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【人】 勝利への渇望 御旗栄悠何の感傷もなく、薬を飲んだ。 最初は踏み出せなかったその一歩も、 強制的な”お願い”をされたら、なぜか簡単で。 「………ふう」 身体能力の向上を感じる。 より速く走れるだろう。 より高く跳べるだろう。 正しく異能が強化されていて。でも、 「なんで若干身長縮んでるんだよ」 御旗栄悠は、13cm縮んだ状態で登校してきた! (0) 2021/11/06(Sat) 21:05:35 |
御旗栄悠は、162cm。 (a0) 2021/11/06(Sat) 21:07:35 |
御旗栄悠は、ちいせえ。 (a5) 2021/11/06(Sat) 21:31:59 |
【人】 勝利への渇望 御旗栄悠 (3) 2021/11/06(Sat) 21:35:38 |
【人】 162cm 御旗栄悠「竹村ァ…… この世に身長でイメチェンできる技術があったら異能の薬以上に需要がストップ高だぞ」 低い。どこまでも、印象が変。 (7) 2021/11/06(Sat) 21:57:59 |
御旗栄悠は、今日もいつも通りでは、流石にない。 (a11) 2021/11/06(Sat) 22:08:29 |
御旗栄悠は、周りの視線が痛いけど、素直に反省文書いた。あと屋上昇り降りした件も。 (a17) 2021/11/06(Sat) 23:19:50 |
【秘】 風雪 世良健人 → 162cm 御旗栄悠その日はいつになく色々なことがあって、寮に帰る頃には空は藍の染液のようになっていた。 呉藍色、とはよく言ったものだ。それが真に指すのは国のほうであるらしいけれど。 ひょっとしたらもう寝ているかも知れないと、夕食も済ませていない体をそっと扉の間に入れる。 同室の後輩がいつも早くから頑張っているのは知っているからだ。 鞄を挟んで音が立たないようにしながら、そっと扉を閉めた。 (-47) 2021/11/07(Sun) 3:19:18 |
【秘】 未完の英雄 御旗栄悠 → 風雪 世良健人後処理は頼れる先輩方に投げたものの、 練習も薬騒ぎの主犯もこなして、となると、 流石に疲れは隠せなくて、微睡ながらベッドに横たわっていて。短距離走者の虫にスタミナがあるはずもないのだ。 「……ん」 だけどその姿を見つけると、緩やかに身体を起こす。 呑気に、腕を挙げて伸びをして。 灯りのスイッチを一瞬だけ見て、また逸らした。 「お疲れ様です。 ……結局何にもならなかったですね」 自分を振り返って、あえてその言葉を選ぶ。 僅かに胡乱気な黒い瞳は、黒い髪は、夜が更けるにつれて、溶け込んでいくように。 「この騒ぎも少しすれば、また日常に戻っていく。 ひととき出し抜いても、すぐ忘れられていく。 些細な自己満足しか残らないものです」 (-75) 2021/11/07(Sun) 18:15:21 |
【秘】 未完の英雄 御旗栄悠 → 風雪 世良健人「ただ……満足はしました。 今は異能のことが嫌いでも。 今は自分のことが誇れなくても。 誰かが好きでいてくれる自分の人生は大切で。 なら、光が当たらないうちに、 子供のようにやりたい放題、癇癪を起こして」 「それでもまだ、人は好きでいてくれるなら。 きっと、必要以上に卑下することもないんでしょう」 底辺から眩い光に手を伸ばすのは、疲れる。 なら少しでも、近くの温かな灯りがあることに安心して、走る脚を緩めるのも、悪くないと思った。 回り道でも、牛歩でも、いつか辿り着くのなら、 ちょっとラクをしてみても構わないんだろう。 そうでしょう?なんて、聞いてみたりして。 (-76) 2021/11/07(Sun) 18:21:41 |
【秘】 風雪 世良健人 → 未完の英雄 御旗栄悠>>-75 >>-76 「おす。悪い、起こしたっぽいな」 返す声は小さい。微睡みを醒ましてしまわないように、そうっと部屋に響いた。 目線を追って指がスイッチをなでたけれど、結局つけないまま部屋の中に足を踏み入れた。 勉強はもっと小さな明かりで出来るし、荷物をおいてからもう少しやることもなくもないし。 手荷物を自分の机に起きながら、ぽつぽつと独白めいた言葉を聴いていた。 自分に薬を与えた彼はその顛末も薄々察しがついていて、 そして自分には見えていない全体の動きというのがあるのだろう。 渦中で、中心で、多くを動かしながら多くを見てきたのだ。 → (-77) 2021/11/07(Sun) 19:46:08 |
