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【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「年上ですし……一応。 言い方は癖、なんです」 学生が多くて、若いな、と。 大量の台本のなり損ないを見て、 こんな熱量があることもやっぱり若さだと思う。 「やっぱり、なんだか。」 死ねと言われたのに、こんなこというのは、今更。 「嬉しいですね」 おかしいと笑われても、男はいつだってそうであるだけだった。 (-85) 2022/03/06(Sun) 2:05:19 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「まず、お酒も……犯罪だから未成年も、関係ないですよ」 昔の嗜好品だったみたいで、と告げながら。 ワインもどきにケーキを添えて。再び席に着けばささやかなお茶会がはじまる。 「アクタ、さん、……あ、りがとうございます。 せいいっぱいもてなしますね」 罪の味が広がる、ケーキとワイン。 命を分け与える約束の裏に、生死を共にする夢は酒に溶けて飲み込まれる。 ただそれを願った想いだけは、甘い思い出に強く刻まれたことだろう。 (-86) 2022/03/06(Sun) 2:05:36 |
【墓】 演劇 アクタ(……死にたくないなら、死ぬなよ。 生きる権利がまだあるなら、死ぬ義務を選ぶなよ。) 浮かぶ言葉。 なんだか既視感がある。 飲み切ったペットボトルを床に転がせば きっともう、この味を自ら選ぶことはない。 どこでも──コンビニなんかで手頃に買える、透明な黄色いレモンティ。 体に悪そうな甘さに、レモンの風味。チープな味が親しみやすくて、好きだった。 止まりかけた鼓動が、 再び生きたいと鳴らしたあの音が、呼吸音が、頭から離れない。 もしも、自分がまだあの場に居たら。 『エノ』とたった二文字、書けなかっただろう。 (+23) 2022/03/06(Sun) 16:33:23 |
アクタは、議論の最中。立ち上がれば、自室へ戻っていった。 (c27) 2022/03/06(Sun) 16:34:34 |
アクタは、もう遅いのだろうけど。「理解、したかった。お前の事。」 (c28) 2022/03/06(Sun) 16:36:00 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ合議の後、あなたの前に浮かぶメッセージウィンドウ。 『カミクズさんを殺してきました 死にたいと、寂しがって孤独に苦しんでいたあの人を 仲が良かった、それだけの理由で 死ねない恐怖から解放させてあげました』 『おかげで死にたいって気持ちが こんなにもわかるようになりました』 『あの』 『俺が無事に帰ってこなかったら 誰か救いたい人は居ますか』 『俺の唯一の心残りはエノさんです あんなこと言わせたの、俺のせいです 生きたいって言わせて、理解を拒んだ俺のせいなんです 彼をああした後悔はないのに どうしてこうも辛くなるんでしょうね』 (-144) 2022/03/06(Sun) 17:36:47 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ『お疲れ様 よくやったな。』 君からのメッセージ。 突然浮かんだ殺人の文字。 画面の向こう側の男は、 一瞬だけびくりと肩を震わせたけれど きっとそれが、君のやるべき事だったのだろう。 だから、返すメッセージは 君への労いと決まってた。 『無事に帰って来ないってどういうことだ 救いたい人かは分からないけど 僕もエノは大事だ 辛いよ』 『何か』 暫しの、間。 『僕に出来ることは あるのかな』 (-148) 2022/03/06(Sun) 17:54:55 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ『無事か、がですね、あの。ただ漠然と』 『これが死にたいって感情なんだと思って』 『死にたくなっています、今は耐えますが』 『仲の良い人が死ぬと自分も死にたくなる 彼も俺と一緒に死ぬことを望みましたが、断りました 俺は、死なない彼を見たかった。それだけでしたから 今思ったら、アクタさんも俺にひどいこと言ってるな こんなに生きて欲しかったのに』 でも嬉しかった、自分にその命を捧げようとしてくれたことが。 一人は寂しくて、自分も相当無理をしていたんだって。 『誰かの命を票にして、"助ける"ことは もう無意味だと思っているんですよ だから奇跡を信じるしかありません』 『選ばれても、臓器提供をしなくても良い世界を願う そして、その先の未来で一緒に歩く約束をすること アクタさんは、出来ますか?』 『俺は、嘘でも冗談でも格好つけでも出来なくて あんなに苦しめてしまったんです 純粋な友達になってあげるには、もう遅いんです 一人に依存して、運命を決めて欲しくありません 一緒に"助けて"くれませんか、彼のことを』 (-152) 2022/03/06(Sun) 18:28:12 |
