【墓】 額縁の外 卯波>>2:174 涼風 二日目 川 「成長した俺の写真……か。ふふ、期待に応えられるかな。 何か遊びに行くでもなければ暫くは暇だから、大丈夫です」 言葉の一つ一つが、 ちくちくと胸の内を刺していく。 気遣うような笑みに返した、満面の笑みの下はもう既に陰りが満ちていること、何も明かせない自分の内側を偽って接していること。 全部仕方のないことだと、わかってるけど。 約束を、ひとまずは快諾して。 「いつかはもっといい写真を撮れるようになって、みんなが近くにいなくても俺の写真が届くようにします。 例え未来がバラバラだとしても……みんなの人生に関われたら、いいな」 写真を見てもらって褒められるのは嬉しい。 だから、写真を見せることは、楽しい。 今は、それだけしか考えないようにした。 その後に何が起こるか、露ほども知らずに。 (+8) 2021/08/13(Fri) 3:54:54 |
【秘】 夕凪 → 額縁の外 卯波「へっ? 卯波?」 なんとも素っ頓狂な声を夕凪は発した。 「落ち着いて、卯波。ごめん、 僕 が間違ってた。―――だけど贔屓目に見て、面白いんだよなあ編笠って」 あはは、と声を思わず出してしまって。 つい、うっかり、繕うのもやめてしまった。 「なぁ、本当に勝てそうにないのか? 卯波。 僕さ、今ので卯波のことめっちゃ好きになったよ。 可愛いし、格好いし、面白い」 夕凪の顔をした少年は、10年ぶりに笑いかける。 あなたの叫びを聞いたのに、やけに愉快そうに。 決して馬鹿になどしていない、だけど、少しだけ口元を緩めて。 「負けて悔しいなら、やっぱり捕まえにいこうぜ。 田舎の夏はこれからなのにいじけて過ごすのは勿体ないだろ? 将来の夢が警察官だからって、追いつけないわけないんだから」 (-53) 2021/08/13(Fri) 4:20:14 |
【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪 ・・・ 「───時任の兄さん」 その口調で、ようやっと、 今誰が話しかけてきてるのかを理解する。 反して、やっぱりこっちは背伸びを繕って。 「……俺は疲れたんですってば。 でも、馬鹿にしないでよ、時任兄さん。 俺が写真を撮り続けてる理由ってのは、 みんなの思い出が褪せないようにってだけじゃなくて。 警察官になった皆とまだ関わってられるように、 『記者』になりたいから。今も頑張るんです」 そうしてようやく、 十年前から変わった夢の形を、教える。 (-55) 2021/08/13(Fri) 4:44:18 |
【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪「追うのはやめたけど。まだ勝てるなら、 あなたの言うように捕まえられるなら。 ……少しだけ前向きになってもいいかもしれませんね」 貼りつけたものではない、 ちゃんとした微笑みを浮かべて。 「今日は確か、海に行くんでしたっけ。 ついていこうかな。 ここは居心地がいいけど、何にもないから」 (-56) 2021/08/13(Fri) 4:46:15 |
額縁の外 卯波は、メモを貼った。 (c11) 2021/08/13(Fri) 4:50:20 |
額縁の外 卯波は、メモを貼った。 (c12) 2021/08/13(Fri) 4:50:41 |
