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【妖】 部隊長 シュゼット○月●日 まだ、確証はないのだが。 僕にはもうあまり時間がないのかもしれない。 できるかぎり、そうならないよう尽力するが 最悪が起きてしまってからでは遅い。 だから書けるうちになるべく、 ここに、書き残しておきたいと思う。 これは先ほど、ここに来る前の仮眠で見た夢だ。 気づけば僕は、暗い暗い、吸い込まれそうな闇を 見下ろすようにして立っていた。 僕は横や後ろを見ようとしなかったから 視界を埋め尽くす闇以外の場所は、 どうなっているのか、わからなかった。 後ろから声が聞こえた。 僕に対する感情など何もないような、 基地内のペンギンたちをただの端末と見てる人が 彼らに対して命じるような、冷たい声だった。 『事前に立てた予測と何も変わりは無かった。 お前の調査結果の通り、外には望みは無い。 あのような環境で生き延びられるのは 精々、お前らのような存在だけだろう。 ―――計画を実行に移す。行け。』 僕は、後ろを振り返ることなく頷く。 僕の横からその闇の中へと向かって、 何か巨大なものが落ちてゆく気配がした。 ($6) 2020/05/23(Sat) 3:36:33 |
【妖】 部隊長 シュゼット 僕は大地を軽く蹴って、後に続く。 感じるのは、ただ下へと落ちてゆく浮遊感。 その時の僕自身の感情はわからないけれど 地面を蹴った時のためらいの無さから 僕には、命令が正しいかどうか考えるだけの 意思というものが、無いように思えた。 ―――でも。意思が無いとの予想は、 暗闇に落ちたところで裏切られた。 命令を聞くだけの機械のようだと 夢を見ている僕が感じた、夢の中の僕が。 人が住めなくなった土地……そう。 前回の夢で見た、白い地面から突き出た腕。 その手が握っていたものを、拾っていたのだろう。 『数人の人が笑って映っている写真』が 落ちる最中に荷物の中から零れて 吹き飛んで行ってしまったのに気づいて。 慌てた様子で手を伸ばしたけれど。 頼りの綱の、上から刺す光などすぐ見えなくなり、 ただの暗闇を義手が掴んだところで、 今回の夢は終わりを迎えたのだった。 ($7) 2020/05/23(Sat) 3:38:25 |
【妖】 部隊長 シュゼット 今までの全てで、夢を見ている僕には、 夢の主人公である僕の感情はわからなかった。 でも、この時初めて、感じるものがあった。 初めて感じた理由はもしかしたら、 本当に初めて、夢の僕は自分の感情を 自分で思うほど強く自覚したからかもしれない。 憧れ?寂しい?悲しい?苦しい?後悔? 今まで感情というものが無かった分まで 様々な感情が爆発するように渦巻いている中で、 旅で見つけた大事な宝物を失ったらしい僕が その時一番、強く感じていたことは――― 自分へ命ずる声に対する。大きな『疑問』だった。 ($8) 2020/05/23(Sat) 3:39:10 |
【妖】 部隊長 シュゼット[日記の後に、間を空けて。 いつものように返事が書かれている。 返事を書いている間、今しがた書いた『日記』を 自分の目に入れたくない理由でもあったのか 今までに比べて、改行の数がやたらと多かった。] ($9) 2020/05/23(Sat) 3:41:36 |
【妖】 部隊長 シュゼット僕の日記を読んでくれている誰かへ。 あなたのお返事を見て、 僕は、自分の見る夢について色々考えました。 "人が住めなくなった土地を調査して歩いている" ……確かに、そう考えると納得ができます。 しかし、そんな場所、どこにあると言うのでしょうか。 ―――そう考えると、やっぱり。 最初にあなたが話してくれた、 "『天』の向こうには別の世界がある"というお話が とても、しっくりと来てしまうのです。 そう考えると次に疑問なのが 何故僕がこんな夢を見るか、ということになります。 一つだけ、夢の内容に心当たりがあるのですが まだ、僕はそれを人に言う勇気がありません。 本当は、日記の冒頭に書いた通りで、 いつどうなってしまうか、僕にもわからない。 だから話すべきだとは思っているのに、 どうしても、文字を打つ指が止まってしまいます。 でも……迷惑をかけるかもと思いつつも、 誰も居ない景色の中を一人で行かせるのは嫌だと、 そんな風に言ってくれた、あなたになら。 ここまで、『夢』なんていう朧げな僕の話を 根気よく聞き、寄り添うように向き合ってくれて、 内容について一緒に考えてくれた、あなたになら。 もう少ししたら、僕の抱えている残りを、 全てお話しする勇気が出るかもしれません。 ($10) 2020/05/23(Sat) 3:42:25 |
