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【人】 食虫花 フィオレ>>21 ロメオ 「……まだ生きてた」 「……けど、これ以上は…」 人ごみの中を追いかけるだけで目立ってしまう。 それに、胸を撃ち抜いたのだ。時間の問題だろう。 「……大丈夫では、ないかも」 思ったよりも、負担が大きい。 ふらりと人ごみの中を歩いていく。 眩暈がする。吐き気が込み上げてくる。 すっきりすると、思っていたのに。 「悪いけど、車…用意しておいてくれる?」 #BlackAndWhiteMovie (23) 2023/09/26(Tue) 22:48:13 |
【人】 食虫花 フィオレ>>27 ロメオ ふらり、キャップで顔の隠れた女が車までたどり着く。 助手席……を通り過ぎ、後部座席に転がり込む。 そのまま丸まって、しばらく動かないだろう。 「………」 お水、と小さく呟いて。運転席の方に手を伸ばしている。 #BlackAndWhiteMovie (31) 2023/09/26(Tue) 23:29:42 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ「っ、ぐ……」 地に身体が押し付けられる。 露出した肌に、転がった砂利が食い込んで眉を寄せた。 携帯には手を伸ばすものの、自由に動けるあなたにかなうわけもなく。 返して、と口では言うものの。きっとそれは聞き入れられないのだろう。 あなたの下から、女が睨みつけている。 「話すと、思ってるの……」 「何も話すことはないわ、あんたみたいな人に……!」 体重が掛けられたくらい何だ。そんなことで仲間を売ったりはしない。 気丈な態度の女は、簡単には屈しないだろう。 (-5) 2023/09/26(Tue) 23:44:27 |
【人】 路地の花 フィオレ>>32 ロメオ 置かれていたクッションに遠慮なく顔を埋めている。 キャップがはずれて、あなたと同じようにポニーテールにした髪があらわになった。 「……こんなもんか、って思っちゃった」 ペットボトルを受け取り、ふたを開けて。横になったまま口を付ける。 目を伏せてぽつりとつぶやいた。 「思ったより、ずっと……すっきりしない」 「あいつが、笑ったから…?」 脳裏に焼き付いて離れない。 あんな顔が出来るなら、どうしてあんなことをしたのか。 わからなくて、気持ちが悪いままだ。 #BlackAndWhiteMovie (33) 2023/09/27(Wed) 0:35:41 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ「あっきれた……悪人は、人間じゃないとでも言いたい、わけ?」 は、と挑発するように笑ってみせる。 警察だろうが関係ない。この男の言い分に乗ってやるつもりはない! 「っ、ぁ…く……」 背中が地に付けられて。 柔らかな女の腹に、男1人分の体重がかけられていく。 苦悶の表情を浮かべていたかと思うと、女の体が小さく跳ねた。 甘い声が漏れる。 内臓が圧迫されて苦しいのに、苦痛とは別の波が襲ってきていた。 女は、性行為をしてきた直後だった。 だから、あなたの責苦に快楽が揺り戻されている。 苦痛が上回れば、流石にそれどころでなくなるだろうけれど。 (-23) 2023/09/27(Wed) 17:23:57 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオこの男が何を言っているのか、女には理解が及ばない。当たり前だ。 「バカ、ね」 「私たち、ほど、っ…繋がりを尊重、するところ…ないわよ…っ」 少なくとも、あんたよりはずっと。と口角を上げて。 は、と熱い息を吐く。下腹部が疼いて、喘ぎ混じりの声が小さくこぼれる。 場違いのようにも思えるその反応に、あなたが顔を近付けたのなら。 そこはハニートラップを生業とする、彼女のテリトリーだ。 「っ、ふ…… 捕まえた 」自由な腕が、あなたの首に回されて。 ぐ、と彼女の方へ引き寄せられる。 あなたの唇に、女の唇が合わせられた。そのまま、抵抗の暇すら与えず 唇を舌でこじ開けてやる。 マフィアを毛嫌いしている様子のあなたなら、嫌悪から身体が離されるはずだと踏んで。 吐き気と快楽が迫り上がるのに耐えながら、あなたの口内を犯そうと舌を蠢かせた。 花の棘には毒があるの。 気安く触れると、痛い目を見るわよ。 (-41) 2023/09/27(Wed) 21:34:50 |
