【独】 二年生 鳳 凛/* 柊一が踏み込んできてくれたのが嬉しくて、色々考えてたらびっくりするくらい長くなってしまいました。 前世貧乏神は思い込みか真実か。 どうしましょう。 (-13) 2021/07/23(Fri) 8:57:10 |
【人】 二年生 鳳 凛─前日― ――七夕綿業さん、ですね? 記念タオル76枚、こちらで確認させて頂きます。 1.2.3…… [凛は用箋挟のリストを捲り、該当する業者を見つけると指定の場所へと案内し、数を確認する。] OKです、では納品書は私に、商品はあちらに運んでいただけますか? あ、はい、大和屋さんですね、少しお待ちください。 [ゴミ箱を設置し終えた後、凛は指示されていた持ち場に向かった。 昨年と同じ業務、場所も同じ。 次々と訪れる業者をてきぱきと捌く中、倉庫に現れた女生徒―花巻 楓に気付けば、探し物ですか?と声をかけることもあっただろう。>>0:351] (49) 2021/07/23(Fri) 10:28:49 |
【人】 二年生 鳳 凛電球と天幕と…… 少し待ってくださいね、在庫を確認しますから。 [リストを捲り、手早く言われたものが納品されているか確認する。 貧しい凛が花巻庵の和菓子を口にする機会は、落川からのお礼か、この夏祭りでの食券以外にはないが、彼女と言葉を交わしたことはあっただろうか。 どちらにしても楓のように頼まれたものを取りに来る子は他にも居たので、凛は分け隔てなく接し、備品を揃えるのを手伝った。 そうして、滞りなく夏祭り準備係の務めを果たし、その日を終えたのだった。]* (50) 2021/07/23(Fri) 10:28:52 |
【人】 二年生 鳳 凛……あ、 [そうして、ふと気づく。 今更ながら、昨日の落川との約束、待ち合わせ場所も時間も、具体的なことは何も決めていなかった。 けれど、携帯で連絡を、と伸ばしかけた手を凛はとめた。] 大丈夫―― [それは落川に遠慮したわけではなく、なんとなく。 なんとなく、わざわざ連絡しなくても会える気がしたからなのだが、] (54) 2021/07/23(Fri) 11:41:19 |
【人】 二年生 鳳 凛――… っ、 [ドンと、ぼんやりしていた背中を押されて、小柄な凛はよろめいた。 手に持っていた巾着が揺れる。 これも、端切れを繋ぎ合わせて作った手作りだった。]** (55) 2021/07/23(Fri) 11:42:40 |
【人】 二年生 鳳 凛――夏祭りにて―― [背中に受けた衝撃にふらふらと2.3歩前に進みはしたが、転ぶほどではなく。 凛は態勢を立て直しながら、自身と同じように謝罪を口にする声の主を仰ぎ見た。>>67] …ぁ、長尾先生。 はい、大丈夫です。 [少し乱れた髪を手櫛で直すと、凛の周辺に気遣うように視線を走らせる数学教師に凛は応える。 彼が身に着けているのは浴衣ではなくポロシャツ。 生地の様子から、新調したばかりであることが見て取れた。] いいえ、1人です。 そのポロシャツ……先生こそ、どなたかお探しですか? [同じ問を返して、凛は笑う。 数学の成績は上位のほうだっただろうか。 今年、赴任してきたばかりの長尾には、顔よりも身形で先に名前を憶えられたような気がする。]** (114) 2021/07/23(Fri) 16:56:46 |
【人】 二年生 鳳 凛――現在:長尾先生と―― ……先生。 そういう思い込みは良くないですよ。 『学生は』『大人は』『子供は』……、そういう大多数はという常識に纏めたくなる気持ちもわかりますけれど、“人”はそんなに単純ではありません。 “先生”だって、みんな違うでしょう? [長尾の言葉に凛はそっと、口を添える。>>123 彼が『学生は友達と来るもの』といったことに他意はなくとも、そういう前提は視野を狭めることになると凛は思っていた。 けれど、その声音は抗議するとか、窘めるという感じではなく、星に願いをかけるような柔らかい響き。 そして、篠田屋の話になるとふっと表情を緩め、] そうだったのですね。 篠田屋さんで購入したなら、間違いありませんわ。 [気に入っている、という長尾に頷いて見せるのだった。] (137) 2021/07/23(Fri) 20:02:07 |
