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人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「……よかった。ヴィットーレ、全然大丈夫に見えない時も
 いつも大丈夫って言ってくれるから…
 ……もう、痛い時は痛いって言っていいのに」

心から安堵したように肩の力を抜いて、深呼吸する。
よかった、とようやく"大丈夫"が心に届いたかのように、
安堵感が押し寄せ、つい頬も安心したかのように緩む。

「ヴィットーレの言うことを信じて耐えてよかった。
 ……あの時、焦って動く事が最も悪手だっただろうから」

「って、言っても、私も牢に捕まっちゃったんだけどね」

なんて、ぼそぼそと目を逸らしながら少し引きつった笑い。
それでも捕まった理由は無暗やたらに動いていたせいではないから、これは不可抗力だと言い聞かせるように頷いた。

「……うん。3人の事を探す、と、
 ちょっと関係ある事なんだけど……」

視線がゆらゆらと揺れている。
次に発する言葉は間違いなく貴方には否定される。
そう思えても、ずっと隠し続けるのは"誠実"ではないからと、
彷徨わせていた視線を上げて、
貴方の視線の先、窓の外に向ける。

「あのね、ヴィットーレ。わたしね、
 実は……マフィアに入ろうか、ずっと悩んでるの」
(-44) 2023/09/27(Wed) 22:15:00

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-43

「今回が特別だよ。
 こんな事はもうないと願いたいとこだけど」

そう何度もあってはたまらない。
こんなヒーローまがいな事は、自分には決して似合わないのだから。
それに、アニメや漫画と違って、こういうのはそう簡単に治るものでもないから、次の話では元通り!とはいかないのだ。

「……そう、だね。
 医者からはリハビリ次第とは言われてるけど、関節が壊れてるらしいから……以前と同じレベルをとはいかなさそうだ」

神経が切れたわけではないから、麻酔が切れればきっとすごく痛いんだろうね。なんて軽く話しては笑う。
落ち込まれてしまったらどうしようかと思ったが、あなたがその様子なら大丈夫かとホッと胸をなでおろした。
身内になってしまった人間で女性なのはあなたくらい。
どうあがいても、あなたには甘くなってしまうらしい。

「警察辞める事も考えたけ………ど、って、ええ?
 それ、退院してからの話かい? 朝ごはんはそもそも食べないんだけど……昼だけで勘弁ならない?」

とはいえ、胃についてはご覧の通り。
そう簡単に大きくなるようなことも、なかった。
(-45) 2023/09/27(Wed) 22:28:06

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-45
「私もそうであってほしいと願ってるわ。
 世界を救うヒーローになったって、泣く子はいて。
 それは大体貴方のそばにいる子になってしまうからそれが心配。
 そういう人がいないならまあ、たまには、ね」

地味に遠回しな「いい人はいるの?」と聞いてきている。
最もいたとしてその人が泣くタイプかは未知数だけど。

「……そう。……リハビリ、大変だっていつも聞くわ。
 少しでも友人として支えになれるかはわからないけど……
 弱音を吐きたくなったら、いつでも使ってね。聞くから」

以前のアリーチェなら確かに落ち込んで、私達のせいで……なんてしょぼくれていた姿を見るのは明らかだった。
それが、どうしたことか。何か心境の変化でもあったのか、
成長する"何か"が起こったのか。少しだけ強くあった。

「……そう、こればかりは難しいわね。
 私個人の意見だと、エルヴィーノには警察に残って欲しいけど…

 ……あら、でも朝食べて行かないと体力もつかないわ。
 腕が動きにくいならせめて体力はつけておきたいじゃない」
(-54) 2023/09/28(Thu) 0:10:48

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-54

「僕に何かあって泣くヒロインの話かい?」
「……そんな子はキミくらいでしょ。残念ながら僕のヒロインではないけどね。
 ……まぁ、ヒロインかはともかく―――――……いや、なんでもない」

言いかけて、止まる。
それはあたかもそういう存在が居ると言ってるようなものだが、あまり不確かなことは言いたくなかった。
少なくとも、頭に浮かんだ人物が泣く所は想像できない。

「はは、キミが元気づけてくれるのはありがたい。
 それにしても……随分様子が変わったね。クロスタータでおどおどしてたのが嘘みたいだ。
 僕としても職は失いたくないけど……ま、リハビリ次第かな」