【秘】 夕凪 → 額縁の外 卯波「騙していたわけじゃないからな。 ここに来てから突然――入れ替わっちまった。 いつの間に夕凪になってるんだ…まあいっか。 なんか寝ぼけてるんだろう、夕凪の声遠くから聞こえるし」 あり得ないことを当たり前のように受け入れている。 あなたに不都合なところはきっと聞こえていないか疑問にすら思わないだろう。 なぜならば今この空間は夢の中だから。 どちらにしろ、今は片割れしかいない事実は変わらない。 「馬鹿になんかしてないって可愛いなあ。 だけど、つかれちまったなら甘える先は見つけておけよ。 夕凪も"もっと上の兄さんたち"にベタベタだ」 拗ねたように口をとがらせれば、ころっと表情を変えて戯けたように笑う。 「そういえば編笠も秘密基地、知ってるかもしれないんだって? 安全なところから見下ろしていたら、むかつくよなぁ。 うん、やっぱり海いこうぜ、編笠も引きずって。 僕、卯波がいないとつまんないし。夕凪たちにとって一番の撮影係は卯波なんだ」 手先が器用な悪がきのまま成長をした青年は、それはもう自由に、 永遠の夏を思うがままに楽しもうとしていた。 (-57) 2021/08/13(Fri) 5:10:47 |
【秘】 額縁の外 卯波 → 夕凪「入れ替わったって……また珍妙ですね。 頭でもぶつけたりしませんでしたか」 よくあるパターンをなんとなく言ってみる。 それもフィクションにしかない話なのだが。 ──夕凪と夜凪はちゃんと、 ひとりずつ、いたはず。 でも口振りからすると……? なんて、少しだけ思ったのだけど。 もし違った時恥ずかしい思いをしてしまう。 「甘える先、か。 俺はちょっとこう、一線引いちゃうと言いますか。 ……なるだけできるよう努力してみます」 甘えるのにも努力が必要で、息苦しい日々だ。 「時任兄さんも知ってたんだ。 うん。少し話したけど、晶兄も、 多分この秘密基地のことを知ってます。 ……暴く気はないですけど。田舎でずっと遊ぶのも悪くないかなって思いますし、それでも……そう!やられっぱなしは気に食わない!から! 横で撮らせてくださいね。あれだけ言わせたんですから、遠くからじゃ嫌ですよ」 (-74) 2021/08/13(Fri) 13:10:46 |
【墓】 額縁の外 卯波「〜♪」 都会の一昔前のヒットソングを口遊んで、 インスタントカメラをあちこちに向けている。 川でたくさん遊んだのに、 身体は疲れ知らずで、するする歩ける。 ……この辺りこんなナマコ多かったっけ。 「流石にコレ撮っても仕方がないですよねえ」 まだまだ被写体探しは続く。 (+11) 2021/08/13(Fri) 13:23:08 |
卯波は、今尚唄っている彼を、許しはしない。 (c13) 2021/08/13(Fri) 15:47:50 |
卯波は、砂浜を歩いている。首にかけているのはインスタントカメラだ。 (c16) 2021/08/14(Sat) 1:21:42 |
【墓】 額縁の外 卯波>>84 涼風 昨日は確かにデジタルカメラを提げていた。 晶兄が持ってきたのをみて、 やっと自分が持ってきたのを思い出したくらいだ。 覚えてもいないのにどうやって持ってこれたのかは定かではないが、今は関係の無い話だ。 「……そうだね、こっちは補正とか気の利いたものついてないし。ブレるのは味といえばいいんですけどね。 でも小さい頃から使ってるから勝手は分かってるし、それでも、」 それでも。心に変化があったのには間違いなく、 「今日はこれがいいの」 前後の文脈をすっ飛ばして、 そう言って笑みを浮かべる。 恋するような、悪戯でもするような、 もしくはちょっとした獰猛さが滲み出すような。 少なくとも、作り物ではない表情だった。 「ごめんね、何のことかわかんないでしょ。 でも、薫兄を失望させるようなのは撮らないって約束しますよ!これだけが、唯一の取り得ですから」 (+22) 2021/08/14(Sat) 2:56:06 |
【墓】 額縁の外 卯波「水着に着替えないの!?」 拝啓、十年前の俺。 十年後も振り回されております。 「相変わらず無茶しますね、瞬兄は。 一番昔から変わってないんじゃないんですか」 背中を追う、という点でいえば、 一番追いつきようがなかったのが彼だ。 向こう見ずでどこまでも走って、どこまでも男らしく格好良くって、もしかしたら自分の対極にいるんじゃないかとすらも思ったことがある。 彼を四角形に収める為に、カメラ扱いの腕を必至こいてあげたのは良い思い出だ。 「早く着替えてくださいね、風邪ひきますよ」 自分も飛び込んでみたら驚かれるかな、 なんて、子供っぽいことも考えてみる。 (+24) 2021/08/14(Sat) 3:29:43 |