【妖】 部隊長 シュゼット 確かに、夢では寒暖を感じることがありませんが 白い粒が消えていく様子は、 氷菓子の一粒が溶けてゆく様子に似ていました。 綿のような氷が空から降ってくるなんて それこそ、夢のような世界で。 夢の中の僕が旅をしていた場所は、 氷菓子が食べ放題でいいなあと思います。 お皿を置いて待っているだけで、 あの甘い氷菓子が食べれるだなんて。 まだ人が住めた頃は、皆そうしてたのかもと考えると 想像すると、少しだけ元気になるようです。 事故は…僕が想像することもできないぐらい 深い傷を、あなたに残したのでしょう。 でも僕は今まで、あなたとのやりとりで、 不快になったことは一度もありません。 (今まで、夢の中の僕には感情が無いようでしたので 僕の書いた夢の話を何か不快に感じたら、謝ります。) そしてもし、あなたの感情を取り戻す 助けになれているなら、僕はとても嬉しく思います。 "貰っているものがある"というのは僕の方で、 何かお返しできればいいのに、と。 最近は、ここに来るときじゃないときも そればかり考えてしまうぐらいだったので。 ($11) 2020/05/23(Sat) 3:43:24 |
【人】 部隊長 シュゼット[夢を思い出しながら日記を書いていた時は、 頭痛としての痛みは全然弱いのに、 たまに視界が歪んだり体がふらつきそうになったりして 意識を保つのが精いっぱいだった。 きっと、そういうことなのだろうと。 僕はもう、気づいてしまっていた。 これは"心当たりがある"程度の話じゃない。 確信をもって、そう言える。 ―――夢は全部。僕の記憶だ。 頭痛が収まらなくなって、僕が意識を飛ばした時。 その後僕がどうなるかはわからない。 そして、僕が夢で過去を見ていることについては 話してないし知られていないが。 この妙な頭痛の果てにあるものは、 察しの良い総司令には勘づかれてしまっている。] (174) 2020/05/23(Sat) 3:51:01 |
【人】 部隊長 シュゼット[できれば、もう、薬は飲みたくない。 でもここに居る限り、そうはいかないだろう。 今後は特に、夢を見た後にくるような頭痛は 戦闘で痛みをやり過ごすとき以上に、 死ぬ気で我慢しないと駄目だ。 頭痛が起こった後、意識は絶対に飛ばしちゃいけない。 そうなったらきっと僕は、おかしくなってしまう。 そうなったら、今まで見たいに基地の皆を守ることも 部下の皆が楽しげにする様子を側で見ることも こうして、返事を楽しみにタブレットを開くことも。 ルークにお礼を貰いながらまた話をすることも。 ……全部、できなくなるかもしれない。 ……今までは、僕の記憶が皆の役に立てばいいと。 そう思って、『検査』にも協力をしていた。 でもこれからは、それじゃだめだ。 僕が少しでも長く、僕であるために。 僕は自分の意思で、記憶の修復を拒まないと。 前よりも長く続きはしたものの。 見張りが終わるころには、頭痛が収まってくれて、 僕は額に浮かんだ汗を拭い、安堵の息をついたのだ。]* (175) 2020/05/23(Sat) 3:55:44 |
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。 (a21) 2020/05/23(Sat) 3:58:40 |
【独】 部隊長 シュゼット/* ひえぇ…ルーク…(>x<) お手紙のお返しが相変わらずやさしくて泣く。 ルークは感情を自覚していく流れなんだけど、シュゼットは逆に、昔が機械のようで感情がなかったんだよなぁ。 あとその、昔いた、地上人の子は最後どうなってしまったんだろうなぁ…そこもルークが優しくて…。基地の人のほとんどが、噂で流れてる方しか知らないあたり、シュゼットもこのこと知らないんだろうけど。。どうにかして知りたいけどシュゼット君が知る術がこのままだとないからなぁ。知れるかなぁ。 (-31) 2020/05/23(Sat) 15:24:09 |