【秘】 落涙 ユメスケ → 演劇 アクタ>>t8 朝へと近付く中、そんな一言を皮切りに独り言が始まった。あくまで独り言だ。彼は自分勝手に君のそばにいる。 「生物の身体の反射じゃなくて人間が涙を流すのって、 感情によるものじゃないですか」 「悲しいやつらいの時に流れるものじゃないですか。 うれしいとか感動したとか、そういう時もあるが」 「なんかすごい泣くような時って、喋れないじゃん? 何喋ったらいいのか分からないって言うか、 あたまの中ぐちゃぐちゃで言葉にならないって言うか」 「まぁ、そんな感じで」 (-153) 2022/03/06(Sun) 18:33:43 |
【秘】 落涙 ユメスケ → 演劇 アクタ>>@2 「……俺やっぱり夜って言うか眠い時に 色々考えない方がいいんだなって思ったわ」 「合議に行ったのは気晴らしになった? いやあれはあんまりならんかも」 「根詰め過ぎないで休みなよ? アクタお兄さんも、 物語のあの子みたいに良い夢が見られるかもしれないぜ」 「おやすみアクタお兄さん。 俺は今日は、雨上がりの空を夢に見るよ」 「見たいな」 (-154) 2022/03/06(Sun) 18:38:42 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ『まだ死ぬな』 『酷いこと言ってるのは お互い様だろ』 文字でのやり取り。 簡素な一言になってしまう事が歯痒い。 君からの言葉には、全部に文句をつけてやりたいのに! 画面の向こう側。 とん、とん、と机を指で叩く。 『奇跡か』 君のメッセージ。文字。 ひとつひとつ、ゆっくりと読む。 ──生きる未来。 ──奇跡を願う勇気。 ──誰かと共に歩む為の、一歩。 それでいて、目を通し終わる頃には しかと覚悟が決まっていた。 『出来る』 『行こう』 (-155) 2022/03/06(Sun) 18:39:42 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ『俺のことを何か気にしてるかもしれません 名前を出しても、いいですよ 俺は彼を待たせてしまっているんです 一人で、傍に居てくれる人が居ないと 辛くて、寂しいと言っていました 彼には特別な人なんていらなかったと思っています ただ一緒に彼が生きることを望んだひとが 声をかけるだけで、彼は嬉しかったんです あんなに生きたいと言っている子を 愛でも恋でも、ましてや友情でもない依存で 不幸の道へ連れて行きたくありません エノくんのことが、俺も大事なんです こんな、こと、君にまで言ってしまってすみません だけど一緒に未来を歩けること考えられたの、全部 君のおかげだったから、一緒に教えてあげて欲しいんです』 自分の言葉と立場だけでは足りない。 それを言うには、傷をつけすぎて、 アクタへと命を捧げたい気持ちも残っている。 だから、もうすがるものは奇跡しかないのだ。 『何かあったら連絡をしてください 君の声が彼に届かないなんて、俺は思いませんけどね』 (-158) 2022/03/06(Sun) 18:58:34 |
【秘】 演劇 アクタ → さめざめ ユメスケ合議から逃げ帰って、夜の帳が上がる頃。 睡眠も取らず、気を紛らわすように脚本を書き殴っていた。 ふらり、と、紙束が散らかるベッドへ足を向けて どさどさ床に落とし、自重を乗せた頃。 ──『聞いてよ、アクタお兄さん。』 そんな言葉から始まる、君の独り言。 それから、君の演技が始まったのだろう。 ぼんやり、蕩けた頭で君の事を考えて、 そのまま男は、優しい夕陽の夢を見た。 ……きっと、君が側に居てくれたおかげ。 (-160) 2022/03/06(Sun) 19:12:17 |
【秘】 演劇 アクタ → 不運 フカワ『奇跡が起きたら』 『また華やかなケーキでも食べよう。 メッセージじゃなくて 顔つきあわせてさ』 『今度はレモンティーが飲みたい』 君に返すメッセージはそれだけ。 なんだか背中を押してもらったみたいな気持ちだ。 君との出会いは最悪。 過ごした日々も殺伐としたものばかりだ。 極め付けに、交わす言葉は死ねだの何だのと。 でも、今、やっと、 君と分かり合えたような気がする。 君と積み重ねた経験。感情。 その全てが、男を観客から演者へと、引き戻してくれた。 君が望む奇跡を起こせるかは分からないけれど 何もせずに終わりたくない。 ……君に向ける感情は、 もうW嫌いWなんかじゃない。 (-164) 2022/03/06(Sun) 19:50:14 |
