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【墓】 栄枯 プリシラ「そう、それを宿屋の使ってない部屋か…… いや、広場に集めてくれる?ええ、ありがとう! 後でおじさんの料理も頂きに来ますからねっ!」 その女はお祭りの最中至っていつも通りに。 だが今日は頼み事が多いようであちこちを飛び回っていた。 幾つかの植木鉢を、聖女祭で知り合った店主に任せて、 自分はまた他の目的を果たしに箒に乗って行く。 描いた絵空事は、近づけたのなら出来る限り叶えるべきだ。 「そうと決まれば……やることは沢山あるわね! 飾りや費用はあたし一人でもどうとでもなるけど、 場所やメニュー、段取りは手伝ってもらわないとだし。 ああ、エリーさんにドレスを仕立ててもらうおうかな……」 箒は花びらを散らして魔女をどこまでも運んでいく。 髪をふわりと掻き上げ、風になびかせて。 ──その背には衣服越しに淡い光が宿っていた。 (+0) 2024/02/08(Thu) 21:12:54 |
プリシラは、まるで一筋の流星。飛んで拝まれるおまじないの輝き。魔女だというのに縁起が良いったらありゃしない。 (c2) 2024/02/08(Thu) 21:14:20 |
【墓】 栄枯 プリシラ地面を走ってると、人が絡みついてきてしょうがない。 一か所に根付くなんて性に合わないから飛んでいて。 「綺麗と言われるのも有難がられるのも、 本当に花の目線になって初めて分かったわ!」 「もう本当にうっと〜〜しい!」 可愛らしくぷりぷり怒りながら、 生まれてから今まで溜まっていたものを吐き出していく。 「あたしが奪われたものも。あたしが授かったものも。 最初から植物を組み替えるように、勝手に行われたこと! 可哀想だと思われるのも全然違うわ。 だって……最初からずっと、夢は叶えて貰っていたもの」 可愛い子を授かれた。魔女らしい力を持てた。 現実ばかりが、夢ばかりが乙女の全てではない筈だ。 それをきっと聖女様だって分かってくれたから、あたしは。 「ふふん。何も知らない街の人たちには、 ぜ〜ったい参加させてあげないんだから!」 (+1) 2024/02/08(Thu) 21:40:29 |
栄枯 プリシラ(匿名)は、メモを貼った。 2024/02/08(Thu) 21:45:54 |
【墓】 栄枯 プリシラ「あ、ダーレンさん!戻ってきてたんですね!」 他の人たちにも勿論挨拶しに行くつもりだったけど、 一人だけ高いところにいたからよく見えた。 跨っていた箒を横に座り直して、その近くで浮かびに。 街の人達の有難がる声が強くなるけどそれはどうでも。 「あははっ、まさかあなたまで祝福されてるとはね。 埋め合わせ以前に、仕返しを考えなくて良くなっちゃった」 何かしらの悪戯をするつもりだった。魔女なもので。 「そう。どうせなら祝福を受けていた方が好都合よ。 難しいこと色々考えなくて済むし、 街の人は前より更に親切にしてくれるしね」 (+5) 2024/02/09(Fri) 0:53:39 |
【墓】 栄枯 プリシラ「何より。これ≠本当にちゃんと祝えるのは、 御話をなぞる街の人や、与え給うた聖女様当人ですらない。 同じ立場に置かれたあたし達だけ」 そんな話を街の人々に聞こえさせるのは決まりが悪いから、 ほんの少しだけトーンを落として。 けれどやはり悪戯っ子のような顔で語る。 「起きたことを諦めるでも忘れるでもなく…… わがままな誰かさんを許し、それか恨み、 それでも前に進むための、痣持ちだけの秘密のパーティ」 未練は計り知れないほど多いことだろう。 身に起きた不運を割り切れないのは当然だ。 最初から最後まで事故のように虐められ続けてきたのだから。 けど。その全てを。与えられ過ごしてきた時間を、 勝手に奪われただけの人生とは、一切思っていない。 「勿論気味悪がられるでしょうね! でも、魔女ってそういうものでもあるから。 あたし、たった一人でもみんなを祝って、“呪う”わ。 このお祭りと祝福を受け入れて、 幸せそうに笑ってるやつがいるんだって!」 (+6) 2024/02/09(Fri) 0:54:10 |
プリシラは、きらきらと瞬いて今にも飛び立つつもりだ。 (c7) 2024/02/09(Fri) 0:54:55 |