【人】 部隊長 シュゼット[>>144起き上がろうとする彼の腕を押さえて首を振る。 身体に力も入らないようだし、声だってか細くて。 今はとにかく、無理をしてほしくは無かった。 細く開いたその唇が動いて、 また何か、言葉をかたちどろうとしている。 僕は、彼の口元に耳を寄せた。 水が欲しいのだろうか、どこか痛むのだろうか。 何かあるならなんでもするから、 あぁ早く、いつものように。 楽しそうに僕に意地悪なことをしてくるような そんな彼に戻ってほしい。 そんな僕の思いとは裏腹に、 ルークから聞こえてきたのは意外な言葉。 驚いて彼の顔を見た僕の唇は震えて、 暫く何の音も出せなくて―――] (199) 2020/05/23(Sat) 17:48:12 |
【人】 部隊長 シュゼット[やがて。ぽつ、ぽつ、と落とした言葉は 今、痛みで苦しいのはルークのほうだというのに 泣くのを堪えるのがわかるように、震えていた。] ……はは。 やっぱり、ルークはおかしいよ 軍医なのに。僕を、名前で呼ぶなんてさ。 それもこんな時に呼ぶなんて。…卑怯だ。 [他の軍医は僕を兎だの被検体だのと呼ぶ。 ……いや。そんなのはいいわけだ。 そんな違いなんて、本当はどうでもよかった。 "卑怯だ"なんて言ってしまったけれど そこに、嫌だとか悪い気持ちは微塵もなかった。 >>147彼が初めて名前を呼んでくれたのは、 何故だか、酷く、僕を泣きそうな気持ちにさせた。 悲しくはないのに胸が苦しいような。そんな心地。] ……うん。 大丈夫だ、ルーク。ここに居るのは、僕だ。 [今ここに居るのは、 さっきまでいた、ルークを傷つけた奴ではないと。 僕は彼にそう伝えたかっただけのはずだった。 でも、ルークへ言い聞かせるように言った僕の言葉は 他でもない僕自身へ強く響く。 ―――大丈夫。まだ、僕は、僕のまま。 君が呼んでくれた"僕"は、ここに居る。] (200) 2020/05/23(Sat) 17:52:51 |
【人】 部隊長 シュゼット ……腹、か。 [動かせないほどではなさそうだし、 傷を確認するなら、ここでやるのも良くないだろう。 僕はルークを抱き抱え、近くのベッドへと運ぶ。 軽いかと思っていた体は予想よりは重く。 重さの理由は、運ぶ途中で見えた彼の足が教えてくれた。 "事故に遭った"というタブレットの記述を、思う。 金属の脚を持つ彼に、金属の片腕を持つ自分。 お揃いのようだと思った言葉は、 そのまま口にせず、飲み込んだ。 僕の右腕は、彼の脚とは違う。 事故に遭ってこうなってしまったとか、 そういう理由じゃなくて、きっと、 ……これはこの世界を害する目的で、 故意に、元々あった生身の腕から 挿げ替えられたものなのだと、思う。 ベッドに横たえると、ローブを剥がしてやる。 現れたふわふわの耳に、大ぶりの尻尾。 はぎ取った黒布とは真逆の色であるそれらは 夢で見た、見渡す限りの白い世界の色を思い出す。 僕は目を細め、その白色に見惚れてしまいそうになったけど すぐに、今はそれどころじゃないと小さく首を振った。] (202) 2020/05/23(Sat) 17:57:04 |
【人】 部隊長 シュゼット ごめん。少し、見せてほしい。 治療が必要な場所、他にあるといけないから。 [僕は医者ではない、ただの兵士だ。 診る前に相手を安心させる術などよく知らないけれど。 ルークの痛みが和らいでほしい一心で。 身体を守るように巻き付き、震え、強ばる尻尾を 力を抜いてくれるまで、何度も撫でたんだ。 そのまま、彼が嫌がらなければ、 腹部を押さえる腕と一緒に、横へずらす。 外から見たところは大丈夫そうだと思いつつも、 念のため―――、と。シャツを剥いだ時。] (203) 2020/05/23(Sat) 17:57:36 |
【人】 部隊長 シュゼット["控えめ"ではあるけど、胸のあたりとか。 肉付きは薄いけれど、それでも、 全身の体のつくりとか。色々。 そろそろと左手を伸ばして、喉元に指が触れる。 よく触っても、喉仏の存在は見当たらない。 そのまま、ぺたりと胸元を触って。 ……すぐ、手を離したと同時に。 ぼふん、と。顔が一気に赤く染まる。] (205) 2020/05/23(Sat) 18:02:13 |