【墓】 演劇 アクタ──合議が終わってから。 眠って、とびきり優しい夢を見て、目を覚まして。 ぐしゃぐしゃの紙束が占領するベッドの中で スマホ端末を確認して、誰かからのメッセージを見ればひとつ頷く。 「行こう、」 遅い話を、蒸し返す為に。 (+25) 2022/03/06(Sun) 19:55:38 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ合議の後。暫くしてから。 このVR空間を隅々まで駆け回り、君を探す姿がある。 さて、君は、何処にいるだろう。 インドア派の男がヘトヘトになりながら、 君の姿を見付ける事が出来るだろうか? きっと見つけた暁には、あぁ、と口を開き。 「……こんなところに。」 ふらりとした足取りで、 いつか君がそうしてくれたように、近寄って行くだろう。 (-167) 2022/03/06(Sun) 20:06:17 |
アクタは、エノを探している。 (c34) 2022/03/06(Sun) 20:06:38 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ合議の後、青年はまだ癒えてもいない体をひきづって、空間の端に近いところまで来ていた。 そこは海になっていて、地平線の向こうを、ぼんやり青年は眺めていた。 多分ここに来る頃には君はそれはもうヘトヘトだろう。 「…おや、アクタくん。」 声が聞こえれば、そちらを振り返って。 意外そうに目を丸くする。 「嫌われたかと思ってた。」 大丈夫?とつかれてる様子に首を傾げ。 (-188) 2022/03/06(Sun) 22:30:48 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ荒れた息を整えながら 君の側へ駆け寄って、どさりと膝をつく。 「ッ……バカ!」 肩を掴み、泣き出しそうな顔で君を見る。 君が怪我人でなければ感情のまま揺さぶっていただろうが それは出来ないので、力任せに抱きついてやった。 「 嫌いになんて、なるワケない……! なんだよお前ッ! ぼ、ぼく、僕は、お前に死んで欲しく無いのに、 勝手にッ……死ぬとか言ってるし………!」 矢継ぎ早に喋り倒してから ぶんぶんと頭を振る。 違う、こんな事言いたいんじゃない! 「………フカワと、二人で。お前を心配してて。 背中、押して貰って……探してた。」 堪えたいのに、涙を抑えきれなくて ぼろぼろと雫をこぼす。 「……一緒に、生きたいよ、エノ。」 (-197) 2022/03/06(Sun) 23:41:42 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ青年は、肩を掴まれて。 目を丸くして、君の顔を見た。 まさか、そんな風に怒鳴られて、そんな顔をされるなんて、夢にも思ってなかったから。 力任せな抱擁は、大層体に痛みが走ったけれど。 嫌だとは思わなかった。 「………泣かないで。」 「君が泣くと、俺も悲しいよ。」 ぺた、ぺたと掌で君の頬に触れて。 涙を拭うように、動かすけれど、全然拭いきれなくて。 「………………。」 「うん、俺もだよ。」 「生きたい。」 「生きたくて、生きたくて、たまらない。」 「できれば、誰かと一緒に生きたいし。」 「それが君だったら嬉しいなって、思うよ。」 ぽつぽつと語る言葉。 あぁ、最近、ようやく情緒が追いついてきたようで。 そんな風に言われたら、自分まで頬を濡らしてしまって。 (-208) 2022/03/07(Mon) 0:45:01 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「………でも、駄目なんだよ。」 「俺は人を殺しちゃったんだよ。」 「たとえ、ここでそれが罪に問われなくても。」 「あの中で、誰が死ぬべきかなんて、決まってるでしょ。」 「俺、他の人を選べないし。」 「ヒメノさんだけ死んだら、不公平だし。」 「……………それに。」 これは、言おうか、いわまいか迷って、合議の場では閉ざした言葉。 特に、君に聞かれたくなくて、言わなかったのだけど。 「………君も、提供候補者でしょ。」 「このままだと死ぬよ………でも。」 「提供候補者は、臓器が足りてれば、提供を免れるから。」 「だから。」 俺の分の臓器が、君の代わりになればいいと思った。 馬鹿みたいだって、ふざけるなって、思うでしょ? 一度ちゃんと話したくらいの、まだまだこれから知っていく途中だった人に、軽率に命をって、思うかもしれないね。 ……でも、君が温もりをくれたこと。 好きなものを教えてくれたこと、傍に寄り添ってくれたこと。 俺にとってそれは、とてつもなく嬉しかったことなんだよ。 だから。 (-209) 2022/03/07(Mon) 0:51:49 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノいくら拭って貰ったって、涙は止まらない。 これはヒメノの冷たい身に触れて、 君の死を想像したあの時に流した涙の続きだから。 「ダメじゃないッ! 死ぬべき奴なんて、ここに居ない! 生きたいって思って、当然だろ……! なんでッ、どいつもこいつも……」 そうやって、最初っから命を簡単に投げ出すんだ。 