【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ「からかってもねェさ」 チラリと少女の体を見て。 (――そいつは、食えねェときがあるってこったなァ) 着地に迷った視線は、最終的には細い手首へ注がれた。 右の指で飾りの十字架を弾く。 「そいつはいい。食えるときにたんと食わねェとなァ。 ――と、ズイブン立ち話に引きとめちまった。 おれァそろそろ仕事にいこうかな」 (-26) 2021/07/01(Thu) 1:51:32 |
【秘】 焦爛 フジノ → 遊惰 ロク「……どう、だか」 真意は読めない。……読めたところで。フジノがなにかできるようなものなんて、フジノの世界にはそうないのだけれど。 「お互い、ね。……仕事? ……いいよ。私も、暇だったから。 何するか知らないけど、気をつけて、ね」 あの警官のように外で作業でもするのだろうかと、推測した。 外の様子を思い浮かべてそんな言葉をかけ、貴方を見送るだろう。 (-49) 2021/07/01(Thu) 22:22:58 |
【人】 焦爛 フジノ>>10 メイジ 広げられる玩具に目を白黒させる。 こんなにたくさんの玩具を前にする事なんて、なかったから。 「う、ううん……並べたり、弾いてるとこは、見たけれど……」 ……確か、あの子達はこうやって遊んでいたはずだ。 恐る恐るといった様子で人差し指を伸ばし、弾く。 ぱちんと、おはじき同士がぶつかる軽やかな音が響いた。 ―――そして、ふと影ができる。 「っ、ぇ、え? あ……ありがとう、ございます……?」 隣の少年と同じくびくりと顔を上げたと同時に、置かれた箱。 >>5 ミロクの背中に混乱したままお礼を投げかけ……どうやって使うのだろうと、少年の問い掛けを横で聞きながら箱とおはじきを順番に見ていた。 (11) 2021/07/01(Thu) 22:49:41 |
フジノは、スーーーッと外れたおはじきを黙って目で追った。ノーコンかも…… (a3) 2021/07/02(Fri) 1:44:44 |
【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ 『お互い』に「だなァ」と頷いて。 その後に続いた、気遣う様な言葉にキョトンとした顔になる。 その顔はこれまでより幼い印象を与えるかもしれない。▼ (-57) 2021/07/02(Fri) 2:00:44 |
【秘】 遊惰 ロク → 焦爛 フジノ 直ぐにニカリといつもの笑い顔を浮かべる。 ヒラリと手を振り、別れの挨拶を告げて踵を返した。 「ンじゃァこれにてご免。 お嬢サン、次は座って話そうや」 (-58) 2021/07/02(Fri) 2:01:04 |
【人】 焦爛 フジノ廊下を歩き、通りすがった部屋をちらりと覗き見る。 探し人の姿が見えないことを確認すれば再び歩き始める。 結われた髪は所々ほつれている。 滅多に手入れなんてできない、伸びるがままに伸びた髪だ。 自分で直すことはできたけど……そうしてしまうとあの約束がずっと、果たされない気がして。 そう広くはないこの病院の中、アユミを探して歩き回っていた。 雨風は依然、止む気配はない。 (19) 2021/07/02(Fri) 12:56:12 |
【秘】 流転 タマオ → 焦爛 フジノ 何処かの廊下。ころん、あなたの足は何かを蹴って転がした。大きなびぃ玉よりも一回り二回り大きな球体が、ぽつぽつと赤い跡を床につけてゆく。 ──それは、人間の眼球だった。 視界に入った翡翠は、血に濡れてなお現実離れした鮮やかさを保っている。誰のものかはすぐに思い当たるだろう。 血の跡は不自然に途切れていた。想像を巡らすのなら、彼の身体の大部分を運ぶ“誰か”の存在が過るだろう。まさか本人が目玉を落とすわけもない。 あなたは目玉を拾うことも、放っておくことも出来る。 (-165) 2021/07/03(Sat) 22:51:25 |
【独】 焦爛 フジノ/* WHY??????????????? タマオ 秘話 ナンデ????????ア???????? みんなに送ってるんですか? 個人宛に送ってるんですか? エッ……ウォ……オア……???? (-170) 2021/07/03(Sat) 22:59:24 |
【秘】 焦爛 フジノ → 流転 タマオゆら、ゆら、と歩いていた。 歩いて、歩いて、歩いて……そしてこつんとなにかを蹴飛ばした。 ……なにを? 視線を向ける。 赤黒い跡がそれの向かった先を教えてくれた。 建物を包む雨の匂いの中に、鉄の匂いが混じる。 微かに震える足で、なにかに突き動かされるように跡の先。足に触れたものを探す。 そして、見つけた。 鮮やかな翡翠色が。こちらをじぃと見上げている。 片手を悲鳴を上げかけた口にやり、もう片方の手は咄嗟にやや膨らみかけた腹へと伸びた。 ここ最近感じ続けていたのとはまた別種の吐き気を、飲み込む。 大丈夫。飲み込む事には、慣れた。 「……タマオ、さん」 恐る恐る名前を囁き、周囲を見渡す。 ……翡翠色以外に、彼を示すものは残っているのだろうか? (-187) 2021/07/04(Sun) 1:49:52 |
【秘】 流転 タマオ → 焦爛 フジノ 沈黙以外に返るものはなかった。 あなたの胸中に渦巻くおもいとは関係なしに、目の前にあの警察官の眼球が存在するという事実だけが横たわっている。緑と白と赤以外に、彼を示すものはない。湿った血や粘膜は、この球体が彼の身体から外されて間もないことを意味している。 これはあなたが手に取っても別に消えたりはしないし、触れないのなら鉄錆の臭いと共にそこにあるままだ。人に見せたのなら、彼らはあなたと同じものを見ることになるだろう。 (-208) 2021/07/04(Sun) 5:01:04 |
【秘】 焦爛 フジノ → 流転 タマオ少なくとも、目に見える場所に。 警官の大部分も他の欠片も見つかりはしなかった。 ―――誰がこんな事を? わざわざ外された?なにか強い衝撃を受けた? ……まだ、こんなにも鮮やかなら。 近くに、そうした誰かがいるのではないか? 短く息を吐き、守るように身を抱きしめる。 決して栄養失調の症状などではない、膨らみを宿した腹を。 そのまま踵を返そうとして、 「…………」 床に転がる翡翠色を見下ろした。 貴方が補強した窓は雨風にぶつかり不吉な音を立てているが、しっかりと仕事をしている。 まだ通っているぼんやりとした光が無ければ、ここは夜のように真っ暗で何も見えなかっただろう。 それこそ、自分がうっかり足に当てたように。誰かに踏まれてしまうかもしれない。 ポケットから小さなタオルを取り出してそっと、翡翠を包んだ。 そして踏まれない場所に移す。 「……ごめんなさい」 小さな声で謝って。逃げるようにその場から去っていくだろう。 (-237) 2021/07/04(Sun) 17:25:44 |
【秘】 焦爛 フジノ → 商人 ミロク「生きて、子供を、産むこと」 「父親にこの子を、殺されないこと」 手足の細さに比べると幾分膨らんで見える腹を、撫でた。 栄養失調の病状などではない、膨らみを。 「そのためのお金を半年以内に、集めること」 「優しい人がいるところで、空いたお腹を抱えないで、自分の好きなように生きられること」 「……私ができなかったことを、望みたい」 『フジノ』の未来では、ない。 けれど、それが『フジノ』の理由であり、目的だった。 (-250) 2021/07/04(Sun) 20:43:09 |
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