【人】 路地の花 フィオレ>>38 ロメオ 「……」 そうなのかもね、なんて言葉を口にしようとして。 結局は開いた口からは何も発さずに、クッションに頬を埋めている。 いやな気持ち悪さだけが、ぐるぐると頭の中を回っていた。 「分かんないわよ……」 「……もしかしたら、……ううん、」 何でもない、とやはり言葉を飲み込んだ。 私が間違えているのかも。とか。本当は、もっと確かめるべきことがあったのじゃないかとか。 全部、全部。今更だ。 「これで、子供たちの未来が救われればいい…」 「もう、誰もいなくならなければいい」 ロメオ、とあなたの名前を呼んで。 後部座席で両手を広げている。寂しい時の、合図だった。 #BlackAndWhiteMovie (50) 2023/09/28(Thu) 2:27:52 |
【秘】 路地の花 フィオレ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡にまにまと笑いながら話を聞いている。 言いづらそうな理由なんて知らなかったから、ただあなたが珍しい顔を見せてくれるから。 楽しくなってしまって。 「そんなことがいいの! アレの腕の中、凄く安心するんだから」 「ね、約束よ。ちゃんと叶えてよねっ」 ホッとしたように息を吐いて、笑みを返す。 こういう反応はやはり、あなたに甘えているからなのだろう。 年下らしいと感じるかもしれない。 あなたとの未来を、疑問なく信じている。 「ん……ふーん、ふふっ」 「好きじゃない、それは大好きだって言うの! 嬉しいな、アレがそんなに私のこと考えてくれてたなんて」 そんな顔しなくてもいいのになんて言いながら、頬を染めて笑う。 いつもじゃれ合っているきょうだいが、いつになく褒めてくれたのだ。 可愛がられている自覚はあったけど、言葉にしてもらえるのはまた違ったうれしさがあった。 「私も、アレのこと大好きよ」 「だから、早く出てこれることを祈ってるから」 かしゃん、と牢に手を置いた音が小さく響く。 触れられない。 だから、触れられる場所に早く戻ってきてくれますように。 「じゃあ、そろそろ行くわね。 フレッドが何も怪我してないといいけど……アレも、これ以上怪我しないようにね」 (-60) 2023/09/28(Thu) 2:49:03 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 新芽 テオドロ逮捕された人たちが解放されてから、暫く経って。 落ち着いた頃合いにメッセージがひとつ。 よく知るところとなった女からのものだ。 『Ciao,テオ』 『夜、どこかで時間取れない?ゆっくりお話したくって』 『何か飲みたいものとかあれば持って行くわ』 (-66) 2023/09/28(Thu) 7:29:00 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ「っ、!」 口内を堪能するような時間は与えられず、女の細い首はその手に捕えられて。再びこの地に縫い付けられる。 ギリ、と締め上げられて。首に回していた腕で、あなたの片腕を握って離させようとする。 女の腕力だ、敵いっこない。 この口付けは、咄嗟に思い付いたものだ。 故に、何かを仕込む余裕などなかったのだが。あなたを疑心暗鬼にさせたならそれで十分仕事を果たせたと言える。 打って変わって、あなたの下の彼女は苦しげに顔を歪ませている。 結局のところは引き剥がせなかったわけだから、形勢逆転とまではいかなかった。 (-81) 2023/09/28(Thu) 11:21:47 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 新芽 テオドロ『はいはい、じゃあ適当に持ってくわ』 手の状態は知らずとも。 まだ万全ではないのかも、ということくらいはわかる。 『元々家で済ませるつもりだったから、出かける準備はしなくていいわよ』 『買い物が終わったら向かうわね』 サングリアやワイン、カクテル用のジュースパック。 それからスプーンやフォークを不要とするご飯やデザートの類をいくつか買っていく。 せっかくだし、遅れた退所祝いみたいなものにしてしまおう。そんな魂胆で。 買い物を終えたなら、あなたの家に向かっているだろう。 メッセージが来た日の夜、あなたの部屋の扉がノックののちに開かれた。 (-91) 2023/09/28(Thu) 14:21:23 |