卯波は、驚いた表情を浮かべて、微笑んで。 (c17) 2021/08/14(Sat) 3:36:46 |
卯波は、編笠に手を伸ばす。念の為、カメラは涼風に預けて。 (c18) 2021/08/14(Sat) 3:37:44 |
卯波は、思わず「えっ」と言った。 (c19) 2021/08/14(Sat) 3:52:47 |
卯波は、「瞬兄〜〜〜!!!!俺もう一回飛び込む!!!」だ。 (c21) 2021/08/14(Sat) 4:01:59 |
【秘】 学生 涼風 → 額縁の外 卯波/* 涼風PLの万華鏡です。八月三十二日さん、元気でしょうか。バグっていますか? 質問なのですが、涼風が預かっている『晶』と書かれた卯波さんのインスタントカメラは、撮れる残りの数は二枚以上ありますか? (-110) 2021/08/14(Sat) 4:27:17 |
額縁の外 卯波は、メモを貼った。 (c22) 2021/08/14(Sat) 4:28:04 |
【秘】 額縁の外 卯波 → 学生 涼風/* バグもバグハbガ、オオバグですとも。 はい勿論、撮れるかどうかではなく、 ”卯波が撮れたほうがいい”と思っていて、そこに田舎パワーを有効活用してるので、チャンスがあったらいくらでも撮れます! (-111) 2021/08/14(Sat) 4:30:40 |
【秘】 学生 涼風 → 枠のなか 卯波/* ありがとうございます。事後報告になりますが、田舎パワーを少しだけお借りしました。都合悪いことしていたらごめんなさいね。 (-112) 2021/08/14(Sat) 4:39:39 |
【墓】 枠のなか 卯波>>92 涼風 「───そう、だな。田舎の外にいる間に忘れちゃってたんだけれど。俺は何よりも、自分が撮りたいと思ったものを、最高の角度、時間で切り取って、それをみんなに観てもらうのが好きだから」 散々遊んで、水に艶めく髪を手櫛で纏めながら。 片手間に傍に戻ってきて、話の続きをする。 「昔からずうっと俺は、人の思い出の一部になろうとしてたけど、違った。 俺が、みんなを、どこにでもある綺麗なものを、何度も、何度も何度も思い出にする。写真と変わらない。田舎に帰って、それに気づけたんです」 その背中を押してくれたのは、薫兄も含めた、 田舎の人たちだっていうことが、何より嬉しい。 「みんなを、俺の記憶の、その枠の中に。 昨日は写真がみんなの下へ届いたらいい、って言ったけど、俺は……自分の足で皆を撮りに行きたい。 将来は、そんな仕事を選ぼうかなって思いました」 (+32) 2021/08/14(Sat) 14:31:49 |
卯波は、田舎に永遠に残りたいと思う。それができたら素敵だと思う。 (c23) 2021/08/14(Sat) 14:53:47 |
卯波は、それが叶わないのだとしても。出来ることがある、とも思った。 (c24) 2021/08/14(Sat) 14:54:02 |
【墓】 枠のなか 卯波>>112 青嵐 「今更気付いた?瞬兄のそういう、 細かいとこ気にしなかったり、 気楽に構えてるところは美徳だけど、 たま〜に苦言言われてるの、俺は知ってますから」 時任の姉さんがちょっとね〜と、 聞きようによっては思わせぶりなことを言う。 それでも見習うとこは見習うべきではあるが。 「あはは、そうだね。こんなに揃って会えるんだし、 会えないことはない。でもちょっと寂しいけど。 色んなとこ飛び回って、みんなに会いに行くって目標を立てたから本当に『会おうと思って会いに行く』ようにしますよ、俺は!」 無遠慮な手に頭を掻き撫でられ、 あ!折角髪結び直したのに!と文句ひとつ。 それでも心地よさそうに目を細めて。 「え、かけっこってそれは俺に勝ち目ないけど! 行くぞて、も〜〜、待ってってば〜〜〜」 そんなこんなでもう一人の先輩の下へ改めて向かうのだろう。 (+34) 2021/08/14(Sat) 16:30:50 |