誰かの為に、犠牲になろうと思えるんだ。 僕だって、ちょっとだけ、人のこと言えないけどさ。 「……やだよ、エノに死んで欲しくない。 あのとき、思ったんだ。 このままヒメノと一緒に、お前も死んだら……って、 そしたら凄く、怖かった……怖かったんだ……、」 君が居ない未来が、怖い。 思い出すだけでも──バツ印のついた掌ごと、君を抱きしめる腕が震えてしまう。 もしかしたら、この数日篭っていたのは 自分の命を軽んじられたのは ……そんな気持ちから目を逸らして、どうにか押し込めたかったからかもしれない。 ▽ (-218) 2022/03/07(Mon) 2:13:14 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ確かに、 君は人を殺した。 ここがどうであれ、許される事ではない。 W理解できるWとは到底言い難い行為だ。 そうして自分に刻まれたバツ印が、自分が生きて帰れない事実の証左。 「えの、」 だからこれは、フカワと話した都合の良いW奇跡Wの話。 ──選ばれても、臓器提供をしなくても良い世界を願う ──そして、その先の未来で一緒に歩く約束をすること ──アクタさんは、出来ますか? ──一緒に"助けて"くれませんか、彼のことを 「何も考えずに、僕の傍で生きたいって、 ひとつぐらい 我儘言えよ、エノ……!」 君の傷なんてお構いなしに、 震える身を寄せて、とびきり力を込めて、君を抱きしめた。 君と交わした言葉や温度、その全てが心地良くて大切だ。 沢山の愛の言葉や時間なんて、関係なくなるくらいに。 でも──とか、それに──とか、言わないで 共に奇跡を願ってくれやしないか。 (-219) 2022/03/07(Mon) 2:21:44 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ抱きしめられた青年の体は、ずっと小さく震えてて。 小動物は、自分の鼓動で体が揺れてしまうのだと聞いた。 きっと今の自分もそうなのだろうと思う。 恐怖で張り裂けそうなくらいに叫ぶ心臓が、 死にたくないと体を揺らし続けている。 虹谷 絵乃は、恐怖に打ち震えるだけの小動物だった。 「俺は」 そんな奇跡を願っちゃいけない人間で。 だって俺、人を殺してるのに。 皆それを知ってるのに。 人殺しだって石を投げられて、当然なのに。 俺、自分の意思で彼女を殺したんだよ。 刺された場所と同じ場所を狙って撃った。 斬られた場所と同じ場所を、自分でナイフを作って斬った。 それでどうなるかなんて、分かってたのに。 理解したくて。 ただそれだけの理由で人を殺しちゃうような、 優しくされちゃいけない人間なんだよ。 なのに。 (-241) 2022/03/07(Mon) 13:17:38 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「───くない」 「─きたい………」 「……死にたく、ないよ…………」 「生き、たいよ……………」 雨のように零れる言葉。 未来への未練、渇望、望み。 死への恐怖、後悔、怯え。 一度降り始めれば、ざぁざぁと。 音を立てて降り注ぐ。 「なんでそんな風に、言ってくれるの……」 「なんで、一緒に生きようとしてくれるの……」 「なんで」 「……なんでこんな印をつけられて、そんなことが言えるの………」 掌を、両手で手繰り寄せる。 付けられた印を、指で撫でる。 君、夢があるって言ってたじゃん。 夢を語る君の顔が、楽しそうで、素敵で。 俺、君には生きててほしいよ。 ……俺が死なないせいで、君の分の臓器が足りなかったら。 俺、死んだ後も後悔しちゃうよ。自分を許せないまま死ぬよ。 ───そんな辛い決断を、俺にさせる気なの?ねぇ…… (-244) 2022/03/07(Mon) 13:26:51 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ君が生きたいと口にすれば 涙で潤んだ瞳が、にっと笑った。 「なんでって……、」 君の指が、掌をなぞる。 バツ印は消えないし、歪むこともなく 逃れられない未来の終わりを告げてくるけれど 「……分かんない、 エノが目の前で死にそうになってて、今こんなんで、 吊り橋効果とか、かも、しれないけど、」 ぐい、と自らの瞼を袖で拭う。 それから同じように、まっさらな方の手の先で、君の頬から──目の端まで。 雨に傘をさすかわりに、拭ってやった。 「でも、これが誰かをW好きWって気持ちなら ……なんか良いなって、思う!」 我ながら、どうにも、舞台の台詞っぽいだろうか。 でも、たまにはペンで綴る言葉を吐いたって、良いだろう。 ……だってこんな気持ち、知らなかったから。 ▽ (-294) 2022/03/07(Mon) 18:44:06 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「僕も、どうせ死ぬんだって思ってた。 