【墓】 栄枯 プリシラ「言われるまでもないわ」 そう言い残し、次の目的地へと飛ぶ──その前に。 身体を大きく使って揺らめき、 花吹雪を纏った腕を広げて広場を見下ろしたかと思えば。 「あなた達にも、華やかさがまだ足りないわね!」 天高くに掲げたフィンガースナップが響くと、 街の人々の頭上目掛けて赤いポインセチアが落ちていく。 いつか昔にやった子供だましの手品ではない、 与えられた命に宿った、こんなにも素敵な魔法。 一番見せたい相手はいないけれど、それでも。 抱えきれないほどの幸運は、確かにこの胸にあるのだから! 驚き、喜びの声、自分の笑い声、 それらを置き去りにどこかへと一直線に。 (+9) 2024/02/09(Fri) 23:59:35 |
プリシラは、白いポインセチアを三つ編みに挿して、またおかしそうに笑った。 (c8) 2024/02/10(Sat) 0:00:06 |
【墓】 栄枯 プリシラ>>+11 エリー 「ええ、頼みたいことがあって…… ……って、あなた、もしかして怪我してるの!?」 ふわり流れるように箒から舞い降りて、 肩口に覗く包帯を見れば慌てたように駆け寄っていく。 「処置、はちゃんとしてるみたいだけど、 無理しないでね。してほしくないですし」 身体を心配する様はいつも通りの表情で、 まるで何事もなかったかのようにそこにある。 掲示も、祝福も、決して気のせいではないというのに。 「……パーティを開くつもりで、 そのためのドレスがほしかったの! 痣のある場所──背中を曝けるような物がどうしても。 勿論エリーさんも誘うつもりなのだけど……」 怪我のことも、痣についてのことも考えて、 やはり無理はしなくていいという心情が滲み、言い淀む。 ドレスのことだって、今は頼むのを迷っているくらいだ。 (+12) 2024/02/10(Sat) 1:25:50 |
【墓】 栄枯 プリシラ>>+13 エリー 「大したことないあれこれを気にしちゃう性分で。 ……何もないようならそれでいいんですけど」 癒しに造詣が深いわけじゃなし、 適切な処置がされているならそれでいい。 自分を棚に上げて、他人ばかりを気にしている。 そちらの問い、表情を窺って、 何か考え込む様子を見せては、軽く息を吸った。 「……あたしね。わかってるの。 なんで祝福を受けた皆が萎れていくのか。 お話で嘉すべきとされる素敵な出来事が、 どうして当事者の笑顔を枯らしていくのか」 「早く、この夢から醒めたかったのよね」 だいたいの人にとっては悪夢と呼ぶだろうが。 それこそが紛れもない現実として焼き付いてしまうのは、 耐えがたいことに違いない。魔女はなぞらえて。 「それでも……誇りたいと思ったから。 どんな状況でもこうべを上げて咲くように。 あたしは本当に、現実に置き忘れたもの沢山あるけど、 それでもこの夢に精一杯生きて…… 夢見た魔女で居られて、とっても楽しかったの!」 (+14) 2024/02/10(Sat) 8:00:22 |
【墓】 栄枯 プリシラ>>+13 >>+14 エリー 魔女は両手を合わせて、ただ微笑む。 能天気に何もかもを受け入れたわけじゃない。 苦悩して、譲歩して、その先に浮かんだ答がこれなのだ。 「だから、強く悲しんだりして否定したくなかった。 ……誰かが祝福したからじゃない。 あたしが皆の分までこの夢を望むから、 光る痣を晒して、皆の為のパーティを開きたい」 誰も参加しなかろうと、ただ独りでもそこに立つだろう。 深い事情も知らぬままどこまでも独善的に咲き誇って、 現在を肯定して、いつか踏み出すための土壌を作る。 「なんであいつは平然と受け止められるんだって、 痣を持った誰かから疎ましく思われるくらいでいい。 ずっと先のいつか、他の皆の心がまた芽吹くとき、 憎たらしい大魔女の姿を絶対に思い浮かばせるわ。 それぐらい──綺麗なドレスを、あたしに纏わせて」 葉と蔦のストールを靡かせて、えらく抽象的なイメージを。 大魔女の希望することは、それだけの大きな野望だった。 (+15) 2024/02/10(Sat) 8:03:00 |
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