今、右手を失うわけにいかない。
男の目的はまだ、何一つ果たされていないから。
そんな事を考えながら、右手に力を入れてみた。
―――まだ何一つ動かすことの出来ない手だが、痛みという感覚だけはある。
自分の手はまだちゃんと腕に、肩に繋がっている。
それがわかるだけ、今は十分なことなんだろう。

「食事の方は……
まぁ、退院するまでに少し胃を強くしておこうかな


ある意味、肩のリハビリより努力がしづらい難題だった。
(-57) 2023/09/28(Thu) 1:51:48

【秘】 オネエ ヴィットーレ → favorire アリーチェ

「ふふ、ごめんなさいね。
 つい、昔からの癖で………」

スラムで生きてきた頃は、弱みを見せないように。
孤児院に居た頃は、心配させないように。
院長であった頃は、遠慮させないように。
常に元気に振舞う必要があったものだから、
ついつい染みついてしまった"大丈夫"の癖。
…これからはちゃんと弱さも見せられるよう、
少しずつ頑張っていきたいなと思う。

「えっ!?捕まってたの!?
 大丈夫!?怪我は!?酷い事されなかった!?」


そうしてあなたから零れた言葉を聞けば、
牢の中ではほとんど意識が朦朧としていたヴィットーレは
それはもう慌てて、貴方に寄り詰めようとしてベッドの上で
よろけたりしたことだろう。
怖かったわね……なんて眉を下げて労わる様は、
やっぱり昔から変わらないお兄ちゃんの姿だ。

そんな顔も、貴方からの打ち明け話にはぴし、と固まる。
貴方にはいつも柔らかな表情を見せていたヴィットーレも、
この時ばかりは渋い顔をして。

「……マフィアは優しい世界じゃないのよ。
 昨日まで喋ってた人は死ぬかもしれないし、
 マフィアってだけで酷い事もされるかもしれない。
 酷い仕事だってたくさんしなきゃいけないの。
 アタシは………反対だわ。」
(-68) 2023/09/28(Thu) 8:15:27

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ

「俺はルチアーノだ。
 はじめましてだなあ……友人の妹分だと聞いている。
 様子を見てやりたかったんだが、結局こんなところで話すことになるとは夢にも思わなかったね」

どうして男と二人きりで危機感が緩むのやら。
随分と気を許されているようだが今は気にかけることをやめた。
大事なのは無事に貴方がこの牢獄の迷宮から抜けることが出来るかだ。

「あの二人は大したこと……ないだろうー。
 これは一種の信頼でなあ?
 ここを出たら一緒に酒を飲みにでもいくさ。
 それで――」

「誰を探したいんだ? 俺が手伝ってやろう。
 丁度外に出る準備は整っているんだ、その連れも一緒に出ればいい」

さて、目の前の彼女は何処と繋がっているのやら。
やり残した冤罪の証明を自分自身でしなければいけない。
(-79) 2023/09/28(Thu) 10:30:43

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-57
「あら、あらあら……」

ヒロインかはともかく、の先に、
何か紡がれる言葉があったのだろうと鈍い女でもその意味にはさすがに気付いたようで。
自らの頬に手を添えながら、「エルヴィーノの事を大切に思ってくれる人がいるのね」と微笑む。

「今度よかったら紹介してね」

何て、嬉しそうに笑みを深めて笑う。
のだが、貴方の大切な人はこちらの大切な人の拷問相手と言う有様である。
その事実を知った後に出会うと互いにどうなるか、今は不明なのが恐ろしい。


「あ、あの日は、自分のタイミングの悪さに普段よりも
 落ち込んでいたのもあったりしたからで……
 ……変わった、かなぁ。自分ではいまいちよく
 わからないのだけれど、支えたい人ができたから、かも」

少し照れ臭そうに前髪を指先で弄って、くるり。

「あんなに凄い事をやってのけたのに、朝ごはんの話に
 なると途端に自信なさげになるんだから。
 ん。病院の人の指示をよく聞いて無理なく鍛えてね」
(-108) 2023/09/28(Thu) 20:39:08

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-108

「…………何も言ってないのに」

言ってはないが言いかけたことが完全に失言だった。
苦虫を噛み潰した幼な顔をして息をつく。
余計なことは言うまいと心に決めて話を聞いてると、支えたい人という単語に、「へぇ」と目を見張った。