文字さえ書ききれば思い残す事ないやって、 ちょっとは好きになれたW友達Wの為に死んでやるかって、思ってたけど、」 震える君の背を、まるで子供にそうするように 優しく、慈しんで、あやすように撫ぜながら 小さな声で、秘密の話を君に囁く。 誰にも言うなよ、と前置きして。 「そいつがさ、 僕に投票しておいて、 僕の為に臓器提供してやるとか言う癖に ……今更奇跡を信じろとか、言うんだよ。」 おかしいよな、と小さく笑う。 男の頭に浮かんでいるのは、 不運 の名を有する──ここに至るまでに、背中を押してくれた彼だ。「だから、なんかさ、 バカみたいに信じてみたくなった。」 それだけ、と告げて君を腕中から開放する。 「後悔してるならさ、生きろよ。 逃げないで、ちゃんと全部背負って生きてさ。 ……重くなったら、支えてやるから。」 そろりと君の顔を覗き込むその表情は、夢を語った時と同じで、君と歩む未来を想像して、瞳を煌めかせていた。 (-296) 2022/03/07(Mon) 18:47:54 |
アクタは、きっと君の事が好きだと思う。 (c47) 2022/03/07(Mon) 18:48:34 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ君の、にぃ、と笑う顔が素敵だと思った。 涙を拭われれば、目を細めて。 その顔は、随分幼げに見えただろう。 青年は、まるで幼児がそのまま大人になってしまったかのような。 拙い情緒のまま、君の腕の中に納まっている。 「……俺、愛とか恋とか、わかんない。」 「人とちゃんと仲良くなったことが、ないから。」 「……でも……」 「………君に好きって言ってもらえるのは、嬉しい。」 「………嬉しいし、俺も好きだよ………」 たどたどしく、まだ震える喉から声を出す。 誰かに、愛される事。 きっと自分が心の底から望んでいた事。 もし、生への執着を知らなければ。 ただ、理解だけを追い求めていたらきっと。 『じゃあ、一緒に死んでね』と言ってしまったであろうその言葉。 …今は死にたくないし、死んでほしくもなくて。 (-311) 2022/03/07(Mon) 19:56:55 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「……あの人はさ、勝手だよね。」 「………勝手なことばっかり、言うんだ。」 君の背を押したであろう、その姿を思い浮かべて。 理解したいと言われて。 でも理解できないと言われて。 自分は死ぬけど、君は生きてほしいと言われて。 今はこうして、誰かの背まで押して、俺の決断を鈍らせて。 ……ずるいよ。ずるい人ばっかりだ。 「………俺は、でも。」 「俺が、俺を許せない………」 「ここの誰より、殺してしまった彼女より、自分が自分を許せないんだよ。」 「だから」 「だから…………」 青年は、口を噤んで。 生きたくて仕方ないと泣き叫ぶ心を、抑えて。 「………してしまった罪の、清算は、したい。」 「……もし、もしもだよ。俺の中で清算が出来て」 「それでももし、俺が生きてたら。"奇跡"が起こったら」 「その時は…………」 (-314) 2022/03/07(Mon) 20:03:56 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「俺の未来を、貰ってくれる?」 耳元で囁くそれは。 決意が揺らいで、ほんの少し、未来を求めてしまった、その証。 (-319) 2022/03/07(Mon) 20:07:30 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ子供みたい。 そう揶揄ってやろうかと考えて、辞めた。 「…………そ、そうか…… わ、わかり……ました………」 言い出しておいて、その手の言葉にめっぽう弱い。 俺も、と返ってくることが嬉しくて、 むずむずして、何とも言い難くて、視線を逸らした。 ▽ (-332) 2022/03/07(Mon) 20:47:34 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「分かった、」 「ちゃんとやれよ。」 何を、とも。どう、とも。聞かないけれど。 「投げ出すなよ。」 君がそう決めたのならば W清算Wを見届けようと思う。 本当は少しだけ、怖いけど。 それでも誰もが、奇跡を願っているのだから これが最期になるとしても、 前を向いて、生きていたい。 ──夜の砂浜。 すっかり時間は経っていて。 君の隣で、奇跡を待とう。 (-333) 2022/03/07(Mon) 20:48:21 |
アクタは、「じゃあ、同じものをくれてやる。」 (c50) 2022/03/07(Mon) 20:48:53 |
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