【人】 二年生 鳳 凛――――…紅葉さんを探されているのですか? [少しだけ間を置いて、凛は長尾に改めて確認する。>>124 神崎紅葉、知っている。 数年前のとある日、凛は彼女のお通夜に参列していた。 見知らぬ人であっても、お通夜に参列することのある凛の目的は控えめに言っても食事なのだが>>0:186、参列するとき、凛は心からそのひとの死を悼んでいた。 どんな人だったのか話を聞いて、遺族の想い、悲しみに寄り添う。 手を合わせる時間も誰よりも長く、その姿を見た誰もが故人と何らかの関係があったのだと信じて疑わない程。 その翌年の夏の日の神社で、血濡れの紅葉と遭遇したこともあったかもしれない。]** (138) 2021/07/23(Fri) 20:02:09 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a25) 2021/07/23(Fri) 20:43:31 |
【人】 二年生 鳳 凛――現在:長尾先生と―― [自分とは違う相手に理解を示すことは難しい。 それが、“目下”の者なら尚更だ。 子供であったり、部下であったり。 貧富も、そう。 無意識に区別し、意見の内容より“意見された”という事象に反応し、馬鹿にされたなどと逆上する者さえ居る。 言葉に耳を傾けることは簡単ではないことを知っている。 けれど、長尾は“届かない人”ではなかった。 その人柄は普段、学校で生徒の質問に対応する姿を見ていたらわかるもの。 声をかけやすい雰囲気というのは、この人になら声が届くと一定の信頼を獲得しているから得られるのだ。 凛は逆に身形や言動から距離をおかれやすいので、そのことが特によくわかった。] (199) 2021/07/24(Sat) 6:24:46 |
【人】 二年生 鳳 凛〜回想:夏の神社にて〜 [血塗れの制服、取っ手の外れた鞄。 顔の半分がつぶれた恐ろしい姿。 けれど、そのひとに誰かを恨んでいるような雰囲気は微塵も感じられなかった。>>155 凛が紅葉に初めて遭遇したのは、彼女のお通夜に参列した次の年。 その日、凛が神社を訪れた理由は、静かな場所で本を読もうとしてだったが、お祭りでみんなと話せるのが楽しみだという紅葉の声>>0:240を耳にし、彼女に近づいていったのだった。] …………神崎、紅葉…さん、ですか? [振り向いた紅葉の、その姿を見たときは息を呑んだ。 持っていた本を胸にぎゅっとして、けれど、痛々しい風貌に反して彼女が凛にかけた言葉は優しかった。 生前の、お通夜で見せて貰ったとても奇麗な女性の姿がそこに見える気がした。] (202) 2021/07/24(Sat) 6:32:43 |
【人】 二年生 鳳 凛…ううん、私は本を読みに。 紅葉さんはお祭りの準備をしてたのですか? [寂しげな紅葉に凛は聞く。 純粋で、怨念など何もない雰囲気。 最初は血濡れの姿に驚いたけれど、怖いとか恐ろしいといった感情は湧き上がらなかった。] 紅葉さんはみんなとお話するのが好きなの? [当時、お祭りに行ったことがなかった凛は、紅葉の出店の話に耳を傾けてそして、眉根を下げた。] ……私はお祭り、行ったことがなくて。 出店のものは私には高価で、手がだせないのです。 りんご飴にわたあめ、チョコバナナ、食べてみたいな。 ね、他には、どんなものがあるのですか? 紅葉さんのお勧めはありますか? [いつのまにか、彼女の隣に腰掛けるようにして、今よりも小さく幼かった凛はそう尋ねるのだった。]** (203) 2021/07/24(Sat) 6:34:53 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a44) 2021/07/24(Sat) 6:46:48 |
【人】 二年生 鳳 凛『最初が肝心といいますでしょ? 甘やかして入り浸られたら困りますの。』 [何の店だったか、外から商品を眺めていた凛は、そこの女主人に塩をまかれ立ち去るように迫られた。 その時、たまたま通りすがった楓の祖母に助けられたのが出会い。 着古してボロボロの服を纏う凛の頭にかけられた塩を払いながら、彼女は自身の家へと凛を招き入れた。 そこで、少しだけど、と凛は彼女からお駄賃を手渡された。 何でも凛が好きなものを買えるようにそうしたのだと推測されるが、凛はそのお金を全額店の募金箱に投入した。] すきにしていいって…、だから。 わたし、おかね、もっていたくないです。 [そう応える凛に彼女は、良かったら時々話し相手になって欲しい、と言った。 それから、少しの間は彼女を尋ね、一緒にお菓子を頂きながら話をしていたのだが、ある日、凛は彼女が例の店の夫婦と、その仲間から陰口を言われている場面に遭遇してしまう。 わざと聞こえるように話す悪口を、それでも彼女は気にすることはない、と凛に伝えたのだが、凛は首を振り、それ以来、凛が彼女を訪ねることはなくなったのだった。] (212) 2021/07/24(Sat) 8:12:23 |