「なるほど、前よりずっと綺麗に強くなったわけだ。
 僕らの助けはもう必要なくなるのかな? それはそれで寂しい気もするね」

恋する女は強いものだ。
多分、男よりもずっと強くて、勝算は万に一つもありえない。
これは好かれた男は大変だなと、目を細め。

「まだ重湯くらいしか食べてないけどそれでもキツくてね……」

などと言いながら困った顔をしながらも、心の中ではあなたの幸を祈っていた。
(-116) 2023/09/28(Thu) 21:28:40

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
「え、へへ……実はまだ腕とかはちょっと痣が残ってるけど、
 でも訓練の時とさほど変わりないくらいの痛さなんだ。
 痛くないとは言わないけど、大丈夫!って言える程度の
 怪我なのは本当だよ。ほら、元気元気」

温かい。昔から変わらないはずのお兄ちゃんの姿に、
何故か頬が熱くなるのを抑えきれずに、
元気をアピールしたもののすぐに気まずげに俯いてしまう。

「守ってくれたおかげだよ」と、よろけた貴方を支えようとした手を下ろしながら、労わるように貴方の傷付いた片腕の怪我のない部分をそっと撫でた。

「わたし、牢にいるだけでもあんなに億劫だったのに、
 あんな環境で拷問まで受けて、ずっと耐えてくれて、
 だから逮捕理由も、貴方の関係で逮捕されたわけじゃないの。
 ちゃんと守り切ってくれてた。……わたしのお兄……」

お兄ちゃん。今まで自然に呼べていたその呼び名。
なのに喉の奥に引っかかって取れないように詰まるから、
少し不自然な間の後、名前で呼び直した。

「……ヴィットーレは、やっぱり凄いよ!」▽
(-126) 2023/09/28(Thu) 22:40:23

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「わ、わかって……ううん、こればかりは、
 入ってる人にしか本当の過酷さはわからないだろう、けど。

 でもね、人が死ぬのは今の警察でもそう。
 それに、マフィアじゃなくても貴方に助けられていなかったら、あの時酷い目にあっていたかもしれないし、
 酷い仕事も、今回わたしは選ばれなかったけど……

 A.C.Aに着任していたら、それこそヴィットーレ、
 貴方に酷い事をする命令を受けてたのは、
 ……わたし、だったかもしれないから」
 
強引すぎるとも言える逮捕を実行していた警察組織の名。今回の件で多くのマフィア、警察問わず多くの人間から恨みを買った事だろう。後の報復も視野に入れておかなければならないこの組織に、入らないで済むなんて保証はなかったはずだ。

「勿論大半の警察官は善良な人たちではあるでしょう。それでも警察は安全な組織である保証もなくて、それなら。
 この人は大丈夫って心から思える人の傍に居たい。

 同じ組織なら、貴方に銃口を向けろと命じられる事もないし、……マフィアじゃないとわからない悩みがあるなら、私、なって支えたいって、そう思ったの」

「……でも、本気でヴィットーレの負担になるのなら、マフィアには入らないわ。支えたいのと押し付けたいのは違うから」
(-127) 2023/09/28(Thu) 22:41:54

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「え」

ぱちぱち、大袈裟に瞬きをして、

「貴方が噂のルーカスさん!……あ。
 ……って、友人が言ってて……し、失礼しました……ルチアーノさん……」


初対面の人にいきなりあだ名呼びとは、
うっかりとは言えあまりの失礼さに目を思い切り逸らし。

「ニコとテオの妹分?……ふふ、そうなるのかな。
 私としては幼馴染は幼馴染ってジャンルなんですけど……

 ニコに言われたの。情報で困った時はルチアーノって
 男を頼れって。だから余程凄腕の諜報員なのねって。
 ずっとお会いしたかったけれど、私もこんな所で
 会う事になる事になるとは思わなかったわ」

この女は幼馴染二人に絶対の信頼を置いている。
それだけにそこの共通の友人なら、警戒をすることもないだろうとむしろ憧憬の眼差しで見つめている。

はずなのだが、その上でなお、一瞬話していいのかと悩む素振りを見せて、暫し悩んだ末にその名前を答える。

「……ん、いえ、私一人でも……
 ……でも、そう、ね。
……ヴィットーレを、探してて


「私が会いに行った数日前で既に拷問を受けてたの。
 今はもっと酷い事になってるかもしれなくて、だから
 ……手助けをお願い、出来ますか」
(-130) 2023/09/28(Thu) 23:06:22