【人】 路地の花 フィオレ>>51 ロメオ 「泣かない、泣くわけないわ」 「……ありがとう、ロメオ」 一人だったら、きっとどうにもできなかった。 感情のやり場も、それを発散することも。 大丈夫、これは前を向くための儀式だ。 共犯者と言ってもいい関係のあなたと、背負ったものを分け合うような気持ちで。 これからも、私は間違っていなかったんだと思えるように。 「あなたがいてくれて、よかった」 胸を借りて、優しい声でそうつぶやくのだ。 #BlackAndWhiteMovie (55) 2023/09/28(Thu) 20:24:32 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 新芽 テオドロ「何、準備って私のために?」 「これ以上整理なんてしたら、この部屋から物なくなっちゃうわよ」 軽口を叩きつつ。 よいしょ、とまた大荷物をテーブルの上に置いて。 今すぐ食べないであろうデザートは、いくつか冷蔵庫に入れさせてもらって。 空きを聞いてなかったから、入ってよかったと思う。 「まあ警察もあんなことがあった後じゃあね」 「今時間取れてるのが奇跡なくらいじゃない。まだ全然落ち着いてないんでしょ?」 怪我人に手伝わせるわけにはいかないと、最初から自分で準備するつもり満々だったようだ。 テーブルの上に酒と食べ物を並べていく。今日は出来立てのものが多く、料理はまだ温かい。 たまにちらりとあなたの様子を見ては、手、相当ひどいのかななんて気にしたりして。 「狼藉なんて働いたことないでしょ、失礼ね」 「それより、手袋。暑くないの?外せとは言わないけど」 まだ見せたくないんでしょ、と。 物を並べながら、何でもない風に。 それでも顔を見たのなら、ちょっとだけ拗ねてるようにも見えるだろう。 (-110) 2023/09/28(Thu) 20:47:55 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ首がギリギリと、強く強く締め上げられる。 息が出来ない。視界が歪んで、腕を剥がそうと掴む手から力が抜けそうになるのを何とか気力で堪える。 舌打ち一つ、耳に入ったかと思えば。 空気が入り込んでくる。気道が塞がれ続けていたせいで、異物が入ってくるような感覚に咳き込んで。 ガッ!! それも長くは、許されない。 蹴り飛ばされた体は、砂利の散らばる石畳を勢いづけて転がっていく。 尖った石が肌を傷つけ、白い肌に小さな赤い花を咲かせる。 壁に背中をぶつけ、今度は身体を丸め大きく咳き込んだ。 痛みと、苦しみとで表情は歪んだまま。 あなたの方に、顔を向ける。 「っ、けほ……は、……」 苛立ちを見せるあなたに、女が笑みを浮かべてみせたようにみえたかもしれない。 (-117) 2023/09/28(Thu) 21:50:08 |
【秘】 路地の花 フィオレ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡「ふふ、ここから出られた時の楽しみに取っておきましょっ」 「アレならすぐにでも出てきちゃいそうだけど」 きっと、そう時間はかからないはずだ。 あなたのことを信頼している。本当に。微塵も、約束を疑わない。 「あは」 「嬉しい、ホントに。アレ、全然言ってくれないんだもの」 珍しく素直な言葉をいくつも聞けたからか、妹分の女は心底嬉しそうに頬をほころばせて。 こんなこと今後あるかもわからないから、噛み締めるように大好きかあ〜と口にしたり。 「もー、何年ここにいるつもりでいるのよ」 「お金だって足りてるって言ってるのに……過保護よ、過保護! …ま、いいけどね。うん、アレが安心できるようにちゃんと守ってみせるわ」 格子に置いていた手を離して、呆れたような顔ののち。仕方ないなあと緩めて。 体温代わりに投げられた気遣いを、大事に大事に受け取った。 「うん。フレッドにもアレが元気そうだったこと伝えておくから」 それと、と一度言葉を切って。