【人】 二年生 鳳 凛あの、これ… おばあちゃんにわたしてください。 [それから、少しだけ時が過ぎたある日、凛は店先にいた小さな楓に古紙で作った籠を渡した。 中には裏山で摘んできた花や薬草、茸が入っており、それらが奇麗に並べられていた。] おれい、いままで、ありがとう。 [そう言って笑うと、凛はその場から駆け出して行ったのだった。] (213) 2021/07/24(Sat) 8:12:25 |
【人】 二年生 鳳 凛── 回想前日:社務所近くで ── 年なんて関係ないですわ。 わかります、先生がそこそこのお金を稼いで、 そこそこ生きていること。 不必要にお金を求めない素敵な生き方だと思いますわ。 [いつもなら、ここで話は終わるのだが、] …………思いますけど、先生には何か “夢”はないのですか? [そっと落川の顔を覗き込むようにして、いつもとは違う言葉をひとつ、付け加えた。] (232) 2021/07/24(Sat) 10:46:29 |
【人】 二年生 鳳 凛腹八分目がいちばんなのです。 いつもお腹いっぱい食べていたら、太りますよ。 それに、お金で買える幸せは全て "他人が作ったもの"です。 でも、どんな辛い状況でもそれを楽しもうと言う気持ちがあれば、人は、自らの手で幸せを作ることができます。 お金を持ったことで、せっかくの力を失う人のなんと多いことでしょう。 [凛は悲し気に目を伏せて見せたが、熱のことを言われると、う…と言葉を詰まらせた。] (233) 2021/07/24(Sat) 10:46:32 |
【人】 二年生 鳳 凛…………あの時のことは反省しています。 もっとたくさん、よもぎを用意すべきでした。 [また繰り返す宣言に等しいことを言う凛なのだった。]** (234) 2021/07/24(Sat) 10:46:41 |
【人】 二年生 鳳 凛〜柊一の心配事〜>>102>>103 [柊一に忘却の彼方へと願う記憶はおそらく、凛から手放されることはないだろう。 この日のことも、そう。 あの時、優しいから、優しいと言ったのに。 何故か違うという柊一を凛は静かに見つめていた。] …………人が人を優しくするのにはきっと、その相手がどうこうではなくて。 本人が優しくしたいから、するのだと思います。 その相手がどんなひとだって… だから、優しくされるべき人間、なんて居ないのですよ。 [この世は善人ばかりではない。 凛だって、柊一の思うような善意の塊ではない。 自分のために他人を騙したり、陥れる人。 価値観が違うからと傷つけたり、攻撃する人。 世界にはそのような人間が居ることだって、知っている。] (245) 2021/07/24(Sat) 12:15:55 |
【人】 二年生 鳳 凛[だからこそ、自分の幸せとは別の、誰かの幸せを願う事が出来る柊一は本当の意味で優しいと凛は思う。 しかも柊一は“願う、”だけでなく、それを行動に移した。 凛と向き合い、凛に話して、柊一の考える悪意から凛を遠ざけるために。 願う、だけなら誰でも出来る。 けれど、それを行動に移せるひとは多くはない。] うん、絶対。 ………でも、ちゃんと"いい人"を選べなんて、柊一 なんだかもう私とは二度と会えなくなるみたい。 こういうの何て言うのだったかな… 別れ際の──…そう、 死亡フラグ!! [凛は思い出したように両手を合わせると、嬉しそうに柊一に笑いかけた。]** (246) 2021/07/24(Sat) 12:15:58 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a50) 2021/07/24(Sat) 12:22:12 |
