wed) 22:21:43 |
【妖】 三年 井上清春「天才! とよひー、さっすがー!」 ごろりとうつ伏せで這って、 上半身をあなたの膝へ乗せる。ぺたり。 「ふんふん。いろいろあるねー。 俺はデトックスピザにしようかな。 とよひーは。それともわけっこする?」 ($34) 2021/08/18(Wed) 22:41:24 |
【妖】 三年 井上清春「……おねがい! パスコードは俺の誕生日」 4桁なら0104。6〜8桁なら生年も入れた数字。 代わりに内線電話をとって注文する。 15〜30分くらいだらだら待っていればピザが来ただろう。 やったね! 「んで誰からだった?」 LIMEのこと。 ($36) 2021/08/18(Wed) 23:03:38 |
【妖】 三年 井上清春「あ〜……悪いことしちゃったなあ。 連絡ありがと」 ぽりぽりと頭をかいて明日の集合時間や必要事項を伝える。 そしてあなたが連絡を済ませれば、 よくできましたと頭を撫でた。 スマホを返してもらおうという素振りは微塵もなかった。 ($39) 2021/08/18(Wed) 23:26:29 |
【秘】 三年 井上清春 → 勢喜光樹(おおよその集合時間の記載) 『朝ご飯はみんなで食べるらしい』 『お寝坊注意』 井上にしてはやわらか〜なメッセージ。 なお堀江からの返信は来ない。 (-17) 2021/08/18(Wed) 23:49:38 |
【妖】 三年 井上清春「甘えたさん〜」 互いに向き合う横臥の体勢で背中をぽふぽふする。 後輩たちの距離の近い他意なきふれあいを意識して、 もどれないのをわかっていながら昨日までをなぞる。 「とよひーは甘やかされるの好き?」 だからこれも他意なんてない。 ($41) 2021/08/18(Wed) 23:59:22 |
【妖】 三年 井上清春返答に機嫌をよくして猫の口でにんまり笑う。 甘やかしてばかりの男が 今は自分の腕の中で甘やかされている。 しかもこの座は自分のものかと思えばとても気分がいい。 「んん〜……俺もとよひーに甘やかされるの好き。 だけどこれは眠くなってきてマズイかも……」 などと言いつつ止めるどころか鼻先をあなたの顔に懐かせて、 心地よさを体で表す。 こうした動作は慣れていないのでだいぶ気恥ずかしい上に 距離が近すぎる気もした。 ($43) 2021/08/19(Thu) 0:29:53 |
【妖】 三年 井上清春背中に心地よい刺激を与える指先が口内を弄り、 あらゆる部分を調べられた。 唇のあわいにしまわれた舌に蹂躙されて 自分の知らない部分も全部食べられた。 気を抜けばすぐにでも浮上しそうな熱を 必死に追い出していつもどおりを演じている。 力が入りすぎてそれはもういつも通りとは言えないものだけど。 ($45) 2021/08/19(Thu) 0:56:17 |
【妖】 三年 井上清春「ピザきた」 大皿にどんと乗っけられたピザを行儀悪くベッドの上に置く。 どどん。 濃いチーズに隠れた生地には デトックス効果のある薬草が練り込まれ、 健康が与えた熱をいい具合に落とすといわれる。 ……ということを二人が知る由もない。 「みてみて、チーズよくのびる」 みょい〜〜〜ん。 ($46) 2021/08/19(Thu) 0:59:47 |
【妖】 三年 井上清春「な〜。 こんなワルなことしたことない」 いろいろな意味で。 広いベッドに体を伸ばして適切な距離感で寝たものの寝返りで距離を知覚したとかなんとか。 ($51) 2021/08/19(Thu) 1:15:58 |
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