背中を向けて少し歩いたかと思えば。 振り返って、にいと笑う。 「アレ、大好き。また会いにくるから!」 ばいばい、と手を振るのだろう。また会えると信じて。 次はもっとゆっくり話せればいいなんて、叶わない願いを胸に抱くのだ。 (-151) 2023/09/29(Fri) 1:49:11 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオげほ、げほ、と咳き込んでいれば。 少しだけの間を置いて、砂埃が女を襲う。 口の中がざらつき、目に入らぬよう瞑った目を両腕でかばって。 あなたの思惑通り、大きな隙が出来る。 「 が、っ! う……ぐぇ……っ」靴先が、女の腹に突き刺さる。 一瞬浮いた体は、もう一度壁に思い切りぶつけられて。 再び地に落ちた。まるでボールのような扱いだ。 膝で圧迫されていた時とは比べ物にならないくらい、抉るような衝撃が内臓を襲って。 その場に胃の中のものが吐き出される。 つんとした匂いが鼻を刺激して、口の中がきもちわるい。 その衝撃で、ポケットから 注射器 が転がり落ちる。中身こそ空になっているが、使用された形跡のあるもの。 疑心暗鬼になっているあなたは、これをどう取るだろうか。 「っ、ぐ……あ、は」 「どう、おも、う?」 青い顔で、しかし。 負けるわけには、いかなかったものだから。 (-157) 2023/09/29(Fri) 2:05:05 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ暫く、まともに声を出すことすら叶わないだろう。 身を丸めて、痛みを逃すのに精一杯で。 転がった注射器を拾う手を、止めることは出来なかった。 中身は空であるし、仮に女の体を調べたところで元の液体を持ち歩いているわけでない。それが何であるかまではここではわからないだろうが。 「……どう、かしら…使ったか、どうかくらい……見れば、わかるでしょ」 時間稼ぎにもなるか怪しい返答だ。 使用されていること自体は明白だから、否定する意味もない。 痛みを堪えながら、片手を身につけておきあがろうとしている。 もう片方の手は腹にあてて。ぐ、と力を入れる。 動きは緩慢で、簡単に妨害できてしまうだろう。 (-175) 2023/09/29(Fri) 8:45:36 |
【人】 路地の花 フィオレ>>56 ロメオ 「涙は安売りしてやらないんだから」 少しの間そうしていれば、調子も戻ってきたのか軽口も飛び出して。 あなたの胸から顔を離せば、笑みを浮かべるくらいの余裕もあるようだった。 「やってやったんだから。私」 「ね、何でもしてくれるなら」 「何か美味しいものでも買って帰りましょ、あの部屋でお疲れ様会したいわ」 みんなも早く落ち着いたらいいんだけどね。 解放されたばかりであれば、なかなかそうもいかないだろうけれど。 #BlackAndWhiteMovie (77) 2023/09/29(Fri) 14:13:14 |
【妖】 路地の花 フィオレ「どこからそんな自信が出てくるんだか」 なんて呆れたように言いながら。顔は穏やかな笑みを浮かべて。 あとで整理するものがあれば手伝いくらいはするわよ、と続けて。 あなたが部屋のものにあまり触れられたくなければ、1人の時に任せるだろうが。 「意外と余裕…があるわけじゃ、ないんでしょうね。動ける人はとんでもなく忙しくしてそうだもの」 テーブルにグラスも並べて。 なんでも良さそうだったから、白ワインを注ぐ。辛口で食事向き。 「私はこう見えて気遣い屋さんだけど」 「そう。まあ無理に見せてとは言わないわよ、その手に関してはね」 他はまあ、追々。 とりあえずは食事が先決だ。 「乾杯でもする?」 ($1) 2023/09/29(Fri) 14:20:27 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ「っ、う…、!」 注射器の針を避けるような動きをしたばかりに、下手にその拳を受け止める形になる。ゴキ、と嫌な音がしたのち。ぶらんと力が抜けたように垂れ下がる。 全身の痛みに、意識が持っていかれそうで。 気力でもって、なんとか耐えている形。 まだ、立っている。 「っ、…はぁ……先に、不義理を働いたのは…彼の方、よ」 口の中の異物を胃液と唾液に混ぜて、地の吐瀉物へ垂らすように吐き出し。 