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

「ふふ。声に出してない言葉、聞こえちゃったから」

少し機嫌よさげに笑って、そっか、やっぱりいるのね。
なんて、何も言われていないのに一人話を進める。

「もう、褒めてもお土産しか出ないわよ。

 ……それは、どうかしら……支えたい人ができたからって
 書類仕事が急にできるようになる訳でもないし……
 ……まだまだみんなにはお願いするかもしれないわね……」

言いながら封の空いた小さな紙袋を貴方に差し出して。
中に入っているのはテントウムシのキーホルダー。
男の人が持っているには少々可愛らしすぎる、といったデザインだ。
 
「お守り代わりにでも、と思って」
「フルーツと悩んだけど、エルヴィーノまだ余り食べられないでしょ?腐らせちゃうのもまずいなって」

「そうだ、退屈していない?
 あれなら本でも適当に買ってくるけど。
 ……でも、エルヴィーノならお願いできる人沢山いるかな」
(-133) 2023/09/28(Thu) 23:21:00

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-133

「お土産?」

話を逸らすように聞き返せば、差し出されたのはテントウムシ。……の、キーホルダー。
聖母マリアの使い。幸運を呼び込み、病や災いごとなどの不幸を運び去ってくれるそれは、愛らしいデザインで確かに男性向けのものではない。
それでも、そこから伝わってくるのは気遣いと祈りが込められてるのがわかるから悪い気はしなかった。

「ありがとう。ごめん、もう少しこっち来て」

右手が動かないから、左手をそちらに伸ばして受け取った。
逆手では届かなくて、あなたにこっちに来て貰う形になっただろう。

「可愛いね、これ。
 あぁ……今はまだ殆たべられないからね……本は助かるな。
 毎日寝てるだけだと暇だし……ページがめくれるようになったら読みたいな。
 推理小説が好きなんだけど……、……ブックスタンドも欲しいかもしれない」

両手が使えぬと本も読めなかった。
(-138) 2023/09/28(Thu) 23:53:55

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ

「噂のルーカスさん、ははっおもしれえ言われようだな。
 好きに呼んでいい、歳もそこまで変わらん、テオドロの一つ上でリヴィオと一緒だ」

さらりと貴方の同僚達と仲がいい旨も告げる、年齢はわざわざ聞いたものではなく調べたものだが。
それぐらいは気にするような者達ではないだろうし、歳を知っているという情報も巧妙に隠しているつもりだ。

「ヴィットーレが拷問?
 あいつ、自分の店が燃えて警察に捕まったと思ったらそんなことになってたのか。
 仕方ないな……あー、……ん−?」
「……、
すまんヴィットーレやらかした


どうやら名を挙げた彼とも知り合いではあるらしく、同時に何かを謝罪した。疚しいことでもあったのだろうか。

「よし、今から何でもしてやる。奴には特上の個室を寄越そう。
 お嬢さんも付き添いだけじゃあなくて一緒に診察は受けてくれ。
 こんな悪環境で何か病気を貰っていてもおかしくない、
 同じ病院でかかれるように手配してやる」

「そんなところか、運ぶのは今すぐしよう」

電話を手にして部下に車を手配させた。
そうして踵を返せば、彼の牢屋までの長くない道のり、貴方を連れてその道を行く。

「あんたはヴィットーレがなんの罪で捕まったか知ってるかあ?
 俺はな、少しだけ。それが悪い事かどうかは知らんが。
 お嬢さんはどう思う、取締法で捕まったやつらのことや
 ――罪もないのに捕まえられたこと。
 こんな可憐なお嬢さんが冤罪以外で連れてこられることなんてないだろう?」
(-155) 2023/09/29(Fri) 2:03:24

【秘】 オネエ ヴィットーレ → favorire アリーチェ

腕に痣、と聞けばすこし悲しそうに顔を歪めるけれど、
でも、尾を引くものじゃないと分かれば安心したように。
きちんと座り直して、大したことじゃないわ、と笑う
ヴィットーレは、昔からずっと変わらない、
貴方の、みんなのお兄さんのまま。
名を言い直した貴方には少し首を傾げたりしつつ。

「……それでもアタシは、貴方にマフィアには
なってほしくないわ。それは、マフィアという職業が
危ないからというのもそうだけれど……
…もし何かがあった時、何かをする時、
同じ視点であるよりも、それぞれが違う視点を
持っていた方が、対応幅が広がると思うの。
……人探しという面でも。」

