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【独】 焦爛 フジノ>タマオは、布を開き、その中身を床に転がし直した。ころん、鮮やかな翡翠を閉じ込めた目玉がひとつ。 転がすな!!!!!!!!!!!!! (-4) 2021/07/04(Sun) 21:08:43 |
【人】 焦爛 フジノ今日も、静かに座っていた。 動き回らず、ただ静かに。 そうしないとお腹が、空いてしまいそうだったから。 雨戸の向こうから聞こえる音は、まだまだ止みそうにない。 (1) 2021/07/04(Sun) 22:38:34 |
フジノは、目覚めると同時に干されたタオルを見た。不法侵入されてる………… (a1) 2021/07/05(Mon) 12:32:14 |
【秘】 焦爛 フジノ → 商人 ミロク包みを見た。缶詰……開ける道具はあっただろうか。 後で探すか、貴方へ聞こうと決める。 筒。阿片。どんなものだったかは、重要ではない。 重要なのはミロクの説明した通り。この先、役に立つ。それだけ。 「―――ありがとう」 そう一言、耳打ちして。 フジノは貴方と一旦別れた後、まず自分の借りている部屋へ向かった。 そうしない内に開けるだろう缶詰は、部屋の中。ベッドの下に。 隠し場所としてベタだけど、この状況で掃除に入る者もいないだろうから。 隠し終えた後、寝巻き替わりの検査着に着替えタオルを掴み、包みごと筒にぐるぐると巻きつける。 そして。 フジノは板を打ち付けていない扉から外へ出た。 この病院には昔から通っている。近辺の事も、よく知っている。 目当てはそう遠くない。雨風に打たれてもしかと立っている木のウロに、包みを入れた。 枝葉を上に被せて隠し、病院の中へと戻っていった。 (-85) 2021/07/05(Mon) 23:51:54 |
フジノは、扉を二度開けた。風の吹き込む音が、二度した。 (a3) 2021/07/05(Mon) 23:52:53 |
【人】 焦爛 フジノ>>23 >>31 ミロク 「……教師。 ミロクさんは、いろんな事、知ってるし。 優しいから……きっといい先生に、なれただろうな」 本心だ。貴方が自分達を見つめる優しい目を、覚えている。 そして貴方の語りの後、フジノもぽつぽつと語る。 顔も知らない祖父は南へ出兵して、終ぞ帰ってこなかった。 半年前に祖母が亡くなるまで欠かさず線香が立てられていた仏壇には、今も空っぽの桐の箱が置かれている。 母の顔も知らない。否、覚えていない。物心ついた頃には祖母と父しかいなかった。 母はフジノが大やけどをした後――祖母曰く、目を離していた間に囲炉裏に落ちたらしい――姿を消したという。 残されたフジノに、この見た目では嫁に行くのは大変だろうと、亡くなるまで祖母は案じ嘆いていた。 村の人々は歪な跡を晒すフジノを遠巻きに眺め、大人達の反応を見て子供達もそれを真似た。 色眼鏡無く接してのは、アユミを始めとする余裕のある大人。 ……そしてここに偶然にも集まった、少し変わった人々ぐらいだ。 そんな風に育ったものだから、ミロクのような『夢』や『目標』はなかったのだと、ぽつりと零した。 応えようと思う周囲の期待も、助けたいと思う誰かもいなかった。 貴方に話した『取引』の内容が。フジノが初めて抱えた意志だった。 (32) 2021/07/07(Wed) 1:08:36 |
【人】 焦爛 フジノ>>24 >>26 【肉】 「 ……猿? 」絵本ぐらいでしか見た事のない生き物の名に、つい疑問符の混じった呟きが漏れる。 ……それでも、医者であるセナハラが用意したものだ。 メイジに促されるままに部屋へ入り、取り分けられた肉を、見つめる。 食わなければならない。 これが何の肉であったとして、腹を満たしてくれる事は確かだ。 なら、食べなければならない。 フジノはそうしなければならない。 いただきますと、小さな声で告げて。 小さく切り分けられた肉を、口の中へ入れる。 味の感想は特に告げず、水で流し込んだ。 部屋に充満するこの匂いは、祖母を火葬した時に嗅いだ匂いに似ているなと、ぼんやり思った。 (33) 2021/07/07(Wed) 1:21:56 |
【秘】 焦爛 フジノ → 被虐 メイジ「……困った時は、お互い様って、言うでしょ」 今の今まで、使ったことも実感したこともない言葉を口にする。 「だから、そっちも気にしないで、いいから。 ……私も、感謝してる、もの」 お菓子一粒が、この状況下ではどれだけ貴重なものか。 ハンカチを貸したぐらいでは割りに合わないと、フジノだってわかってる。 それをなんともない顔をして分け与えてくれた貴方に、なにかを返せればいいなと、思っている。 (-134) 2021/07/07(Wed) 1:30:18 |