息を整える。痛みに意識を向けないように。 「違うわ。私の、独断よ」 たまたま火遊びの相手が、ファミリーに害を生した男だったというだけ。 ここに誰の命令も介在しない。この殺しだけは、自分だけの責任だ。 話していれば、あなたが携帯を取り出したものだから。勘がまずい、とでも告げたのか。 強く地面を蹴って、諸共地面に叩きつけられるよう飛びかかる。 携帯を取り落としてしまえばいい、と。不意をつく形で。 ここで捕まるわけには、いかないのだ。 (-196) 2023/09/29(Fri) 17:23:04 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ「っ、う…、!」 注射器の針を避けるような動きをしたばかりに、下手にその拳を受け止める形になる。ゴキ、と嫌な音がしたような気がした。 地についた肘に、強い痛み。 全身の痛みに、意識が持っていかれそうで。 気力でもって、なんとか耐えている形。立ち上がろうとした格好のまま、脂汗を浮かべている。 「っ、…はぁ……先に、不義理を働いたのは…彼の方、よ」 口の中の異物を胃液と唾液に混ぜて、地の吐瀉物へ垂らすように吐き出し。 息を整える。痛みに意識を向けないように。 「違うわ。私の、独断よ」 たまたま火遊びの相手が、ファミリーに害を生した男だったというだけ。 ここに誰の命令も介在しない。この殺しだけは、自分だけの責任だ。 話していれば、あなたが携帯を取り出したものだから。勘がまずい、とでも告げたのか。 立ち上がろうとしていた格好から強く地面を蹴って、諸共地面に叩きつけられるよう飛びかかる。 携帯を取り落としてしまえばいい、と。不意をつく形で。 痛む身体も、男女の対格差も考えない。がむしゃらに仕掛けたお粗末なものではあったけれど。 ここで捕まるわけには、いかないのだ。 (-241) 2023/09/29(Fri) 23:09:48 |
【人】 路地の花 フィオレ>>78 ロメオ 悪戯小僧には、目を細めて悪い女ぶった笑みを返す。 こどもっぽい仕草が、なんだか今は一番似合う気がしたのだ。 「片っ端から気になるもの買ってみちゃう? 出来立てのお惣菜とか、お店の人の今日のおすすめとか!」 今なら何だかいいものと出会えそうな気がしたから。 あなたが運転席に戻っても、後部座席に居座ったまま。 体は起こして、白いクッションを抱きかかえる。 キャップをかぶり直して、アクティブなスポーツレディの装いをもう一度。 「うん、いつでも行けるわよ」 「安全運転で、でもぱっと済ませちゃいましょっ」 吹っ切れたような顔で、楽しそうに笑ってみせた。 #BlackAndWhiteMovie (84) 2023/09/29(Fri) 23:27:25 |
【妖】 路地の花 フィオレじゃあ後で手伝うわね、なんて会話をしたかもしれない。 この女に任せると、捨てようと思っていた物をいくつか持って帰られるかもしれないけれど。 それはそれとして。 「お気の毒様ねえ」 「まあ、警察も上がああなった以上はドタバタ騒ぎもやむなし……っていうか。 それくらいで済んでよかったって感じじゃない?書類仕事で済むなら、それほどの痛手でもないでしょうしね」 署長代理とやらが捕まることで、丸く収まっているならいいことなのだろうけれど。 自分が撃ち抜いた彼の事も公になっている。結構な地位にいたらしいと聞いたから。 警察内部の事情に疎い女は、実際のところどうなの?と聞いてみている。 落ち着かない様子をちらりとみて、にまと悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「怪我人は大人しくしてて下さ〜い」と楽しそうに口にして。 鼻歌まじりにデリのパックを開けていく。 チーズとろけるピザに熱々揚げたてのアランチーニ。ジューシーなポルケッタ、パリパリのパネッレにほくほくクロッケー……本当に片っ端から屋台飯を買ってきたようなラインナップ。 結局こういうものが一番おいしいのだ。 「まあそれもそうなんだけど。 テオが見せたくないものは、無理に見たくないってだけ」 嫌な思いさせたくないし。気を遣ってくれてるのを無碍にはしたくないし。 