【人】 部隊長 シュゼット ご、ご、ごめん……!! 僕、もう少し、え、えぇっと、 脱がす、配慮を、…… [僕がベッドの脇で慌てているところで、 ペンギンが治療用具を取ってきてくれた。 それに気づいた僕はもう、安堵したのなんのって! 助かった!グッドタイミング!! 流石、ルークのお供のペンギンだ!! 僕はペンギンの頭をわしわしと撫でる。 きっとこの子は、自分の仕事ぶりを褒められたのだと そう思うだろうけれど。 実は違うことなんて今言うわけがない。] うん、そうだ! まずはその頬と、首を。治療しないと。 [脱がしかけたシャツを着せるのも 慌ててしまい、上手くボタンが嵌らない。 それでもなんとかシャツを着せて。 切れてしまっている部分の治療を済ませれば。 僕はよろりと立ち上がって、 医務室の隅っこで壁の方を見て丸くなる。 ……ルークがこれ以上の酷い大怪我をする前に 間に合って、治療もできたことはよかったけど。 やらかしてしまった後悔と反省がすさまじい。] (206) 2020/05/23(Sat) 18:09:55 |
【人】 部隊長 シュゼット ……うぅぅ。 こんなつもりじゃ…… 僕、もう、ルークに合わせる顔がない… [それはルークからさほど離れていない壁際で、 沈んだ兎の言葉は、全て張本人に筒抜けだ。 ルークの方から見れば、ふわふわの赤い丸尻尾が 哀れにも、一定の間隔で震えているのが見えるだろう。 そろそろ立ち上がって、ルークを元気にするため、 僕が持ってきた夕飯を分けてあげないと。 ……そうは思うが、もう暫くは立ち直れそうもなかった。 丸くなった傍の棚に、 見張り台に置いてきたはずのタブレットがあることには 僕はまだ、気づくこともなく]* (207) 2020/05/23(Sat) 18:11:41 |
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。 (a24) 2020/05/23(Sat) 18:15:26 |
【人】 部隊長 シュゼット[>>224ルークの声に、肩がびくりと震える。 ゆっくり、ゆっくり、後ろを振り返って。 >>225悪い笑顔を見て、勢いよく首を振る。] そ、そんなつもりじゃ、 確かに見た目じゃわからなかったけど、 …………あ。 [しまった、と口を押えるがもう遅い。 これでは、控えめだと言ってしまってるようなものだ。 もう何を言い訳するにも無理だろう。 >>226医務室で、ルークに苦い薬を飲むよう脅されるような そんな恐ろしい気持ちで耳と尻尾を震わせる。 ……でも、こんな状況だって言うのに。 僕は懐かしさや嬉しさを感じていた。 懐かしいのは、こういうやりとりに対して。 嬉しいのは……ルークが元気を取り戻してきていることと 僕に向ける言葉や、笑顔の中に、 彼……いや、彼女の感情がよくみえるようになったこと。] (273) 2020/05/24(Sun) 1:36:17 |
【人】 部隊長 シュゼット[『もし、あなたの感情を取り戻す 助けになれているなら、僕はとても嬉しく思います。』 タブレットの返事に書いたあの言葉が 今、実現していると。そう思っていいのだろうか。 前は、ルークが僕と話すとき、 もう少し声の調子は平坦だったと思う。 昔は機械のようだったけれど、 今はこうして皆と同じように話せる自分と、 昔は情緒面も感覚も正常だったはずなのに 事故で己の感情を上手く認識できなくなった、ルーク。 できればこれからも近くで、できれば、ずっと。 彼女の助けになりたいと思う。 そんな風に思うのは、 ルークが僕と逆の状況のようだからとか、 沢山のものを貰い、助けられてきたからだとか。 きっと、それだけじゃあ、ないんだろう。] (278) 2020/05/24(Sun) 1:43:42 |
【人】 部隊長 シュゼット[ここまで、わかっているっていうのに。 僕はまだ、日記をやりとりしている先がルークだろうと 本人に確認する勇気が持てなかった。 僕が、取り返しのつかないことになる前に。 できることは全部するべきだし、 もしかしたら何か取れる対策が無いか、 相談するべき相手は、 どう考えても、日記に返事をくれた相手なのに。 >>230あと一押しが、僕には必要だった。 臆病な兎は、自分から踏み出すことはできそうにない。 そんなことができるなら、はじめから。 この先誰もみないかもしれないタブレット端末に 誰かに相談したいと思いながらもできていない、 自分の記憶に関わるかもしれない内容など 書くわけが無かったのだ。] (281) 2020/05/24(Sun) 1:44:44 |
