【人】 『 大蛇 』 ラサルハグソフィアと出会う少し前から顕著であるが。 元来男女や年齢を問わなかった贄が 気づけば女だけになっていた。 送られてくる女は覚悟を決めた者も居れば 村を恨む者や、さらには己を討とうとせん者もいた。 大数の幸福のために少数の犠牲を。 己が要求したとはいえ抗いもせずに従い、 誉れに朽ち果てるより同族に犠牲を強いる。 実に人間らしい。 (303) 2021/06/18(Fri) 11:22:32 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグしかしそれは偶然か必然か。 腹立たしくも村の者達は 『 大蛇 』の唯一の弱点をよく突いていた。 いつしか女を嫁がせるという風習に変われば こちらが契約を反故にすることは出来ない。 『 大蛇 』は幸か不幸か、 女や子どもという生き物に少々甘いのだ。 (304) 2021/06/18(Fri) 11:23:02 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 男であれば贄として屠るだろう。 元来贄というのはそういうものだ。 しかし女の方が美味であったとしても 『 大蛇 』にとってはそもそも食事など 嗜好品に過ぎず、それが途絶えたところで 生命の危機など起こりえない。 結果として女や子供がこの世から消える そんな結末は無に等しい物となる。** (305) 2021/06/18(Fri) 11:23:59 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ子どもは純粋だ。 相手にどう見られるか考え振る舞うことの無い その姿は、取り繕われないその人間の本性を その身一つで体現してみせる。>>297 とはいえその純粋さ故の言葉に>>298 『ラサルハグ』は思わず顔を顰めて言った。 「お前達が勝手に神と呼んでるだけで 我が神と名乗ったことはないのだが...。」 目を丸くして気の抜けたソフィアを前に 『ラサルハグ』はやれやれと肩を竦める。 こんな犠牲を強いる神様などいるわけなかろうに。 なぜ己を神様だと思えるというのか。 犠牲がどう言い伝えられているのか。>>301 聞けば『ラサルハグ』は腑に落ちたような表情で 冷ややかな笑みを浮かべることになるのだろう。 (306) 2021/06/18(Fri) 11:26:00 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 正直なところをいえば 『ラサルハグ』の想定ではソフィアといえど 己が神だとはすぐには信じないと思っていた。 「嘘だ」など、そんな言葉が来るとばかり。 そう思っていたが結果は想定を超えて訪れる。 頬に伸ばした手は柔らかなものを捉えて 人間らしからぬ冷たい手は 形容しがたくも心地よい暖かな感触に包まれる。 ソフィアもまた人間であると言うのに、 抱くはずの嫌悪が現れないのは何故なのか。 言葉の詰りを流すような少女の呼吸を余所に 『 大蛇 』の興味はなおも引かれゆく。 (307) 2021/06/18(Fri) 11:28:53 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ水面に映る裏葉柳は問う。>>301 『ラサルハグ』の冷ややかな笑みは ソフィアにはどう捉えさせたものか。 『ラサルハグ』の応えは淡白なもので。 「―――ない。 当人達もそれを覚悟している。」 ソフィアの問いをただ否定する。 村の手伝いならば帰れるはず。 少女の疑念は至極真っ当なものだ。 にも関わらず帰れないということは 神の手伝いをしに行っているわけではないのだと。 少女が悟らない事を祈ることとしよう。 (308) 2021/06/18(Fri) 11:30:54 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 過去嫁いできた女達は村には戻れない事。 そして決して死んでいるということはなく 今は他の村で暮らさせていること。 少女が抱くかもしれない疑念には出来る限りを 答えようとはするだろう。 明確な疑問を抱く聡明な者には鮮明な答えを。 元来世界とはそうあるべきものなのだから。 少女は『神』とやらを軽蔑するだろうか それとも別の感情を持つのだろうか。 それもひとつ、『ラサルハグ』の興味であった。 (309) 2021/06/18(Fri) 11:32:41 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ少女の問いに答えきったあたりだろうか。 