【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[地下書斎の主たるアナベルが見せる光景>>77 イシに込められた、ヒトの願いや祈りと、 そして煌めきを放ち続ける偶像の幻影《ファントム・オブ・アイドル》を。 そしてもう一つ。 先程見せられた、学園内の光景>>25を脳裏に浮かべる。] ……。 (85) 2018/12/21(Fri) 20:29:25 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[ゆっくりと瞳を開けて] アナベル。 …優しいのはやっぱりあなたのほうだと、思うよ。 [苦笑交じりに相手に返す。] (86) 2018/12/21(Fri) 20:29:42 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ ねぇアナベル。 あなたには大切なひとはいる? 皆大好きよ、とか、大切だ、とか、 そういう話ではなく。 個人として、この人が大事で、大切で、 この人の願いを叶えたい、 この人と一緒に過ごしたい、 この人のためなら、世界のすべてさえ 犠牲にしたっていいと、そう思えるような。 わたしは、この身体を得て短いあいだだったけど そう思える時間を過ごすことが出来たわ。 このひとを大切にしたいとか、大好きだとか。 この想いを無駄にしたくないとか。 そういうふうに思えることが、たくさん。 (87) 2018/12/21(Fri) 20:31:05 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロううん、いいことばかりではなくて、 それこそ、いろんなことがあったわ。 悲しい想いや無力な自分に悔しい想いも、 分かり合えない歯痒さも。 突き刺さるほどに胸が痛むことも、あった。 大切なひとを失うかもしれないことに 怯えることだってあった。 (89) 2018/12/21(Fri) 20:32:31 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロでも、それがきっと「生きている」ってことなのよ。 悲しみや苦しみや辛いことがある代わりに、 ニンゲンたちは、自分たちの限りある短い命の中に 喜びや幸福を見出す。 永遠を生きるわたしたちにはない、 鮮やかな色彩《セカイ》がある。 [生きる幸福と苦しみは きっと世界というプリズムの異なる側面。] あなたの差し出す世界は、 とても素晴らしいものだと思う。 永遠の安寧と幸福に満たされた、 なんの苦しみもない与えられた世界。 (90) 2018/12/21(Fri) 20:38:41 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロわたしは、この世界で"生きて"いきたい。 大切なひとたちと共に限りある日々を ひとつひとつ積み重ねていきたい。 管理者なんて神様モドキになるつもりはないの。 ねぇ、アナベル。 世界の全ての願いや祈りを束ねても、 どれだけたくさんの人たちを幸福に眠らせても あなた自身に手を取り合う大切なひとがいないのなら その世界は、とてもさびしいものだって、思うんだ。 先代のニグラスやコーネリアス、 そして彼の言葉を伝えてくれた子が、 わたしに託してくれたものを無駄にしないためにも、 わたしは、今、あなたと戦わなければならない。 [この幻影月《ファントム・ルナ》を打ち破って、 この世界を今一度、変革しなければならない。 手にした金剛石とあの人から託されたものを握りしめながら、 まっすぐに黒の不死鳥の少女を見据えた。]* (92) 2018/12/21(Fri) 20:46:31 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[差し出されたマイクに>>100] ……ううん。 [その手を握りしめる。] わたしだけでは、だめだから。 ミルフィーユの力も、必要なの。 [これで最後なのだから。 折角だから、我儘を言おう。 とびっきりの、我儘を。] (105) 2018/12/21(Fri) 21:38:28 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロわたしも、頑張るから。 …ミルフィーユの闇《ヨル》で、 幻影月《ファントム・ルナ》を呑み込むことはできる? [それは、月蝕を呼ぶための願い。 欠けては再び満ちる月を、元通りにするための、 そして今より少しだけ新しい世界を、 始めるための願い。] (108) 2018/12/21(Fri) 21:47:42 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[それから、もうひとつ。] ――…望月《みつき》、と。 それが、あの人がつけてくれた"わたし"の名前。 [かつて月に召し上げられる前のあの人に強請って>>0:44 そうして、あの手紙に記されていた名前。>>139 その手紙には、わたしの名前を呼んでやれなくてすまなかったと、 『世界柱を、そしてあの蒼星をどうか守ってほしい』と そう、記されていた。] (109) 2018/12/21(Fri) 21:49:49 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[かつて、天界にて『黒の乙女』と呼ばれた先代の黒山羊と 偽天使とのあいだに交わされた言葉を>>2:35>>2:41>>2:42 わたしは知らない。 それでも、富嶽の山の頂で彼女の亡骸が焼かれたあの日、 その遺灰から白と黒の不死鳥が生まれ出でたのは。 己が支えたこの世界を守りたいと、 あの黒山羊が、そう願った故だろうとわたしは思っている。 わたしにあの人からの手紙を送ってくれた>>2:308 名前も顔も、知らない誰か。 