同じ立場では、同じ手段しか取れない。
もしもの時に手が届かない、守る手段がない、
そうなってしまう可能性がないとも限らない。
今回の件だってきっと、マフィアか警察、
どちらかだけではこんなに早く解決しなかっただろう。
貴方を側で守りたい、という気持ちはあるけれど…でも。
やっぱり貴方には、法に守られた場所で。
今までの仲間と共に過ごしてほしい、そう思う。

「……それでも不安なら、そうね……」

ヴィットーレはそう呟いて、少し思案して。
それから顔を上げて。
(-168) 2023/09/29(Fri) 6:07:20

【秘】 オネエ ヴィットーレ → favorire アリーチェ



「……一緒に住む?それなら少しは安心かしら。」


孤児院で、他の家族と住むのと同じような、
そんな気軽な口調で。
そう言ってのけた。
(-169) 2023/09/29(Fri) 6:08:46

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-138
「あ、ごめんね。はい」

貴方の左手で自然に取れる位置まで移動して、
改めて大変そうだなと手の様子をまじまじと見つめている。

「ちょっとかわいいの買いすぎちゃったかな……
 って思ってはいるのよ。……不要だったら他の子に
 遠慮なく渡してくれたりしてくれていいからね」

棄ててもいい、とは、貴方は絶対しないタイプだろうから
わざわざ言葉に出したりはしなかった。

「それならお土産、ブックスタンドの方がよかったかも。
 今度持ってくるわね。推理小説好きって格好いいし
 表紙が格好いいデザインが多いものだから、エルヴィーノの為って理由をつけて本屋で選ぶのちょっと楽しみになってきたわ。

 後は最近音声で本を読む、って言うのもあるから、
 あれ、試してみたらどう?お料理の最中とかに
 わたしはたまに聞いたりしているのよ」
(-201) 2023/09/29(Fri) 17:50:20

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「まあ、リヴィオ先輩まで?
 警察に仲良しが随分多いんですね。なんだか私だけが
 お会いした事がないの、少し寂しくなってきたわ」

言いながらも拗ねた素振りもなく、笑顔な事から
どうやらこれは軽口の一環らしい。

「……ヴィットーレと親しい、ご友人かしら。
 い、色々ご迷惑をかけてすみません。でも私からもお願いします。病院の手配とか、一般の病棟しか連絡もできないから……」

随分と気の利く男の人だ。なるほど、友人の数にも納得だ、となりつつ、病院への手配が終わると口を引き結んで、まだ痣の残る腕をさすり上げる。

「……悔しいな。こういう時、いつも。警察じゃなければ何かできたんじゃないかと悔やみそうになるの」

「……聞いてないわ。ただ、ずっと私達家族の事を
 守ろうとしてくれてたのは、知ってる。
 ……だから人より拷問されることになったことも」

貴方の言い回しに違和感を感じたのか、尋ねられると困ったように顔を上げる。どう思うか、法案について述べろと人に言われた事は初めてなのもあって。

「……そも、この取締法自体に私は納得していなかったと言うの前提で話すけれど……冤罪が多すぎるのよ。一番最初に捕まった巡査を覚えている?同僚だけどとても投獄される子じゃなかった。

 ただ、私は……私が投獄された罪状は完全な冤罪、だけど。
 ……貴方がマフィアだから答えるけど、取締法の別の罪状に値はしていたと思う。──頑張って隠して来ていたけれど、やっぱり、いつもみたいに駄目だったなぁ」
(-205) 2023/09/29(Fri) 18:10:50

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「……ヴィットーレは今、結構偉い立場なんだっけ。
それならそうね。捜査するにしてもマフィアの方面じゃ
入りたてになる私はあまり役に立てないかも……」

「もうひとつ、不思議な諜報ルートを見つけて、それで……」
「ね、……
ふぁい!?


──一緒に、住む!?
今とんでもない言葉が聞こえた気がする。

確かに貴方の思惑通り、傍に居られない心配は
毎日同じ家で共に暮らせば随分と懸念も軽減され、
安心して日々の公務に励みながら人探しもできるだろう。

「わ、わっ、」

なのだが、
ちょっと、今この繊細な乙女の気持ちを抱える女には
些か刺激が強すぎるというか、この気持ちを黙ったまま
一緒に住んでしまうなんて申し訳ないんじゃなんて
色々洪水のように気持ちは溢れかえってくるのだが──