卯波は、あなたの四角形の型に収まる気はない、と笑った。 (c25) 2021/08/14(Sat) 17:07:43 |
卯波は、決闘だなんて柄にもないけど、と重ねて笑った。 (c26) 2021/08/14(Sat) 17:09:18 |
卯波は、卯波だけの四角形を作り続ける。一つに固執するあなたには負けない。 (c27) 2021/08/14(Sat) 17:10:03 |
卯波は、ただただ笑った。もう嫉妬することはない。 (c28) 2021/08/14(Sat) 17:10:22 |
【墓】 枠のなか 卯波受け取ったカメラを一旦手荷物に戻し、 水着へ着替えることに。人も寄ることもないだろうと、 近くの物陰で思い切って衣服に手をかける。 上着をしっかり、細腕で絞り、 肌に纏わりついて離れないシャツを、両手をクロスさせて無理矢理引っぺがした──ところで。 ふと、自分の両胸に手を当てる。 筋肉の僅かな硬さ。なだらかな、 未だ成長を感じさせるような感触。 「男の子らしくなりたいんだよ、僕は」 まだ解消されてない違和感が一つだけある。 何かしっくりこないような。現実味の薄いような。 カメラによって切りとられた顔を、 勇気を出して、なんとか、見つめようとする。 (──ああ) 自分が、今まで自分のことを見つめられなかったから。 『今の自分』の外見を、他人に委ねてしまっているんだ。 少年が、段々と元の形へ戻っていく──。 (+35) 2021/08/14(Sat) 18:11:07 |
枠のなか 卯波は、メモを貼った。 (c29) 2021/08/14(Sat) 18:12:31 |
卯波は、ゆったりとしたラッシュガードを着た。そしてもう一度「海だ〜〜〜!!!!」 (c30) 2021/08/14(Sat) 18:21:14 |
卯波は、威圧感に気付いた。 (c31) 2021/08/14(Sat) 18:28:09 |
卯波は、反射的に腕をあげると、ナマコをキャ〜〜〜ッチ!!! (c32) 2021/08/14(Sat) 18:28:39 |
卯波は、ナマコを海にリリ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ス!! (c33) 2021/08/14(Sat) 18:31:22 |
【墓】 枠のなか 卯波「油断も隙もないなあホント!」 ナマコさんが可哀想でしょ!(委員長) 「あ、茜ちゃん」 そして、透けてる様子に気付いたようで、 小走りで荷物を漁り、大き目のタオルを取り出してみせつつ、自分の胸元をとんとんと叩く。 「さっきも水かけまわってたでしょ、 一旦休憩にしようよ。両手のナマコは引き受けるから」 ほんのわずかに頬を染め顔を背けて、 気付いてくれ〜と気遣いをしてみて。 (+37) 2021/08/14(Sat) 18:37:48 |
【墓】 枠のなか 卯波「こ〜らからかうんじゃありません」 だから見ないようにしてたんでしょ〜なんて言う。 ああ、そういう方法もあるんだ、とちょっとだけ感心したりして。 「茜ちゃんは着替えちゃんと……あるよね、茜ちゃんのことだもの。いや、安心した。 十年越しに女らしさを磨いたところを目の当たりにするとは思わなかったよ〜」 (+38) 2021/08/14(Sat) 18:49:33 |
卯波は、最後にカメラで海の風景を撮るだろう。 (c35) 2021/08/14(Sat) 20:58:38 |
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