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【秘】 灯された星 スピカ → こどもの アルレシャ「そうね。私じゃなくてもいいの。でも、私でもいいの。 そうやって見て見ぬふりをするほうが私にとっては嫌なのよ」 するりと重なってきた手をまじまじと見つめる。それから、言い聞かせるように、或いは親に何かを報告するように。 ゆっくりと声を紡ぐ。 「ありがとう、アル。私は未だ自分の子供なんていないけれど、でも保護者よ。 苦しむだけじゃないって、楽しいことがあるって、教えてくれた人がいるから。 ――ええ、頑張れるわ」 (-10) 2022/01/23(Sun) 12:26:04 |
【秘】 灯された星 スピカ → なんでも屋 アマノ「う、うぅ……、あ、あぁッ! こ、こわ、いのっ……こんなに、気持ちよくてっ……幸せな気持ちが、ずっと……!」 逃げるように首を振ったところで快楽はまるで消えやしない。 体が教え込まれていく。 体が、貴方の色で染まっていく。 「貴方が満足するって……そんな、訳がわからな――ッ!」 一度堪えてから再び始めた律動に、女はたまらず悦んで鳴いた。貴方の反応に、体は素直に全て返し続ける。 夫だって己が満足するために動いていたはずなのに、何もかもがまるで違う。 「出来……。…………無理よ、4年も頑張ってきたのに。 ……それに、本当に出来たら、どうしてくれるのよ。責任、取ってくれるの?」 (-12) 2022/01/23(Sun) 13:57:56 |
【秘】 灯された星 スピカ → こどもの アルレシャ寂しさが滲む瞳とかちあって、眉が少しだけ下がる。 それでも決断は変えられない。自分は神でもなく、アルレシャの母でもなく、ただの非力な人間だ。その腕で救えるものなどあまりにも少ない。 「子供………………ええ、そうね」 もしかしたらきっと、似たようなものだっただろう。 女の瞳にも寂しさの色が滲む。 「いつかできたら、ね」 結婚してから四年、役割を殉じるだけの女には子供を産まない選択肢なんてなかった。 それでも未だ、子供はいない。 どれだけ努力しても、出来やしなかった。 (-14) 2022/01/23(Sun) 16:09:42 |
【秘】 灯された星 スピカ → こどもの アルレシャ並んだサイズの異なる並んだ枕。仲のいい親子のよう。 本来なら元の世界でも見るべきだったそれは、結局一度も見たことがなくて。 こんな不思議な場所に来て見ることになるとは思いもよらず、少し自虐的な笑みが溢れた。 「ありがとう、アル。私も負けていられないわね」 そう告げて、共に布団を被る。 あまり寝付きはよくないほうだ、もしかすると何度も寝返りを打つのが分かったかもしれない。 (-16) 2022/01/23(Sun) 17:57:48 |
【秘】 灯された星 スピカ → なんでも屋 アマノ「なんで」「どうして」が嵐のように胸の内を暴れまわって、下腹からくる暴力的な快楽に思考が砕かれて、もう何もかもがめちゃくちゃになる。 女の体はもう何度も達したか分からず強烈な刺激が消えないまま体を巡り続けていた。 「 顔見られるの、恥ずかしい……っ。 これが……、愛……?わか、何も、考えられなくなっ……っひ、ぅあっ」 自分に出来ることといえば必死にシーツを握りしめて快楽を享受することだけ。 「待っ、ひぅ、ね、ねえっ……わか、分からない、の……っ! 責任取れるのって……聞いた、けど……、本当にそうする……つもり……? どうして……?わた、私たち、ここで会っただけ、なのに……貴方がそこまですること……ないじゃない……!」 頭が堅くて、非力で、役割に殉じるだけのつまらない女。 自由で大らかで、楽しそうな貴方の荷物になるだけじゃないか。 何故、どうして。 女は、理解できないとばかりに首をいやいやと横に振る。 (-34) 2022/01/24(Mon) 5:08:52 |
【秘】 灯された星 スピカ → なんでも屋 アマノ手が重なることによって、左手の指輪が二人の間に割って存在感を主張していることに気づく。それを煩わしいと思っている自分を見つけて、もう心は目の前の男に染められきっているのだということを理解した。 「っひ、あ、ぁ、わた、し……わたしはっ……!」 器用そうで、案外不器用だなと思った。 身も心もかき回されて、それでもなお女は意識をかろうじて手放さず、君を見つめる。 きらきらと、水が溢れる夕陽色の瞳が君を見上げる。 「アマノ、アマノ……」 ▽ (-43) 2022/01/24(Mon) 16:03:57 |
【人】 灯された星 スピカ「…………アルは約束をちゃんと守る子よ。大丈夫、大丈夫だから……」 それは他人に言っているのか、それとも自分に言い聞かせているのか。 「……魔法の力だとしたら、いったいどうしたら……」 使用人に聞いてまわって、最後に庭師にたどり着いた。窓から飛び出して探しに行ったのは自分も知っている。けれど、その後は何も聞いていないのだ。 それこそ魔法で見えなくされてしまったかのような消失。 それでも、諦めない選択肢はない。 きゅ、と拳を握り、女はブランケットと少しのパンや紅茶を詰めたバスケットを抱え、もう一度城を歩き回り始めた。 (19) 2022/01/24(Mon) 17:36:35 |
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