「……いっしょに、くらせるなら……」
「くらしたい、です……」

しゅしゅしゅ、と縮こまって顔を真っ赤に染めつつ。
唇を真一文字に引き結んでいた状態から、
ようやく、その言葉をたどたどしく発した。

わたしのばかばか、誠実ってどこに行ったのよ!
でもいま、実はって告白をするタイミングじゃない気もして、
いえ、そうだとしても心の準備だって全くできていなくて、
結局何も言えなかった自分が情けなくてしかたないの……


それでも答えを変える気はないから、救いようがない。▽
(-206) 2023/09/29(Fri) 18:14:27
アリーチェは、両手を顔で覆ってもだもだした。
(a17) 2023/09/29(Fri) 18:14:37

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
「……わかったわ。マフィアになるのは辞めて今のままに。
 でもね、何があってもわたしは、
 マフィアの味方でも、警察の味方でもなく」

「ヴィットーレの味方だからね」
(-208) 2023/09/29(Fri) 18:19:16

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ

「そうだなあ、……といっても男連中とばっかだぞ。
 女性とはもっと運命的なところで出会いたいたちなんでね」

女性警官に殴られたのも男にとっては予想外だ。
警官をやっていたというのならもう少し慎重に扱っていた、なんて。

「あいつの店は知ってるだろ? 常連なんだよ。
 いくらでも融通利かせてやる、あいつのラザニアは失っちゃあならん。
 そんなあんたは恋人でもなさそうだが、仲がいいようで」

からかうわけでもないが軽口を。
貴方が彼に大切にされているとわかってしまったから。

「おっと。……家族ねえ。
 ……違う家族を持ってる輩が多いなあ、あそこは」

「……マフィアってばれてるなら隠さなくていいかあ。
 血の掟は結んでいないがこれでも警戒はされたく無くてなあ?
 ああ常連は嘘じゃないぞ、本当に店にはよく通ってる。
 だけどお嬢さんの話は全く聞いたことがなかったんだ。
 よっぽど大事にされてたんだなあ」

「ニーノ・サヴィアのことかあ。
 あれはなあ……悪意はなかったとしか言えんなあ。
 それでも悪い事であったのは確かだからいい訳は出来ん。

 なんだ、お嬢さんも少しは過激なことをしてたのかい。
 いいじゃないか、だったらバレないうちに早く出てしまおう。
 俺とヴィットーレでその罪ぐらい隠してやる、大方俺たちの仲間も関わってるだろ?
 駄目かどうかをお嬢さんが決めつけてしまわんでいい、ちょっとぐらい隠し事があってやんちゃしてる方が魅力的さ」
(-209) 2023/09/29(Fri) 18:25:48

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「う、……恋人、じゃないわ。
家族……」


貴方が女の扱いに手慣れているなら、この反応だけで
何を心苦しく思い、何故切なげな顔をしているかも
容易に読み取れはできるだろう。

「血の掟、あまり詳しくはないのだけれど、
 敵対組織と仲よくしてはだめ、とかだっけ?
 ……ふふ、疑ってはいないわよ。贔屓にしてくれてありがとう」

大事にしてくれていたことについても、疑った事はない。
今までのうのうと警察を続けて来られたのだって、
全部彼が大事に守り通してくれたのだろうと信じている。

「……ルチアーノ、何でも知ってるのね。情報屋顔負けだわ。
 わたし、貴方に会えたら諜報の極意を教えてもらうか
 弟子にして貰いたいって思ってたの。……だめかしら」

だめかしら、ではない。あまりに唐突に、もしかしたら
チャンスがあるとばかりに尋ねてくる女、おかしい。

「……困ったわね。少しで済むかしら……
 ……ヴィットーレに関わる件でちょっと、調査をしていて。その過程で色々知ってしまっていて……。

 ルチアーノに会うのもこれが初めてではあるけど、
 "声"は私はお会いしたことがあったわ。私を投獄した日の指示を貴方がしていたのも、聞いている。
 ……これでも魅力的ってまだ言ってくれるかしら」

心配そうに目を逸らす。まさか、それを聞いたのが不思議空間であることまでは説明しなかったが、逆にそれで貴方の会話を盗聴していました宣言になってしまう。
(-210) 2023/09/29(Fri) 19:04:19

