控井は、メモを貼った。 (a6) 2022/09/29(Thu) 21:10:12 |
【人】 控井[最愛の人の名前の、一字を減らして"神楽"。控井神楽。 私がつけた、娘の名前がそれだった。 失意のどん底で喪ったものを、どうにか現実に留めたくて、 出来るだけ君の名を残した名前を、 二番目に愛する女性へ贈った。 男手一つで女の子を育てるのは楽じゃない。 異性相手では、配慮が行き届き過ぎても、 それはそれでよろしくないのだろう。 ここぞとばかりに、実家を……母を頼った。 娘を愛する気持ちはあれど、 誰よりも愛していたのは君だったから、 悲しみを紛らわせるように、遮二無二働いた。 彼女には、きっと寂しい思いを 沢山させてしまったのだと思う。] (56) 2022/09/30(Fri) 23:59:44 |
【人】 控井[そんな彼女も、もうここにはいない。 私が初めて贈った兎のぬいぐるみ、 ……確か彼女は"じゃっく"と名付けたのだったかな? 彼だけは変わらず、ここに残されている。 このぬいぐるみは、私の勤め先で作られたもの。 だから私としても、思い入れが強い。 取り残された男同士、明日は共に月見に行こうか。 幼い時分は彼がいないと眠れないなんて言っていたのに、 随分と薄情な事だね。 なんて言ったら怒られてしまうかな。] (57) 2022/10/01(Sat) 0:00:21 |
【人】 控井忘 千 侘 今 わ ら 種 し 日 が れ の さ か 袂 ぬ 数 の は べ も け [私たちの大切なお姫様は、 し れ 遂にお嫁に行ったよ。 ば 君にも立派な花嫁姿を見せたかったな。] (58) 2022/10/01(Sat) 0:00:52 |
【人】 控井[最初は君のいない世界で生きていたって仕方がない……。 なんて本気で思うくらい、悲しみに暮れていたというのに。 女の子はいつの間にか、女性となって羽搏いていくんだね。 気付いた時には、良人となる彼を紹介されて、 結婚できる年齢になった途端、この家から巣立っていった。 自分が大人になるまでは、 随分と長い道のりだったように思うのだけれど、 娘の成長は光陰矢の如しと言わんばかりの目まぐるしさ。 目を閉じればまだ少女だった ……何なら赤子だった彼女の姿が浮かぶ。] (59) 2022/10/01(Sat) 0:01:35 |
【人】 控井[彼女はとても敏い子で、 私の心の機微も察してくれていたように思う。 親だというのに、気を遣わせてばかりだったんじゃないかな? 「お父様、今まで育ててくれて、有難う御座いました」 と言われた時は、 こちらが百倍にして、その言葉を返したくて、 でも情けない事に言葉は出ずに、涙だけが零れた。 私の娘にしては出来過ぎていたけれど、 君の娘には相応しい、本当に素敵な女性に育ってくれた。] (60) 2022/10/01(Sat) 0:02:21 |
【人】 控井[一人になったこの家には、未だに慣れない。 そんなに広い家でもないのに、 一人欠けただけでこんなに静かになってしまった。 今でもつい彼女に話しかけようとしてしまう事がある。 恥ずかしいから、これは誰にも内緒の話だけれどね。 じゃっく、彼女が帰ってきても、口外してはいけないよ? 君と一緒になってからは、毎年一緒に月を見上げたね。 彼女が生まれてきてくれた後は、毎年一緒に月を見上げたよ。 遂に一人で月を見上げる時が来てしまった。 ……本当に寂しいな。**] (61) 2022/10/01(Sat) 0:03:09 |
控井は、メモを貼った。 (a10) 2022/10/01(Sat) 0:16:15 |
【独】 控井/* 更新今日だった……。 2日の8時だと思ってた。 あんなに親切に書いて下さってるのに、 更新日をいつも勘違いしている。 休日だし、ハイペースに頑張らなくては。 皆様の物語、読み応えあるなぁ。 本編入りがとても楽しみです。 (-19) 2022/10/01(Sat) 0:35:18 |
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