「できないことはないか、じゃないのっ」 「もし難しそうなら私の片手をテオだと思って乾杯するから」 どういう有様かは知らないけど。無理してグラスを落としたり、不安定になってもいけないし。 ちゃんと持てる状態でないと、この女は折れなさそうだ。 ($3) 2023/09/30(Sat) 0:56:35 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ公衆電話からの着信に、怪訝そうな顔。 怪しい相手ならすぐに切ればいい、と通話ボタンを押して。声を聞けばすぐに、愛しい弟のものだと分かったものだから。 あなたから会えないかと打診があったのならそれを拒むことは絶対にない。 公衆電話からかかってきたのだから、もし何かあったら連絡をこちらから取れないだろうしと。 場所の指定を結局委ねて。 夜、月を見上げるあなたの元に駆け寄る足音が一つ。 「───フレッド!」 名前を呼んで、駆け寄ってくる。 まだ顔も見えていないあなたを、そうであると確証があるかのように。 (-264) 2023/09/30(Sat) 3:41:26 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ女の身体はあなたの胸元に勢いをつけてぶつかって。 あなたのことを地に伏せることは叶わなかったけれど。 カシャン、と石畳に携帯の落ちる音が耳に入る。 目論見は上手く行った。 「は、あは……これ、で……」 少しは時間稼ぎになっただろうか。 苛立ちの色を見せるあなたの顔を見て、"してやったり"といった表情を見せて。 しかしすぐに、その顔も眉を寄せ 苦痛のそれに変わっていく。 痛みが、どっと襲ってくる。 腹も、肘も、背中も喉も。痛みが、戻ってきて。 立っているのもやっとなそれらに、女は"あなたに掴まっているしかない"。 縋るように、そうしている。だから。 「っ、が……!?」 頬は容易に捕らえられる。 痛みにぼんやりとした頭が、あなたを見上げて。 強い衝撃。 ノイズが走る。 ぐら、と脳が揺れて。縋っていた腕の力が抜ける。 今度はあなたの思惑通りに、突き飛ばされる。尻もちを着く前に、なんとか踏ん張って。 もう、後は意地だった。 あなたが自分の携帯を拾いに行こうとしたのなら、無防備な尻ポケットに手を伸ばす。 彼女自身の携帯だけでも返してもらおう、とでも言わんばかりに。 ぐらりと揺れる体が、ふらふらとあなたの背後に近付いていく。 これさえあればあとは、逃げるだけなのだから。 (-267) 2023/09/30(Sat) 4:12:02 |
【妖】 路地の花 フィオレ優秀な人は引く手数多でいいことねえ、なんて言う。 その分頼られて大変なのだろうけど。 「そう。妥当な処分が下るといいわね」 下手人の捜索が始まっていると聞けば、少しだけ目をそらすようにして。 それでも、それ以上の動揺はない。 協力者がうまくやってくれているだろうから、よほどのことがなければ足がつくこともないだろう。 そして何より、目の前の彼に知られたくはないものだったから。 あの時のことを見られていたなんて、彼女には知る由もないのだ。 「もう!前から尊重はしてたと思うんだけどっ」 「あなたが何してようと勝手に喜んでる女なんだから。 まあ……しつこく付きまとってるところを言ってるなら、たまには放っておけって言うのも分かるけど」 「不機嫌になったくらいで離れるような女、つまんないでしょ」 黙って近くにいるくらいはするのだろうけど。 「病人食の方が好みだった?」なんて揶揄いながら。 「それなら許してあげる。軽めのグラス選んだから、そんなに力入れなくていいわよ」 それじゃあ、と気を取り直して。 「お疲れ様、テオ。乾杯〜」 テーブルの上で、グラス同士をぶつけ合うのだろう。軽い音が響いた。 ($5) 2023/09/30(Sat) 16:56:31 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ「あら……珍しい、フレッドの方から来てくれるなんて」 あなたがぎゅうと強く抱き着くと、驚いたような顔をするけれど。 すぐに穏やかな笑みを浮かべて、少しだけ低い位置にあるその頭を撫でてやる。 フィオねえだよ、と優しい声で口にして。 あなたが熱を出してしばらく会えなかったあとに、久し振りに再開するとこんなふうに顔を埋めてくれたっけ。