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ

「おや? ……まー、今は忙しい事が多い。
 ちょっと込み入った関係になるんなら落ち着いた平和な時に口説いてやれえ」

「それとーそうだな、掟は警察とは仲良くしちゃならん。そんな感じのだ。
 だから俺たちも今はただ迷子を案内しているだけの仲だ」

今は誰にも聞かれてないとでもいうように、そういえば少し変わった道を歩いているかもしれない。
すれ違う看守いない、遠回りでもされていただろうか。

「アレは驚いたなあ。
 まさか俺に届いてると思わんかった、面白かったぞ?
 悪い事だと思わんくていいし気にしてもない。
 途中から聞かせてやる気だった上に、大事な部分は筆談でやっていたからな」

あっけらかんとした態度で貴方の罪は丸め込む。
そうして改めて足を止めればしっかりと向き合ってからその瞳を見つめた。

(-212) 2023/09/29(Fri) 19:25:09

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ


「というわけで、今話したことはここだけの秘密にしよう。
 内緒にできるな? アリーチェ・チェステ。
 女の秘密は魅力を高める、これぐらいは守ってもらおうか。

 それにせっかくヴィットーレが守り切っていた宝なんだ。
 これ以上自分から顔を出して奪われちゃあいつが可哀想だ。

 それが守れるってんなら、弟子……弟子ぃ????
 まあ……ニコロにも言われたしな。
 少しぐらいは隠れ方や調べ方を教えてやっていい。
 危なっかしいんだ今のお嬢さんは。
 油断を減らす術を身に着けた方がいいな。迷子も直せえ。
 ……あー。それで、構わないかい?」

そうやってあまり師匠ぶるのは苦手なんだがと、貴方にその手を貸すことは構わないと穏やかに告げた。
それは誰かから託されたことや、宝物である事実もあるが。
何よりも少し悪い事をした気がしてる女性の頼み事は断れない、そんな色男のちょっとした罪滅ぼしだった。
(-213) 2023/09/29(Fri) 19:25:25

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-201

「いや、これも嬉しいよ。
 キミの気持ちが籠もってるしね」

手の中のキーホルダーをみつめて、表情を緩めた。
流石に持ち歩くには可愛すぎるから、家に帰れるようになったら飾っておこうと思う。

「あぁ、ブックスタンドと本の代金は払うから頼むよ。
 ここにいる間に何冊も読めてしまいそうだから、キミのおすすめも混ぜてくれて構わないし。
 格好いいかはわからないけど……トリックとか先に解けたらよし!ってなるでしょ」
「音声か……イヤホンつければ確かにここでも聞けるからいいかもね」

料理は確かにやってると手が離せないから、音で聞けるのはいいのかもしれない。
なるほどね、なんて言いながら相槌を打った。

それはそれとして……。

「あれで皆外に出れたと思うけど……皆無事かな。
 ここにいると、外のことが何もわからないんだ」
(-216) 2023/09/29(Fri) 20:21:05

【秘】 favorire アリーチェ → 口に金貨を ルチアーノ

「驚かせられただけよかったと思うべきかなここは……
 こっちは毎回神経をすり減らして調査していたのに、
 実際されてる側にはそんなあっけらかんとされるなんて
 安堵はするけど複雑な気分ではあるわね……」

足を止めればこちらも止め、顔を上げて瞳を見つめ返す。

「──勿論よ、ルチアーノ。
 例えこれで魅力が下がろうとも、秘密は守るわ。
 貴方の言う通り、彼に余計な心配もかけたくないし、ね」

とりあえず諜報の件はひと段落付いたか、と。
安堵の溜息を思わずふぅ、と漏らす。秘密と言う形にする事でかえって肩の荷が下りたくらいだ。

「弟子」

弟子。

「先生と生徒でも全然構わないのだけれど、……
 ニコにまでよろしく頼まれてたの?…………もう」

隠せない笑顔が思わず零れてしまう。どうしてそこまでして、私の幼馴染たちは大切にしてくれるのだろうと。それに報いられる女になりたいなと改めて想い直して。

「……よく、言われるわ。危なっかしいって……そんなつもりは、無いんだけど……
 わ、わかったわ!油断は減らすし、迷子にはならない!
 次からはそうなるように最善を尽くすわ、だから……
 将来、恩返しできる人材にきっとなってみせるから
 ……改めて、よろしくお願いします」

深々と頭を下げてから、「やっぱり師匠と呼んだ方がいいかしら?」なんて本気の顔で貴方に質問もしてきた。
(-220) 2023/09/29(Fri) 20:45:50