【人】 部隊長 シュゼット うぅぅ……それで、許してくれるなら。 [>>227彼女の手の動きは、 きゅっと一つに結ぶような、そんな仕草。 僕はげんなりとため息をつき立ち上がると、 帽子の隙間から垂れ下がったロップイヤーを 両手でふにふにと触ってみる。 胸のあたりまで垂れているふわふわの兎耳は、 結ぼうと思えば結べそうな長さだった。 結んだら、結び目は顔の前に来る感じだろうか。 そうなったら喋りにくくなりそうだなあ。 ……なんて、場違いなことを考えていたら。] うん?開けて、中を見れば、いいのか? [>>230戸棚の中、と言われ、 頭の上にはてなマークが浮かぶ。 ペンギンは中に何があるか知ってるんだろう。 嬉しそうに渡してくるその子から鍵を受け取って、 わからないまま戸棚の方へと向かった。] (283) 2020/05/24(Sun) 1:46:11 |
【人】 部隊長 シュゼット ……待ってた、って。 そうか……もしかして。 [>>1:406勿論、僕も忘れたわけじゃなかった。 今日も、そのつもりで夜にここに来るつもりだった。 すぐ気が付けなかったのは、 ルークの手当とか彼女の服を脱がせてしまったりだとか その、色々あったのがいけないのだ。 戸棚の前までくる頃には、予想がついていて。 なにがあるのだろう、と。 隠せないわくわくで、丸い尻尾が揺れ。] わぁ……これ、ルークが? しかも、僕の好きな、苺だ…………! [鍵を開けた瞬間に。ぱち、ぱち、と瞬きをして。 眠さと疲れでいつも以上に垂れていた兎の赤い目は、 驚きで大きく見開かれた。 中に入っている瓶二つと、お茶の袋を取り出して。 それらを診察の机の上に持ってくれば、 瓶を持ち上げて下から見たりしてよく観察する。 やっぱり、思った通り。 ジャムの底には苺の実が沢山沈んでいて、 赤色の液体は宝石のようにきらきらと輝いて見える。 もう一つの方は何だろうか、と。 蓋を開けて匂いを嗅いでみた―――瞬間。 苺の甘酸っぱい香りが鼻を抜けていって。 僕は一気に、顔を綻ばせた。] (287) 2020/05/24(Sun) 1:49:17 |
【人】 部隊長 シュゼット 凄いや。お茶も、あまり苦くないやつだ。 ……そうだ。ちょっと待ってて。 お茶を入れて、スープを温めるよ。 手当が終わったら、あげようと思ってたから。 [僕が持ってきたのはパンとスープ。 本当は、僕の夕飯用だったのだけど。 僕は今の体調でこれを全て食べる自信は無かったし 早く怪我を治してもらうため、 ルークに栄養をつけてもらうのが大事だ。 流石に、医務室に本格的な調理器具はないけれど お湯を沸かしたりスープを温めるぐらいはできそう。 料理はてんで駄目な僕だが、温めるぐらいならできる。 ペンギン君には、「ルークを見ててね」と頼んで。 僕はスープを小鍋に移して弱火でじっくり。 焦げないように、必要以上にかき混ぜて。] (291) 2020/05/24(Sun) 2:11:25 |
【人】 部隊長 シュゼット[少しして。ルークの寝ているベッドの方へ パンとスープ、お茶の乗ったトレーを運んでいく。 パンの側にはジャムの小瓶とスプーンを置いた。 全部ルークに食べてもらうつもりで置いた後、 ジャムとパンが目に入って、ごくりと喉が鳴る。 僕の反応は、お腹が減った、というより。 味がとても気になる……というのが正しい。] 全部食べていい、つもりだった、けど。 僕も、ルークのジャムでパンを食べたい。 ルークが僕に、って思ったら。 すぐ、食べてみたくなっちゃって。 パンを少し、貰っていいかな。 [僕は、ベッド横の椅子に座った後はそう言って、 すっかり緊張が解けた様子で緩く笑うと。 食べていいかなあ、とルークをちらちらと見ていた。 ……けど。視線が合ってしまったとき 服を脱がしてしまった時のことを思い出して。 ああいう状況に慣れていない兎の頬に、赤が差した。] (292) 2020/05/24(Sun) 2:12:37 |
【人】 部隊長 シュゼット[無事、お相子にしてもらえてパンもくれたなら ジャムをたっぷりつけて食べるだろう。 ほっぺたがとろけるような味わいに 幸せ満点の顔で、パンをほおばる。 ―――この後はまた見張りにいくけど 返事が来てても、新しい夢はないから 書くことが無いなあとか。 今まで日記に書いてない夢もいくつかあるから それを書くことにしようかなあとか。 食べながらそんなことを、呑気に考える。 返事をくれる相手はルークだろうと思っているから 今、僕は日記のことを考えていたのだが。] (294) 2020/05/24(Sun) 2:19:05 |
(a26) 2020/05/24(Sun) 2:20:53 |
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