【人】 詐欺師 アダム[ アダムは意気揚々と街を歩いていた。 ユカタの効果だろうか? 結い上げた髪から覗く白いうなじ 清楚さと華やかさを兼ね備えた装いに 道行く男達の視線も上々だった。 仕事も上手く行きそう。 にんまりと口元で三日月を作ったが、 違和感に気づいて足を止める。 ] ……あちゃ〜 [ 見れば、足の裏は薄らと赤みを帯びていた。 下駄、と言ったか。 どうやら慣れない履物で靴擦れを起こしたようだ。 ] (36) 2020/05/13(Wed) 12:32:00 |
【人】 詐欺師 アダム[ アダムの足は今でこそ滑らかに整えられているが 生きることを知らなかった幼少期。 貧しい国で親を知らずに育ったアダムは、 堅いパンを両手で抱えながら ドブの臭いがする地下水路を 裸足で必死で駆けたこともある。 だから、このくらいの負傷なら慣れたもの。 ただあの時代に戻りたくはないと、 強く思う。 ] (37) 2020/05/13(Wed) 12:32:10 |
【人】 詐欺師 アダム[ 痛みに顔を顰めながら 広場に辿り着くと、水場を探す。 それから足を晒し、患部を水で洗い流した後は、 どこかに傷を覆う手頃な布でも売っていないかと 視線を彷徨わせた。 ]** (38) 2020/05/13(Wed) 12:33:03 |
【人】 詐欺師 アダム……ずるい人ね。 [ くすり、小さく笑ってから 何でもないと首を横に振る。 ] 足を擦ってしまったの。 でも大丈夫。 水で洗って清潔な布でも巻いておけば 問題ないから。 [ 朝の清浄な空気が似合うその人に。 闇でしか生られない女は、微笑んだ。 ]** (44) 2020/05/13(Wed) 13:19:53 |
【人】 詐欺師 アダムええユカタというの。 この国の仕立て屋で着せてもらったのよ。 実は私も着るのは初めてなの。 慣れてなかったものだから……。 [ みっともない姿を見せてしまったわ。 舌を出しながら、自身の足首を軽く上げる。 ] ……やっぱり綺麗な人ね、貴女。 [ 器量だけではなく、その心さえも。 見も知らぬ自分を手当てをしてくれるらしい。 申し出はとてもありがたかったけれど アダムはゆっくり、首を横に振る。 ] (55) 2020/05/13(Wed) 14:57:25 |
【人】 詐欺師 アダムご親切ありがとう。 でもね、貴女があまりにも綺麗だから。 これ以上お話しすると、私は嫉妬して 意地悪なことを言ってしまいそう。 だから、ここでお別れしましょう? [ 恋を、男を食い物にして生きてきた。 アダムは紛れもなく悪党だ。 日のあたる世界など歩けない。 そこはきちんと割り切っている。 だから目の前の美しい人を 目を細め、眩しそうな眼差しで見詰めたのなら。 差し出された手を取ることはせず 微笑みながら、別れの言葉を向けようか。 ]** (56) 2020/05/13(Wed) 14:57:38 |
【人】 詐欺師 アダムふふ。すごい。 御伽噺の騎士様みたいね。 私、お姫様にでもなった気分だわ。 [ 一連の所作が、あまりに様になっていたものだから。 ころころと声を立てて、 アダムは子供のように笑った。 どんな暗闇にも飲み込まれることの無い。 強い輝きを宿す人なのだろうと思った。 もちろん目の前の女性の生業など、 知らぬまま。 ] (87) 2020/05/13(Wed) 21:15:26 |
【人】 詐欺師 アダム……完敗ね。 バンダナをありがとう。 強くて美し人。 今度ご縁があったら、お礼をさせて頂戴ね。 負けっぱなしは、悔しいもの。 [ 長い時をかけて、磨かれ、洗練された美。 彼女の美しさは アダムでは決して得られぬものだ。 ならばせめて、向けられた親切に対して 「ありがとう」と微笑む明日くらいは。 それすら、ひょっとしたら 私には贅沢な願いかもしれないけれど。 ] (88) 2020/05/13(Wed) 21:15:43 |
【人】 詐欺師 アダム ―― 広場 ―― まさか姫君に喩えられるとは思わなかった。 [ 泥水を啜りながら生きてきた女は、そう言って 先ほどの邂逅を思いながらくすくすと笑う。>>99 擦れた箇所にバンダナを巻いて、立ち上がる。 とんとん、何度か地面を踏んでみた。 問題なく歩けそうだ。 先ほどの女性はこの国の人間らしい。 アダムは身入りが良さそうだと判断すれば、 しばらく滞在するし。 稼げなそうなら明日にでも別の国へ去る。 御礼の機会が訪れるかどうかは、 神様の気まぐれ次第。 これまでの人生。 神様はアダムにとって、 決して優しい存在ではなかったけれど…… 今回は、果たして。 ]* (113) 2020/05/13(Wed) 23:24:39 |