【人】 二年生 鳳 凛………… [凛から紅葉の印象を聞いて、思案にふける長尾。>>248 紅葉と何らかの繋がりがあるのか。 ただ長尾もおそらく、紅葉が故人であることを知っていると察しつつも、凛が彼女のことについて話すことは躊躇われた。 なぜなら、凛が彼女と“知り合った”のは、彼女が既にこの世を去ってからだったから。 だからあえて何も言わず、長尾が口を開くのを待っていた。] ────…長尾先生… [思考の末、凛に尋ねられたこと。 彼はすぐにそれをなかったことにしようと首を振る。 けれど凛は、聞かなかったことには出来なかった。 凛は紅葉が好きだった。 例え幽霊でも、血濡れの姿でも。 初めて会った年の夏祭り。 彼女はお金がなくて、祭りに参加出来ない凛のために、いろんな食べ物を貰ってきてくれた。 夏祭りの時の紅葉は血濡れじゃなくて、本来の奇麗な彼女の姿になっていて、本当に嬉しそうで、楽しそうで。 そんな紅葉を見ているだけで凛も嬉しかったことを覚えている。] (259) 2021/07/24(Sat) 13:49:49 |
【人】 二年生 鳳 凛……私は、出来ると思います。 [凛はその場を去ろうとする長尾にそう告げると、] 先生も。 紅葉さんはお祭りでみんなが楽しそうにしている姿を見るのが好きだから。 そんな、とても心の綺麗な人だから。 [何事もなかったかのように、微笑んだ。]** (260) 2021/07/24(Sat) 13:49:51 |
二年生 鳳 凛は、メモを貼った。 (a55) 2021/07/24(Sat) 13:58:31 |
【人】 二年生 鳳 凛〜回想:心の綺麗な幽霊のお姉さん〜>>249>>250 [凛が持っていたのは貧乏神の伝承本。 これは町の図書館で借りたものだが、凛が図書館で本を読むことに関しては嫌悪感をあらわにする人が一定数居たため、静かな場所―時には神社の外れまで足を伸ばすこともあったかもしれない>>96―を探して、そこで読書をしていた。] 本はいつでも読めるし、邪魔、違います。 はい、紅葉さんはこの神社の奥のほうに行ったことありますか? この前、凄く静かで、綺麗な場所見つけたのです。 [普通の他愛のない話を紅葉としながら、どうしも確認しておきたくて、半分つぶれた顔を凛は見た。] 紅葉さん、痛くないですか? [きっと、この姿は事故をしたときの、紅葉の最後の姿。 でも、彼女は今、怪我なんてないかのように振る舞っている。 痛くないならそれでいいのだが、どうしても心配だった。] (271) 2021/07/24(Sat) 15:08:11 |
【人】 二年生 鳳 凛────…寂しい… [その言葉に思わず眉根を下げた凛に謝る紅葉。 どうやら何故、そのように感じるのか本人にはわからないらしかった。] ( …紅葉さんは自分の事、、 事故のことも忘れてるのかな…… ) [紅葉の話を聞きながら、凛は思う。 ぽつぽつと話される、紅葉が好きなことは、自分のことよりもみんなが喜ぶことを一番に考えていることが伝わるもの。 その奇麗な心につい目頭が熱くなってしまって、あの時はもしかしたら凛のほうが紅葉を驚かせてしまったかもしれない。] お支払い、しなくてもいいのですか…? [お金の無い凛への紅葉の提案に心配そうな顔を向ければ、彼女は大丈夫と言ってくれただろうか。 それからはひそひそと声を潜めて、あれもこれもと具体的な計画を立てた。 それは、ふたりだけの内緒内緒の“悪巧み。” 計画実行の日まで、凛は毎日のように紅葉に会いに行ったのだった。]** (272) 2021/07/24(Sat) 15:08:13 |
【人】 二年生 鳳 凛── 出店 オルゴール店── ……? [歩き始めてふと、祭囃子に交じって微かに聞こえる他の音色に凛は気付く。] …オルゴール…? [食べ物の屋台が並ぶ場所とは向かいのほうから聞こえてくる。 つい気を取られて歩いていくと、櫓から少し離れた一角に、地面に布を直に敷いて、掌サイズのオルゴールを並べた店があった。] ────…綺麗… [凛は店の前に屈むと、目を閉じて、そのメロディに耳を傾ける。 賑わいの中に、目立たず静かに流れる音楽。 茜色から藍色へと変わりゆくグラデーションに星が瞬き始めていた。]** (283) 2021/07/24(Sat) 16:25:34 |
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