【神】 焦爛 フジノ朝。そうだと、思われる時間。 こんこんと二階の病室の扉を叩き、次いで声を掛ける。 どちらにも返事は、ない。 ……どこかから、鉄錆のような匂いがする。 先日の猿肉だろうか?嫌な予感が、した。 「……ミロク、さん。おじゃま、するね」 そう告げて扉を開ければ、鉄錆の匂いは更に濃くなる。 視界に入ったのは、まだ鮮明な赤。 そして赤に染まったベッドに横たわる、ミロクの姿。 「……あ、あ……」 寝ているのだろうか?そんな事を一瞬考えてしまう表情。 否、彼はもう死んでいると首の滅茶苦茶な縫合跡と鉄錆の匂いを発する 赤 が告げている。───優しかったあの人は、もう存在しないのだ。 雨風の音を縫って、少女の悲鳴が病院に響いただろう。 (G0) 2021/07/07(Wed) 12:46:47 |
【神】 焦爛 フジノ>>G1 >>G2 >>G4 フジノは扉近くの壁に背中を張り付け、自身を抱きしめるように腹の前で腕を組み崩れ落ちていた。 上着で視界を隠されるまで、ミロクから視線を外す事もなかった。 「わた、わたし、ミロクさん、呼ばれて、て、昨日、部屋に来て、って、」 上着の下、しゃくりあげながら誰にともなく言葉を紡ぐ。 ―――彼は知っていたのだろうか? 自分がこうなると、知っていて。 それでも、フジノを呼んだのだろうか? "■■■■■■"とは、そういう事だった? 促されても、すぐには動く事ができず。 メイジが動き出してようやく、その場を離れただろう。 ……最後に一度だけ、ミロクの方を見て。すぐに視線を外した。 (G7) 2021/07/07(Wed) 19:58:28 |
【人】 焦爛 フジノ>>37 ミロク 「そう、なんだ。 ……いいな。ここじゃ、人と変わってるととても、目立つから……」 首元の歪な跡を触る。夏でも首巻きをつけてて大丈夫だろうかと、考えた。お洒落でなにかを巻くという発想がないのだ。 「……そうかな」 子供だって大人に負けず劣らず、残酷だ。 無邪気故の行動もあれば、大人を欺く事が上手な子もいる。 ……けれど、それをわざわざ伝える必要もないだろう。 貴方は大人達との交流ですっかり疲弊してしまったようにも見えた。 「い、いいよそんな事。そんな物好きな人いないって、わかってる、し……そう言ってもらえるほど優しくも、ない、から」 腹を擦り、ぼそぼそと恥じらうようにそう答えて。 やり取りを終えれば、去っていく貴方へ別れを告げただろう。 『また、明日』。会えると信じていた。 (39) 2021/07/07(Wed) 20:25:20 |
【秘】 焦爛 フジノ → 商人 ミロク「朝、に? ……わかった。ちゃんと、起きてて、ね」 こくり、頷いてそう返しただろう。 辛いもの。害したいわけではない。 "食べられない"。 気になった言葉はいくつも、あった。 それでも言及はせず……ご機嫌ようと、返したのだ。 お互い腹に抱えるものがあると、大人へ足を踏み入れてしまった少女は悟っていた。 (-219) 2021/07/07(Wed) 20:29:48 |
フジノは、調理室で"肉"を食べ、飲み下した。味なんてどうでもよかった。腹をみたせるのなら、それで。 (a16) 2021/07/07(Wed) 20:33:37 |
【秘】 焦爛 フジノ → 被虐 メイジ「うん。思った、よ。かっこいいな、って」 対するフジノの返事は本気にも、貴方に釣られて珍しく冗談を言ったようにも聞こえただろう。 「……私も、同じ。 皆大人だったら……こんな風に、歩けてなかった、よ」 それこそどこかの一室に閉じこもって、じっと嵐が過ぎるのを待っていただろう。 こうしてなにかを食べたり、遊んだり、話したり……様々な事から気を紛らわせる事ができたのは、有難かった。 (-223) 2021/07/07(Wed) 20:43:54 |
【独】 焦爛 フジノ―――それが何の肉だったのか。 フジノは知らない。 知っても、食べないという選択肢は取らなかっただろう。 フジノという少女は決して栄養が足りている状態ではない。 腹にもうひとり抱えている今なら、尚の事。 だから……フジノは食べなければ、ならなかった。 ミロクはそれも見越して食料を分けてくれたのだろうか? フジノは、わからない。 ミロクが何故そこまでしようとしてくれたのか。 どうして見ず知らずの子供に優しくしてくれたのか。 もう教えてくれる人はいない。 (-224) 2021/07/07(Wed) 20:49:51 |
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