次第に『ラサルハグ』の口数は減るも 『ソフィア』と『ラサルハグ』だけの世界は ひたすらに静寂が続く。>>302 そこは一切の立ち入りを許さない領域。 月明かりは互いの姿形を鮮明に照らし、 まるで嘘偽りを許さぬと暴き明かすように。 それは人間を嫌悪する『ラサルハグ』にも 思わぬ感情を与えることになる。 (310) 2021/06/18(Fri) 11:35:15 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 森の中で薄く照る裏葉色の少女は 美しいという形容が相応しかろう。 主と容姿が瓜二つだからでは無い。 それに、主の瞳は裏葉柳ではなくロベリアだ。 何も知らないであろう少女は 何物にも染まらない芯を感じさせるも 何物にも染まりそうな魅力を持つ。 不意に『ラサルハグ』は触れた頬を優しく撫で その髪を指先で梳いていく。 『ソフィア』を指先に刻むがごとく、触れる。 (311) 2021/06/18(Fri) 11:36:53 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ思わずそう吐息混じりの声で囁いた後。 絡み合っていた視線を最初に解いたのは 『ラサルハグ』だった。 人間よりも鋭敏な五感はたとえ森の入口であっても 人間達が森に立ち入ったことにはすぐに気づく。 恐らくはソフィアを探しに来ているのだろう。 そうだ。この少女には帰るべき場所がある。 にも関わらず村の者達はこの場所に来る前に 引き返していくのだ。 それはつまり『神』を恐れたからで あの者達にとっては村娘よりも神の怒りが怖いと。 『 大蛇 』にはそう思えてならない。 (313) 2021/06/18(Fri) 11:41:25 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ『ラサルハグ』はソフィアに視線を戻し。 「どうやらお前を探しに来た者がいる。 しかしここには辿り着けないようだな。 まったくもって...救いようのない連中だ。」 『ラサルハグ』は呆れたようにため息をつく。 もし少女が不安がるようならば必ず村に帰すと 宥めることにするだろう。 『 大蛇 』は立ち上がれば その片手をソフィアに差し出して。 「こう夜が更けていては 本当に蛇が子どもを攫いかねん。 お前を村まで送り返してやろう。」 そう、少女の答えを待つのだ。* (314) 2021/06/18(Fri) 11:46:39 |
【独】 『 大蛇 』 ラサルハグ/* 人間の事を「考える事をやめた」とか「自分の都合が悪くなれば鞍替えも厭わない下衆」とか、散々なこと思ってるラサルハグくんはそれでも主の言う事が正しいのか知りたくて人間に期待を持つようになるという.....。 [その結果人とは違う様子を見せたソフィアに傾倒する蛇] (-69) 2021/06/18(Fri) 12:27:47 |
【独】 『 大蛇 』 ラサルハグ/* 子供相手に美しいとか言ってるの犯罪臭やばいけどラサルハグくんなら許される。可愛いソフィアが悪い(責任転嫁) (-70) 2021/06/18(Fri) 12:28:48 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグたとえば『ソフィア』が見える世界だけを語り、 深く疑うことを知らなかったとして。>>324 犠牲 だとすれば、この話を知るにはまだ早いのだろうか。 今教え伝えることが正しいのか否か。 『ラサルハグ』はその答えを知らずにいる。 「いや...謝るな。お前じゃない。 少しばかり昔を思い出しただけだ。」 すごい人 (蛇だが) なんて大層な存在ではないとここで否定したところで意味はなく。 『ラサルハグ』はソフィアの質問には答えず ただ狼狽える小さな身体を宥める。>>323 (330) 2021/06/18(Fri) 16:32:30 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ「覚悟」の本当の意味 即ち、死 を恐らくソフィアはまだ知らないだろう。>>324 本来ならば教えなければならないのだ。 「覚悟」と犠牲が皆の平和を作っていると。 知らぬことこそが『 大蛇 』の逆鱗。 知らねば、知らしめる他ないのだから。 (331) 2021/06/18(Fri) 16:34:17 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ しかし『ラサルハグ』は少女に残酷な仕打ちを しようなどとは毛ほども思えない。 彼女が犠牲となった者を忘れていないから。>>325 『ラサルハグ』が望む在り方を少女は実現している。 『 大蛇 』が牙を向く道理も残酷な 事実を突きつけることも、この少女に対しては不要。 ともなれば『ラサルハグ』が取る行動は 厚情に満ちたものとなっていく。 (332) 2021/06/18(Fri) 16:35:57 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ(世界がお前のような人間で溢れていれば 私もあんな過ちは犯さなかったかもしれない。 お前のような子を、私はずっと.....。) (333) 2021/06/18(Fri) 16:39:51 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ「あぁ。元気だ。恐らくはな。 今は違う村に住ませているせいで 正確な事までは私にも分からぬ。」 他の村へと送った後のことは『 大蛇 』にも 正確には辿ることが出来ない。 とはいえ訃報はすぐに届くはずなのだから つまり皆不幸の道はまだ辿ってはいないのだろう。 だがこの小さな子どもに真実を全て打ち明けるには 幾許かの時を要する。 「いつかまたお前と会う時があるとして お前が今よりも大きく育っているならば その時は.........お前に全てを話そう。」 つまりはまだ幼子に話せることでは無いのだと ソフィアは納得してくれるだろうか。 そのVまたVを数奇な巡り合わせが連れてくると、 それは『ラサルハグ』にとっても誤算に違いない。 (335) 2021/06/18(Fri) 16:42:03 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ*** 戸惑いを声に漏らすソフィアがこちらの機嫌を気遣い 口を噤んでくれているとなどとは気づきもせず、 横槍は結局『ラサルハグ』の呟きを曖昧に溶かす。 「便利なことばかりじゃない。 聞きたくなくても耳を塞げぬのは 時として拷問に近しいものだ。」 安堵に微笑む少女に『ラサルハグ』も苦笑が浮かぶ。 たとえ少女に対する厚情はあれど村に情はない。 もしも己の険しい表情がその身を竦めさせていたと 知らされたとしたら。 『ラサルハグ』は密かに反省をすることになるだろう。 (336) 2021/06/18(Fri) 16:46:02 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグこの少女を前にすると妙に調子が狂うのは、 己の考えている人間の枠組みから外れた少女が 『ラサルハグ』の知る常識を覆していくからか。 少女の手を引いて村を目指す間 『ラサルハグ』の放つ雰囲気は幾分も柔らかく。 さしずめ少女の陽気に当てられたというべきか。 (337) 2021/06/18(Fri) 16:47:47 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグしばし歩み続けた先。 森をぬけて村の入口が見えるところまで来れば 『 大蛇 』はソフィアの手を離す。 「私のことは他の者には言うな。 言えば混乱を招きかねん。」 村人達のことをよく知らない『 大蛇 』は 神様を知っているという理由でソフィアが 奇異の目に晒されることを危惧していた。 少女の反応を伺いつつも ソフィアから離れるように一歩後ろに後退り。 (338) 2021/06/18(Fri) 16:50:29 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ「これに懲りたら...もう森には近づくな。 さもなくば、今度はお前を攫うぞ。」 ソフィアにそう言い残して 『 大蛇 』は少女に背を向ける。 『ただの子ども』はこの日を境に 『神の招待を知る子』であり 世界でただ一人の『蛇に魅入られた娘』となる。 ── ▷ 蛇と花嫁 ──** (339) 2021/06/18(Fri) 16:51:53 |
【独】 『 大蛇 』 ラサルハグ/* 後ろに後退りとか頭痛が痛い並の狂言だからおちつけ。 ラサルハグくんのイメージが壊れるぞ。 (正体を招待と変換するガバ) (-76) 2021/06/18(Fri) 16:58:33 |
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