【秘】 風雪 世良健人 → 未完の英雄 御旗栄悠寝かしつけでもするみたいに枕元へ寄っていって座り込む。 めちゃくちゃ質がいいわけでもないマットレスに肘をつくと、ぐんと沈み込んだ。 そうだろう、と聞かれるのならば、きっとそうなんだろう。 「なんにもならなかったの、かもな。どんな形になれば、証明になるかはわからないけど。 俺も、ちょっと期待してみたほど、期待に答えてくれるものはなかったよ。 それでもさ、薬もらってみてよかったと思った。 もう、あやふやなものに期待しなくていいんだって。 漠然とした希望にもしや、たられば、なんて賭けなくていいって、わかって、よかった」 虫類の嗅覚であれば感じ取れるくらいの、人には及びもつかない域の薄い匂い。 ほんのりと手の内側に残った血の匂いは石鹸で手洗いしたくらいでは消えなかった。 傷もなければ痛みもない、ただ怪我をしたという事実しか残らないほどの異能の進化は、 それでもきっと、なんにもならなかったものの一つなんだろう。 「異能ってやつがあってもなくても、それと関係ない道の上にいていいんだなって。 俺はそう思えた。あってもなくても、お前の周りのやつは、きっとお前のことが好きだよ。 人だなんていう曖昧な集合でなくて、そうだな、俺はお前の人生のことが好きだと思う」 柔らかな肯定は励ましになるだろうか。 良くも悪くも、努力をしたあとは人は打ちのめされているものだから。 言葉のひとつひとつを拾い上げるように、肯いている。 「結局のところ、異能は俺の一部だけど、俺は異能の一部ではないんだよな。 当たり前だけれど、ああそうなんだなあって……決別しきれた。 だから、俺は結構今回の騒動で助かったよ。 ありがとうな、御旗。お前が、あやふやな気の迷いを殺してくれたんだよ」 (-78) 2021/11/07(Sun) 19:46:43 |
【秘】 未完の英雄 御旗栄悠 → 風雪 世良健人傾斜のできたベッドがなんとなく愛おしく思えて、改めて身を横たえなおす。 目蓋を閉じ、紡ぐ言葉を探して。 「期待は裏切られるもの。ずっとそう生きてきたんで……ああ、でも、そういう考えも、あるんですね。 必要なのはきっとその、漠然とした、積み重ねもないところに乗せる期待じゃなくて……人生単位の、信頼」 自分が幾度となく怪我して、治してもらった後に感じたことのある淡い匂いが、自分の部屋で、自分ではないところから発せられているのは初めてで。 それの意味することを、眠い頭で何となく把握する。平気だから、で何を、と苦笑して。 「持たされた異能は……才能は。顔の美醜とか、性格とか、きっとそういったものに過ぎなくて。 当たり前のようにコンプレックスを抱くし、それがあることで歩きやすい道の上にいることが当然だ、ということもあるけど……」 「それが無くても魅力が損なわれることはない。それには最後まで気づきませんでした。 あることで嫌われることを恐れてたけど、“ないことで真に価値がなくなること”もまた、恐れていたんですね」 自嘲するように、重ねて笑う。 がむしゃらに走り続けたのはその先に早くたどり着きたいという想いに加えて、今にも後ろから、崩れていく足場が迫ってきそうだと思ったから。 まさかトラックが崩れるなんてこと、ありはしないのに。 (-97) 2021/11/08(Mon) 17:51:38 |
【秘】 未完の英雄 御旗栄悠 → 風雪 世良健人「ただ、好いてもらえることに胸を張るのはまだ難しいかもしれません。 でもやっぱり、俺がやったことで、何かを見返したり……好きな誰かが何かを見つけられたら。この上なく嬉しいと思う」 漠然とした未来への希望は、 同じく漠然としたものへの期待ではなく、周りの人との信頼から来るものなら。 ゆっくりそれに駆けてみたっていい。 「どういたしまして」 だからこれからは、打ちのめされた自分が肯定されることを許してあげようかな、なんて思った。 (-98) 2021/11/08(Mon) 17:58:59 |
【秘】 風雪 世良健人 → 未完の英雄 御旗栄悠>>-97 >>-98 「望んだだけ叶えばそれはうれしいけれど、そうはいかないし、 叶える方法だってひとつきりじゃないから……そういう風に、考えたいかな。 なんだろうな……やっぱり、考え方とか意識の問題だから、不意に襲う不安には弱いよ。 でも、どこかで立ち直るきっかけがつかめれば、誰かの手も取れるし、伸ばせるから」 こうあれかしと胸に誓うだけで解決したりはしないから、それはあくまで心がけに尽きる。 向かい来る嵐には何も意味がないのかも知れない。 それでも、折れてしまうことを自分にも、誰かにも、望んだりはしないから。 「きっとそれでいいんだ。こうあろうと決めても、思い通りにならないことは多いから。 だから、こうありたいと目指すくらいで、ちょうどいい。 それだけでも、歩く足は軽くなるんじゃないかな」 身を削るように走り続けるのをやめても、足を痛めてしまわないように。 まだ大人になるまでのいくらの猶予を持つ自分が、相手が、希望を持てるなら。 → (-107) 2021/11/09(Tue) 20:44:57 |
【秘】 風雪 世良健人 → 未完の英雄 御旗栄悠>>-97 >>-98 「……御旗は偉いよ。 まわりがついているから、なんてのに賭けるのは怖い。 まわりを見る余裕も、受け入れる勇気も、ちゃんと持ってるのは、えらい」 ぽす、と手のひらの重みが掛かりすぎてしまわないように、側頭部に手を寄せた。 自分の言葉を受け取ってくれたように、待つというのを承諾してくれたように。 自分だって、たすけられたものは多くあったから。 「おやすみ。体育祭も、無理しないようにな」 (-108) 2021/11/09(Tue) 20:48:11 |
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