なんて懐かしく思いつつ。 「解放されたばっかりなんだもの、私だってこうしたかったわ」 「だから気にしないで、ね」 ちょっと座ろうか、とベンチを指して。 話が短くたって、まだ出所したばかりなのだ。体力が心配だ。 そうして落ち着いた状態で、あなたの話を聞くことになるのだろう。 うん、うん、と口を挟まずに相槌を打ちながら。だんだんと表情は曇っていく。 「そう」 「街を、出るんだ。……気軽には、会えなくなっちゃうのね」 寂しいな、と。飲み込めずにいた言葉は素直に口をついて。 しょうがないことだとは分かっているのだけれど。 「でも、フレッドが決めたことなんだもんね」 「お姉ちゃんなら、応援しないといけないよね」 (-320) 2023/09/30(Sat) 17:47:57 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ「っ、痛……」 頭を抑えながら。それでもこの機を逃すわけにはいかないと、あなたのポケットに入った携帯電話を抜き取って。 足元の砂利を砂ごと掬ってから、痛む身体を引きずって走り出す。 片腕に力が入らない。新たに連絡を入れる余裕はない。 だから、最初の場所へと戻るしかない。今ならまだ、迎えに来たはずの同僚がいるはずだ。 「はっ、……ッ!」 蹴り上げられた腹も鈍い痛みが走って、顔を顰める。 足が縺れそうになっても、ひたすらにこの路地を抜けだすために足を動かして。 あなたが迫ってきたところに、掬った砂を投げつけてやるのだろう。 狭い路地では、それを避けることも難しいはずだ。あなたのような体格ならなおさらのこと。 (-364) 2023/09/30(Sat) 23:06:01 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ「……フレッドは自分探しをするんでしょ? だったら、やっぱり姉さんは止められないよ」 「寂しいけど、ずっと会えないわけじゃないのよね?」 指先に触れるあなたの体温に、ずっと触れていられたらななんて思うのだけど。 無理をしているわけではない。 今まで気軽に会えた分、会えない時間が増えるのは心配になるというだけで。 「………何で」 知ってるの、と。 あなたの口から出てくるとは思わなかった"マフィア"の言葉に目を見開いて。 驚愕したような様子で、あなたの顔を見ている。 知らないでいてほしかった、なんて言えるわけもなくて。 そのまま目を伏せてしまうのだけど。 うん、と相槌を打った。 自分だって、出来れば殺しはしたくない。 そう思っていたのだけれど。でも、どうしたってマフィアである以上は。 避けては通れない。もう、引き返せない。 胸がぎゅうと痛むのだ。 ▽ (-377) 2023/10/01(Sun) 8:57:33 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ「……フレッド」 けれど、あなたがくれたのは否定の言葉ではない。 手に伝わる温もりも、真っ直ぐな言葉も。 自分がいつもそうするみたいに、寄り添うようなそれで。 「そんなこと言われたら……甘えちゃうよ、姉さん」 「忘れない、忘れるわけない。姉さんも、フレッドのこと大好きだもの」 「嫌いにならないでくれて、ありがとう」 だいすきなあなたが、自分を大好きなままでいてくれるというなら。 これ以上のことはない。 その顔は、眉こそ下がってはいるものの 笑みを浮かべていて。 胸を張れるような立場じゃなくてごめんね。 そんな言葉は飲み込まれた。 あなたはそんな言葉を望んでいないとわかっているから。 (-378) 2023/10/01(Sun) 8:58:57 |
フィオレは、気まぐれに、もらったリップを塗っている。似合う?なんて近くにいる彼に聞いたりして。 (a49) 2023/10/01(Sun) 20:38:38 |
フィオレは、なんとなく、予感がしたのだ。 (a52) 2023/10/01(Sun) 20:39:32 |
フィオレは、予感が、悪い方向に当たるなんて。この時は思っても見なかったのだけれど。 (a53) 2023/10/01(Sun) 20:48:31 |
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