彼女がヒトの持つ有限の命に価値を見出したことも、 命が尽きるその刹那まで、使命を全うしようとしたことも わたしは知らないけれど。 ――でも、今、巡り巡ってその手紙は確かにここに在る。] (116) 2018/12/21(Fri) 22:08:21 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[あの富嶽《タイランペディア》を生み出した男と、 ミルフィーユとのあいだに交わされた言葉と想いを わたしは知らない。 あの男と繋がっていた星の数ほどのイシを わたしは知らない。 でも、彼らが自分たちの存在を賭して戦ったことを わたしも、ミルフィーユも忘れない。 あの綺羅星の姫とは、最後まで分かり合えなかった。 己の存在と誇りを全力でぶつけてきた彼女に、 きちんと向き合えた気がしない。 後悔は尽きない。 ……今も、思い出すと胸が痛むけれど。 でも、それで膝をつくわけにはいかないから。 彼女が最後まで精いっぱい戦ったのならば、 わたしだって、負けるわけにはいかない。 それが、後悔が尽きないなりにわたしができる、精一杯。] (117) 2018/12/21(Fri) 22:09:25 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[アナベルに従うイシたちが奏でる音楽。 その演奏に、次第に別の音が混じる。 細やかな雑音《ノイズ》のようだったそれは、 次第に明確な音となってイシたちの演奏と重なり、 一つの音楽としてカタチを変えていった。 それは、命の唄。 この地上に数多在るイノチ――…草花や樹木、 鳥や獣、虫や魚たち。 かつて富嶽で燃やされたニグラスの遺灰は、 白と黒の不死鳥を産み落とした後、 灰となって空へと舞い上がり、 やがて雲と混じりあい雨となって地上に降り注ぎ――そうして、 長い年月をかけて万物へと宿ったもの。 その命が共鳴し合い、音を奏でている。] (119) 2018/12/21(Fri) 22:13:19 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[普段、ヒトとして生きていれば 恐らく生涯聞くことのない、 誰に顧みられることのない、 だがたとえようもなく尊い、地上の命の唄。 それが、地上を覆い尽くさんばかりに鳴り響いている。 この異界に届けとばかりに、 ミルフィーユの夜を、 夜明け前よりなお暗い夜闇《ヨル》を支えんばかりに わたしの"活性化"と混じりあい彼女の力を倍化させていく。 彼ら《イノチ》は、知っている。 命とは闇より生まれ出て、そして光と闇とを 受け入れながら生きていくものだと。 片翼の鳥が一羽だけでは飛べないように、 片方ばかりでは、理は成り立たない。] (120) 2018/12/21(Fri) 22:17:53 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ (123) 2018/12/21(Fri) 22:37:40 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[>>113なんのために生まれたのか 答えなどない孤独の中巡りあえた命 繋ぐ手のぬくもり、君の笑顔を 守りたくて、偽りにしたくなくて だから運命《さだめ》に抗うと決めた] [だから今 Phantom lunar eclipse 月を殺して《あいして》 終わらせるんじゃない、変えていくんだ 共に生きていくために] (124) 2018/12/21(Fri) 22:38:57 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[千と一の夜を越えてきた君に差し伸べられた温もりが 凍った心を溶かしてくれたんだ 闇のなか過ごした一万と二千の孤独より あなたがいてくれる今を選ぶよ もう少し今 Phantom lunar eclipse 月を殺して《みらいへ》 大切な誰かと共に生きる未来がほしい 色彩《ねがい》をくれたのは君だから] (135) 2018/12/21(Fri) 22:54:50 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[ボクにこの瞳があるのは 君と同じ景色《セカイ》を見るため ボクの口が減らず口を叩くのは 君と日々を語り合うため、喜びを分かち合うため ボクが君に手を差し伸べるのは 君と手と手をつなぐため、君を抱き締めるため ボクに二本の足があるのは 君と同じ歩幅で世界を歩くため 特別なことなんかじゃない 君と同じ世界を生きる、ただそれだけの日常を 守るためにボクは戦う 特別なチカラなんていらない ただ君が笑っていてくれるなら それだけでいい それだけでいいんだ] (136) 2018/12/21(Fri) 22:55:16 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[ボクらは変わらなければならない 一秒一秒と景色を変えるセカイで生きていく この胸の痛みを 悲しみを なかったことにはできない 痛みを抱えて そして変わっていかなければ] (137) 2018/12/21(Fri) 22:56:17 |
【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ[ぴしり、ぴしりと罅割れは徐々に大きくなっていく。 ――ああ、もう少しだけ。 もう少しだけ、歌わせてほしい。] [刹那聞こえた、スピカの声>> なんだろう、なんだか酷く温かい気持ちになって、 気がつけば笑みを浮かべている自分に気づいた。] (139) 2018/12/21(Fri) 22:59:04 |
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