【独】 詐欺師 アダム/* せっかくのアダムだからイヴさんちょっかい出したい気持ちもあるけど、孤児院待機列できてるからね……気持ちだけ表明するう (-51) 2020/05/14(Thu) 15:26:31 |
【人】 詐欺師 アダム綺麗。 星のかけらみたいね。 [ そう言えば、この国の祭りは星由来のものだったか。 そんなこと思いながら、 金平糖を口に放り投げた。 ]** (169) 2020/05/14(Thu) 15:39:52 |
【人】 詐欺師 アダム……本心から言ってくれているのでしょうね。 貴方は。 [ 確信と共に、小さく呟いた。 アダムは目の前の青年を知っていたから。 狭い街ではない。 「また」の約束が果たされる可能性。>>0:79 決して高くないと思っていた。 なのにこうして、彼は目の前にいる。 きっかけの髪飾りこそ、付けているが>>13 昨日とは随分格好が違う。 彼はアダムが屋台で共に食事した女だと 気付いているだろうか? ……そうでないのなら、 青年はアダムの獲物には、なり得ないのだから。 向けられた賛辞に礼を述べたなら 素知らぬ顔で場を立ち去るべきだった。 ] (183) 2020/05/14(Thu) 19:52:14 |
【人】 詐欺師 アダム[ 標的以外の男と食事しても、時間の無駄だと。 常のアダムなら笑うだろう。 勿論、お金が大好きなアダムにとって 奢りは心惹かれる言葉だけど。 それだって、それ以上の意味は持たない。 ] ………そうね。 貴方のお腹が無事食料を得られたのか。 きちんと見守らないと、心配で眠れないわ。 [ だから口から出た言葉に、一番驚いたのは アダム自身だったに違いない。 ] (222) 2020/05/15(Fri) 0:07:20 |
詐欺師 アダムは、メモを貼った。 (a102) 2020/05/15(Fri) 0:13:40 |
【独】 詐欺師 アダム/* みんながそろそろねんねする時間に参上だぜ! えーん;; ジゼルちゃんの目撃は拾えるなら拾いたい 絶対に見つからないようにって書いてあるからどうしようかなと思ったけど、メモ見た感じ拾ってもいい?いい? お姉さん可愛い女の子大好きだよ…… 広い能力全一のバジルさんが拾ってくれる気もする (-70) 2020/05/15(Fri) 0:16:20 |
【人】 詐欺師 アダム……そうなの、その怖い女はね。 愛らしい笑顔を振りまいて、近付いてきた男の 富を食い尽くしたら。 また別の獲物を求めて、国を渡るの。 [ その世間話の一環で あくまでただ見聞きしただけと言った風を装って とある女の話もした。 今まで出会った中で、一番ひどい女の話を。 服装の変化もあるだろう。 昨日の楚々としたお嬢様然としたものより 自身の口調が砕けていることに、 アダムは気付いていた。 しかし改めるつもりにはなれなくて。 彼は違和を感じているだろうか?と ちらり、目線を上げて確認した程度。 ] (240) 2020/05/15(Fri) 1:36:28 |
【人】 詐欺師 アダム[ やがて、彼のお勧めのポトフが席に運ばれたなら はふはふと冷ましながら、匙で掬った。 ] ……ひゃっ! あふ、あふい……… [ 熱を持った料理であると、 事前に忠告を受けていたのにも関わらず。 うっかり、大きな馬鈴薯を 一気に口に入れてしまって。 目を白黒させながら、コップの水を飲み込んだ。 ] (241) 2020/05/15(Fri) 1:36:40 |
【人】 詐欺師 アダム[ ポトフは美味しかった。 軽い火傷をしたのか、少し舌がピリピリする。 それでも匙を動かす手は止まらなかった。 温かくて優しい味。 何より、何だか懐かしい味がした。 故郷のことなんて、とっくに忘れてしまったのに。 しかし、美味だと感じた理由は、 おそらくそれだけではなく。 ……“仕事”抜きでこうして誰かと食事したのは いつぶりだろう? ] …………あったかい。 [ 不意にそんなことを思うと、こみ上げてきた感情が 溢れてしまいそうだったので。 浮かべた笑顔で、慌てて蓋をした。 ]** (242) 2020/05/15(Fri) 1:40:25 |
【人】 詐欺師 アダム[ 彼と別れた帰り道。 獲物を探すことは、もうしなかった。 この国で商売はできそうにないと、 心の奥ではとっくに気付いていた。 ……明日が、祭りが終わったら。 この国を去ろう。 ここは私のような女が生きるには 少々暖かすぎるから。 ]** (270) 2020/05/15(Fri) 15:47:47 |
詐欺師 アダムは、メモを貼った。 (a116) 2020/05/15(Fri) 15:53:17 |
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