【秘】 オネエ ヴィットーレ → favorire アリーチェ

「不思議な諜報ルート……?……わっびっくりした。」

テレビのチャンネルみたいにころっと表情が変わった
貴方に驚いて声をあげて。
昔だって、交流会の時には1日お泊りしたりしたのだし。
だったら一緒に住むのも大丈夫かな、と思ったのだけれど。
やっぱりもう大人だし、そういうのは嫌なのかしら?と
首をかしげて………

「……あら!ふふ。よかったわ。
 帰っても誰もいない生活ってちょっと寂しかったのよ。
 疲れて帰った時にアリーチェが出迎えてくれたら、
 アタシ、今よりもっと頑張れちゃうわ♡」

もちろん、貴方の帰りが遅くなった時は
ちゃんと出迎えてあげるからね、とウィンクして。
一つ屋根の下、きっと色々なこともあるだろう。
……乙女の貴方には少し、大変な日々となるかも。

「それじゃあ、退院したら貴方の荷物を運び出さないと。
 アタシのお家も片付けて……素敵なお家にしましょうね。
 何か要望があったら遠慮なく言ってね。アタシだって」

「アリーチェの……愛する家族の味方なんだから。」

手を伸ばしてよし、と頭を撫でようとするヴィットーレは、
やっぱり昔と変わらない。
貴方にとってはきっと少し物足りないくらいに。
これがその心持ちを変えるにはやっぱり……
"3つ"の重荷を下ろす必要があるのだろう。
きっとこれから、長い戦いになるはずだ。
(-299) 2023/09/30(Sat) 10:33:16

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-216
「……よかった。
 何だかんだ、正直言うと選んだからには、ね。
 喜んで貰えた方が嬉しいから安堵したわ」

両の手を合わせながら喜びを素直に露にする。
この辺りの喜楽の感情を正直に見せる所は昔から変わりのない所で。

「実は推理小説、あまり詳しくないのよね……
 あ、モンタルバーノは私も好きよ!あれ、あれはミステリーの方になるんだっけ……
 だから買おうとした本は一回」

「……警察を、やめる事になる人が少しいそうね。
 こればかりは皆各々の考えだから何も言えないけれど、
 寂しいって気持ちはあるわね。
私が言えた話じゃないけれど…」


なんせマフィアになろうと考えていた女である。
寂しいですら本来言ってはいけない話かもしれないが、皆なら許してくれるだろうとの甘えだ。

「さて、本屋が閉まる前に一度どんな本が並んでるか
 見に行ってこようと思うわ。またねエルヴィーノ。
 次の機会には本をどっさり持ってくるわ」

この女の事だから、加減しろと言うレベルの多さの本を持ってくるかもしれない。
(-319) 2023/09/30(Sat) 17:32:14

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

「お出迎え……わたし、お出迎えできるんだぁ……
 それは、がんばれる。今までの3倍がんばれる、かも」

わたし、そんないい所を貰っちゃっていいのかしら……
孤児院のみんな、ヴィットーレを独占してごめん。なんて、思わず謝らなければならない気持ちが急に込み上がってくる。

無論アリーチェの理想のお出迎えとは異なったものにはなるだろうが、それでも嬉しいものは嬉しいし、幼心にも抱いていた、少しでいいから貴方を独占したかった気持ちの芽が、ちょっぴり顔を出す。

「実は私、家具とか凄く少ない方で……
 運ぶの、あんまり苦労しないと思う。
 だからヴィットーレのお部屋の内装を邪魔する心配は多分ないと思うわ。
 でも、要望、言っても大丈夫なら……
 ……一緒に家具を買いに行って選んで欲しい、な」

頭を大人しく撫でられて、猫のように目を細める。
くすぐったいと思った。こうして大人になってまで
変わらず接してくれる貴方の優しさに、
相変わらず胸に疼く不思議な感覚に、
その上で貴方をどうしようもなく愛しているという感情全てに。

(-368) 2023/10/01(Sun) 0:16:42

【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
「……あのねヴィットーレ、アメリータのことだけど──」

それでも、重荷のひとつはすぐに下ろされる事だろう。
残りのふたつが下りるのも、もしかしたら
そう遠く遠くの未来の話にはならないかもしれない。
それはアリーチェ達の成長と決意、運や神様の祝福次第だ。

過酷な戦いにはなったとしても、それでもアリーチェは、
貴方の傍に居られるのなら、何度だって。挫ける事は、決して。
(-369) 2023/10/01(Sun) 0:18:20
 


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